142 / 171
ep 140 狂気の領域
しおりを挟む1人が大河の真正面から、早いジャブを仕掛ける。
「シュッシュッ!!シュッ!!」
空気を切るような速さで打ち込む。
そして、2人目は大河の後ろから後頭部を目掛けて、回し蹴りを仕掛ける。
「ここだぁーーー!!!!」
もう3人目は、大河の死角から脇腹目掛けてタックルを仕掛ける。
「もらったっ!!!!……」
3人は何度もシュミレーションをとっていたので、大河を倒せたと確信していた。
ズバババーーン!!!!
ゴォキっ!!!!
ズサァー!!!
ドダァ。
「がぁ゛ぁーー!!!?!?腕がぁ!!!」
「ぐっ!っだぁー!!!!何で?!?!」
「かっはぁぁ゛…ゲホゲホ …ぉぇ!ヒクッ……………。」
三位一体の攻撃は大河には届かない。
大河は正面の男にはジャブをいなした瞬間、腕と手首の関節をおもちゃのように外す。
後頭部に蹴りを与えて来た男には、足を刈り上げ、宙を舞わせ横転させる。
タックルを決めようとした男には、大河に打撃吸収され、カウンターで頸動脈を締め上げ失神させた。
大河はゆっくりと口を開く。
大河 「…強いな。……でもそれだけじゃ駄目なんだ…もっと深く‥… いや。奥に行かないと…」
「はぁ…ハっ、まだだぁっ!!!」
大河に横転させられた男は、大河に再び襲いかかろうととするが今度は大河から急接近した。
大河は相手の足の甲から再び、足を刈った。
男は気づいた時には、大河目掛けて前屈みに倒れさせられる。
ビシ!!!!
「お゛ぉぇ!………ぁ。………」
男の首が大河の広げたて手に吸い寄せられるように倒れ、失神させられた。
そしてまたゆっくりと、大河は残っている男に視線を送る。
最後のマスクの男は、1本の腕と手首の関節が外れているためプラーンと脱力している。
「くそぉ!くそぉ゛!!狂ってやがる!!!気持ちわりーんだよ!!」
後退りしながら、片腕でファイディグポーズを取る。
大河 「……大袈裟な奴。……お前の名前は?」
大河は一歩づつ近づいていく。
「はぁっ!はぁ、ガキのくせに何て目してやがる!!………ぇ、な?!」
男の背中にドンと何かが当たる。
気付かない間に防波堤の壁に追いやられていた。
男は大河から目を離してしまい、容易く首に手をかけられる。
「ひっ頼むっ、ま、まてっ!」
男は純粋に殺されると思ってしまい、涙を流す。
大河 「ん?待たない…」
「ぐる、……シ……………。」
大河はゆっくりと失神させた。
男は壁に背中を預けて崩れおちた。
そして大河は男の、負傷側の腕を持つ。
ゴキっと鈍いおとが鳴った。
大河は浩介に視線を送る。
浩介 「んで……最後はお前だけだなぁ?可愛いぼくぅ?w」
男の子は膝がガクガクしている。
「うぁあ゛ーーーー!!!」
浩介に目掛けて、鉄パイプを振りかざす。
浩介 「おおっとw おら!もっと踏ん張れ!!」
浩介は遅く振り下ろされてくる鉄パイプをかわして、男の子の背中を足で押し転がす。
男の子は前屈みになって倒れ込む。
大河の足元に鉄パイプが転がった。
大河 「長い武器を使う時は、両手を添えて構えろ!!!」
大河は男の子に向かって鉄パイプを蹴り、差し出す。
浩介 「おぃおぃ、大河ぁ、そりゃないぜぇーww」
浩介はケラケラと笑っているが集中力は切らしていない。
しかし、男の子は鉄パイプは拾わずにポケットから折り畳みナイフを取り出した。
男の子は立ち上がりプルプルと震えている。
2人にナイフを振り回して牽制しているが一歩を踏み出すことはない。
浩介 「…どした。こねーのか?…ん?こっちから行っちゃうぞぉ?」
浩介が足を進めると、男の子は泣きながら叫ぶ。
「くるなぁ゛ぁ!くるなよぉ゛ぉ…うぐっ」
浩介 「お前可愛いなぁ。………なぁ?大河ぁ?」
ガシっ!!!
