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完結編
4 イサベル再び
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商店街は今日も平和で活気に満ちている。乱れた雑誌を直し整えているとガラッと扉が開き客が入ってきた。
「いらっしゃいませ」
明るい声をかけながら桃香が顔を上げると、そこには長身の美しい外国の女性が立っていた。豊かで波打つ黒い髪は腰まで届き、赤いワンピースはメリハリのある身体にぴったりとくっ付いている。オリーブ色の肌にくっきりした目鼻立ちはとても華やかだ。
思わず見とれている桃香に彼女が話しかけてくる。
「えーっと、なんて言ってるのかなあ。英語じゃないっぽいし、コモエスタ? あ、少し待っててください。えーっと、ここら辺に翻訳コニャックがあるはず……」
桃香は黒彦が開発した、外国語を聞いて話せるアイテムである『翻訳コニャック』を探す。一口飲めば30分ほど効果があり、どんな国の人とも会話を交わすことができる。ただ欠点は素材のブランデーの度数が高く酔っぱらってしまうことだ。
「あ、あったあった」
小さなコップに一口分注ぎ、桃香はあおった。
「うっ、きくー! と、これでよし。お待たせしましたー」
「コンニチハ。あの、クロヒコいますか?」
「え、はい? 黒彦さんですか? いますよ、お待ちくださいね」
こんな美人の知り合いがいたのかと思いながら、店の奥の黒彦に声を掛ける。奥の方で「わかった」と返事があり桃香は女性に「すぐきます」と伝えた。
「アリガトウ」
かちゃりと扉を開き、店内に黒彦が出てくると女性はがばっと両手を開き、黒彦の元へ向かいそのまま彼に抱きついた。
「え? あ、あわわっ」
桃香は映画のワンシーンのような二人を黙って見ているしかなかった。
彼女は黒彦を抱擁し頬にそっと口づける。黒彦も同じように抱擁を交わし、彼女の頬に唇を寄せた。親し気な挨拶のあと黒彦が言葉を発する。
「久しぶりだな。イサベル」
「会いたかったワ」
彼女は以前、外国で研究に従事していた時の黒彦のパートナーであるイサベラだった。ぽかんとしている桃香に黒彦が紹介する。
「こちらは研究者のイサベルだ。で、こっちがフィアンセだ」
「あ、初めまして。鈴木桃香です」
慌てて頭を下げる桃香にイサベルは「カワイイ人ね」とにっこり笑いかけた。
「今頃どうしたんだ」
「んー、実は研究のことで、チョット……。ここでは――」
イサベルは桃香をチラチラ見ながら黒彦に目配せする。
「すまないがちょっと店を頼む。少し出てくる」
「え、あ、はい……」
「ゴメンナサイネ。クロヒコお借りするわネ」
「いってらっしゃい……」
黒彦は一度奥に戻り、艶のあるダークグレーのジャケットを羽織りイサベルと出かけて行った。
「いこう」
「エエ」
扉を開き、彼女の手を引きエスコートする。外には黒塗りの高級な外国の車と運転手が待っていた。車に乗り込んであっという間に行ってしまった二人に、桃香は今まで感じたことのない黒い気分が湧き上がった。
暗い気持ちのときに限り、客は少なく時間もなかなか過ぎない。がらっと扉が開き客が入ってきた。
「いらっしゃいませー。あ、おじいさん」
「ようモモカちゃん。今月はいい雑誌あるかの?」
「えーっと、今月はこのメンズファッション雑誌がいいみたいですよ」
「どれどれ」
緑丸の祖父、高橋朱雀はなかなかの伊達男でファッション雑誌を毎月チェックしているのだった。
