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第2話
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目をハートの形にした多くの娘たちからちやほやされ、王子はまんざらでもなさそうだった。そんな彼を尻目に、シンデレラはご馳走を頬張った。今食べなければ、今後しばらくはこんなご馳走など口にできそうにないからだ。
シンデレラの日々の食事は、いつでも残り物ばかり。父が死んでから、まともな食事などできたことがなかった。
王子はダンスの相手を物色しているのか、さまざまな娘たちをざっと眺め、颯爽と大広間を歩く。ふと視線をシンデレラへと留めた。こちらを見向きもせずに、一心不乱に食べている。その様子に興味をそそられたのだ。
ざわっとした空気の流れに気づいて、シンデレラが顔をあげた。ふと人影が視界をさえぎり、それが王子とわかると内心で慌てた。
すっと手を差し出される。王子の眼差しはまっすぐにシンデレラに注がれていた。
「僕と踊りませんか?」
「えっ、えぇっ……?」
王子のほうから寄って来るとは夢にも思わなかったので、シンデレラは激しく焦った。辺りを見ると、すべての人がシンデレラを見ている。当たり前だ。王子から誘われているのだから。
「あなたの食事をしている姿が美しかった。僕と踊ってください」
「はっ、はいっ……」
シンデレラはわけがわからぬまま王子の手を取り、引っ張られるまま歩き出した。
王子は大広間の中央で足を止めると、シンデレラのほうへと向きを変え、右手でシンデレラの手を握り、左手を彼女の腰へと添えた。軽やかに流れる音楽隊の曲に合わせ、王子がステップを踏む。つられるようにシンデレラの足もステップを踏んだ。
ダンスの経験がないわけではない。幼い頃から父に習い、基礎は染みついている。頭で考えなくても足が勝手に動く。王子のリードは軽やかで、ふわりと浮くようにステップを踏める。ダンスの楽しさに心を奪われ、シンデレラは夢見心地で踊り続けた。周囲の視線さえも忘れるほどに。
王子と踊る若い娘に、多くの視線が集中するのは当然のことで、その中には継母と二人の義姉もいた。
「なんなのあの娘。王子様とダンスするのは私だったはずよ」
「いったいどこの家の娘なのかしら」
あからさまに苛立ちを口にして悔しがる義姉たち。美しいドレスと化粧のせいか、シンデレラだとは気づかなかったようだ。彼女たちは普段から、みすぼらしいシンデレラしか見たことがなかったのである。
曲が一区切りし、緩やかな曲調に変わる。ステップが終わるのと当時に、シンデレラは王子が相手を変えてまた踊るのだろうと思っていた。ところが王子は彼らを見ていた人々にダンスするよう促し、みんながダンスしはじめるのを確かめると、シンデレラの手を取って歩き出した。
「え……っ、えっ?」
戸惑うシンデレラにはお構いなしで、王子は大広間から出て行く。人気のない廊下をどんどん歩いて行き、扉の前で足を止めた。
「ワインの相手をお願いしたい」
「ワイン?」
王子は扉を開くと、シンデレラを室内へと引っ張り込んだ。どうやらそこは王子の部屋で、しかも寝室らしい。大きなベッドが目に飛び込んできて、シンデレラは内心で慌てた。
それ以外にも小さなテーブルと椅子があり、王子はそこに座るよう促してきた。言われるまま腰掛けたシンデレラは、自分が何かとんでもないことになっていることに気づいた。
おいしいものを食べてひっそりと帰るつもりだったのに、王子とダンスを繰り広げた挙句、部屋にまで来てしまっている。しかもワイングラスに注がれた赤ワインを、そっと手渡されている。
「眠れぬ夜によく飲んでいる赤ワインだ。乾杯しよう」
シンデレラは夢見心地のまま王子とグラスを合わせた。
「僕たちの出会いに、乾杯」
間近で見る王子は美しかった。切れ長の目。透き通るような碧い瞳。緩やかにウェーブしたブロンドの髪。鼻筋はスッと通っており、唇の形もいい。まるで、精巧に作られた彫像のようだった。
ワイングラスに口をつけながら、シンデレラは彼に見惚れた。この夢のような出来事に今夜だけは酔いたかった。
「まだ名を聞いていなかったな」
「……シンデレラです」
「シンデレラ。素敵な名だ」
「……いえ、そんな素晴らしい名ではないです」
「いや、あなたの名なら、それがどのような名であろうと美しくなる」
