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グリーンシャドウ 高橋緑丸(たかはし ろくまる)編
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早朝、寝違えた桃香が黒彦に支えられ『もみの木接骨院』にやってきた。
「あ、たた、ごめんくださいー」
「はーい」
奥から緑丸の声が聞こえすぐにやってきた。
「どうした?」
「早くにすみません。寝違えちゃって」
「なかなかひどい様なので連れてきた。みてやってくれ」
「うん。じゃ桃香さん、こっちへどうぞ」
「あ、い、たた、はい。お願いします」
「じゃあ、俺は待ってる」
黒彦はソファーに座って、適当に本棚から雑誌を取り出し読み始める。
「あ、家に戻っててもらっていいですよ」
「うん。ちょっと時間がかもしれないし、終わったら俺が送ってもいいよ」
「いや。待ってる」
「そうか」
桃香がパーテーションの奥に緑丸と消え、黒彦はポツンと受付前のロビーに一人きりになる。ぼんやり雑誌を眺めていると桃香の声が聞こえてきた。
「あっ、きゃっ!」
「我慢して」
「うっ、うううっ、くうっ」
「もう、ちょっと強くするね」
「や、や、ひぃっ」
「ビクビクしてるね」
なんとなく聞こえる声に黒彦は落ち着かなくなり、施術されているほうへずかずかと向かって行く。
「おい。何してるんだ」
パーテーションの隙間から顔を出し覗くと、桃香の首筋にパッドが張られコードが伸びていた。
「新しい治療器を導入したんだ。なかなか優れものだよ」
「ほう」
桃香は流される電流にびくびくと肩を震わせていた。
「ううっ。きくぅ」
緑丸は新しい設備を黒彦に説明する。真新しい治療器に黒彦は関心を示しじろじろ調べ始める。
「ふーん。なかなか応用が利きそうだなあ」
「変なもの開発しないでくれよ?」
「ん? 変なものは開発しない」
「ほんとうかなあ」
桃香は電流にビクビクしながら本当かなあと心配していた。治療器での施術の後、緑丸にマッサージをしてもらい、ほとんど治ったころ彼の祖父、高橋朱雀がやってきた。
「おや、来とったのか? なんでわしを呼ばんのじゃ!」
「ああ、じいさん。なんでって緑丸がいたしな」
「まったくそんな機械なんぞ使いおって。わしが全身くまなく揉んでやったものを」
「いや、よしてくれ」
黒彦と朱雀のやり取りを桃香と緑丸が苦笑して見守っていると、「ごめんください!」と入り口から声が聞こえた。
「ふぉーっふぉっふぉ。女の子じゃのお。わしがいってくる」
朱雀は嬉しそうに受付に向かった。桃香も寝台を降り、精算をしてもらおうと受付に向かう。ひゅんひゅんと何か音が聞こえて、ふっと見ると黄緑色のカンフー服をきた若い女性がヌンチャクを振り回していたところだった。
「え? な、なに?」
「どうした?」
後ろから黒彦と緑丸もやってきて、その光景をみてあっと息をのむ。
「こ、これは一体」
きつい表情の小柄な女性がヌンチャクを振り回し、朱雀を睨みつけている。
「高橋朱雀! わたしは高村里沙。祖父、高村玄武の仇をとらせてもらう。表へ出なさい」
「ふぉーっふぉっふぉ。お前さん、玄武の孫か。ほおー。あいつにこんな可愛らしい孫がおったとはなあ」
「ふんっ。早く出るんだ!」
「しょうがないのう」
朱雀は理沙と名乗る若い女性について外に出て行った。
「どうなってるのかしら」
「うーん。果し合い? かたき討ちか? 玄武って誰なんだ?」
「俺にもわからない。心配だから見てくるよ」
「私もいきます」
「ちっ、じゃあ、ついて行くか」
三人はひゅんひゅんと音が聞こえる接骨院の裏庭に向かった。
いつも太極拳教室が行われる広い庭で、白衣を着た朱雀と理沙が向かい合っている。
理沙は肩の上、腋の下、胸周りにと器用にヌンチャクを振り回し、じりじりと朱雀との間合いを詰めている。
「ほわたぁっ!」
ひゅんと朱雀の肩にヌンチャクが飛んできたが、彼はさっと手で払い落す。
「あたぁっー!」
理沙の攻撃はことごとく朱雀にあしらわれた。
「今度はこっちの番じゃのう」
朱雀は老人とは思えないようなスピードで理沙に近づき、あっという間に両手でヌンチャクを止める。
「ちっ!」
止められたヌンチャクを顧みることなく手放し理沙はバク転をしてさっと構えた。そしてすかさず、手刀を放つ。
「ほうほう。良い手じゃ」
しかし朱雀は柳のように攻撃を流し、とうとう理沙に反撃をする。とは言っても彼女に打撃をすることはない。
「よっ、と。ぽちっとな」
「あっ! くっ!」
何か所か理沙の背中に指先で押すと、彼女はだらりと腕をおろしその場に座り込んでしまった。
「しばらく動けまいて」
「くううっ!」
悔しそうに唇を噛む理沙に朱雀は尋ねる。
「わしは玄武の敵になった覚えはないんじゃがのう」
「ふんっ! じーちゃんは去年死んだ。ずっと朱雀に勝てなかったって」
「そうか玄武も逝ったか。しかし孫に敵を討たせるような奴ではなかったがのう」
「あんたのせいで、じーちゃんは天下一武術会に出られなかったんだからな!」
「そう言われてもなあ」
緑丸が朱雀のそばによる。
「じいちゃん。その人は誰? 玄武さんって言うのは?」
「見てたのか。話すと長いからのう。まあ中はいるか。さてリサちゃん行こうかの」
「気やすく呼ぶな!」
理沙は動かない身体ではあるが朱雀を睨みつける。緑丸が「理沙さん、だったね。今、術解くから」と手を伸ばすと理沙は「触るな!」と噛みつきそうな勢いで言う。
そこへ桃香がヌンチャクを拾い理沙に戻す。
「はい。これ。大丈夫ですか? 怪我してないですか」
優しく言う桃香に理沙は「あ、ありがと」と素直に礼を言う。
「私、肩かしますよ」
桃香が手を貸そうとすると理沙はだらんと腕を上げ肩に乗せた。
「あっ! だめだ! 桃香さん!」
「あっ! いっ! いったーい!」
治療したばかりの首筋がまた捻られてしまい桃香はさっきの寝違えた状態に戻ってしまった。
「ご、ごめんっ!」
理沙は慌てて手をおろすと、力の入らない身体はグラッと崩れる。転ぶと思った瞬間にふわっと身体が浮いた。
「最初からこうすれば良かった」
「くっ」
微笑む緑丸が軽々と理沙を抱きかかえる。
「黒彦。桃香さんをもう一度治療するよ」
「ああ、頼む」
黒彦も桃香を抱いてもう一度、接骨院へと入っていった。
理沙も桃香もお姫様抱っこをされていても苦渋に満ちた表情だった。
「あ、たた、ごめんくださいー」
「はーい」
奥から緑丸の声が聞こえすぐにやってきた。
「どうした?」
「早くにすみません。寝違えちゃって」
「なかなかひどい様なので連れてきた。みてやってくれ」
「うん。じゃ桃香さん、こっちへどうぞ」
「あ、い、たた、はい。お願いします」
「じゃあ、俺は待ってる」
黒彦はソファーに座って、適当に本棚から雑誌を取り出し読み始める。
「あ、家に戻っててもらっていいですよ」
「うん。ちょっと時間がかもしれないし、終わったら俺が送ってもいいよ」
「いや。待ってる」
「そうか」
桃香がパーテーションの奥に緑丸と消え、黒彦はポツンと受付前のロビーに一人きりになる。ぼんやり雑誌を眺めていると桃香の声が聞こえてきた。
「あっ、きゃっ!」
「我慢して」
「うっ、うううっ、くうっ」
「もう、ちょっと強くするね」
「や、や、ひぃっ」
「ビクビクしてるね」
なんとなく聞こえる声に黒彦は落ち着かなくなり、施術されているほうへずかずかと向かって行く。
「おい。何してるんだ」
パーテーションの隙間から顔を出し覗くと、桃香の首筋にパッドが張られコードが伸びていた。
「新しい治療器を導入したんだ。なかなか優れものだよ」
「ほう」
桃香は流される電流にびくびくと肩を震わせていた。
「ううっ。きくぅ」
緑丸は新しい設備を黒彦に説明する。真新しい治療器に黒彦は関心を示しじろじろ調べ始める。
「ふーん。なかなか応用が利きそうだなあ」
「変なもの開発しないでくれよ?」
「ん? 変なものは開発しない」
「ほんとうかなあ」
桃香は電流にビクビクしながら本当かなあと心配していた。治療器での施術の後、緑丸にマッサージをしてもらい、ほとんど治ったころ彼の祖父、高橋朱雀がやってきた。
「おや、来とったのか? なんでわしを呼ばんのじゃ!」
「ああ、じいさん。なんでって緑丸がいたしな」
「まったくそんな機械なんぞ使いおって。わしが全身くまなく揉んでやったものを」
「いや、よしてくれ」
黒彦と朱雀のやり取りを桃香と緑丸が苦笑して見守っていると、「ごめんください!」と入り口から声が聞こえた。
「ふぉーっふぉっふぉ。女の子じゃのお。わしがいってくる」
朱雀は嬉しそうに受付に向かった。桃香も寝台を降り、精算をしてもらおうと受付に向かう。ひゅんひゅんと何か音が聞こえて、ふっと見ると黄緑色のカンフー服をきた若い女性がヌンチャクを振り回していたところだった。
「え? な、なに?」
「どうした?」
後ろから黒彦と緑丸もやってきて、その光景をみてあっと息をのむ。
「こ、これは一体」
きつい表情の小柄な女性がヌンチャクを振り回し、朱雀を睨みつけている。
「高橋朱雀! わたしは高村里沙。祖父、高村玄武の仇をとらせてもらう。表へ出なさい」
「ふぉーっふぉっふぉ。お前さん、玄武の孫か。ほおー。あいつにこんな可愛らしい孫がおったとはなあ」
「ふんっ。早く出るんだ!」
「しょうがないのう」
朱雀は理沙と名乗る若い女性について外に出て行った。
「どうなってるのかしら」
「うーん。果し合い? かたき討ちか? 玄武って誰なんだ?」
「俺にもわからない。心配だから見てくるよ」
「私もいきます」
「ちっ、じゃあ、ついて行くか」
三人はひゅんひゅんと音が聞こえる接骨院の裏庭に向かった。
いつも太極拳教室が行われる広い庭で、白衣を着た朱雀と理沙が向かい合っている。
理沙は肩の上、腋の下、胸周りにと器用にヌンチャクを振り回し、じりじりと朱雀との間合いを詰めている。
「ほわたぁっ!」
ひゅんと朱雀の肩にヌンチャクが飛んできたが、彼はさっと手で払い落す。
「あたぁっー!」
理沙の攻撃はことごとく朱雀にあしらわれた。
「今度はこっちの番じゃのう」
朱雀は老人とは思えないようなスピードで理沙に近づき、あっという間に両手でヌンチャクを止める。
「ちっ!」
止められたヌンチャクを顧みることなく手放し理沙はバク転をしてさっと構えた。そしてすかさず、手刀を放つ。
「ほうほう。良い手じゃ」
しかし朱雀は柳のように攻撃を流し、とうとう理沙に反撃をする。とは言っても彼女に打撃をすることはない。
「よっ、と。ぽちっとな」
「あっ! くっ!」
何か所か理沙の背中に指先で押すと、彼女はだらりと腕をおろしその場に座り込んでしまった。
「しばらく動けまいて」
「くううっ!」
悔しそうに唇を噛む理沙に朱雀は尋ねる。
「わしは玄武の敵になった覚えはないんじゃがのう」
「ふんっ! じーちゃんは去年死んだ。ずっと朱雀に勝てなかったって」
「そうか玄武も逝ったか。しかし孫に敵を討たせるような奴ではなかったがのう」
「あんたのせいで、じーちゃんは天下一武術会に出られなかったんだからな!」
「そう言われてもなあ」
緑丸が朱雀のそばによる。
「じいちゃん。その人は誰? 玄武さんって言うのは?」
「見てたのか。話すと長いからのう。まあ中はいるか。さてリサちゃん行こうかの」
「気やすく呼ぶな!」
理沙は動かない身体ではあるが朱雀を睨みつける。緑丸が「理沙さん、だったね。今、術解くから」と手を伸ばすと理沙は「触るな!」と噛みつきそうな勢いで言う。
そこへ桃香がヌンチャクを拾い理沙に戻す。
「はい。これ。大丈夫ですか? 怪我してないですか」
優しく言う桃香に理沙は「あ、ありがと」と素直に礼を言う。
「私、肩かしますよ」
桃香が手を貸そうとすると理沙はだらんと腕を上げ肩に乗せた。
「あっ! だめだ! 桃香さん!」
「あっ! いっ! いったーい!」
治療したばかりの首筋がまた捻られてしまい桃香はさっきの寝違えた状態に戻ってしまった。
「ご、ごめんっ!」
理沙は慌てて手をおろすと、力の入らない身体はグラッと崩れる。転ぶと思った瞬間にふわっと身体が浮いた。
「最初からこうすれば良かった」
「くっ」
微笑む緑丸が軽々と理沙を抱きかかえる。
「黒彦。桃香さんをもう一度治療するよ」
「ああ、頼む」
黒彦も桃香を抱いてもう一度、接骨院へと入っていった。
理沙も桃香もお姫様抱っこをされていても苦渋に満ちた表情だった。
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