BL学園の姫になってしまいました！

4. First time！転校生とお話！

　昼休みが終わり、少し微睡みながらも5時間目、6時間目と授業を終えて放課後になった。

｢さて、凪。私は買い物に行きますので、準備お願いしますね｣

｢了解。白川も気をつけて｣

　そう言って別れようとした時、なぁ！と声をかける人がいた。何となく予想出来てた私は、そのままキョトンとした風を装い、声の聞こえた方に顔を向ける。

｢えっと……何か？｣

｢あ、俺は桜城 蓮！って知ってるか。お前らの名前は？今日食堂にいた時声掛けたかったんだけど……｣

｢ええ、存じ上げております。私は白川 雪月です。食堂の件は大変でしたね｣

｢…黒瀬 凪｣

　白川は微笑んで、黒瀬は無表情で言った。
　転校生──桜城くんは元気よく話し出す。

｢雪月に凪な！よろしく！なぁ2人ともこれから暇か？智紀と遊ぶんだけど、よかったら一緒に遊ばないか？｣

｢……別に2人でいいだろ。何でこいつら誘うんだよ｣

　目を細め、威嚇するように言った鮫島くんに、桜城くんはプンプンと幼い子供に怒るように言った。

｢智紀！そんなんだから友達できないんだぞ？ちゃんと2人に謝れよ！｣
　
　いや、謝る謝らないでグダグダやられても面倒臭いし、時間がもったいないんでね！と思い、私は謝られる前にすぐ言葉を挟む。

｢いえ、謝罪は不要です。桜城くんのお誘いは嬉しいのですが、私達これから用があるので、ご一緒出来ないのです。すみません……また今度誘ってくださいますか？｣

｢そうか……分かった！っていうか、そんな堅苦しい喋り方しなくてもいいぞ？あと、蓮でいいからな！｣

｢お心遣いありがとうございます。ですが、この喋り方は元からなので……変えるのはとてもではないですが難しいのです。どうか、お許しください｣

　嘘だ。私は元からこの喋り方じゃないし、変えるのはとても簡単である。
　まぁ、下手に出るように言われて、言い返せる人はほぼいない。いるとすれば、本当に我儘で甘やかされて育ってきたやつか、常識のないやつくらいだ。

｢んー…なんかムズムズするけど……分かった。そこまで言われたら何にも言えないな！｣

｢ありがとうございます｣

｢次は遊ぼうな！｣

　そう言って去っていった桜城くんと鮫島くん。

　私は凪と共に教室を出て、それぞれの任務を果たす為に靴箱の前で別れたのだった。