大河は男の子の、後ろからナイフを持っていない手を背中に捻り上げ動きを封じた。
そして、ナイフを持っている手首もしっかりと動きを封じる。
「ぁ゛いてぇ!!いてぇ!!!」
大河は男の子の耳元で問いかける。
大河 「…一体誰に頼まれたんだ?……教えろ。……でないと腕はもらう。」
男の子は恐怖のあまり、失禁してしまった。
「いやー!!いやだぁ!お願ぃ!、だずけてぇ!!…知らねーんだ!ほんとに!!良いバイトがあるって言われて!!そこの人達に付いて行って!それでっ、それでぇ。……」
浩介 「あーあー…大河ぁ。あんまりいじめんなよぉ、可哀想だろぉ。………それと僕ぅ?こんなんじゃ人は殺せねーぞ?w 」
浩介は折り畳みナイフを奪うと真っ二つにへし折る。
大河 「殺傷能力が高いのはサバイバルナイフか、フルタングナイフだな……」
浩介 「お、詳しいじゃん!…………僕、大丈夫だ、俺も一回大河から失禁させられてんだw」
男の子は震えて、涙と鼻水でぐちょぐちょになったいた。
「も、だずてくださぃ…お願ぃします…」
大河 「…いいよ。でも、もうこんな危ないバイトしたら駄目だぞ?…いいな?」
浩介 「そうだぞ…もっと強くなったらやれ!w」
大河 「違うだろ、ばか。……ほら、約束できるか?」
男の子は何度も泣きながら頷く。
「はぃ。。はぃ……約束…じますぅ……」
浩介 「んかわいいーーw」
大河 「いい子だ……がぷ」
「ぅあぁぁっ!!。」
大河は男の子の耳を甘噛みして、腕を解放した。
浩介と大河は全員の顔を確認した。
浩介は失神したやつらの写真を撮っている。
大河は脱いだTシャツを着ながら男の子に話す。
大河 「…さてと、そいつら早く起こしてさっさと帰れ…あとそこの壁にもたれてる奴、関節はハメ直してやったけど一度病院に診てもらえ…以上。」
大河はそそくさと浩介の車に向かう。
浩介 「た、たいがぁ////待ってくれよぉー!」
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
ただΩというだけで。
さほり
BL
Ωというだけで、つらい過去を抱え自責の念とともに生きる36歳の津田。複雑な出生を持つ1歳半の律との日々は穏やかに流れるが、別れへの長いカウントダウンは始まっている。一方、無愛想なΩの部下を疎ましく思っていた乾は、ある事件から津田が気になって仕方がなくて……?
【オメガバース】 現代社会に、男女の他にα、β、Ωの「第ニの性」があり、男性も妊娠する設定です。αが発情期のΩのうなじを噛むことで、2人は番(つがい)になります。他は本編に説明を入れながら展開しています。
お表紙および挿絵は朔羽ゆき様にいただきました(^ ^)
Twitter @sakuhayuki_
*別PNにてエブリスタにも掲載中
君の為の不幸だったと貴方は言う
春目よーす
BL
「ボクを救って(狂わせて)くれたその人は、殺人鬼だった」
とある飲み屋街の隅で生きている少年はその日、運悪く、人が何者かによって殺された瞬間を目撃してしまう。
混乱と恐怖により逃げ惑う彼を救ったのは、不思議な雰囲気を持った妙齢の男だった。
紆余曲折あり、彼の提案で男と家族として共に暮らすことになった少年。
男のもとで平穏な暮らしを得た少年だったが、彼は知らなかった。
彼こそがあの日人を殺した犯人であること、あれが最初で最後の殺人ではなかったこと……そして。
「君は俺の理想だ。だからこそ、囚われてくれ、俺の檻に」
割とマイルド(当社比)にしていますが、流血・暴力・残酷描写注意。催眠洗脳、束縛監禁等の内容もあります。
一見物腰柔らかな優しいサラリーマンと体を売って生活していた孤独で寂しがり屋な少年のBLです。
優しいその人を本当に理解した時、彼は狂気を知った。
【R18】お嫁さんスライム娘が、ショタお婿さんといちゃらぶ子作りする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
前話
【R18】通りかかったショタ冒険者に襲い掛かったスライム娘が、敗北して繁殖させられる話
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/384412801
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
つぎのあなたの瞳の色は
墨尽(ぼくじん)
ファンタジー
【ブロマンス風ファンタジー】
病魔に蝕まれてなお、戦いを止めない主人公たつとら
そんなたつとらを支えるために、仲間たちが運命を共にするお話
〇あらすじ
人間を本能のまま襲う〈異形〉と呼ばれる魔物が蔓延る世界
世界一の大国であるウェリンク国の軍事育成学園に一人の男が赴任してきた
桁違いに強い彼は、世界の脅威をいとも簡単に撃退していく
その強さと反して、主人公が抱えている病魔は深刻だった
彼が死ぬのが先か、世界の脅威が去るのが先か
奮闘し続ける主人公の周りには、仲間たちが増えていく
そして次第に明かされる、主人公の強さの理由と世界の成り立ち
果たして彼の正体は
行きつく先にあるのは希望か絶望か
__________
主人公の過去と素性が世界の成り立ちに大きく関わってくるため、主人公が謎の人物設定になっています。
最初は学園モノですが、途中から変わります。
※ご注意ください (恋愛ものではないのですが、一読ください)
女性が男性に想いを寄せる描写もありますし、男性が男性に想いを寄せる描写もあります(BR要素)
しかしこの物語は、恋愛に発展することはありません
女性同士の恋愛の描写もあります
初心者ですので、誤字・脱字等お目汚しが多々あるかと思いますがご了承ください!
ボーダー×ボーダー
まさみ
BL
『学校に爆弾を仕掛けた』
「は?」
『とめてくれないか、俺を』
大晦日、家にかかってきた一本の電話が平凡な高校生・秋山透をトラブルに巻き込む。学校に爆弾を仕掛けたてこもった親友・麻生譲をとめるため透は走る。タイムリミットは0時、はたして彼は間に合うのか。タイムリミテッド学園ミステリ。
表紙:ダム穴様
愛人オメガは運命の恋に拾われる
リミル
BL
訳ありでオメガ嫌いのα(28)×愛人に捨てられた幸薄Ω(25)
(輸入雑貨屋の外国人オーナーα×税理士の卵Ω)
──運命なんか、信じない。
運命の番である両親の間に生まれた和泉 千歳は、アルファの誕生を望んでいた父親に、酷く嫌われていた。
オメガの千歳だけでなく、母親にも暴力を振るうようになり、二人は逃げ出した。アルファに恐怖を覚えるようになった千歳に、番になろうとプロポーズしてくれたのは、園田 拓海という男だった。
彼の秘書として、そして伴侶として愛を誓い合うものの、ある日、一方的に婚約解消を告げられる。
家もお金もない……行き倒れた千歳を救ったのは、五歳のユキ、そして親(?)であるレグルシュ ラドクリフというアルファだった。
とある過去がきっかけで、オメガ嫌いになったレグルシュは、千歳に嫌悪感を抱いているようで──。
運命を信じない二人が結ばれるまで。
※攻め受けともに過去あり
※物語に暴行・虐待行為を含みます
※上記の項目が苦手な方は、閲覧をお控えください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる