17 / 49
第16話 初めて
しおりを挟む
「だとしても、こんなやり方、許されない……っ」
わめくリアナの胸に、デュレンの手が重なった。
「ひゃああっ」
揉まないで。リアナは目線で必死に訴える。
「男に触られるのは初めてか」
「当たり前じゃないっ」
恥ずかしながら二十七歳の亜姫の頃もまだ生娘だったのだ。高校生の頃につきあっていた同級生と手を繋いだりキスするところまでは進んだが、それ以上になる前に部活に専念したいからと告げられふられてしまった。以来、好きになった相手に振り向かれることのないまま、気づけば二十七歳になってしまったのだ。
「生娘か」
デュレンの目の色が変わった気がした。
「俺がおまえの初めての男になるんだな」
「勝手に決めつけないでっ」
「所詮、この屋敷から出たところでおまえの行く場などどこにもない。身寄りのない女が一人で歩いていれば、野垂れ死ぬか襲われるかのどれかしかない。ここにいろ。それが一番安全だ」
「ここにいたら、あなたに襲われるじゃないっ」
「妻になれと言ってるんだ」
「嫌よっ。出会ったばかりで妻になれと言われてなるものじゃないでしょ。物事には順序があるのよっ」
「順序など知ったことか」
ぐいっと胸を揉まれ、リアナは息を呑んだ。
「……わ、私だけじゃないんでしょ……?」
「何が?」
デュレンが眉をひそめた。
「さっきの使用人の子たちにも、こんな風にしてるんでしょ。いいように手籠めにしてるんでしょ?」
「心外なことを言うな。使用人には何もしていない」
「嘘よ」
「嘘ではない」
「じゃあ、私が現れるまで、どうしてたのよ。いきなり、こんな風に襲いかかるような人が」
「使用人たちは貴族の血を引いていない。手を出すわけがないだろう。妻になる女以外は触れない」
「じゃあ、私が初めてなの?」
問いかけると、デュレンが無言になった。
「……ほらあっ」
「ごちゃごちゃと、うるさい口だな」
デュレンは面倒そうに舌打ちをすると、リアナの顎をつかんだ。
いきなり唇を塞がれる。リアナは驚いて目を見張った。
わめくリアナの胸に、デュレンの手が重なった。
「ひゃああっ」
揉まないで。リアナは目線で必死に訴える。
「男に触られるのは初めてか」
「当たり前じゃないっ」
恥ずかしながら二十七歳の亜姫の頃もまだ生娘だったのだ。高校生の頃につきあっていた同級生と手を繋いだりキスするところまでは進んだが、それ以上になる前に部活に専念したいからと告げられふられてしまった。以来、好きになった相手に振り向かれることのないまま、気づけば二十七歳になってしまったのだ。
「生娘か」
デュレンの目の色が変わった気がした。
「俺がおまえの初めての男になるんだな」
「勝手に決めつけないでっ」
「所詮、この屋敷から出たところでおまえの行く場などどこにもない。身寄りのない女が一人で歩いていれば、野垂れ死ぬか襲われるかのどれかしかない。ここにいろ。それが一番安全だ」
「ここにいたら、あなたに襲われるじゃないっ」
「妻になれと言ってるんだ」
「嫌よっ。出会ったばかりで妻になれと言われてなるものじゃないでしょ。物事には順序があるのよっ」
「順序など知ったことか」
ぐいっと胸を揉まれ、リアナは息を呑んだ。
「……わ、私だけじゃないんでしょ……?」
「何が?」
デュレンが眉をひそめた。
「さっきの使用人の子たちにも、こんな風にしてるんでしょ。いいように手籠めにしてるんでしょ?」
「心外なことを言うな。使用人には何もしていない」
「嘘よ」
「嘘ではない」
「じゃあ、私が現れるまで、どうしてたのよ。いきなり、こんな風に襲いかかるような人が」
「使用人たちは貴族の血を引いていない。手を出すわけがないだろう。妻になる女以外は触れない」
「じゃあ、私が初めてなの?」
問いかけると、デュレンが無言になった。
「……ほらあっ」
「ごちゃごちゃと、うるさい口だな」
デュレンは面倒そうに舌打ちをすると、リアナの顎をつかんだ。
いきなり唇を塞がれる。リアナは驚いて目を見張った。
0
お気に入りに追加
1,555
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる