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第二部
◇ 第二部 所持宝具設定集 その3
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今回はせっかく手に入れたけれど、まだ所有者を二人の間で決めていなかったり、なんらかの理由で消費してしまったり(札を除く)、売却や譲渡して手放した、あるいは手放す予定の宝具一覧です。
主人公二人が第二部終了までに手に入れた宝具はその1~その3で全てとなります。この話の最後に、オマケとして宝具以外の使用した札の詳細と、後々確認しやすいように宝具の名前だけの一覧表を載せます。
ではご覧ください。
=====
〔持ち主不定、消費・売却・譲渡した宝具一覧〕
《持ち主不定》
・札「能力:呼応将来」
(説明)
自身が正式な所有者である宝具の名前を口に出して呼び、宝具のサイズや離れている距離に応じた魔力を消費することで、手元(=自身の近辺)に該当する宝具を呼び寄せる。
(詳細)
念動系魔法が無くとも、宝具を移動させることができるようになる能力。ただし自分の周囲限定な上、札は呼べない。感覚的にはペットの名前を呼ぶと向こうから駆けてくるのに近い。
空間が切り離されている場合(シューノの中に入っているなど)は、呼んでも効果がない。
仮に全く同じ宝具を複数所持していた場合、所有者と過ごした時間が長い方、あるいは親密度(?)が高い方が優先的に来る。
この能力の利点は、宝具を失くした場合や誰かに奪われた場合に探す必要がない事や、魔力さえ払えればどれだけ離れていても呼び寄せることが可能な点である。武器宝具を投擲し、回収するといった使い方もある。
ザンとロナは現在この札を保留中。というのも、宝具を投げて使うためより効果的にこの能力を発揮できるのはザン(しかも彼が覚えられる条件は満たしている)だが、彼はそもそも宝具以外に自前の魔力が使えず、かといってロナが覚えても宝具を失くすという超大失態を起こさない限り使うことはないため。いざ使用するとなると二人の譲り合いが発生してしまう。売るのも勿体無い、というわけでザンの「シューノ」の中にしまいこまれている。ちなみにロナはこの札の存在をすっかり忘れているようだ。
《消費》
・「巨大化する大槌 バイルトン」
(説明)
装備者の土属性の攻撃の威力が超大、爆発系の攻撃の威力が特大アップ。
魔力を注いだ分だけ巨大化する。大きさによって必要魔力は増える。
「四つ身の剣 フォルテット」の進化/融合の素材となった。
(詳細)
魔力を注げば注ぐほど巨大化する、「バイルド」と同じ効果と似たデザインをもつ黒いハンマー。特定のダンジョンの隠し部屋のボスが使用してくるこの武器を直接奪うか、そいつを倒して宝箱から手に入れるしか入手方法がない。
巨大化する点に目をつけられ、「フォルテット」の融合進化に使用された。
それまではザンにとって一番高い火力が出せる武器であった。またハンマーという都合上、ダンジョンにある物が埋め込まれた壁や床の破壊、保存玉の破壊はだいたいコレが使われていた。
ザンが「巨大化して四つに増える武器」を作る際、こちらではなく剣である「フォルテット」をベースとした理由はいくつかある。
その一つに巨大化する前から大きすぎたことが挙げられる。ザンはステータスが無い上に他種族より非力なノーマル族なため、「ソーサ」に頼らなければ持ち歩くことすらできず、「シューノ」に仕舞うのも一苦労だった。
一方で剣の「フォルテット」は自分の腕で振るうことも可能な上、彼は剣術をザスターやロナから習っている最中であり、より有効な運用が将来的に見込めるのである。
・「融合の箱」
(説明)
宝具の進化/融合に必要。
先にこの中に入れた宝具をベースとし、後に入れた宝具の効果の一部~全てを引き継ぐ「進化/融合」を行う。
この宝具より大きい宝具も入れられる。ただし宝具以外のモノは入れられない。