「ん? どうしたんじゃ? なんか元気ないのう。珍しくクロと喧嘩でもしたのかの」
「いえ……。それが……」
なんでも相談できる朱雀に桃香は、今起きた出来事を話す。
「ほうー。そんな美人の研究者と出かけて行ってしまったのか。行先とかちゃんと聞いたのかの?」
「なんか、圧倒されちゃって……」
美男美女の黒彦とイサベルの組み合わせに、改めて世界が違う地味で平凡な自分を桃香は実感していた。
「しょうがないのう。よし! じゃあ今晩はわしとデートじゃ!」
「えっ、おじいさんと?」
「クロもわしとなら怒らんじゃろ? いや、浮気かと思われるかの? ふぉーっふぉっふぉ」
「いやー、それはないと思いますけど」
「じゃ、あそこの海鮮居酒屋にでも行こうかの。菜々子ちゃんと理沙ちゃんもよく溜まっておるしの」
「ああ、そこなら」
「じゃ、善は急げじゃ。もう店を仕舞っていこう」
「ですねえ。今日はもうお客さんいないや。じゃ書置きして、と」
朱雀と食事に行くとメモを残し、桃香は出かけることにした。スマートな朱雀は、さっきの黒彦と同じように扉を開け桃香をエスコートした。
二人で店に入ると、繁盛しているようで客が大勢いた。
「混んでますねえ」
「なかなか流行っておるのお」
店員がやってきて「すみません。ちょっとお待ちいただくことになります」とすまなさそうに告げる。
「どうする? 待つかの?」
「そうですねえ」
どうしようかと思っているところに「あれ。桃香ちゃんと老師じゃない? どうしたの?」とすでに赤ら顔の菜々子が声を掛けてきた。事情を話すと、菜々子は座敷で一緒に飲もうと誘ってきたのでお邪魔することにした。
座敷では黄雅と理沙、そして緑丸もいた。
「なんじゃロクもおったのか」
「じいちゃん、どうしたの? 桃香さんを連れてきたりして」
「桃ちゃん今晩は。黒彦は?」
「えーっと……」
「まあまあ。とりあえず飲んでからにしよう」
6人で乾杯をして落ち着いたころ、桃香は朱雀に話したことをまた話した。驚いたのは黄雅と緑丸だ。
「イサベルが?」
「今頃なんで……」
桃香よりも、研究所での爆発と黒彦の実験データの問題などに密接だった黄雅と緑丸のほうが、イサベルの登場にもっと動揺しているようだ。
桃香の心配と彼らの心配は違うところにある。桃香はとてもお似合いに見えた黒彦とイサベルの関係が不安で、黄雅と緑丸はイサベルが何か厄介な仕事も持ち込んできたのでないかと考えている。
「なんだ、なんだ。暗いぞ? そんな顔をしながら飲む奴があるか」
「そうよ、そうよ。暗い気分のときは飲むに限るわよー」
「うんうん。モモカちゃんよ。心配してもしょうがない。今はみんなで楽しもう。ほら、コウとロクも」
「あ、うん」
「そうですね」
もう一度乾杯して桃香は暗い気持ちをアルコールと一緒に流し込んだ。
したたかに酔った菜々子がくだをまき始める。
「まったくぅ。黒彦くんってば昔っから人体実験ばっかりしててさー。変な本ばっかり読んでたしー。協調性がないったらさあー」
昔の話をくどくど言い始める菜々子を見ながら、緑丸は黄雅に耳打ちをする。
「委員長って酒癖悪いよなあ」
「んー。これでも最近良くなったよ? ストレス減ってるみたいだし」
「そ、そうなのか」
「ん――」
酔っ払いの中年のサラリーマンのような菜々子と付き合っていても、爽やかさと優雅さを失わない黄雅に、緑丸はただものじゃないといつも感心する。黄雅は黄雅で、すぐに武力で解決しようとするような理沙と穏やかに付き合っている緑丸を凄いと思っている。
気が付くと時間がかなり経過していて、店員からラストオーダーだと告げられた。
桃香も珍しく良く飲み、そして酔っぱらった。
「まったくー! 黒彦さんてば、いやらしいんだから! 腕なんか組んじゃって!」
「そうよそうよ! ここは日本だっつーの! 女は3歩下がるの!」
「私が今度ぶっ飛ばしてやろう!」
女性3人の後ろを心配しながら朱雀と黄雅と緑丸は歩く。
「これはなかなかキテルねえ」
「まあ明日休みだし……」
「ええじゃないか。こういう憂さ晴らしはたまにはあってもええと思うぞ?」
ブラブラ歩きながらとりあえず皆で桃香を『黒曜書店』まで送り届ける。店先で黒彦が立って待っていた。
「遅かったな。ああ、お前たちも一緒か」
「あー! このー! ブラックシャドウめ! 町の平和は私が守りますよー?」
「うっ、なんだ。酒臭い。すごい酔っ払いぶりだな」
「うー、うーん。ぐーぐー」
「寝た、のか」
桃香は黒彦の胸の中で眠ってしまった。それを見ていた菜々子と理沙もあくびを始める。
「うーん、なんかいきなりネッムー」
「そうだな。そこらの木の上にでも上ってひと眠りするか」
「いやいや、やめてくれ。おぶるから」
黄雅は菜々子を、緑丸は理沙を背負うと二人ともすぐに寝息を立て始めた。
「やれやれじゃの」
「じいさん、世話になったみたいだな」
「二人ともつき合わせてすまない」
「平気平気」
「ところでイサベルが来たらしいな」
「ああ……」
しばらくの沈黙のあと黒彦は「明日、ちょうど商店街は休みだな」と思い詰めるような表情を見せる。
「だね」
「ちょっと集まって欲しい。話がある」
「そうか」
「じゃ青音んとこにするか」
「頼んだ」
「モモカちゃんをあんまり心配させんようにな」
「ああ」
「じゃあな」
「また明日」
背中にそれぞれ恋人を背負い帰路についた。
桃香をベッドに運び、桃色に染まった頬を眺める。そっとおでこに口づけし「おやすみ」と呟いた後、黒彦はパソコンを起動した。
「いらっしゃいませ」
明るい声をかけながら桃香が顔を上げると、そこには長身の美しい外国の女性が立っていた。豊かで波打つ黒い髪は腰まで届き、赤いワンピースはメリハリのある身体にぴったりとくっ付いている。オリーブ色の肌にくっきりした目鼻立ちはとても華やかだ。
思わず見とれている桃香に彼女が話しかけてくる。
「えーっと、なんて言ってるのかなあ。英語じゃないっぽいし、コモエスタ? あ、少し待っててください。えーっと、ここら辺に翻訳コニャックがあるはず……」
桃香は黒彦が開発した、外国語を聞いて話せるアイテムである『翻訳コニャック』を探す。一口飲めば30分ほど効果があり、どんな国の人とも会話を交わすことができる。ただ欠点は素材のブランデーの度数が高く酔っぱらってしまうことだ。
「あ、あったあった」
小さなコップに一口分注ぎ、桃香はあおった。
「うっ、きくー! と、これでよし。お待たせしましたー」
「コンニチハ。あの、クロヒコいますか?」
「え、はい? 黒彦さんですか? いますよ、お待ちくださいね」
こんな美人の知り合いがいたのかと思いながら、店の奥の黒彦に声を掛ける。奥の方で「わかった」と返事があり桃香は女性に「すぐきます」と伝えた。
「アリガトウ」
かちゃりと扉を開き、店内に黒彦が出てくると女性はがばっと両手を開き、黒彦の元へ向かいそのまま彼に抱きついた。
「え? あ、あわわっ」
桃香は映画のワンシーンのような二人を黙って見ているしかなかった。
彼女は黒彦を抱擁し頬にそっと口づける。黒彦も同じように抱擁を交わし、彼女の頬に唇を寄せた。親し気な挨拶のあと黒彦が言葉を発する。
「久しぶりだな。イサベル」
「会いたかったワ」
彼女は以前、外国で研究に従事していた時の黒彦のパートナーであるイサベラだった。ぽかんとしている桃香に黒彦が紹介する。
「こちらは研究者のイサベルだ。で、こっちがフィアンセだ」
「あ、初めまして。鈴木桃香です」
慌てて頭を下げる桃香にイサベルは「カワイイ人ね」とにっこり笑いかけた。
「今頃どうしたんだ」
「んー、実は研究のことで、チョット……。ここでは――」
イサベルは桃香をチラチラ見ながら黒彦に目配せする。
「すまないがちょっと店を頼む。少し出てくる」
「え、あ、はい……」
「ゴメンナサイネ。クロヒコお借りするわネ」
「いってらっしゃい……」
黒彦は一度奥に戻り、艶のあるダークグレーのジャケットを羽織りイサベルと出かけて行った。
「いこう」
「エエ」
扉を開き、彼女の手を引きエスコートする。外には黒塗りの高級な外国の車と運転手が待っていた。車に乗り込んであっという間に行ってしまった二人に、桃香は今まで感じたことのない黒い気分が湧き上がった。
暗い気持ちのときに限り、客は少なく時間もなかなか過ぎない。がらっと扉が開き客が入ってきた。
「いらっしゃいませー。あ、おじいさん」
「ようモモカちゃん。今月はいい雑誌あるかの?」
「えーっと、今月はこのメンズファッション雑誌がいいみたいですよ」
「どれどれ」
緑丸の祖父、高橋朱雀はなかなかの伊達男でファッション雑誌を毎月チェックしているのだった。
「ん? どうしたんじゃ? なんか元気ないのう。珍しくクロと喧嘩でもしたのかの」
「いえ……。それが……」
なんでも相談できる朱雀に桃香は、今起きた出来事を話す。
「ほうー。そんな美人の研究者と出かけて行ってしまったのか。行先とかちゃんと聞いたのかの?」
「なんか、圧倒されちゃって……」
美男美女の黒彦とイサベルの組み合わせに、改めて世界が違う地味で平凡な自分を桃香は実感していた。
「しょうがないのう。よし! じゃあ今晩はわしとデートじゃ!」
「えっ、おじいさんと?」
「クロもわしとなら怒らんじゃろ? いや、浮気かと思われるかの? ふぉーっふぉっふぉ」
「いやー、それはないと思いますけど」
「じゃ、あそこの海鮮居酒屋にでも行こうかの。菜々子ちゃんと理沙ちゃんもよく溜まっておるしの」
「ああ、そこなら」
「じゃ、善は急げじゃ。もう店を仕舞っていこう」
「ですねえ。今日はもうお客さんいないや。じゃ書置きして、と」
朱雀と食事に行くとメモを残し、桃香は出かけることにした。スマートな朱雀は、さっきの黒彦と同じように扉を開け桃香をエスコートした。
二人で店に入ると、繁盛しているようで客が大勢いた。
「混んでますねえ」
「なかなか流行っておるのお」
店員がやってきて「すみません。ちょっとお待ちいただくことになります」とすまなさそうに告げる。
「どうする? 待つかの?」
「そうですねえ」
どうしようかと思っているところに「あれ。桃香ちゃんと老師じゃない? どうしたの?」とすでに赤ら顔の菜々子が声を掛けてきた。事情を話すと、菜々子は座敷で一緒に飲もうと誘ってきたのでお邪魔することにした。
座敷では黄雅と理沙、そして緑丸もいた。
「なんじゃロクもおったのか」
「じいちゃん、どうしたの? 桃香さんを連れてきたりして」
「桃ちゃん今晩は。黒彦は?」
「えーっと……」
「まあまあ。とりあえず飲んでからにしよう」
6人で乾杯をして落ち着いたころ、桃香は朱雀に話したことをまた話した。驚いたのは黄雅と緑丸だ。
「イサベルが?」
「今頃なんで……」
