剛柔なお前の為。

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ep 160 兄

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4人は食事が終わり、大河が片付けをしていると翔座はテーブルでウトウトと寝落ち仕掛けていた。


大河 「父さんっ、父さんって。寝るならベットに行けよ!」


翔座は仕事の疲れと、家にいる安心感で少量アルコールだけで酔い寝ぼけている。

翔座 「んーーーー。。和泉ぃー……」

坂鬼三兄弟は翔座の寝言はしっかりと耳に入っていたが、誰一人寝言に関して言葉を発する事は無かった。


大河 「…ほらっ。父さん、行くぞ!…翔吾、テーブル片付けてくれ。皿は俺が洗うから。……よいしょっ!」


翔吾 「わかったーー。」



大河はおんぶする様な形で巨体の父親を部屋まで運ぶ。



部屋に到着し、翔座をベットに下ろす。


お酒もあんまり入っていないのに、翔座は爆睡していた。


翔座は一度寝ると、トイレ以外中々起きる事はない。


翔座はいびきをかきだすと、大河は毛布をかけて部屋の電気を消し、少しだけ父親を見つめて部屋をあとにした。



大河がリビングに戻ると翔吾はテーブルを、片付け終えて洗い物をしようとしていた。


大河 「ありがと。あとは俺がやるからゆっくりしてな…」


翔磨はベランダで一服している。


翔吾 「大河兄ちゃん、お願いがあるんだ……」

大河 「なんだー?」

翔吾 「…今日の課題をみてくれないか?」

大河 「自分でやれ。」

大河は皿を洗いながら軽くあしらう。

翔吾 「今日、何でもやってあげるって言ったじゃねーか!」

大河 「ぁー。…言ってたなw ……分かった。俺もあるし一緒にやるぞ!」

翔吾 「さんきゅっ!」


翔磨は一服を終えて、ベランダから出てくるとソファーに座る。



大河 「そういえばお前!赤点とか取ってねーだろうな!?山口先生、赤点とったら部活させないって言ってたぞ??」
大河 (そいうえば、赤点リーチ組のノート見てねーな。…明日見せてもらお。)


大河は洗い物を終えて、手を拭いた。


翔吾 「だからやばいんだよ……お兄ちゃん。お願ぃ。」


翔磨 「お前、赤点は洒落になんねーぞwww」


翔磨は翔吾を茶化す。

翔吾 「そーゆー自分はどうだったんだよ!」


翔磨 「赤点なんかとった事なかったぜ?w」


大河 「……ギリギリだったけどな…。」


翔磨 「ばかっ////結果が全てだって……しっかり教えて貰えー、ちなみに赤点取ったらオヤジまじ切れするぜ。」


翔磨はお茶を飲みながら愉快そうに話した。


大河 「ほらっ。さっさとやるぞ…」

翔吾は渋々二階に上がっていく。



翔磨は2人が二階にあがり部屋に入った事を確認すると準備に取り掛かる。


----------------兄弟----------------------



大河と翔吾はお互いに課題を片付けていた。


翔吾 「兄ちゃん、ここ。ここ。」 


大河 「ん?…えーと…ここは因数分解だろ。教科書しっかりみろー」


翔吾 「ん?…あー!そっかそっか!!」


大河 「お前なぁ…分からないと思った瞬間俺に聞いてないか?w」

翔吾 「…バレた?w 」


大河は翔吾の頭をクシャと雑に撫でて、自分の課題に取り組んだ。



40分後。


翔吾 「ぁーー。。終わった終わったぁー!!…あれ?兄ちゃんまだやってんのかよ」


大河 「お前がいちいち、止めるからだろーがw…ほら、終わったらもう自分の部屋行けー」


翔吾 「…んーーー。。……」


ぎゅっ。

将吾は自分の部屋に戻るかと思えば大河の後ろに座りお腹に手を回した。


大河 「……おい。すっげーやり辛いんだけど」


翔吾 「……んー。。。」

大河の逞しく柔らかく広い背中に翔吾は頬を預ける。


大河 「お前、甘えたか?」

大河は翔吾を茶化せば離れるだろうと思ったが予想は外れた。

翔吾 「…ぉぅ。…兄ちゃんに甘えてぇー。……あんまり部活来んなよ……俺の兄貴なんだぞ……」


大河 「……すまん、すまんw……でも相良は友達だから、助けたかったんだ…」



翔吾はぐりっと頬を反転させて、少しだけ抱きしめる力を緩めた。


翔吾 「……優しすぎんだよ。」

大河 「…………そうかもなw……。」


五分後大河は課題を終わらせた。


歯磨きをする為に、立ち上がろうとすると翔吾は手を離した。


2人は揃って洗面所にいき、歯磨きを終わらせ再び部屋にもどり翔吾はベットにつく。

大河は部屋の電気を消した。


大河 「…なー、なんで俺と一緒に寝るんだ?」


翔吾 「…なんか、落ち着くんだよ…ただそれだけ……」

大河はベットにはいるといつも同じ様に翔吾は大河に手を回す。


大河 「俺が居なくなったら?…」


翔吾 「……泣いちまうかも。」


大河 「素直だなw …………そん時は代わりになる人を見つけないとな…」



何故か大河が寂しそうな声を出した。

 
翔吾 「…………。」


十分後、大河は翔吾の吐息がしている事を確認したら、すくっとたちあがった。


大河はゆっくりと自分の部屋から出ようとした。




翔吾 「…兄貴のところに行くのか?」


大河 「え?ちょっんーーー。。」


翔吾は大河の背後から口に手を当てて、強く抱きしめて、大河の首を舐める。


大河 「んっく。/////んーっ!」

大河は翔吾を引き剥がそうとする。


翔吾 「…今からアレ飲んで、兄貴のところに行くぞ。…」

ゆっくりと翔吾は大河の口から手を離した。

大河 「おまっ、何で知って//// てか、2人って////」

翔吾 「兄貴からの命令だったんだよ。…大河を連れてこいってな……」


大河 「流石にだめだって!!///」

翔吾 「俺は全部知ってるぜ。 何だかんだで大河が勃起してる事も。……もう言い逃れできねーぜ?ガチガチだもんな…」

 
大河 「あぁっ。。//// …‥お前ら、またハメやがったな/////」
大河 (なる程、兄貴が俺を誘った理由がわかった////……浩介。。)


大河は浩介の言葉思い出し、流される事だけに集中した。


約束を守る為に、何も知らないフリをする。自分の家族を大切に想う為の決断である。


相手を手のひらの上で掌握しているはずが、互いに掌握されている形になっている事はまだ誰も知らない。
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