11 / 136
第一部
第11話 俺の捨て身
しおりを挟む
「ぐッ……うおおおおお!」
風の塊と俺がぶつかるギリギリで俺は体を横に逸らし、腹を引っ込めてなんとか回避する。いや、完全には回避しきれず腹に一文字の傷ができる。
「ざ、ザン⁉︎」
「俺のことは絶対に気にするな!」
俺は走る。なんとか風の塊から体をそらしながら。完全な回避は無理だ。次々と皮膚が裂かれている、身体中から傷が滲み出てくる。
……だが、それがどうした⁉︎ 俺にとっては女の子、もといロナに傷がつく方が心が痛む。俺の肉が裂かれる以上に! それと比べたらこのくらいなんともない。
「え、あ……」
「ぉおおおおおお!」
ついにロナを走って抜かした。俺の方が彼女より前に出る。それと同時に、俺の肩がもろに風の矢に貫かれた。
「ぐっ……」
これは俺のプライドの問題だ。はっきり言って、はたから見たら馬鹿げた悪手な作戦であることは分かっている。ロナに任せた方が明らかに被害は少なくて済むのだから。
だが! この肩の傷も、彼女の顔についてしまった傷に比べれば俺の価値観の中じゃとても軽いもの! つまり俺にとってこれは最善の作戦! 止まるわけにはいかない。
「ね、ねぇザン! ザン⁉︎」
「とにかくだ! ロナはあいつに一撃くらわさることを考えてくれ!」
今度は俺の首あたりに目掛けて風の弾が飛んでくる。うまく体をそらしても首から出血しそうだ。
流石にそうなったらアウトなため、俺はそれを即座に座り込んでやり過ごす。そして、その時足元にあった大きめの石を一つつかんだ。
次の下方向に飛ばされてきた風の横刃を跳んでかわし、それと同時に掴んだ石を骸骨に向かっておもいきり投げつける。
そして骸骨はそれを、回避するまでもないかのように、鼻で笑うような仕草を見せながらわざと受けた。石は鼻の両穴の間に当たる。
……いくら俺が血だらけだからって舐めすぎだ。あくまで、俺と骸骨は互角。互角なのだ。……もし、俺が骨だけ曝さらけ出した状態で石なんかぶつけられたら痛くて仕方がない。それは、俺と互角になった骨だけオバケだって同じはずだ。
「 ──── ⁉︎」
「バカめ‼︎」
骸骨は大きく体をのけぞらせ明らかに怯んだ。その間に俺は一気に距離を詰める。そして、ついに手の届くところまで来た。
肩を掴んで拘束しようと試みるも、かなり早く怯みから回復した骸骨は剣を素早く振り下ろしてくる。狙うはおそらく腕。しかし構わない、腕の一本くらい。その隙に……。
「無茶しすぎだよっ⁉︎」
覚悟を決めた瞬間、緑色の刃が古びた鉄の剣によって止められた。ロナも骸骨の前にたどり着いたようだ。ちょっとホッとした。
「ふっ、ナイスだ……」
「ナイスだ、じゃないよぉ⁉︎」
俺は即座に骸骨の後ろに回り込み、脇から腕を通して羽交い締めの状態へ持っていく。こいつは骨だけで、俺には肉がある。
俺と同じステータスにしても、最初のスカルクロウとかいうキショイ鳥が普通に飛べていたように、生物としての身体的特徴も『互角』にしても変わらない。故に、こうして押さえ込むのも簡単に成功する。
「さぁ、ロナ! 今だ!」
「うん! はああああああ!」
ロナは鉄の剣を使わずに、身動きが取れない骸骨に向かってハイキックをした。勢いよく蹴られた緑色の頭蓋骨は、ゴキッという心地よい音を鳴らしながら首の骨から分離。夜風の靡なびく草原に転がっていった。
……ロナがドロワを履いてくれていてよかった。普通のパンツだったら今この傷だらけの全身より鼻から血が溢れていたことだろう。いやでもドロワでも十分……あー、考えるのをやめておこう、俺は紳士だ。
「やった……倒した……!」
「ふ、そうだな……」
俺は残った胴体から手を離した。骸骨はそのまま前に倒れていく、かと思いきや、なんと両膝をつくだけに留まった。
……どうなってるんだ? まあ、相手は魔物だしこういうこともあるだろ、気にするほどのことじゃない。
「と、とにかくザンはこれ飲んで! ほら!」
ロナは自分の鞄からポーションを一つ取り出した。たぶん鉄の剣や皮の装備のように故郷から準備して持ってきたものだろう。たしかにこれを飲めば肩に空いた穴以外は塞がるかもしれない。しかし、俺の傷なんかより優先すべきものがあるのだ。
「いや、それはロナが飲んでくれ。レディの顔に傷が残るのはよくない……」
「あのね! 私、竜族なんだよ? ノーマル族のザンと違ってこのくらいなら一晩経てば跡形もなく消えるの。それに同種族だったとしても傷が深いザンが普通は優先じゃないかな?」
