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ep 155
しおりを挟む翔座 「大河。翔磨がごめんって……許してやろーぜ…な?」
翔座 (ギャン泣きじゃねーか/////)
和泉 「大河。許してあげてねっ」
和泉 (まさか、こんな形になるとはw)
大河 「…ぅぐ。……きら、い。……にいちゃんきらいだぁ!…」
翔座 「もー、大河ー………ぁ。」
和泉 「…ぇ?」
ふと、二人は翔磨を見ると子供がはじめて絶望する顔を見てしまった。
ガーーーーン!!!と言う代表的な表情だ。
翔磨の心の中には、嫌いだという大河の声がずっと響いていた。
翔磨の跡をいつも付いてきて、言う事を必ず聞く大河が大好きであったのだ。
翔磨は、はじめて大河に嫌われてしまったのでショックが大きかったのであった。
翔磨は呆然と立ちすくんでいた。
和泉はシャッターを切りたかったが翔吾を抱っこしている為出来なかった。
その後ずっと、大河は翔座から離れようとしなかった。
流れるプールでもギュッと首元に抱きついて目をつぶり、離す事はなかった。
翔座 「大河。お父さんがいるから溺れねーって。怖くねーよっw」
大河 「やだ!!……怖い!!…やだぁ。。」
翔座 「おーい。大河ぁー。www」
翔座 (めっっちゃくちゃっかわいい!!////)
翔座にとっては天国だったが当然、大河にとっては地獄でしかなかったのだ。
翔磨はテンションが暴落して、大人しくして和泉の側にいたのであった。
そして、家に帰宅するまで大河はずっと翔座から離れず、和泉が車の運転をした。
翔吾だけが、ゆっくりとプールを楽しみ、ぐっすりと車の中で眠りについていたのである。
-----------------現在の大河-------------
大河 「って事があったんだ…今となっては笑い事だよな…」
大河は恥ずかしそうに笑う。
工藤 「いいえ、違うわ!!誰でもトラウマはあるものよ!!私だって、豆まきの鬼のお面で小学生までギャン泣きしてたもん!!!
例えば武藤くん!!あなたは!?」
工藤は立ち上がり、ビシッと武藤に指をさす。
武藤 「お、おれ?!……俺はトイレの花子さんの映画がトラウマ…未だにこえーよ…」
工藤 「相良くんは?!?!」
工藤は次に相良に指をさす。
相良 「…?!お、俺はカミキリムシだな…昔兄貴に肩に乗せられて…トラウマになっちまった。」
工藤は大河をまっすぐ見て、自分の胸に手を当てた。
工藤 「ほらね、。皆、心にトラウマはあるものなのよ……だから大丈夫。…」
大河 「そうなのかな…ごめんなっ、皆気を使わしちまって。」
工藤 「そんな事ないわ!!皆!私も!大河くんが好きなのよぉ!!大河くんがだい好きなのよぉーーーー!!!!」
工藤は片手に自分の胸を押し当てて、片腕を大河に差し伸べだ。
全員が沈黙を保っている。
(((………演劇?????)))
ぽんっ。
「ミカっ、落ち着きなって、大河くん引いてるよw」
工藤ミカの肩をたたく、この女子生徒は必ず工藤の逆鱗を止める。
工藤は一気に覚醒し、暴走の炎を鎮火した。
ギュッ。
工藤 「…ぇ。。」
大河は工藤から差し出された手を握り握手をした。
大河 「ありがとなっ!!」
大河の体温が工藤の血液を沸騰させた。
工藤 「う、うん…/////」
すぐに大河は手を離した。
工藤は何事も無かったように、席にもどり座ろうとした。
工藤握られた手を見つめる。
工藤 「ぃ、いゃーーーん!!!!!//////」
工藤は内股になり手を握りしめ、トイレに駆け込んで行った。
女子グループは耳を塞いでいた。
工藤が出て行ったあと、大河が呟いた。
大河 「やっぱり、握手は気持ち悪いかったみてーだな////」
「いや。ミカなら大丈夫だょ大河くんw」
工藤の逆鱗を止める女子生徒はそれだけを大河に言い残して自分の席にもどり、食事を進めた。
彼女の名前は、石田 舞 (いしだ まい)
工藤とは小学校から同じである。
工藤ミカが、腐女子である事を知っている唯一の存在である。
ちなみに彼女は普通の女の子である。
工藤に圧倒された男子達もやっと昼食を再開する。
相良 「そいえば、滝から落ちた話は?w」
大河 「ぁあ。プール以来水が怖くなって、水遊びの時、必ず父さんが俺を監視してたんだ。浮き輪にロープつけて流されないようにとかして。」
武藤 「ロープつけて?w ……そ、それで?」
大河 「ちょうど、そこの川だけ人工的に作られた滝?みたいになってたんだ。上流が緩やかで浅くて、下流の方が深くて流れが激しかったんだよ。…」
相良 「へー、珍しいな作られた滝ってのも。」
大河 「兄貴と弟は泳げるから下流にいて、俺は羨ましくて少し滝に近づいて上から見てたんだ。」
武藤 「何か嫌な予感がするぞ…」
大河 「んで、ほんの好奇心で滝の裏側見てみたくなったんだ。…そして、前のめりになったら浮き輪からすっぽり抜けて、落ちた。…頭打って気絶して流された…」
相良 「こわっ!!よく生きてたな?!」
武藤 「なーんで!滝の裏側が気になるんだよ!!」
大河 「ホントに少し気になっただけなんだw 人工の滝だったし、高さもそんなになかったから……確か、その後下流にいた大学のサークル?の人たちが俺を助けてくれたらしい…気付いたら病院だったからwww 」
聞いていた人達は少し、ゾッとしていた。
確かに子供の好奇心は大人では予測ができないのだ。
大河 「そんで、頭にメロンとかパイナップルとかが付ける、白いネットを付けてたんだw」
大河は笑いながら話していた。
武藤 「…それはちょっと洒落になんねー」
武藤以外の聞いていた人間は激しく同意するのであった。
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