桃香よりも、研究所での爆発と黒彦の実験データの問題などに密接だった黄雅と緑丸のほうが、イサベルの登場にもっと動揺しているようだ。
桃香の心配と彼らの心配は違うところにある。桃香はとてもお似合いに見えた黒彦とイサベルの関係が不安で、黄雅と緑丸はイサベルが何か厄介な仕事も持ち込んできたのでないかと考えている。
「なんだ、なんだ。暗いぞ? そんな顔をしながら飲む奴があるか」
「そうよ、そうよ。暗い気分のときは飲むに限るわよー」
「うんうん。モモカちゃんよ。心配してもしょうがない。今はみんなで楽しもう。ほら、コウとロクも」
「あ、うん」
「そうですね」
もう一度乾杯して桃香は暗い気持ちをアルコールと一緒に流し込んだ。
したたかに酔った菜々子がくだをまき始める。
「まったくぅ。黒彦くんってば昔っから人体実験ばっかりしててさー。変な本ばっかり読んでたしー。協調性がないったらさあー」
昔の話をくどくど言い始める菜々子を見ながら、緑丸は黄雅に耳打ちをする。
「委員長って酒癖悪いよなあ」
「んー。これでも最近良くなったよ? ストレス減ってるみたいだし」
「そ、そうなのか」
「ん――」
酔っ払いの中年のサラリーマンのような菜々子と付き合っていても、爽やかさと優雅さを失わない黄雅に、緑丸はただものじゃないといつも感心する。黄雅は黄雅で、すぐに武力で解決しようとするような理沙と穏やかに付き合っている緑丸を凄いと思っている。
気が付くと時間がかなり経過していて、店員からラストオーダーだと告げられた。
桃香も珍しく良く飲み、そして酔っぱらった。
「まったくー! 黒彦さんてば、いやらしいんだから! 腕なんか組んじゃって!」
「そうよそうよ! ここは日本だっつーの! 女は3歩下がるの!」
「私が今度ぶっ飛ばしてやろう!」
女性3人の後ろを心配しながら朱雀と黄雅と緑丸は歩く。
「これはなかなかキテルねえ」
「まあ明日休みだし……」
「ええじゃないか。こういう憂さ晴らしはたまにはあってもええと思うぞ?」
ブラブラ歩きながらとりあえず皆で桃香を『黒曜書店』まで送り届ける。店先で黒彦が立って待っていた。
「遅かったな。ああ、お前たちも一緒か」
「あー! このー! ブラックシャドウめ! 町の平和は私が守りますよー?」
「うっ、なんだ。酒臭い。すごい酔っ払いぶりだな」
「うー、うーん。ぐーぐー」
「寝た、のか」
桃香は黒彦の胸の中で眠ってしまった。それを見ていた菜々子と理沙もあくびを始める。
「うーん、なんかいきなりネッムー」
「そうだな。そこらの木の上にでも上ってひと眠りするか」
「いやいや、やめてくれ。おぶるから」
黄雅は菜々子を、緑丸は理沙を背負うと二人ともすぐに寝息を立て始めた。
「やれやれじゃの」
「じいさん、世話になったみたいだな」
「二人ともつき合わせてすまない」
「平気平気」
「ところでイサベルが来たらしいな」
「ああ……」
しばらくの沈黙のあと黒彦は「明日、ちょうど商店街は休みだな」と思い詰めるような表情を見せる。
「だね」
「ちょっと集まって欲しい。話がある」
「そうか」
「じゃ青音んとこにするか」
「頼んだ」
「モモカちゃんをあんまり心配させんようにな」
「ああ」
「じゃあな」
「また明日」
背中にそれぞれ恋人を背負い帰路についた。
桃香をベッドに運び、桃色に染まった頬を眺める。そっとおでこに口づけし「おやすみ」と呟いた後、黒彦はパソコンを起動した。
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