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99話 お父様の帰還でございます!
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私が人間になってから3日後。
今は夕方で、私以外のみんなはソワソワしてる。お父さんが帰ってくるだけなんだけどなぁ…。
「お父さん…ぼくのこと心配してくれてたんだよね?」
「うん、すごくね!」
「私はパパ成分が足りないわ」
変なことを口走るお母さん。
そういえば、お母さんはもう、お父さんに数週間会ってないんだっけ? まさかこんなこと言うなんて思ってなかったけど、ロモンちゃん達は慣れてるみたい。
「お父さん、アイリスちゃんを見てなんて言うかな?」
「きっと驚くよ!」
「でも、ただ『この娘はアイリスちゃんです』って教えるのは面白くないわ。なにか考えておきましょう」
「「うん」」
お父さん、私の姿を見てなんて言うかしら?
うーむ、あの人のことだから、きっと、好意的に接してくれるとは思うの。
美女3人は額を寄せ合って相談している。
しばらくして、私も呼ばれ、その内容が教えられた。
「______よ。わかった、お願いね?」
「り…了解しまし…た」
「アイリスちゃんに掛かってるからね!」
そう言って、彼女らは玄関に向かい、私はリビングの収納棚の中に、一番幼い姿をして隠れる。
…でも、ロモンちゃん達がお父さんに会うシーンも見たいからね。小石視点を使わせてもらおう。
それにしても、お父さんったら幸せ者だよね。
お母さんにリンネちゃんにロモンちゃん。容姿端麗な女性が3人も家で待ってるなんて、なんてハーレムなんでしょ? …まあ、奥さんと娘なんだけど______
「たっだいまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ガチャリとこの屋敷のとが開けられ、お父さんが入ってきた。とくに大きな疲労の様子はないみたい。
「「「おかえりぃーっ!」」」
そう言いながら、待機していたお母さん達がお父さんに寄る。玄関の靴箱の前だけ、すごい人口密度になった。
そんな中、リンネちゃんを見たお父さん。
数秒固まる。
「り…りり…リンネッ! リンネーーッ!」
「お父さんっ!」
外に聞こえちゃうんじゃないかってくらいの大声でお父さんは叫ぶと、ギューーッとリンネちゃんを抱き締めた。
リンネちゃん、ちょっと苦しそうだけど…とても嬉しそうでもある。
「ああ…よかった! 本当に良かった! あああああっ…良かったぁぁぁぁぁ」
「えへへ」
リンネちゃんもお父さんの背中に手を回す。
そんな二人の様子を、妻と妹は羨ましそうに見てたかと思うと。
「パパー。私もお留守番頑張ったんだけどー」
「お父さん、私も…たくさん頑張ったんだけどー」
そんな二人の言葉を聞き、お父さんは嬉しそうにハニカムと、一旦リンネちゃんから腕を離し、その腕をもう2人抱けるように大きく広げる。
「「わーい!」」
二人して同じことを言いながら、お父さんの胸に飛び込んだ。お父さんはこの上なく幸せそうな顔で3人を抱く。
そして、温かな数秒の沈黙が続いた。
「ん…よし、お腹ペコペコだ! ご飯が食べたいぞ!」
「そうね、待っててね。今から準備するわ」
お母さんはお父さんの元を離れ、リビングに。
…私の本番はそろそろ。
お母さんにつづき、お父さん達もリビングに入ってきた。
お父さんが大きなソファに腰掛け、その両隣に双子は座る。
「あれ、そういえばアイリスちゃんは?」
首をキョロキョロと動かしながら、お父さんは私を探す。このリビングに居る魔物は、今、幼体化したベスさんだけということになってる。
ここで私はこっそりと収納棚の中から隠密を使いながら出て、ソファの後ろに回り込む。
「えー、アイリスちゃん? アイリスちゃんなら地下室で特訓してるよ」
「へえ、そうなのか…。頑張り屋さんだな」
「あ…そうだわ」
お母さんが料理の手を止め、お父さんの方へ。
そしてお父さんの前で正座をした。
「ちょっと大事な話があるの」
「えっ? なんだい、ママ」
お父さんの表情は真剣なものになる。
「しばらくうちで、一人、女の子を預かることになっちゃって…」
「…! へえ、まあ男の子じゃないだけ…。うむ、それでその子は_____」
私はお母さん達に言われた通り、背後に忍び寄り、両手でそっとお父さんの目を抑えようとした。
だけれども。
「この子か?」
いつの間にか私の手は掴まれていた。
ぐぬぬ…なんか悔しい。
ていうか、作戦、いきなり失敗しちゃったんですけど…。
ロモンとリンネちゃんはギョッとした顔でこちらを見て来る。司令塔だったお母さんは何故かまだ、余裕たっぷりの表情。
「ええ、そう。その子よ」
「ふむふむ」
お父さんはくるりとこちらを向き、私をその水色の目で見てきた。
しばらく眺められると、にっこりとした笑顔で話しかけられる。
「君、名前は?」
……ちょっと作戦と違うけれど、仕方ない。
もう、お母さんから言ってと言われた言葉を使うとしよう。
「私はアイリスと申します。以後、お見知り置きを」
「うん、やっぱりそうだったか」
「えっ!?」
私は驚く。
何故だ…ここで、『アイリスちゃんと同じ名前なんだね。びっくりだ』っていう展開になるってお母さんは言ってたのに…。
ど、どうしてわかっちゃってんだろ…。
「アイリスちゃん、こ こ」
そう言いながらお父さんは頭をちょんちょんと触ってきた。……私は目線を上に…あ…!
天使の輪っか出しっ放しだった…!
「アイリスちゃんがそんなミスをするなんて…」
「珍しい…! そう言えば忘れてたよ、その輪っか」
「ふふ、今回はお父さんの勝ちね」
「これで20勝21敗だな!」
お母さんとお父さん、今回はということは度々やってるのか…こんなこと。
家族ぐるみでねぇ…。本当に仲が良いんだから。
「…ということは、アイリスちゃんは進化できたのか?」
「うん! エンジェルゴーレムってのになったよ」
「また新種?」
「ええ、そうみたいなの。ふふ、アイリスちゃんは私達魔物使いをいつも驚かせてくれるわ。…だって、初だもの、ゴーレムの半人なんて」
そう、お母さんはとても嬉しそうに言う。
そうなのだ。
私が世界初のゴーレムの半魔半人らしい。
まあ、半魔半人になるには知能と実力が必要だから…知能が足りないゴーレムは、人間になるのはまず無理なんだよねー。
「そうか! ははは、本当にアイリスちゃんはすごいなぁ。一回、そのエンジェルゴーレムとかいう姿を見せてくれないかい?」
「はい、承知しました」
私はエンジェルゴーレムになった。
身長2m以上あるから、身長1.8mくらいのお父さんを優に越してる。…天井に頭をぶつけるかと思ったけど、ここはお屋敷だから、これでもまだまだ高さ余裕がある。
「はあ…こりゃあ….本当に新種だな」
「でしょ?」
「あ、アイリスちゃん、ありがと。もう戻って良いぞ」
私はそう言われたから、人間の姿になった。
10歳の時でなく、14歳くらいの姿。
「あれ? アイリスちゃん、なんか身長が…」
「みて、お父さん! 私達と同じ身長なんだよ!」
そう言いながら、ロモンちゃんとリンネちゃんがそれぞれ私の両腕に捕まってくる。
「ええ、10~18歳の好きな姿になれるようなのです」
「へぇ…そうか。なんか娘が一人増えたみたいだな」
そう言いながらお父さんは私の頭を撫でてくれた。
そのあと、お母さんが夕飯作りを再開。
私達5人で豪華な食事をとった。
############
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今は夕方で、私以外のみんなはソワソワしてる。お父さんが帰ってくるだけなんだけどなぁ…。
「お父さん…ぼくのこと心配してくれてたんだよね?」
「うん、すごくね!」
「私はパパ成分が足りないわ」
変なことを口走るお母さん。
そういえば、お母さんはもう、お父さんに数週間会ってないんだっけ? まさかこんなこと言うなんて思ってなかったけど、ロモンちゃん達は慣れてるみたい。
「お父さん、アイリスちゃんを見てなんて言うかな?」
「きっと驚くよ!」
「でも、ただ『この娘はアイリスちゃんです』って教えるのは面白くないわ。なにか考えておきましょう」
「「うん」」
お父さん、私の姿を見てなんて言うかしら?
うーむ、あの人のことだから、きっと、好意的に接してくれるとは思うの。
美女3人は額を寄せ合って相談している。
しばらくして、私も呼ばれ、その内容が教えられた。
「______よ。わかった、お願いね?」
「り…了解しまし…た」
「アイリスちゃんに掛かってるからね!」
そう言って、彼女らは玄関に向かい、私はリビングの収納棚の中に、一番幼い姿をして隠れる。
…でも、ロモンちゃん達がお父さんに会うシーンも見たいからね。小石視点を使わせてもらおう。
それにしても、お父さんったら幸せ者だよね。
お母さんにリンネちゃんにロモンちゃん。容姿端麗な女性が3人も家で待ってるなんて、なんてハーレムなんでしょ? …まあ、奥さんと娘なんだけど______
「たっだいまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ガチャリとこの屋敷のとが開けられ、お父さんが入ってきた。とくに大きな疲労の様子はないみたい。
「「「おかえりぃーっ!」」」
そう言いながら、待機していたお母さん達がお父さんに寄る。玄関の靴箱の前だけ、すごい人口密度になった。
そんな中、リンネちゃんを見たお父さん。
数秒固まる。
「り…りり…リンネッ! リンネーーッ!」
「お父さんっ!」
外に聞こえちゃうんじゃないかってくらいの大声でお父さんは叫ぶと、ギューーッとリンネちゃんを抱き締めた。
リンネちゃん、ちょっと苦しそうだけど…とても嬉しそうでもある。
「ああ…よかった! 本当に良かった! あああああっ…良かったぁぁぁぁぁ」
「えへへ」
リンネちゃんもお父さんの背中に手を回す。
そんな二人の様子を、妻と妹は羨ましそうに見てたかと思うと。
「パパー。私もお留守番頑張ったんだけどー」
「お父さん、私も…たくさん頑張ったんだけどー」
そんな二人の言葉を聞き、お父さんは嬉しそうにハニカムと、一旦リンネちゃんから腕を離し、その腕をもう2人抱けるように大きく広げる。
「「わーい!」」
二人して同じことを言いながら、お父さんの胸に飛び込んだ。お父さんはこの上なく幸せそうな顔で3人を抱く。
そして、温かな数秒の沈黙が続いた。
「ん…よし、お腹ペコペコだ! ご飯が食べたいぞ!」
「そうね、待っててね。今から準備するわ」
お母さんはお父さんの元を離れ、リビングに。
…私の本番はそろそろ。
お母さんにつづき、お父さん達もリビングに入ってきた。
お父さんが大きなソファに腰掛け、その両隣に双子は座る。
「あれ、そういえばアイリスちゃんは?」
首をキョロキョロと動かしながら、お父さんは私を探す。このリビングに居る魔物は、今、幼体化したベスさんだけということになってる。
ここで私はこっそりと収納棚の中から隠密を使いながら出て、ソファの後ろに回り込む。
「えー、アイリスちゃん? アイリスちゃんなら地下室で特訓してるよ」
「へえ、そうなのか…。頑張り屋さんだな」
「あ…そうだわ」
お母さんが料理の手を止め、お父さんの方へ。
そしてお父さんの前で正座をした。
「ちょっと大事な話があるの」
「えっ? なんだい、ママ」
お父さんの表情は真剣なものになる。
「しばらくうちで、一人、女の子を預かることになっちゃって…」
「…! へえ、まあ男の子じゃないだけ…。うむ、それでその子は_____」
私はお母さん達に言われた通り、背後に忍び寄り、両手でそっとお父さんの目を抑えようとした。
だけれども。
「この子か?」
いつの間にか私の手は掴まれていた。
ぐぬぬ…なんか悔しい。
ていうか、作戦、いきなり失敗しちゃったんですけど…。
ロモンとリンネちゃんはギョッとした顔でこちらを見て来る。司令塔だったお母さんは何故かまだ、余裕たっぷりの表情。
「ええ、そう。その子よ」
「ふむふむ」
お父さんはくるりとこちらを向き、私をその水色の目で見てきた。
しばらく眺められると、にっこりとした笑顔で話しかけられる。
「君、名前は?」
……ちょっと作戦と違うけれど、仕方ない。
もう、お母さんから言ってと言われた言葉を使うとしよう。
「私はアイリスと申します。以後、お見知り置きを」
「うん、やっぱりそうだったか」
「えっ!?」
私は驚く。
何故だ…ここで、『アイリスちゃんと同じ名前なんだね。びっくりだ』っていう展開になるってお母さんは言ってたのに…。
ど、どうしてわかっちゃってんだろ…。
「アイリスちゃん、こ こ」
そう言いながらお父さんは頭をちょんちょんと触ってきた。……私は目線を上に…あ…!
天使の輪っか出しっ放しだった…!
「アイリスちゃんがそんなミスをするなんて…」
「珍しい…! そう言えば忘れてたよ、その輪っか」
「ふふ、今回はお父さんの勝ちね」
「これで20勝21敗だな!」
お母さんとお父さん、今回はということは度々やってるのか…こんなこと。
家族ぐるみでねぇ…。本当に仲が良いんだから。
「…ということは、アイリスちゃんは進化できたのか?」
「うん! エンジェルゴーレムってのになったよ」
「また新種?」
「ええ、そうみたいなの。ふふ、アイリスちゃんは私達魔物使いをいつも驚かせてくれるわ。…だって、初だもの、ゴーレムの半人なんて」
そう、お母さんはとても嬉しそうに言う。
そうなのだ。
私が世界初のゴーレムの半魔半人らしい。
まあ、半魔半人になるには知能と実力が必要だから…知能が足りないゴーレムは、人間になるのはまず無理なんだよねー。
「そうか! ははは、本当にアイリスちゃんはすごいなぁ。一回、そのエンジェルゴーレムとかいう姿を見せてくれないかい?」
「はい、承知しました」
私はエンジェルゴーレムになった。
身長2m以上あるから、身長1.8mくらいのお父さんを優に越してる。…天井に頭をぶつけるかと思ったけど、ここはお屋敷だから、これでもまだまだ高さ余裕がある。
「はあ…こりゃあ….本当に新種だな」
「でしょ?」
「あ、アイリスちゃん、ありがと。もう戻って良いぞ」
私はそう言われたから、人間の姿になった。
10歳の時でなく、14歳くらいの姿。
「あれ? アイリスちゃん、なんか身長が…」
「みて、お父さん! 私達と同じ身長なんだよ!」
そう言いながら、ロモンちゃんとリンネちゃんがそれぞれ私の両腕に捕まってくる。
「ええ、10~18歳の好きな姿になれるようなのです」
「へぇ…そうか。なんか娘が一人増えたみたいだな」
そう言いながらお父さんは私の頭を撫でてくれた。
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