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グリーンシャドウ 高橋緑丸(たかはし ろくまる)編

4 それぞれの想い

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 高橋朱雀は何年かぶりに全力を出して戦ったようで、恐ろしいほどの筋肉痛に襲われていた。祖父の筋肉痛を和らげようと横たわる朱雀に緑丸は低周波治療をセットする。

 高橋朱雀は何年かぶりに全力を出して戦ったようで、恐ろしいほどの筋肉痛に襲われていた。祖父の筋肉痛を和らげようと横たわる朱雀に緑丸は低周波治療をセットする。

「ほら、じいちゃん。うつ伏せになって」
「う、ううっ。優しくしてね」
「わかってるよ」

身体中にパットを貼り、ゆるい電流をながすと「はうぁ!」と声を上げ始める。

「もう。おおげさだなあ」
「いや。わしの時代にはこんな電流を流すことは拷問しかなかったからのう」
「まあ、どんなものでも良くも悪くも使えるものだよ」
「そりゃあ、そうじゃがの。で、理沙ちゃんはどうだ?」
「え? どうだって?」
「この、このぉー! ロクよ、とぼけるんでないわい。小粒でピリッとした山椒のように可愛い子じゃのう。あーあ。勝ってたら嫁にできたのに」

「はあっ……」
「なんじゃ? 気の抜けた反応は? 勝ってえっちなことしたいんじゃないのか?」
「もうっ! そんなつもりないよ。彼女ほど強い人も見たことがないから本当に手合わせ願いたいだけ」
「まあー、確かにいい腕をしておるのう。わしをこんなに追い詰めるとはなあ。こんなに筋肉痛になったのは玄武と戦って以来じゃわい」
「追い詰めてって、負けたじゃない……」
「あれはパンティーのせいじゃ! はっ! あれはもしや、お色拳じゃったのか!?」
「違うと思うよ……。じゃ、20分ほど寝ててね」
「お、おう」

 ふうっとため息をついて緑丸は朱雀の元を離れた。今日の予約状況を確認しながら、朱雀の「理沙ちゃんはどうだ?」との言葉を思い出す。
緑丸は長く海外で生活をしており、恋人は主張も個性も押しも強い女性が多かった。強い女性がタイプだったわけではないが、緑丸の木陰のような癒される雰囲気に、そういう女性が常に彼の側に居た。そして癒されたのか、別れの言葉は「今までありがとう。感謝してるわ」との決まり文句だった。緑丸は何も感謝されるようなことをしたつもりもなく、不思議だったが「どういたしまして」と返していた。

 日本に帰ってきてからも、祖父の接骨院を手伝っていると様々な女性がやってくる。皆、一見、気を張って強そうではあるが心身ともに疲れ切っているのだろう。とても身体が固く冷えている。それを懸命に改善しようとすればするほど、彼女たちは恋心を募らせてしまい、思わせぶりな目つきをされたりするが、こちらから何もアクションを起こさない限り関係が進むことはない。はっきり誘って来ないのは国民せいだろうかと緑丸は様子を見ていた。

彼自身、恋人を欲することはなく、今までと同じような関係になることを良しとは思っていなかった。そこで身体が癒されることと、恋愛を混同されるとあまりよくないと思い、直接、身体に長く触れることは祖父の朱雀に任せていた。

理沙も強い女性とはいえるが、意味合いが違う。彼女は芯も強い気がする。これが幼いころから心身ともに鍛錬されてきた結果だろうか。きっと彼女は緑丸の癒しを必要とすることはないだろう。

桃香も出会った頃は失恋の痛手で傷ついていたようだが、持ち前の前向きさと明るさか、シャドウファイブのメンバーたちにそれを癒してもらおうという感じはなかった。
むしろ傷ついた黒彦を癒す強さを持っていた。そこが緑丸にとって惹かれる部分でもあり安堵する部分でもあった。

「ふー。黒彦のやつ、いいこを捕まえたものだな」

桃香の事を緑丸も好きになっていたが、結ばれる相手は自分でなく黒彦だった。残念な気持ちではあったが、その後の黒彦は落ち着きより大人の男性としての包容力が出たようだし、おっとりしていた桃香はしっかりと采配を振るい黒彦をうまく操縦している。
緑丸と桃香が付き合ってもそのような変化はないだろう。

最近、恋人が出来た赤斗も受け身な優しさから、能動的な優しさに変わり、明確な明るい感情が見えている。
良い恋人はきっとお互いに成長し合えるのだろうなと緑丸は二人を羨ましく思っている。
しかし、今、能動的に理沙に挑もうとしている自分の心境の変化には気づいていなかった。



 次の日、桃香は理沙を連れてイタリア料理店『イタリアントマト』にやってきた。
早めにやってきたはずだったが、もう店は大勢の客でにぎわっている。

「あ、桃香さん。いらっしゃいませ!」

すらっと長身のモデルのような茉莉が声を掛けてくる。

「茉莉ちゃん、こんばんは。2人なんだけど席空いてる?」
「ええ。ちょうど2人掛けなら」
「よかったー!」
「こちらは?」
「えーっと。お友達の理沙さん」
「よろしく。今、桃香の家で厄介になっている」
「ああ、そうなんですねー。ごゆっくりどうぞー」

奥の席に桃香と理沙は腰を掛けメニューを眺める。

「この店は繁盛しているなあ」
「ええ。すっごい美味しいんですよー。あ、イタリアン嫌いじゃないですよね?」
「うん。好き嫌いは基本的にないな。食べられるものなら何でも食べるよ」
「えっ……」

何か変なものでも食べられると言いそうなので、桃香はそれ以上追及するのをやめ、料理を選んだ。

「ワインでも飲みます?」
「そうだなあー。桃香は飲むのか? もう少し書店は開いてるだろう?」
「今日は黒彦さんがお店閉めてくれますから飲んでも平気ですよ。ゆっくりして来ていいって言ってくれたし」
「そっか。じゃあ飲もうか」

黒彦は桃香が一人で出かけるときには早く帰れとうるさいが、理沙と一緒だとやかましくないようだ。
イカ墨のパスタ、シーフードピザと鯛のマリネを注文する。

「なんか魚介類だらけですねえ。好きなんですか?」
「うーん。山に籠ることが多いせいで、魚介類を食べられるときに食べる癖がついているなあ」
「へ、へえ……」

ワインとグラスは赤斗が運んできた。

「やあ、桃香ちゃん、いらっしゃい。お友達連れてきてくれたんだね」
「そうなんです。理沙さんです」
「よろしく頼む」
「え、はい。こちらこそ。ゆっくりしていってね。これサービス」
「ありがとうございます!」
「むっ! これはかたじけない」
「いえいえ。じゃ、料理もうちょっと待ってて」
「ゆっくりで大丈夫です」

爽やかに笑顔を見せる赤斗に、理沙は何も反応しない。赤斗のカッコよさに女性なら大抵は頬を染めたり、二度見したりするが理沙は平常心のようだ。理沙が書店にいるときに白亜がやってきたことがあったが、彼に対しても無反応だった。黒彦も含め、緑丸、赤斗、白亜はとてもハイレベルなイケメンなのに、どうして理沙は何も思わないのだろうかと桃香は不思議に思い質問する。

「ねえねえ。理沙さんは自分より強い人と結婚するんですよね?」
「ああ、そりゃ弱い男はもちろん却下だ」
「あのー。どんな人がタイプなんですか? さっきの赤斗さん、えっと、もう彼女いますけどカッコイイと思いませんでした?」
「ん? ああ、さっきの背の高い男か。うーん。体格は良かったかなあ」
「えっと顔は?」
「見てない」
「見てない?」
「うん。私はこの通り背が低いだろう? だから大きな男の顔はあまり見ないんだ。首が痛くなるし、そもそも強いかどうかは顔では分からないからなあ」
「は、はあ……」