つ、と王子の指にワイングラスを取られ、シンデレラは思わず顔をあげた。その瞬間、唇を柔らかなもので覆われ、間近すぎる距離に王子の顔があった。
「…………っ!」
シンデレラは口づけられていた。
ついばむように何度も王子の唇が離れたり触れたりし、やがて深い口づけへと変わる。王子の舌先がシンデレラの歯の間に滑り込み、彼女の舌先に触れた。ぞくりとシンデレラの身体が震え、何か熱いものが這い上がってきた。頬を紅潮させ、目を潤ませながら、シンデレラは王子の舌を味わう。弾力のある互いの舌先が押し合うように触れ、その熱い刺激でだんだんと頭がぼうっとしていくのを感じる。
ゴーン……遠くで鐘の鳴る音がした。
何の音だろう。そう思った瞬間、シンデレラはハッとした。
これは、十二時を知らせる鐘の音だ。
反射的に王子の肩を押していた。
驚いた顔で王子がシンデレラを見つめる。
「ご、ごめんなさい。私、もう帰らないと」
「どうして」
「もう、こんな時間なので。帰らなくてはいけないんです」
「待て。今宵は帰したくない。朝まで僕と一緒に」
「無理です。ごめんなさい。帰らせてください」
王子に抱きすくめられてしまった。本気で帰したくないのだろう。しかし、十二時を知らせる鐘の音が鳴り終わったら、シンデレラにかけられた魔法は完全に解けてしまう。
ボロボロの服でボサボサの髪に戻ったら、王子をたばかった罪で罰せられてしまうかもしれない。ぞっとしたシンデレラは、なんとか王子の腕から逃れようとしたが、力強い男性の腕を解くには、シンデレラの腕は細すぎた。
鐘の音がもうすぐ終わる。
もうダメだ。すべておしまいだ。シンデレラの目に涙が溜まり、頬を濡らしていく。
美しいドレスがボロボロの服に変わり、結い上げられた髪がボサボサに変わり、ほどこされた化粧が消えていく。これを見たら、王子はたちまち幻滅してしまうだろう。
シンデレラの抵抗が止み、王子がゆっくりと腕を解いた。そして彼女を見た瞬間、驚愕に目を見開いた。
「……これは……どうしたことだ」
「ごめんなさい。ごめんなさい、王子様」
シンデレラは両手で顔を覆った。
「騙したのか、この僕を」
否定はできなかった。シンデレラは間違いなく王子を騙したのだ。本当は舞踏会に来る資格などなかった。自分の立場をわきまえずに、浮かれてのこのこ来てしまったのがいけなかったのだ。
シンデレラの日々の食事は、いつでも残り物ばかり。父が死んでから、まともな食事などできたことがなかった。
王子はダンスの相手を物色しているのか、さまざまな娘たちをざっと眺め、颯爽と大広間を歩く。ふと視線をシンデレラへと留めた。こちらを見向きもせずに、一心不乱に食べている。その様子に興味をそそられたのだ。
ざわっとした空気の流れに気づいて、シンデレラが顔をあげた。ふと人影が視界をさえぎり、それが王子とわかると内心で慌てた。
すっと手を差し出される。王子の眼差しはまっすぐにシンデレラに注がれていた。
「僕と踊りませんか?」
「えっ、えぇっ……?」
王子のほうから寄って来るとは夢にも思わなかったので、シンデレラは激しく焦った。辺りを見ると、すべての人がシンデレラを見ている。当たり前だ。王子から誘われているのだから。
「あなたの食事をしている姿が美しかった。僕と踊ってください」
「はっ、はいっ……」
シンデレラはわけがわからぬまま王子の手を取り、引っ張られるまま歩き出した。
王子は大広間の中央で足を止めると、シンデレラのほうへと向きを変え、右手でシンデレラの手を握り、左手を彼女の腰へと添えた。軽やかに流れる音楽隊の曲に合わせ、王子がステップを踏む。つられるようにシンデレラの足もステップを踏んだ。
ダンスの経験がないわけではない。幼い頃から父に習い、基礎は染みついている。頭で考えなくても足が勝手に動く。王子のリードは軽やかで、ふわりと浮くようにステップを踏める。ダンスの楽しさに心を奪われ、シンデレラは夢見心地で踊り続けた。周囲の視線さえも忘れるほどに。
王子と踊る若い娘に、多くの視線が集中するのは当然のことで、その中には継母と二人の義姉もいた。
「なんなのあの娘。王子様とダンスするのは私だったはずよ」
「いったいどこの家の娘なのかしら」
あからさまに苛立ちを口にして悔しがる義姉たち。美しいドレスと化粧のせいか、シンデレラだとは気づかなかったようだ。彼女たちは普段から、みすぼらしいシンデレラしか見たことがなかったのである。
曲が一区切りし、緩やかな曲調に変わる。ステップが終わるのと当時に、シンデレラは王子が相手を変えてまた踊るのだろうと思っていた。ところが王子は彼らを見ていた人々にダンスするよう促し、みんながダンスしはじめるのを確かめると、シンデレラの手を取って歩き出した。
「え……っ、えっ?」
戸惑うシンデレラにはお構いなしで、王子は大広間から出て行く。人気のない廊下をどんどん歩いて行き、扉の前で足を止めた。
「ワインの相手をお願いしたい」
「ワイン?」
王子は扉を開くと、シンデレラを室内へと引っ張り込んだ。どうやらそこは王子の部屋で、しかも寝室らしい。大きなベッドが目に飛び込んできて、シンデレラは内心で慌てた。
それ以外にも小さなテーブルと椅子があり、王子はそこに座るよう促してきた。言われるまま腰掛けたシンデレラは、自分が何かとんでもないことになっていることに気づいた。
おいしいものを食べてひっそりと帰るつもりだったのに、王子とダンスを繰り広げた挙句、部屋にまで来てしまっている。しかもワイングラスに注がれた赤ワインを、そっと手渡されている。
「眠れぬ夜によく飲んでいる赤ワインだ。乾杯しよう」
シンデレラは夢見心地のまま王子とグラスを合わせた。
「僕たちの出会いに、乾杯」
間近で見る王子は美しかった。切れ長の目。透き通るような碧い瞳。緩やかにウェーブしたブロンドの髪。鼻筋はスッと通っており、唇の形もいい。まるで、精巧に作られた彫像のようだった。
ワイングラスに口をつけながら、シンデレラは彼に見惚れた。この夢のような出来事に今夜だけは酔いたかった。
「まだ名を聞いていなかったな」
「……シンデレラです」
「シンデレラ。素敵な名だ」
「……いえ、そんな素晴らしい名ではないです」
「いや、あなたの名なら、それがどのような名であろうと美しくなる」
つ、と王子の指にワイングラスを取られ、シンデレラは思わず顔をあげた。その瞬間、唇を柔らかなもので覆われ、間近すぎる距離に王子の顔があった。
「…………っ!」
シンデレラは口づけられていた。
ついばむように何度も王子の唇が離れたり触れたりし、やがて深い口づけへと変わる。王子の舌先がシンデレラの歯の間に滑り込み、彼女の舌先に触れた。ぞくりとシンデレラの身体が震え、何か熱いものが這い上がってきた。頬を紅潮させ、目を潤ませながら、シンデレラは王子の舌を味わう。弾力のある互いの舌先が押し合うように触れ、その熱い刺激でだんだんと頭がぼうっとしていくのを感じる。
ゴーン……遠くで鐘の鳴る音がした。
何の音だろう。そう思った瞬間、シンデレラはハッとした。
これは、十二時を知らせる鐘の音だ。
反射的に王子の肩を押していた。
驚いた顔で王子がシンデレラを見つめる。
「ご、ごめんなさい。私、もう帰らないと」
「どうして」
「もう、こんな時間なので。帰らなくてはいけないんです」
「待て。今宵は帰したくない。朝まで僕と一緒に」
「無理です。ごめんなさい。帰らせてください」
王子に抱きすくめられてしまった。本気で帰したくないのだろう。しかし、十二時を知らせる鐘の音が鳴り終わったら、シンデレラにかけられた魔法は完全に解けてしまう。
ボロボロの服でボサボサの髪に戻ったら、王子をたばかった罪で罰せられてしまうかもしれない。ぞっとしたシンデレラは、なんとか王子の腕から逃れようとしたが、力強い男性の腕を解くには、シンデレラの腕は細すぎた。
鐘の音がもうすぐ終わる。
もうダメだ。すべておしまいだ。シンデレラの目に涙が溜まり、頬を濡らしていく。
美しいドレスがボロボロの服に変わり、結い上げられた髪がボサボサに変わり、ほどこされた化粧が消えていく。これを見たら、王子はたちまち幻滅してしまうだろう。
シンデレラの抵抗が止み、王子がゆっくりと腕を解いた。そして彼女を見た瞬間、驚愕に目を見開いた。
「……これは……どうしたことだ」
「ごめんなさい。ごめんなさい、王子様」
シンデレラは両手で顔を覆った。
「騙したのか、この僕を」
否定はできなかった。シンデレラは間違いなく王子を騙したのだ。本当は舞踏会に来る資格などなかった。自分の立場をわきまえずに、浮かれてのこのこ来てしまったのがいけなかったのだ。
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