二つ目の宝具を入れた後、この宝具は完成した宝具を残して消滅する。
(詳細)
宝具の進化の一種である「融合」を行うのに必須の宝具。
この方法以外に進化/融合する方法が無いので、需要がとても高い。その分、ダンジョンから見つかる可能性は割と高め。
ちなみにこの箱よりサイズが大きいものも最初の一個目ならば自由に出し入れできるが、「シューノ」とはまた勝手が違い、魔力消費が必要ない。ちなみに宝具でないものや、元の持ち主が手放したつもりはない盗まれた宝具などは入れられない。
一般的には、武器の属性や効果を増やす、有用だが自分の得意でない武器種の宝具の効果を自分の得物に移す、似た宝具同士を合わせて使いやすくするといった足し算的な活用方法が多い。
ザンの「フォルテット」のような効果同士が相互に関係し合う掛け算的な融合ができることは、宝具自体手に入れるのが本来難しい代物であるため、稀。ただ、そういった融合の考察や研究は各地で行われている。
逆に宝具ならば何でもかんでも合体できる都合上、よく考えずに作られた、あるいは予定通りの効果にならなかった失敗作も数多く存在する。例えば剣の宝具に地図の宝具を融合させ、「魔力を込めると刀身に地図が(見辛く)表示されるようになった剣」などがある。
……融合はすなわち、三つの宝具を消費して一つの宝具を得るという行為なので、ご利用はよくよく考えて計画的に行うべし。
《売却(予定含む)・譲渡》
・「ダンジョンの地図 トレジア(二枚目)」
(説明)
魔力を消費することで、使用者より半径数キロ以内にあるダンジョンの入り口と辺り一体の大まかな地形を表示する。
使用を解除すると白紙に戻り、再度別の場所で使用できるようになる。
表示されたダンジョンは、深さや攻略状況が色や形で判別できるようになっている(隠された効果)。
(詳細)
ザン達が売却して得た金額は8000万ベル。
本来は買取額で7500万ベル前後のものだが需要が高まっており、買い手が少なくないのでその値段で取引された。
なお、流行る前から最低でも6000万ベルはあった。
また、販売価格は一億ベル強はする。が、買い手はほぼ確実にAランク以上の高級取りなのでこの値段でも問題はないようだ。
ちなみに意気揚々とこの地図を購入し、ダンジョンに挑戦したAランクが集まったパーティが、強力なSランクのボスや隠し部屋のボスに遭遇して全滅するという事例は決して少なくない……。
・「解呪の黒鍵」
(説明)
パンドラの箱を呪いの影響を受けずに開封することができる。
決められた回数分を使い切ると消滅する。
(詳細)
パンドラの箱を開けるための鍵。パンドラの箱は中身が虹の箱と同等である上、「箱開け屋」は一つの国に二~三人しかおらず順番が滅多に回ってこないため、この鍵を欲しがる人間はとても多い。
ザン達はこれをザスターに家・土地と交換で譲渡した。
ザン達が暮らす国では、どこで取引するにしても買取価格を1000万ベル×回数、販売価格を1100万ベル×回数と定められている。そうする目的の詳細は分からないが、「箱開け屋」を保護するためだと言われている。
ザン達の鍵の残り回数は三回であり買取額は3000万ベルだったが、交換した元ザスターの家は備え付けられた部屋の性能のおかげで建てるだけで一億ベル以上掛かっている。つまりザスターは家を、ロナが姪っ子だからという理由で特別に超格安で譲ったのである。
・「雪隠れの弓 ラグフット」
(説明)
装備者の氷属性の攻撃の威力が極大アップ。
天候が雪の際、この弓から放たれる全ての攻撃が透明化される上、音が消失し、探知不可になる。
(詳細)
雪が降っていれば無類の強さを発揮する弓。
とはいえ、ザンとロナは弓を使わないため売却するという予定は変わらないようだ。
効果を使用できる状況があまりにも限定的であり、実質的に能力なしの属性強化武器なので、属性の段階が最大の武器としてはかなり安い値段がつくだろう。
・札「術技:隠雪氷撃」
(説明)
魔力を80消費し発動することができる、氷属性を持つ魔矢・魔弾に分類される究極術技。
矢や弾を撃ち出す武器を用いて発射することで、魔力でできた矢・弾・衝撃波が放たれる。実矢や実弾は不要だが併用は可能。
威力は主に攻撃と魔力強度を参照する。
また、撃ち出されてから他の生物に気が付かれることなく対象に被弾した場合、威力が倍になる。
(詳細)
他の生物に気づかれなければ威力が倍になるという、うまくいけば非常に強力な効果を発揮する弓矢の究極術技。発動から発射までは少し遅め。「ラグフット」と合わせて使うことが前提である。
とはいえクロスボウを使うザンは術技の習得ができないので、この札を売却するという予定は変わらない。
・札「魔法:フレアオン=マリオニクス」
(説明)
魔力量を100以上消費して発動することができる、火属性の究極魔法。
魔法陣から炎に包まれた不死鳥を模した火炎弾を撃ち出す。
この火炎弾の威力とサイズは使用者の消費された魔力量と魔力強度を参照する。
不死鳥型の火炎弾は軌道を指定することができる。
(詳細)
操作可能な、不死鳥のような形を取って動く火炎弾を撃ち出す究極魔法。普通に放つだけでも、人間が自力で習得可能な火属性の最上級魔法より威力が高い。
操作可能なため小回りも効き当てやすく、消費魔力はかなり多いが使い勝手がいい。火属性を扱う魔法使いなら覚えておいてまず損はない魔法だと言える。
ザンは最初、魔力強度が魔法使い並になったことを加味して、ロナが覚えてもいいのではないかと考えたが、遠距離攻撃は〈月光風斬〉で十分である上に、ロナ本人が不要と断じたため、この魔法の札は売却候補となった。
〔オマケ〕
《宝具以外の入手した札 一覧》
「能力:宝具理解」
(説明・詳細)
ザンが習得。通常の宝具のみ鑑定できるようになる。
普通の習得方法は、既習得者に教えてもらうか、本などで勉強した上で本物の宝具を自分の目でいくつか見てみること。使用に魔力は要らない。
「能力:回復節約・Ⅲ」
(説明・詳細)
ロナが習得。「回復節約」の三段階目(五段階中)。
「能力:水属性強化・Ⅰ」
ロナが習得。「水属性強化」の一段階目(五段階中)。
「魔法:スピルウル」
ロナが習得。速度上昇の上級魔法(四段階中、三段階目)。
《全宝具一覧》
Z=ザン所有/L=ロナ所有
・武器
「夜風の剣 ヒューロ」L
「半月の銃弓 ハムン」Z
「四つ身の剣 フォルテット【融合】」(+バイルトン) Z
「治癒のナイフ メディメス」Z
「鮫角の大剣 ソジャーク」L
「迅雷の槍 バリスギア」Z
「炎紅の戦斧 アルクレッド」Z
・防具/衣服
「月夜の羽付き帽 ルナル」Z
「巨大化する丸盾 バイルド」Z
「息吹の水着(ビキニ) エアラ」L
「不死聖鳥のマント ルフェ二ス」Z
・装飾品
「操りの指輪 ソーサ」Z
「剛力のグローブ リキオウ」L
「治癒の指輪 メディロス」L
「迅雷の腿帯輪 バルバリド」L
「劫火翼の髪飾り マレス」L
「魔導の腕輪 マージオウ」L
・札※
「能力:強制互角」Z
「能力:呼応将来」(未定)
「能力:宝具効貸」Z
「術技:月光風斬」L
「術技:鮫泳水斬」L
「術技:疾迅雷突」L
「魔法:ハドルオン=バイゼン」L
「魔法:ライフオン=オルゼン」L
「魔法:ライフナー=フレムニオ」L
「上昇:能力上昇」→「魔欠耐性・Ⅲ」L
「上昇:魔法上昇」×3→(未定)×3
・その他アイテム
「ダンジョンの地図 トレジア」Z
「秘宝の羅針盤 ラボス」Z
「異次元の皮袋 シューノ」Z
「古鮫歯の御守石 メガロディア」L
「迷宮内の地図 トメロア」Z
「妖雪兎の御守石 サムウサ」Z
「蘇生呪玉 リデイ」Z
・消費
「巨大化する大槌 バイルトン」→融合/フォルテット
「融合の箱」
・売却(予定)
「ダンジョンの地図 トレジア(二枚目)」→8000万
「解呪の黒鍵」→3000万(仮)→家と交換
「雪隠れの弓 ラグフット」(未定)
「術技:隠雪氷撃」(未定)
「魔法:フレアオン=マリオニクス」(未定)
=====
以上で第二部の宝具の設定集は終わりです!
文字数が思ったより多くなってしまいました。宝具設定集だけでだいたい第一部本篇の7分の1くらいあります。
次回からはようやく、ちゃんと物語の番外編に入りますので、お楽しみに!
主人公二人が第二部終了までに手に入れた宝具はその1~その3で全てとなります。この話の最後に、オマケとして宝具以外の使用した札の詳細と、後々確認しやすいように宝具の名前だけの一覧表を載せます。
ではご覧ください。
=====
〔持ち主不定、消費・売却・譲渡した宝具一覧〕
《持ち主不定》
・札「能力:呼応将来」
(説明)
自身が正式な所有者である宝具の名前を口に出して呼び、宝具のサイズや離れている距離に応じた魔力を消費することで、手元(=自身の近辺)に該当する宝具を呼び寄せる。
(詳細)
念動系魔法が無くとも、宝具を移動させることができるようになる能力。ただし自分の周囲限定な上、札は呼べない。感覚的にはペットの名前を呼ぶと向こうから駆けてくるのに近い。
空間が切り離されている場合(シューノの中に入っているなど)は、呼んでも効果がない。
仮に全く同じ宝具を複数所持していた場合、所有者と過ごした時間が長い方、あるいは親密度(?)が高い方が優先的に来る。
この能力の利点は、宝具を失くした場合や誰かに奪われた場合に探す必要がない事や、魔力さえ払えればどれだけ離れていても呼び寄せることが可能な点である。武器宝具を投擲し、回収するといった使い方もある。
ザンとロナは現在この札を保留中。というのも、宝具を投げて使うためより効果的にこの能力を発揮できるのはザン(しかも彼が覚えられる条件は満たしている)だが、彼はそもそも宝具以外に自前の魔力が使えず、かといってロナが覚えても宝具を失くすという超大失態を起こさない限り使うことはないため。いざ使用するとなると二人の譲り合いが発生してしまう。売るのも勿体無い、というわけでザンの「シューノ」の中にしまいこまれている。ちなみにロナはこの札の存在をすっかり忘れているようだ。
《消費》
・「巨大化する大槌 バイルトン」
(説明)
装備者の土属性の攻撃の威力が超大、爆発系の攻撃の威力が特大アップ。
魔力を注いだ分だけ巨大化する。大きさによって必要魔力は増える。
「四つ身の剣 フォルテット」の進化/融合の素材となった。
(詳細)
魔力を注げば注ぐほど巨大化する、「バイルド」と同じ効果と似たデザインをもつ黒いハンマー。特定のダンジョンの隠し部屋のボスが使用してくるこの武器を直接奪うか、そいつを倒して宝箱から手に入れるしか入手方法がない。
巨大化する点に目をつけられ、「フォルテット」の融合進化に使用された。
それまではザンにとって一番高い火力が出せる武器であった。またハンマーという都合上、ダンジョンにある物が埋め込まれた壁や床の破壊、保存玉の破壊はだいたいコレが使われていた。
ザンが「巨大化して四つに増える武器」を作る際、こちらではなく剣である「フォルテット」をベースとした理由はいくつかある。
その一つに巨大化する前から大きすぎたことが挙げられる。ザンはステータスが無い上に他種族より非力なノーマル族なため、「ソーサ」に頼らなければ持ち歩くことすらできず、「シューノ」に仕舞うのも一苦労だった。
一方で剣の「フォルテット」は自分の腕で振るうことも可能な上、彼は剣術をザスターやロナから習っている最中であり、より有効な運用が将来的に見込めるのである。
・「融合の箱」
(説明)
宝具の進化/融合に必要。
先にこの中に入れた宝具をベースとし、後に入れた宝具の効果の一部~全てを引き継ぐ「進化/融合」を行う。
この宝具より大きい宝具も入れられる。ただし宝具以外のモノは入れられない。
二つ目の宝具を入れた後、この宝具は完成した宝具を残して消滅する。
(詳細)
宝具の進化の一種である「融合」を行うのに必須の宝具。
この方法以外に進化/融合する方法が無いので、需要がとても高い。その分、ダンジョンから見つかる可能性は割と高め。
ちなみにこの箱よりサイズが大きいものも最初の一個目ならば自由に出し入れできるが、「シューノ」とはまた勝手が違い、魔力消費が必要ない。ちなみに宝具でないものや、元の持ち主が手放したつもりはない盗まれた宝具などは入れられない。
