1 / 4
第1話
しおりを挟む
暴れるミカゲを強引につかまえて押し倒し、うなじに噛みついた。
ミカゲはこれ以上ないほど憎しみを込めた眼差しで、俺をにらみつけていた。
俺はミカゲに向けて笑った。
「ははっ、これで一生おまえは俺に繋ぎとめられたまま逃れられない。残念だったな」
オメガはアルファにうなじを噛まれたら一生つがいにならざるを得ない。
それがどれほど嫌いなヤツだったとしても。
憎んでるヤツだったとしても。
俺はミカゲの耳元に唇を寄せた。
「この先ずっと、おまえは俺にだけ欲情するんだ。屈辱だろ?」
「くっ……」
ミカゲは苦しげに眉根を寄せ、つらそうに目を伏せた。
「もうおまえの身体は俺しか欲しないんだ」
俺はミカゲの身体に触れ、服を脱がせていく。
腕の下で小さく震える身体。屈辱のせいなのか。悲しみにくれているのか。
俺はこれ以上ないほど繊細に、丁寧に、優しくミカゲの肌に触れていく。優しくすればするほど、ミカゲの自尊心に傷がつくことを知っていた。
噛んだばかりのうなじにキスをする。
「おまえはこの先ずっと、俺から愛され続けるんだ」
ミカゲが絶望的な顔をした。
俺は遠慮なくミカゲに覆いかぶさる。この身体の奥に楔を打ち込むために。
この世には男女の他にも性別がある。アルファ、ベータ、オメガ。
アルファは優秀な遺伝子を持ち、将来も約束されている。生まれながらのエリートだ。
ベータはすべてにおいて平均値で、可もなければ不可もない存在だ。
オメガは男女関係なく子を孕むことができる唯一の存在で、定期的に発情に悩まされながら生きている。
ミカゲもそうだ。
オメガとして生まれたせいで、日々、発情に悩まされ、苦しみ、フェロモンを放っては、男に犯される。
可哀想な生き物。
だから俺だけのオメガにしてやった。もう俺以外の誰もミカゲに触れることは許されない。
だけどミカゲは俺を嫌いだし憎んでいる。
もっと可哀想な生き物になった。
そんなミカゲに俺は欲情し、押さえつけ、身体の奥まで侵食する。
死ぬまで逃れられないオメガの性。どんなにいきがってみせても、発情には抗えない。
熱い息を吐き、苦しげに身悶え、快楽へと堕ちていく。
「おまえは俺の子を孕むんだ」
屈辱だろう? 耳元で囁くと、ミカゲは耐えるように唇を噛み締めた。
毎日のようにミカゲの身体を抱いた。俺の形をその身体が覚えるほどに。
ミカゲはこれ以上ないほど憎しみを込めた眼差しで、俺をにらみつけていた。
俺はミカゲに向けて笑った。
「ははっ、これで一生おまえは俺に繋ぎとめられたまま逃れられない。残念だったな」
オメガはアルファにうなじを噛まれたら一生つがいにならざるを得ない。
それがどれほど嫌いなヤツだったとしても。
憎んでるヤツだったとしても。
俺はミカゲの耳元に唇を寄せた。
「この先ずっと、おまえは俺にだけ欲情するんだ。屈辱だろ?」
「くっ……」
ミカゲは苦しげに眉根を寄せ、つらそうに目を伏せた。
「もうおまえの身体は俺しか欲しないんだ」
俺はミカゲの身体に触れ、服を脱がせていく。
腕の下で小さく震える身体。屈辱のせいなのか。悲しみにくれているのか。
俺はこれ以上ないほど繊細に、丁寧に、優しくミカゲの肌に触れていく。優しくすればするほど、ミカゲの自尊心に傷がつくことを知っていた。
噛んだばかりのうなじにキスをする。
「おまえはこの先ずっと、俺から愛され続けるんだ」
ミカゲが絶望的な顔をした。
俺は遠慮なくミカゲに覆いかぶさる。この身体の奥に楔を打ち込むために。
この世には男女の他にも性別がある。アルファ、ベータ、オメガ。
アルファは優秀な遺伝子を持ち、将来も約束されている。生まれながらのエリートだ。
ベータはすべてにおいて平均値で、可もなければ不可もない存在だ。
オメガは男女関係なく子を孕むことができる唯一の存在で、定期的に発情に悩まされながら生きている。
ミカゲもそうだ。
オメガとして生まれたせいで、日々、発情に悩まされ、苦しみ、フェロモンを放っては、男に犯される。
可哀想な生き物。
だから俺だけのオメガにしてやった。もう俺以外の誰もミカゲに触れることは許されない。
だけどミカゲは俺を嫌いだし憎んでいる。
もっと可哀想な生き物になった。
そんなミカゲに俺は欲情し、押さえつけ、身体の奥まで侵食する。
死ぬまで逃れられないオメガの性。どんなにいきがってみせても、発情には抗えない。
熱い息を吐き、苦しげに身悶え、快楽へと堕ちていく。
「おまえは俺の子を孕むんだ」
屈辱だろう? 耳元で囁くと、ミカゲは耐えるように唇を噛み締めた。
毎日のようにミカゲの身体を抱いた。俺の形をその身体が覚えるほどに。
10
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
王子様の愛が重たくて頭が痛い。
しろみ
BL
「家族が穏やかに暮らせて、平穏な日常が送れるのなら何でもいい」
前世の記憶が断片的に残ってる遼には“王子様”のような幼馴染がいる。花のような美少年である幼馴染は遼にとって悩みの種だった。幼馴染にべったりされ過ぎて恋人ができても長続きしないのだ。次こそは!と意気込んだ日のことだったーー
距離感がバグってる男の子たちのお話。
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。
目を開けてこっちを向いて
COCOmi
BL
優秀で美しいヤンデレα×目を合わせるのが苦手な卑屈Ω。
目を合わせるのが苦手なΩの光は毎日やってくる優秀で美しいαの甲賀になぜか執着されている。自分には大した魅力もないのになぜ自分なのか?その理由もわからないまま、彼に誘われて断ることもできず家へ行ってしまう…。
---目を合わせたら全ては終わり。そこは奈落の底。
過激な表現や嘔吐シーンありますのでご注意ください。
言ってはいけない言葉だったと理解するには遅すぎた。
海里
BL
クラスの人気者×平凡
クラスの人気者である大塚が疲れてルームメイトの落合の腰に抱き着いていた。
落合からある言葉を掛けられるのを期待して――……。
もしも高一まで時間が巻き戻せるのなら、絶対にあんな言葉を言わないのに。
※エロしかないような感じ。
現代高校生の書いてないなぁと思って、チャレンジしました。
途中で大塚視点になります。
※ムーンライトノベルズ様にも投稿しました。
愛しいアルファが擬態をやめたら。
フジミサヤ
BL
「樹を傷物にしたの俺だし。責任とらせて」
「その言い方ヤメロ」
黒川樹の幼馴染みである九條蓮は、『運命の番』に憧れるハイスペック完璧人間のアルファである。蓮の元恋人が原因の事故で、樹は蓮に項を噛まれてしまう。樹は「番になっていないので責任をとる必要はない」と告げるが蓮は納得しない。しかし、樹は蓮に伝えていない秘密を抱えていた。
◇同級生の幼馴染みがお互いの本性曝すまでの話です。小学生→中学生→高校生→大学生までサクサク進みます。ハッピーエンド。
◇オメガバースの設定を一応借りてますが、あまりそれっぽい描写はありません。ムーンライトノベルズにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる