【完結】『ルカ』

瀬川香夜子

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『ルカ』

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 地に堕ちて、初めて瞳に映ったのはキミでした。

 春の木漏れ日で艶めく髪が夏の風に攫われる。
 秋の紅葉に彩られる中、キミはいつも同じ顔で私に笑いかけた。
 冬の白い世界で身を寄せ合ったキミの熱を、きっと私は忘れることはないだろう。

 たとえ、何があったとしても
 キミのその笑みが絶えることが無ければ、私は幸せだと胸を張ることが出来る。

―――ただ、

 この気持ちを何と称したらいいのか。
 それだけが、ずっとわからないままなのだ。

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