一般的には、武器の属性や効果を増やす、有用だが自分の得意でない武器種の宝具の効果を自分の得物に移す、似た宝具同士を合わせて使いやすくするといった足し算的な活用方法が多い。
ザンの「フォルテット」のような効果同士が相互に関係し合う掛け算的な融合ができることは、宝具自体手に入れるのが本来難しい代物であるため、稀。ただ、そういった融合の考察や研究は各地で行われている。
逆に宝具ならば何でもかんでも合体できる都合上、よく考えずに作られた、あるいは予定通りの効果にならなかった失敗作も数多く存在する。例えば剣の宝具に地図の宝具を融合させ、「魔力を込めると刀身に地図が(見辛く)表示されるようになった剣」などがある。
……融合はすなわち、三つの宝具を消費して一つの宝具を得るという行為なので、ご利用はよくよく考えて計画的に行うべし。
《売却(予定含む)・譲渡》
・「ダンジョンの地図 トレジア(二枚目)」
(説明)
魔力を消費することで、使用者より半径数キロ以内にあるダンジョンの入り口と辺り一体の大まかな地形を表示する。
使用を解除すると白紙に戻り、再度別の場所で使用できるようになる。
表示されたダンジョンは、深さや攻略状況が色や形で判別できるようになっている(隠された効果)。
(詳細)
ザン達が売却して得た金額は8000万ベル。
本来は買取額で7500万ベル前後のものだが需要が高まっており、買い手が少なくないのでその値段で取引された。
なお、流行る前から最低でも6000万ベルはあった。
また、販売価格は一億ベル強はする。が、買い手はほぼ確実にAランク以上の高級取りなのでこの値段でも問題はないようだ。
ちなみに意気揚々とこの地図を購入し、ダンジョンに挑戦したAランクが集まったパーティが、強力なSランクのボスや隠し部屋のボスに遭遇して全滅するという事例は決して少なくない……。
・「解呪の黒鍵」
(説明)
パンドラの箱を呪いの影響を受けずに開封することができる。
決められた回数分を使い切ると消滅する。
(詳細)
パンドラの箱を開けるための鍵。パンドラの箱は中身が虹の箱と同等である上、「箱開け屋」は一つの国に二~三人しかおらず順番が滅多に回ってこないため、この鍵を欲しがる人間はとても多い。
ザン達はこれをザスターに家・土地と交換で譲渡した。
ザン達が暮らす国では、どこで取引するにしても買取価格を1000万ベル×回数、販売価格を1100万ベル×回数と定められている。そうする目的の詳細は分からないが、「箱開け屋」を保護するためだと言われている。
ザン達の鍵の残り回数は三回であり買取額は3000万ベルだったが、交換した元ザスターの家は備え付けられた部屋の性能のおかげで建てるだけで一億ベル以上掛かっている。つまりザスターは家を、ロナが姪っ子だからという理由で特別に超格安で譲ったのである。
・「雪隠れの弓 ラグフット」
(説明)
装備者の氷属性の攻撃の威力が極大アップ。
天候が雪の際、この弓から放たれる全ての攻撃が透明化される上、音が消失し、探知不可になる。
(詳細)
雪が降っていれば無類の強さを発揮する弓。
とはいえ、ザンとロナは弓を使わないため売却するという予定は変わらないようだ。
効果を使用できる状況があまりにも限定的であり、実質的に能力なしの属性強化武器なので、属性の段階が最大の武器としてはかなり安い値段がつくだろう。
・札「術技:隠雪氷撃」
(説明)
魔力を80消費し発動することができる、氷属性を持つ魔矢・魔弾に分類される究極術技。
矢や弾を撃ち出す武器を用いて発射することで、魔力でできた矢・弾・衝撃波が放たれる。実矢や実弾は不要だが併用は可能。
威力は主に攻撃と魔力強度を参照する。
また、撃ち出されてから他の生物に気が付かれることなく対象に被弾した場合、威力が倍になる。
(詳細)
他の生物に気づかれなければ威力が倍になるという、うまくいけば非常に強力な効果を発揮する弓矢の究極術技。発動から発射までは少し遅め。「ラグフット」と合わせて使うことが前提である。
とはいえクロスボウを使うザンは術技の習得ができないので、この札を売却するという予定は変わらない。
・札「魔法:フレアオン=マリオニクス」
(説明)
魔力量を100以上消費して発動することができる、火属性の究極魔法。
魔法陣から炎に包まれた不死鳥を模した火炎弾を撃ち出す。
この火炎弾の威力とサイズは使用者の消費された魔力量と魔力強度を参照する。
不死鳥型の火炎弾は軌道を指定することができる。
(詳細)
操作可能な、不死鳥のような形を取って動く火炎弾を撃ち出す究極魔法。普通に放つだけでも、人間が自力で習得可能な火属性の最上級魔法より威力が高い。
操作可能なため小回りも効き当てやすく、消費魔力はかなり多いが使い勝手がいい。火属性を扱う魔法使いなら覚えておいてまず損はない魔法だと言える。
ザンは最初、魔力強度が魔法使い並になったことを加味して、ロナが覚えてもいいのではないかと考えたが、遠距離攻撃は〈月光風斬〉で十分である上に、ロナ本人が不要と断じたため、この魔法の札は売却候補となった。
〔オマケ〕
《宝具以外の入手した札 一覧》
「能力:宝具理解」
(説明・詳細)
ザンが習得。通常の宝具のみ鑑定できるようになる。
普通の習得方法は、既習得者に教えてもらうか、本などで勉強した上で本物の宝具を自分の目でいくつか見てみること。使用に魔力は要らない。
「能力:回復節約・Ⅲ」
(説明・詳細)
ロナが習得。「回復節約」の三段階目(五段階中)。
「能力:水属性強化・Ⅰ」
ロナが習得。「水属性強化」の一段階目(五段階中)。
「魔法:スピルウル」
ロナが習得。速度上昇の上級魔法(四段階中、三段階目)。
《全宝具一覧》
Z=ザン所有/L=ロナ所有
・武器
「夜風の剣 ヒューロ」L
「半月の銃弓 ハムン」Z
「四つ身の剣 フォルテット【融合】」(+バイルトン) Z
「治癒のナイフ メディメス」Z
「鮫角の大剣 ソジャーク」L
「迅雷の槍 バリスギア」Z
「炎紅の戦斧 アルクレッド」Z
・防具/衣服
「月夜の羽付き帽 ルナル」Z
「巨大化する丸盾 バイルド」Z
「息吹の水着(ビキニ) エアラ」L
「不死聖鳥のマント ルフェ二ス」Z
・装飾品
「操りの指輪 ソーサ」Z
「剛力のグローブ リキオウ」L
「治癒の指輪 メディロス」L
「迅雷の腿帯輪 バルバリド」L
「劫火翼の髪飾り マレス」L
「魔導の腕輪 マージオウ」L
・札※
「能力:強制互角」Z
「能力:呼応将来」(未定)
「能力:宝具効貸」Z
「術技:月光風斬」L
「術技:鮫泳水斬」L
「術技:疾迅雷突」L
「魔法:ハドルオン=バイゼン」L
「魔法:ライフオン=オルゼン」L
「魔法:ライフナー=フレムニオ」L
「上昇:能力上昇」→「魔欠耐性・Ⅲ」L
「上昇:魔法上昇」×3→(未定)×3
・その他アイテム
「ダンジョンの地図 トレジア」Z
「秘宝の羅針盤 ラボス」Z
「異次元の皮袋 シューノ」Z
「古鮫歯の御守石 メガロディア」L
「迷宮内の地図 トメロア」Z
「妖雪兎の御守石 サムウサ」Z
「蘇生呪玉 リデイ」Z
・消費
「巨大化する大槌 バイルトン」→融合/フォルテット
「融合の箱」
・売却(予定)
「ダンジョンの地図 トレジア(二枚目)」→8000万
「解呪の黒鍵」→3000万(仮)→家と交換
「雪隠れの弓 ラグフット」(未定)
「術技:隠雪氷撃」(未定)
「魔法:フレアオン=マリオニクス」(未定)
=====
以上で第二部の宝具の設定集は終わりです!
文字数が思ったより多くなってしまいました。宝具設定集だけでだいたい第一部本篇の7分の1くらいあります。
次回からはようやく、ちゃんと物語の番外編に入りますので、お楽しみに!
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目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
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全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
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