おっと、種族差を全く考えてなかったぜ。同じ人間とはいえ種族で回復力とか体力とかそういうの全然違うんだった。となると、俺は何も憤慨して躍起になる必要もなく……マジで無意味なことをしたのか? い、いいや。そんなことはないはずだ。俺は俺の信念を貫き通したのだ。これは大切なことだ。
とはいえロナの傷は跡形もなく消えるものだと判明した時点で、もう意地をはる必要もない。このポーションは俺が飲もう。普通に痛いし、傷。
「じ、じゃあありがたく……」
栓を外して一気に中身を飲み干した。液体を飲み込んだ瞬間から細かな切り傷が次々と消えていっている。よく効くがクソ苦い。
「うぇっ……ありがとう」
「肩の傷は宝石を換金してから、ハイポーション買ってちゃんと治そうね」
「そうしよう。ところで、そろそろ出口と宝箱って出てないか?」
「いや……まだみたい」
最初のボスの部屋はもっと早く出てきたような気がしたんだが。まさか、まだこの部屋のボスを倒しきれてないんじゃ……?
「きゃっ……⁉︎」
ロナが小さな悲鳴をあげて下を向いた。その目線の先ではなんと、先ほど倒したはずの骸骨の首から下が、膝をついた状態から立ち上がろうと動き始めていたのだ。
「まさか、まだ生きて……」
「た、立ち上がった……」
首なし骸骨は何事もなかったかのようにすんなり立つと、俺とロナを無視して自分の飛んでいった帽子と頭を回収しにいった。そして頭を脇に抱え、帽子をそれにかぶせ、俺たちのもとに戻ってくる。
「今度こそザンは傷付けさせない……!」
ロナは慌てて剣を抜いて俺の前に立ち、骸骨に向ける。
しかし骸骨は戦うそぶりを見せず、持っていた黒い刀身と緑の刃を持つ剣を地面に突き刺し、加えてその鞘をロナの足元に転がした。
「えっ……? まさかくれるの?」
ロナが剣を引きつつそう尋ねると、緑の骸骨は頭を持っていない方の手を自分の胸部に当て、ぺこりと、貴族がするような紳士的で高貴なお辞儀をした。
「ありがとう……?」
骸骨はロナのお礼を聞くと、今度は俺のほうに向かってくる。そして俺には、頭蓋骨に被せていた金の羽根がついた中折れ帽を手に取り、優しく頭に乗せてきた。一瞬嫌がらせかと思ったが、そんなことはないようだ。
「俺にもくれるのか……!」
骸骨は静かに頷く。そして── 。
「ええ。でも最後に一つだけ言わせていただきたい。ワタシより確実に、貴方のあの戦い方のほうがバカですからね?」
「いや喋れんのかよ⁉︎」
いきなり喋ったかと思うと、骸骨はチリとなって消え去った。というかバカって言ったの根に持ってたのか。なんだったんだコイツ。
「た、たしかに魔物には喋るのもいるけど……。あ、それよりみて、宝箱だよ!」
ロナは光が溢れ始めた方向を指差した。もらった剣を地面から抜き、鞘に丁寧に納めつつその宝箱まで駆けていこうとする。だが、俺はすぐにその宝箱の色に気が付きロナを止めた。
「待った。行くな」
「な、なんで?」
「よく見ろ。あれはパンドラの箱だ」
「ん……? あ、ほんとだ!」
そう、忌々しく禍々しい黒色の宝箱。さっきとは違い、今度はきちんと『呪い呼びの呪い』の効果が働いてしまったようだ。
「俺が開ける。俺にもう呪いは効かないからな」
「うん、任せたよ……」
「開けた人以外にも巻き添え食うかどうかは知らないから、その場から動かないように」
「わかった」
俺一人で呪いの箱まで近づく。そして躊躇うことなく一気にそれを開けた。前のようにまた俺の体に煙がまとわりつき、眼孔、耳の穴、鼻の穴、爪の間、ケツ……ありとあらゆる場所から入り込んでくる。
ただ、どうやらロナの方向には少しも行っていないようだ。よかった、たしかにそれはよかったが……ケツから入るのはどうにかしてくれないか。カッコ悪いんだ。
<称号獲得:称号【呪いの限界】の効果により無効化。四件>
<能力獲得:『呪い無効』>
今更呪い無効なんて手に入れても意味がないと思うのだが、まあ、貰えるものはありがたく貰っておこう。
「ふぅ」
「だ、大丈夫なの……?」
「ああ、問題ない」
「本当に? ならいいけど……。じゃあ宝箱の中身だけ持ち帰って、私が貰った剣とその帽子と中身の鑑定はやるべきことが全部済んでからにしよ。肩の傷、早く治さなきゃ!」
「そうだな」
宝箱の中身は『能力の札』らしきものが一枚と、指輪が一つ、中に何か入っているように見えるガラス玉一つがあるようだった。それらを鞄に仕舞い込み、俺とロナはダンジョンから脱出した。
<称号獲得:【ジャイアントキリング】>
<称号獲得:【攻略者】>
=====
非常に励みになりますので、もし良ければ感想やお気に入り登録などをよろしくお願いします!
風の塊と俺がぶつかるギリギリで俺は体を横に逸らし、腹を引っ込めてなんとか回避する。いや、完全には回避しきれず腹に一文字の傷ができる。
「ざ、ザン⁉︎」
「俺のことは絶対に気にするな!」
俺は走る。なんとか風の塊から体をそらしながら。完全な回避は無理だ。次々と皮膚が裂かれている、身体中から傷が滲み出てくる。
……だが、それがどうした⁉︎ 俺にとっては女の子、もといロナに傷がつく方が心が痛む。俺の肉が裂かれる以上に! それと比べたらこのくらいなんともない。
「え、あ……」
「ぉおおおおおお!」
ついにロナを走って抜かした。俺の方が彼女より前に出る。それと同時に、俺の肩がもろに風の矢に貫かれた。
「ぐっ……」
これは俺のプライドの問題だ。はっきり言って、はたから見たら馬鹿げた悪手な作戦であることは分かっている。ロナに任せた方が明らかに被害は少なくて済むのだから。
だが! この肩の傷も、彼女の顔についてしまった傷に比べれば俺の価値観の中じゃとても軽いもの! つまり俺にとってこれは最善の作戦! 止まるわけにはいかない。
「ね、ねぇザン! ザン⁉︎」
「とにかくだ! ロナはあいつに一撃くらわさることを考えてくれ!」
今度は俺の首あたりに目掛けて風の弾が飛んでくる。うまく体をそらしても首から出血しそうだ。
流石にそうなったらアウトなため、俺はそれを即座に座り込んでやり過ごす。そして、その時足元にあった大きめの石を一つつかんだ。
次の下方向に飛ばされてきた風の横刃を跳んでかわし、それと同時に掴んだ石を骸骨に向かっておもいきり投げつける。
そして骸骨はそれを、回避するまでもないかのように、鼻で笑うような仕草を見せながらわざと受けた。石は鼻の両穴の間に当たる。
……いくら俺が血だらけだからって舐めすぎだ。あくまで、俺と骸骨は互角。互角なのだ。……もし、俺が骨だけ曝さらけ出した状態で石なんかぶつけられたら痛くて仕方がない。それは、俺と互角になった骨だけオバケだって同じはずだ。
「 ──── ⁉︎」
「バカめ‼︎」
骸骨は大きく体をのけぞらせ明らかに怯んだ。その間に俺は一気に距離を詰める。そして、ついに手の届くところまで来た。
肩を掴んで拘束しようと試みるも、かなり早く怯みから回復した骸骨は剣を素早く振り下ろしてくる。狙うはおそらく腕。しかし構わない、腕の一本くらい。その隙に……。
「無茶しすぎだよっ⁉︎」
覚悟を決めた瞬間、緑色の刃が古びた鉄の剣によって止められた。ロナも骸骨の前にたどり着いたようだ。ちょっとホッとした。
「ふっ、ナイスだ……」
「ナイスだ、じゃないよぉ⁉︎」
俺は即座に骸骨の後ろに回り込み、脇から腕を通して羽交い締めの状態へ持っていく。こいつは骨だけで、俺には肉がある。
俺と同じステータスにしても、最初のスカルクロウとかいうキショイ鳥が普通に飛べていたように、生物としての身体的特徴も『互角』にしても変わらない。故に、こうして押さえ込むのも簡単に成功する。
「さぁ、ロナ! 今だ!」
「うん! はああああああ!」
ロナは鉄の剣を使わずに、身動きが取れない骸骨に向かってハイキックをした。勢いよく蹴られた緑色の頭蓋骨は、ゴキッという心地よい音を鳴らしながら首の骨から分離。夜風の靡なびく草原に転がっていった。
……ロナがドロワを履いてくれていてよかった。普通のパンツだったら今この傷だらけの全身より鼻から血が溢れていたことだろう。いやでもドロワでも十分……あー、考えるのをやめておこう、俺は紳士だ。
「やった……倒した……!」
「ふ、そうだな……」
俺は残った胴体から手を離した。骸骨はそのまま前に倒れていく、かと思いきや、なんと両膝をつくだけに留まった。
……どうなってるんだ? まあ、相手は魔物だしこういうこともあるだろ、気にするほどのことじゃない。
「と、とにかくザンはこれ飲んで! ほら!」
ロナは自分の鞄からポーションを一つ取り出した。たぶん鉄の剣や皮の装備のように故郷から準備して持ってきたものだろう。たしかにこれを飲めば肩に空いた穴以外は塞がるかもしれない。しかし、俺の傷なんかより優先すべきものがあるのだ。
「いや、それはロナが飲んでくれ。レディの顔に傷が残るのはよくない……」
「あのね! 私、竜族なんだよ? ノーマル族のザンと違ってこのくらいなら一晩経てば跡形もなく消えるの。それに同種族だったとしても傷が深いザンが普通は優先じゃないかな?」
おっと、種族差を全く考えてなかったぜ。同じ人間とはいえ種族で回復力とか体力とかそういうの全然違うんだった。となると、俺は何も憤慨して躍起になる必要もなく……マジで無意味なことをしたのか? い、いいや。そんなことはないはずだ。俺は俺の信念を貫き通したのだ。これは大切なことだ。
とはいえロナの傷は跡形もなく消えるものだと判明した時点で、もう意地をはる必要もない。このポーションは俺が飲もう。普通に痛いし、傷。
「じ、じゃあありがたく……」
栓を外して一気に中身を飲み干した。液体を飲み込んだ瞬間から細かな切り傷が次々と消えていっている。よく効くがクソ苦い。
「うぇっ……ありがとう」
「肩の傷は宝石を換金してから、ハイポーション買ってちゃんと治そうね」
「そうしよう。ところで、そろそろ出口と宝箱って出てないか?」
「いや……まだみたい」
最初のボスの部屋はもっと早く出てきたような気がしたんだが。まさか、まだこの部屋のボスを倒しきれてないんじゃ……?
「きゃっ……⁉︎」
ロナが小さな悲鳴をあげて下を向いた。その目線の先ではなんと、先ほど倒したはずの骸骨の首から下が、膝をついた状態から立ち上がろうと動き始めていたのだ。
「まさか、まだ生きて……」
「た、立ち上がった……」
首なし骸骨は何事もなかったかのようにすんなり立つと、俺とロナを無視して自分の飛んでいった帽子と頭を回収しにいった。そして頭を脇に抱え、帽子をそれにかぶせ、俺たちのもとに戻ってくる。
「今度こそザンは傷付けさせない……!」
ロナは慌てて剣を抜いて俺の前に立ち、骸骨に向ける。
しかし骸骨は戦うそぶりを見せず、持っていた黒い刀身と緑の刃を持つ剣を地面に突き刺し、加えてその鞘をロナの足元に転がした。
「えっ……? まさかくれるの?」
ロナが剣を引きつつそう尋ねると、緑の骸骨は頭を持っていない方の手を自分の胸部に当て、ぺこりと、貴族がするような紳士的で高貴なお辞儀をした。
「ありがとう……?」
骸骨はロナのお礼を聞くと、今度は俺のほうに向かってくる。そして俺には、頭蓋骨に被せていた金の羽根がついた中折れ帽を手に取り、優しく頭に乗せてきた。一瞬嫌がらせかと思ったが、そんなことはないようだ。
「俺にもくれるのか……!」
骸骨は静かに頷く。そして── 。
「ええ。でも最後に一つだけ言わせていただきたい。ワタシより確実に、貴方のあの戦い方のほうがバカですからね?」
「いや喋れんのかよ⁉︎」
いきなり喋ったかと思うと、骸骨はチリとなって消え去った。というかバカって言ったの根に持ってたのか。なんだったんだコイツ。
「た、たしかに魔物には喋るのもいるけど……。あ、それよりみて、宝箱だよ!」
ロナは光が溢れ始めた方向を指差した。もらった剣を地面から抜き、鞘に丁寧に納めつつその宝箱まで駆けていこうとする。だが、俺はすぐにその宝箱の色に気が付きロナを止めた。
「待った。行くな」
「な、なんで?」
「よく見ろ。あれはパンドラの箱だ」
「ん……? あ、ほんとだ!」
そう、忌々しく禍々しい黒色の宝箱。さっきとは違い、今度はきちんと『呪い呼びの呪い』の効果が働いてしまったようだ。
「俺が開ける。俺にもう呪いは効かないからな」
「うん、任せたよ……」
「開けた人以外にも巻き添え食うかどうかは知らないから、その場から動かないように」
「わかった」
俺一人で呪いの箱まで近づく。そして躊躇うことなく一気にそれを開けた。前のようにまた俺の体に煙がまとわりつき、眼孔、耳の穴、鼻の穴、爪の間、ケツ……ありとあらゆる場所から入り込んでくる。
ただ、どうやらロナの方向には少しも行っていないようだ。よかった、たしかにそれはよかったが……ケツから入るのはどうにかしてくれないか。カッコ悪いんだ。
<称号獲得:称号【呪いの限界】の効果により無効化。四件>
<能力獲得:『呪い無効』>
今更呪い無効なんて手に入れても意味がないと思うのだが、まあ、貰えるものはありがたく貰っておこう。
「ふぅ」
「だ、大丈夫なの……?」
「ああ、問題ない」
「本当に? ならいいけど……。じゃあ宝箱の中身だけ持ち帰って、私が貰った剣とその帽子と中身の鑑定はやるべきことが全部済んでからにしよ。肩の傷、早く治さなきゃ!」
「そうだな」
宝箱の中身は『能力の札』らしきものが一枚と、指輪が一つ、中に何か入っているように見えるガラス玉一つがあるようだった。それらを鞄に仕舞い込み、俺とロナはダンジョンから脱出した。
<称号獲得:【ジャイアントキリング】>
<称号獲得:【攻略者】>
=====
非常に励みになりますので、もし良ければ感想やお気に入り登録などをよろしくお願いします!
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます
ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。
何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。
何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。
それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。
そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。
見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。
「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」
にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。
「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。
「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
【書籍化決定】神様お願い!〜神様のトバッチリを受けた定年おっさんは異世界に転生して心穏やかにスローライフを送りたい〜
きのこのこ
ファンタジー
突然白い発光体の強い光を浴びせられ異世界転移?した俺事、石原那由多(55)は安住の地を求めて異世界を冒険する…?
え?謎の子供の体?謎の都市?魔法?剣?魔獣??何それ美味しいの??
俺は心穏やかに過ごしたいだけなんだ!
____________________________________________
突然謎の白い発光体の強い光を浴びせられ強制的に魂だけで異世界転移した石原那由多(55)は、よちよち捨て子幼児の身体に入っちゃった!
那由多は左眼に居座っている神様のカケラのツクヨミを頼りに異世界で生きていく。
しかし左眼の相棒、ツクヨミの暴走を阻止できず、チート?な棲家を得て、チート?能力を次々開花させ異世界をイージーモードで過ごす那由多。「こいつ《ツクヨミ》は勝手に俺の記憶を見るプライバシークラッシャーな奴なんだ!」
そんな異世界は優しさで満ち溢れていた(え?本当に?)
呪われてもっふもふになっちゃったママン(産みの親)と御親戚一行様(やっとこ呪いがどうにか出来そう?!)に、異世界のめくるめくグルメ(やっと片鱗が見えて作者も安心)でも突然真夜中に食べたくなっちゃう日本食も完全完備(どこに?!)!異世界日本発福利厚生は完璧(ばっちり)です!(うまい話ほど裏がある!)
謎のアイテム御朱印帳を胸に(え?)今日も平穏?無事に那由多は異世界で日々を暮らします。
※一つの目的にどんどん事を突っ込むのでスローな展開が大丈夫な方向けです。
※他サイト先行にて配信してますが、他サイトと気が付かない程度に微妙に変えてます。
※昭和〜平成の頭ら辺のアレコレ入ってます。わかる方だけアハ体験⭐︎
⭐︎第16回ファンタジー小説大賞にて奨励賞受賞を頂きました!読んで投票して下さった読者様、並びに選考してくださったスタッフ様に御礼申し上げますm(_ _)m今後とも宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる