剛柔なお前の為。

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ep 140 狂気の領域

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1人が大河の真正面から、早いジャブを仕掛ける。

「シュッシュッ!!シュッ!!」

空気を切るような速さで打ち込む。

そして、2人目は大河の後ろから後頭部を目掛けて、回し蹴りを仕掛ける。


「ここだぁーーー!!!!」


もう3人目は、大河の死角から脇腹目掛けてタックルを仕掛ける。

「もらったっ!!!!……」


3人は何度もシュミレーションをとっていたので、大河を倒せたと確信していた。






ズバババーーン!!!!




ゴォキっ!!!!

ズサァー!!!

ドダァ。


「がぁ゛ぁーー!!!?!?腕がぁ!!!」


「ぐっ!っだぁー!!!!何で?!?!」


「かっはぁぁ゛…ゲホゲホ …ぉぇ!ヒクッ……………。」



三位一体の攻撃は大河には届かない。


大河は正面の男にはジャブをいなした瞬間、腕と手首の関節をおもちゃのように外す。


後頭部に蹴りを与えて来た男には、足を刈り上げ、宙を舞わせ横転させる。


タックルを決めようとした男には、大河に打撃吸収され、カウンターで頸動脈を締め上げ失神させた。


大河はゆっくりと口を開く。

大河 「…強いな。……でもそれだけじゃ駄目なんだ…もっと深く‥… いや。奥に行かないと…」



「はぁ…ハっ、まだだぁっ!!!」


大河に横転させられた男は、大河に再び襲いかかろうととするが今度は大河から急接近した。

大河は相手の足の甲から再び、足を刈った。

男は気づいた時には、大河目掛けて前屈みに倒れさせられる。


ビシ!!!!


「お゛ぉぇ!………ぁ。………」


男の首が大河の広げたて手に吸い寄せられるように倒れ、失神させられた。

そしてまたゆっくりと、大河は残っている男に視線を送る。


最後のマスクの男は、1本の腕と手首の関節が外れているためプラーンと脱力している。


「くそぉ!くそぉ゛!!狂ってやがる!!!気持ちわりーんだよ!!」


後退りしながら、片腕でファイディグポーズを取る。

大河 「……大袈裟な奴。……お前の名前は?」

大河は一歩づつ近づいていく。

「はぁっ!はぁ、ガキのくせに何て目してやがる!!………ぇ、な?!」



男の背中にドンと何かが当たる。

気付かない間に防波堤の壁に追いやられていた。

男は大河から目を離してしまい、容易く首に手をかけられる。

「ひっ頼むっ、ま、まてっ!」

男は純粋に殺されると思ってしまい、涙を流す。

大河 「ん?待たない…」


「ぐる、……シ……………。」


大河はゆっくりと失神させた。

男は壁に背中を預けて崩れおちた。

そして大河は男の、負傷側の腕を持つ。
ゴキっと鈍いおとが鳴った。



大河は浩介に視線を送る。


浩介 「んで……最後はお前だけだなぁ?可愛いぼくぅ?w」


男の子は膝がガクガクしている。



   「うぁあ゛ーーーー!!!」


浩介に目掛けて、鉄パイプを振りかざす。


浩介 「おおっとw おら!もっと踏ん張れ!!」


浩介は遅く振り下ろされてくる鉄パイプをかわして、男の子の背中を足で押し転がす。

男の子は前屈みになって倒れ込む。


大河の足元に鉄パイプが転がった。


大河 「長い武器を使う時は、両手を添えて構えろ!!!」


大河は男の子に向かって鉄パイプを蹴り、差し出す。


浩介 「おぃおぃ、大河ぁ、そりゃないぜぇーww」


浩介はケラケラと笑っているが集中力は切らしていない。


しかし、男の子は鉄パイプは拾わずにポケットから折り畳みナイフを取り出した。


男の子は立ち上がりプルプルと震えている。

2人にナイフを振り回して牽制しているが一歩を踏み出すことはない。


浩介 「…どした。こねーのか?…ん?こっちから行っちゃうぞぉ?」

浩介が足を進めると、男の子は泣きながら叫ぶ。


「くるなぁ゛ぁ!くるなよぉ゛ぉ…うぐっ」

浩介 「お前可愛いなぁ。………なぁ?大河ぁ?」


ガシっ!!!

大河は男の子の、後ろからナイフを持っていない手を背中に捻り上げ動きを封じた。

そして、ナイフを持っている手首もしっかりと動きを封じる。


「ぁ゛いてぇ!!いてぇ!!!」

大河は男の子の耳元で問いかける。


大河 「…一体誰に頼まれたんだ?……教えろ。……でないと腕はもらう。」


男の子は恐怖のあまり、失禁してしまった。


「いやー!!いやだぁ!お願ぃ!、だずけてぇ!!…知らねーんだ!ほんとに!!良いバイトがあるって言われて!!そこの人達に付いて行って!それでっ、それでぇ。……」


浩介 「あーあー…大河ぁ。あんまりいじめんなよぉ、可哀想だろぉ。………それと僕ぅ?こんなんじゃ人は殺せねーぞ?w 」


浩介は折り畳みナイフを奪うと真っ二つにへし折る。


大河 「殺傷能力が高いのはサバイバルナイフか、フルタングナイフだな……」


浩介 「お、詳しいじゃん!…………僕、大丈夫だ、俺も一回大河から失禁させられてんだw」



男の子は震えて、涙と鼻水でぐちょぐちょになったいた。



「も、だずてくださぃ…お願ぃします…」



大河 「…いいよ。でも、もうこんな危ないバイトしたら駄目だぞ?…いいな?」




浩介 「そうだぞ…もっと強くなったらやれ!w」



大河 「違うだろ、ばか。……ほら、約束できるか?」



男の子は何度も泣きながら頷く。


「はぃ。。はぃ……約束…じますぅ……」 


浩介 「んかわいいーーw」

大河 「いい子だ……がぷ」


    「ぅあぁぁっ!!。」

大河は男の子の耳を甘噛みして、腕を解放した。


浩介と大河は全員の顔を確認した。

浩介は失神したやつらの写真を撮っている。



大河は脱いだTシャツを着ながら男の子に話す。


大河 「…さてと、そいつら早く起こしてさっさと帰れ…あとそこの壁にもたれてる奴、関節はハメ直してやったけど一度病院に診てもらえ…以上。」



大河はそそくさと浩介の車に向かう。

浩介 「た、たいがぁ////待ってくれよぉー!」
















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