確かに理沙は小柄なので、シャドウファイブたちの顔をまっすぐ見ようと思うと、脚立が必要かもしれない。

「じゃあ顔の好みってないんですか?」
「そうだなあ。まあだらしない顔じゃなきゃいいかな」
「そうですか」

だらしない顔が想像つかないので桃香は追及をやめる。

「しかし、朱雀は強かったな」
「ええ。おじいさんがあんなに強いなんて思いませんでした」
「でも、孫のなんだっけ?」
「緑丸さんです」
「そうそう、その緑丸はもっと強いのか」
「そうですねえ。緑丸さんは体術のプロですからねえ」
「気を引き締めないとな」
「えっと緑丸さんはタイプじゃないですか?」
「ん? うーん。なんかでかかったな。大きい男は嫌いじゃないけど、とりあえず戦わないと分からないな」
「そんなもんですかあ」

どうやら理沙はまず強いかどうかで判断してから考えるようだ。桃香は理沙と緑丸が並ぶと熊とリスみたいで可愛いなと思った。

「ところで桃香と黒彦の馴れ初めは?」
「え? な、馴れ初めですかあ。えーっとですねえ」

桃香はどこから話せばいいか迷ったが、とりあえず最初は敵で戦ったことを話した。

「なるほど! こぶしで語り合ったわけだな!」
「えーっと、そうなるのかなあ?」

うまく説明できない桃香だったが、理沙は納得したようだった。

「とても似合いの二人だと思う。私にもそんな人が現れてほしいものだな」
「きっと現れますよ! あ、でも理沙さんはいつまでも強くいて欲しいな」
「ふふっ。そうだな。簡単に負けたりはしない」
「応援しますね!」
「頼む。桃香が応援してくれるともっと頑張れそうだ」

気が付くと二人でワインを一本空けていて、盛り上がってた。気が付くころには客も全て帰り二人きりだった。

「あっ! やだ、赤斗さん、すみません! 遅くまで」

厨房に声を掛けると、赤斗がもう一本ワインをもってやってきた。

「いいよいいよ。まだまだ閉店時間じゃないし。どう? もう一本。なんか盛り上がって楽しそうだね」
「えーっとそうなんですよー。来週の天下一武術会が楽しみで楽しみで」
「え? 誰と誰が戦うの?」
「理沙さんと緑丸さんですよ」
「ええっ!? 君と緑丸が?」
「ああ、祖父の朱雀は倒した」
「へえー」

赤斗は目を丸くして驚いている。

「じゃあ君は武術家なんだ。なんとなく強そうなオーラがあると思ったよ」
「いやあ、そんなことはない」

理沙は褒められて嬉しそうにはにかむ。

「まあでも緑丸はほんと、強いからなあ。素手でも強いけど、武器はなんでも使えるからな」
「え? 武器を使えるのか?」
「えー、どうしてグリーンのとき使わなかったんですかあ?」
「それはねえ。なんでも使えすぎちゃって困るからじゃない? 荷物多くなるでしょ」
「そ、そんな理由だったんだ。一個持っていけばいいんじゃないんだ」

理沙は酔いが一気にさめたように真顔になる。

「どの武器を扱うのが一番上手い?」
「うーん。どれかなあー。槍とか刀も上手いけど、三節棍かな」
「三節根!」
「なんですか、それ? 強いんですか」

理沙はますます表情を険しくさせる。

「三本の棍棒を鎖でつないだものだ。強いというより扱いがすごく難しいんだ。」
「でも理沙さん、ヌンチャク上手じゃないですかあ」
「いや、三節棍の方が難しい。あれはヌンチャクのように叩くことも出来るし、一本の棍棒として突くことも出来るんだ」
「へえー。すごいんだあー」
「こうしちゃいられない。帰って特訓する!」
「ええー!」
「ごちそうさまでした。美味しかったです」

礼儀正しく頭を下げる理沙に赤斗は笑顔で答える。

「なんだか、すごいことになりそうだね」
「そうですねえ。本気バトルですからねえ」

赤斗と話しているといつの間にか理沙は消えていた。

「あれ? 理沙さん?」

レジから茉莉がやってきて「お会計されて帰りましたよ」という。

「ええー。お祝いにご馳走したかったのになあ」
「そうなんですかあ。じゃあ次のお祝いですね」
「うん。なんか、どうなるんだろう」

さっきの理沙の険しい表情が桃香を心配させる。桃香には理沙に勝ってほしいし、緑丸に負けてほしくないという矛盾した気持ちがある。
帰って黒彦に相談しようと、桃香は理沙の後を追いかけた。
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