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58話 2戦目でございます!
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私達は昨日同様に、控え室に居る。
控え室はなんだか昨日よりもピリピリしてる感じだね。
「アイリスちゃん…私、またお腹痛い…」
【………ここで待っておりますので、行ってきてください】
ロモンちゃん、メンタル弱いんじゃないの?
ロモンちゃんがお花摘みから戻って来た時、2日目の開催宣言が始まった。
《さあ! 今日も始まりました第___回魔物武闘大会! 司会は私、カルサイト・スピーチャがお送り致します! そして恒例の解説はこの方!》
え?
昨日は解説なんて居なかったよね? この大会の解説者なんだから、きっと魔物使いの大物なのだろうけれど、一体誰なんでしょう?
≪Sランクパーティの1人であり、個人ランクもSランク!現在、この国の騎士団をしておられるこのお方! ノアさんです!!≫
はぁっ!? お母様だとっ!?
お母様が解説としてでてる!
≪ノアです! 皆さん、全身全霊、仲魔のことを信じ、頑張って下さいね!≫
≪そういえばノアさん、今日は娘さんお二人が来ていらっしゃるとか?≫
≪ええ、そうなんですよ≫
≪きっと、客席で見てくれているのでしょう!≫
≪……客席…ふふ、そうですね≫
ちょっと、マジでお母様が来るとか聞いてない。
ロモンちゃんはこのことを知っているのかな?
【ロ…ロモンちゃん? お母様がいらっしゃってますが…】
「あれ、アイリスちゃん知らなかったっけ? お母さん、5年連続で大会の解説をしてるんだよ?」
【ええ……】
私がそう困惑している中、今回の対戦相手が私達に近づいてきた。
「やぁ、可愛いお嬢さん」
「あっ…貴方は…」
「僕はフットです。次の試合、共に全力を尽くし、頑張りましょうね」
「はいっ!」
2人はそう、挨拶を交えてから握手した。
ロモンちゃん、この人イケメンだけど、この人に見惚れてたりは……してない。うん、してないと思ったよ。
ホーリーハンドも私に話しかけてきた。
【ゴーレム、ハナーシガワカリマスーカ?】
【ええ、大丈夫です】
【ワァオー!? アナータ、ホントウニゴーレム? ……シアーイハ、テカゲンシナイーヨー?】
【ええ、こちらこそ】
元、石の私が言えたことじゃないが、手が喋りかけてくるってのは中々シュールというべきかな。
私達4人が試合前コミュニケーションを取っていると、係員さんから準備するように言われた。
気づくと既に、一回戦目は始まろうとしている。
私達は昨日と同じように準備する。
その間に、1回戦が始まった。
結果は明確。メタルミミンカーを連れたカルゲン青年の圧勝だった。
あの、ボスゴブリンを連れてたグリテとか言う人はトボトボと重い足取りでこの通路を通っくる。
ロモンちゃんは昨日と同じように、その人に声をかける。
「その…あの…お疲れ様でしたっ!」
「あ…ああ、うん。がんばってね」
「はい、頑張ります!」
ロモンちゃんはそう、グリテとか言う人にニコリと笑いかける。……少し、元気が出たみたいね、彼。
ロモンちゃんは可愛いからね。元気だってでるよね。
私達は昨日と同じく、アナウンスで入場を促された。
≪昨日は優勝経験者であり、前回、決勝まで進んだ優勝候補の1人、スベル選手を破った期待の新人! ロモン&アイリスぅぅぅ≫
≪ロモン、アイリスちゃん、がんばってね!≫
はい、お母さんやらかしましたー。
親密な関係であることはこれで皆んなに伝わっちゃいましたね。いえ、別にいいんですけど、明日からの私の賭け倍率が、お母様のネームバリューのせいでだだ下がりするじゃないですか。やだー。
≪おや、あの選手のことをご存知で?≫
≪ふふ、ええ。勿論ですとも。可愛いでしょう?≫
≪いや、確かにまあ、正直言うと、ロモン選手はかなり可愛らしいですが……≫
≪ありがとう! でも、娘は差し上げませんよ≫
その発言に、会場は沈ましかえった。
ロモンちゃんは1人、恥ずかしがっている。これはきっと、試合が終わったらお花摘みが長くなる可能性がある。
そして次第に、観客は口々にいろんな事……悪口を言ってる人が1人もいないのは確かだけど、本当に色々と言い出している。
私はいつもの通りに、小石視点で周りを見渡してみた。
驚いている人が大半。ジエダちゃんも驚いてるね。ギルドマスターとか、私の知り合いの方々も。
これで、ロモンちゃんに驚かされるのは2回目だよね、知り合いさん達。
そして観客の中には、フットさんの方に賭けてしまった人もいたみたいで、既に嘆いてる人が多かった。
そして肝心のフットさんも、目をキョトンとさせていた。
それほどにノアさんはすごいのか。
≪はぁ…えっと、驚かされましたが……。続いてこの方、 _____≫
その司会と共に、フットさんが入ってきた。イケメンだった顔に、少しの焦りが見える。
私達はコロシアムの真ん中に立ち、そして試合は始まった。
まずは相手がどんな攻撃をしてくるか見たほうがいい。
私は様子見としてホーリーハンドのフィンガ君に左ジャブを打ち込んだ。
するとそれを、宙を滑らかに飛んで回避し、指を鳴らしたかと思うと、私の周りに小規模の爆発が起こる。
昨日、やったアレと同じか。
確かに、ゴーレムなら物理に強く魔法に弱い、それが普通。だけど私は身体がミスリルでできているから、その程度の爆発じゃ、傷一つつかない。
実際、この攻撃には私はほーんの少ししかダメージを負わなかった。
≪おおっと、アイリス! いきなり魔法を受けてしまったが!?≫
(…ベスのアレを受けて生きてたんだから、あの程度じゃ何の意味もないけれど…ここは黙っときましょう)
今度は私の番だよね。
どうしようかな、前の試合は私の賭け倍率を高くするために、派手で強そうな技を使わなかったけれど…。
ちょっと、ロモンちゃんに相談だね。
【ロモンちゃん、どうしましょう? 派手にやりますか?】
【そうだね……ここはアイリスちゃん、魔集爆かエクスプロージョンでいこう】
【ふふ、わかりました】
というわけだから、エクスプロージョンでいこう。
でも相手はCランクの上。一撃で倒せるかな?
念のために、4回エフェルオもかけて、こっそり魔流の気も纏って………よし。
【では、いきます。爆発に備えて下さい】
【うん!】
ホーリーハンドは手に雷を纏いながら、助走をつけ、身体をグーにしてこちらに突撃してきた。
私はエクスプロージョンを唱えた。
それと同時に、私達が戦っていた場所、コロシアム一体に、大きな爆発が起こる。
会場はまた、静まり返った。
本当、この魔法、上手く使わないと私までダメージを受けちゃう。
今回は上手くいったけど。
それにしても、敵の姿が見えない………。
そう考えていた時、空から白色の手が降ってきた。ピクリとも動いていない。
勝った。まさか本当に一撃で倒せるとは思わなかった。
けど…し、死んでないよね……?
探知をしてみた結果、死んでない事がわかった。
よかったね。
≪え、えーと……今のは……!? と、とにかく、ロモン&アイリスの勝利だぁぁぁ≫
こうして2回戦目が終わった。
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次の投稿は7/12です。
控え室はなんだか昨日よりもピリピリしてる感じだね。
「アイリスちゃん…私、またお腹痛い…」
【………ここで待っておりますので、行ってきてください】
ロモンちゃん、メンタル弱いんじゃないの?
ロモンちゃんがお花摘みから戻って来た時、2日目の開催宣言が始まった。
《さあ! 今日も始まりました第___回魔物武闘大会! 司会は私、カルサイト・スピーチャがお送り致します! そして恒例の解説はこの方!》
え?
昨日は解説なんて居なかったよね? この大会の解説者なんだから、きっと魔物使いの大物なのだろうけれど、一体誰なんでしょう?
≪Sランクパーティの1人であり、個人ランクもSランク!現在、この国の騎士団をしておられるこのお方! ノアさんです!!≫
はぁっ!? お母様だとっ!?
お母様が解説としてでてる!
≪ノアです! 皆さん、全身全霊、仲魔のことを信じ、頑張って下さいね!≫
≪そういえばノアさん、今日は娘さんお二人が来ていらっしゃるとか?≫
≪ええ、そうなんですよ≫
≪きっと、客席で見てくれているのでしょう!≫
≪……客席…ふふ、そうですね≫
ちょっと、マジでお母様が来るとか聞いてない。
ロモンちゃんはこのことを知っているのかな?
【ロ…ロモンちゃん? お母様がいらっしゃってますが…】
「あれ、アイリスちゃん知らなかったっけ? お母さん、5年連続で大会の解説をしてるんだよ?」
【ええ……】
私がそう困惑している中、今回の対戦相手が私達に近づいてきた。
「やぁ、可愛いお嬢さん」
「あっ…貴方は…」
「僕はフットです。次の試合、共に全力を尽くし、頑張りましょうね」
「はいっ!」
2人はそう、挨拶を交えてから握手した。
ロモンちゃん、この人イケメンだけど、この人に見惚れてたりは……してない。うん、してないと思ったよ。
ホーリーハンドも私に話しかけてきた。
【ゴーレム、ハナーシガワカリマスーカ?】
【ええ、大丈夫です】
【ワァオー!? アナータ、ホントウニゴーレム? ……シアーイハ、テカゲンシナイーヨー?】
【ええ、こちらこそ】
元、石の私が言えたことじゃないが、手が喋りかけてくるってのは中々シュールというべきかな。
私達4人が試合前コミュニケーションを取っていると、係員さんから準備するように言われた。
気づくと既に、一回戦目は始まろうとしている。
私達は昨日と同じように準備する。
その間に、1回戦が始まった。
結果は明確。メタルミミンカーを連れたカルゲン青年の圧勝だった。
あの、ボスゴブリンを連れてたグリテとか言う人はトボトボと重い足取りでこの通路を通っくる。
ロモンちゃんは昨日と同じように、その人に声をかける。
「その…あの…お疲れ様でしたっ!」
「あ…ああ、うん。がんばってね」
「はい、頑張ります!」
ロモンちゃんはそう、グリテとか言う人にニコリと笑いかける。……少し、元気が出たみたいね、彼。
ロモンちゃんは可愛いからね。元気だってでるよね。
私達は昨日と同じく、アナウンスで入場を促された。
≪昨日は優勝経験者であり、前回、決勝まで進んだ優勝候補の1人、スベル選手を破った期待の新人! ロモン&アイリスぅぅぅ≫
≪ロモン、アイリスちゃん、がんばってね!≫
はい、お母さんやらかしましたー。
親密な関係であることはこれで皆んなに伝わっちゃいましたね。いえ、別にいいんですけど、明日からの私の賭け倍率が、お母様のネームバリューのせいでだだ下がりするじゃないですか。やだー。
≪おや、あの選手のことをご存知で?≫
≪ふふ、ええ。勿論ですとも。可愛いでしょう?≫
≪いや、確かにまあ、正直言うと、ロモン選手はかなり可愛らしいですが……≫
≪ありがとう! でも、娘は差し上げませんよ≫
その発言に、会場は沈ましかえった。
ロモンちゃんは1人、恥ずかしがっている。これはきっと、試合が終わったらお花摘みが長くなる可能性がある。
そして次第に、観客は口々にいろんな事……悪口を言ってる人が1人もいないのは確かだけど、本当に色々と言い出している。
私はいつもの通りに、小石視点で周りを見渡してみた。
驚いている人が大半。ジエダちゃんも驚いてるね。ギルドマスターとか、私の知り合いの方々も。
これで、ロモンちゃんに驚かされるのは2回目だよね、知り合いさん達。
そして観客の中には、フットさんの方に賭けてしまった人もいたみたいで、既に嘆いてる人が多かった。
そして肝心のフットさんも、目をキョトンとさせていた。
それほどにノアさんはすごいのか。
≪はぁ…えっと、驚かされましたが……。続いてこの方、 _____≫
その司会と共に、フットさんが入ってきた。イケメンだった顔に、少しの焦りが見える。
私達はコロシアムの真ん中に立ち、そして試合は始まった。
まずは相手がどんな攻撃をしてくるか見たほうがいい。
私は様子見としてホーリーハンドのフィンガ君に左ジャブを打ち込んだ。
するとそれを、宙を滑らかに飛んで回避し、指を鳴らしたかと思うと、私の周りに小規模の爆発が起こる。
昨日、やったアレと同じか。
確かに、ゴーレムなら物理に強く魔法に弱い、それが普通。だけど私は身体がミスリルでできているから、その程度の爆発じゃ、傷一つつかない。
実際、この攻撃には私はほーんの少ししかダメージを負わなかった。
≪おおっと、アイリス! いきなり魔法を受けてしまったが!?≫
(…ベスのアレを受けて生きてたんだから、あの程度じゃ何の意味もないけれど…ここは黙っときましょう)
今度は私の番だよね。
どうしようかな、前の試合は私の賭け倍率を高くするために、派手で強そうな技を使わなかったけれど…。
ちょっと、ロモンちゃんに相談だね。
【ロモンちゃん、どうしましょう? 派手にやりますか?】
【そうだね……ここはアイリスちゃん、魔集爆かエクスプロージョンでいこう】
【ふふ、わかりました】
というわけだから、エクスプロージョンでいこう。
でも相手はCランクの上。一撃で倒せるかな?
念のために、4回エフェルオもかけて、こっそり魔流の気も纏って………よし。
【では、いきます。爆発に備えて下さい】
【うん!】
ホーリーハンドは手に雷を纏いながら、助走をつけ、身体をグーにしてこちらに突撃してきた。
私はエクスプロージョンを唱えた。
それと同時に、私達が戦っていた場所、コロシアム一体に、大きな爆発が起こる。
会場はまた、静まり返った。
本当、この魔法、上手く使わないと私までダメージを受けちゃう。
今回は上手くいったけど。
それにしても、敵の姿が見えない………。
そう考えていた時、空から白色の手が降ってきた。ピクリとも動いていない。
勝った。まさか本当に一撃で倒せるとは思わなかった。
けど…し、死んでないよね……?
探知をしてみた結果、死んでない事がわかった。
よかったね。
≪え、えーと……今のは……!? と、とにかく、ロモン&アイリスの勝利だぁぁぁ≫
こうして2回戦目が終わった。
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