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ep 124
しおりを挟む田中 「翔磨!早くしろ!腕がもげる!!」
田中はひざまづいて、大河から片腕を背中に回されて関節技を決められている。
二番手 「終わりだよw大河くん!!」
二番手は大河が動けないよに、残された大河の腕を強く背中に回し引き上げ、後ろから大河の首を締める。
大河 「ぁがっ。くっ……。」
大河 (今、すっごい遅く見えてる。…ああ。……これだ…」
翔磨 「腹に一発だ!耐えろよ!!」
翔磨は大河の腹目掛けて蹴りを出す。
大河は目の前にひざまづいてる田中への掴んだ手を離した。
そして、田中の肩に足を乗せて思っ切り蹴り上げ飛び上がる。
田中は衝撃で前に倒れ込む。
大河は逆上がりの様に飛び上がった。
即座に二番手の背後をとり、翔磨の蹴りの盾にした。
二番手 「ちょっ!まっ!!」
翔磨 「やべ!!」
寸前で翔磨は止めようとするが、間に合わず大河は二番手の背中をトンッと押した。
二番手 「ぐぁっ!!いでっ!!!」
腕でガードしたが、翔磨の蹴りをもろに受けて膝から崩れ落ちる。
大河は翔磨の蹴りでひざまづいてる二番手の首に手を当てた。
翔磨 「すまんwすまんw …やべ!! 」
キュルル!タンっ!
翔磨が焦ったときには、もう大河が翔磨片足を刈っていた。
大河は翔磨の背中をそのまま床に沈める。
ドタァ!!!
翔磨 「ぐぁっ!!!」
大河は翔磨の首に手をかける。
寸前で田中が大河の顔面を目がけてローキックする。
しかし、大河は田中の膝を足で押さえて動きを封じた。
翔吾が大河にやった同じ技だ。
そして田中の重心が崩れて、簡単に大河に投げらる。
しかし、咄嗟に大河は田中の腰に手を入れて床につかない様に、受け止めて、床に置いた。
大河なりの最年長者に対する配慮であろう。
ビーーーーーーと五分間の時間が過ぎる。
大河 「終了…」
3人は動かない。負けを認めざるを得なかったのだ。
3人はリングの真ん中で感想を言い合っている。
翔磨 「つーー。。。久しぶりに背中打った…」
田中 「俺もだ。。腕もげそうだった。…あん時大河君が、腰守ってくれなかったら俺はぎっくり状態だったな…」
二番手 「2人ともまだ、マシっすよ…翔磨さんの蹴りを、大河君に背中押されて喰らったんですよ……ほらぁ、アザになってる…」
大河を見て大きな怪我はしてないようなので安心していた。
そして、新しい技の取得を確信した。
大河 「兄貴、……多分、出来た。もう一つの新しい技w」
翔磨 「あぁ?…あの中二病みたいな奴か?!」
大河 「うんw……さっきの状況、前の俺だったら確実に蹴りを貰ってた。……でも、何か動きがゆっくり見えて、回避出来る道がわかった。」
田中 「大河君……もしかして、相手の動きばっかり見てた理由ってそれ?」
大河 「うん……相手の目線、指先、足先、重心、角度。徹底的に見てたら出来た。」
翔磨 「まじで先読みできるのか?…俺やオヤジでもか??…」
大河 「できる。」
今まで出来なかった事が出来た、確信に変わった時であった。
翔磨はピューー。。と口笛をならした。
二番手 「ドン引きしか出来ないんですが。」
田中 「凄いしか言えねーわ……」
大河はごくごくと、スポーツ飲料を飲み干して、身体を拭いている。
そして、服を着ながら話す。
大河 「ぷはっ。…でも、まだ100%じゃない…これだけじゃ…」
翔磨 「じゃ、完璧になるには、後何が必要なんだよ…」
大河 「まだ…分からない……」
大河 (分かりたくは無いけど……)
大河は3人にお辞儀をして、急いでリングのを降りた。
大河 「兄貴!!わざわざありがとございました!!夕飯の準備に行ってくる!!」
大河は駆け足で地下ジムを後にした。
田中は翔磨に近くと肩をポンと叩いて二番手とリングを降りていった。
翔磨の表情は悲壮そのものだったのだ。
翔磨 (大河…お前…)
翔磨は大河が強くなるにつれて少しずつ、心の何かが無くなってるんじゃないかと心配していた。
“衝動”は確かに再発してない。
しかし、何かが大河を苦しめている事を翔磨は確信したのだ。
すぐに、翔吾にメールを打ち込んだ。
《大河の様子が少しおかしい。少し早いが、今日2人で決行する。計画通りに動いてくれ。》
翔吾は部室の更衣室で携帯を確認した。
「わかった。」とだけ返した。
一方その頃大河は、浩介に電話をかけていた。
大河 「もしもし」
浩介 「おう、大河ぁ!どした??」
大河 「…………今日新しい技ができた。」
浩介 「よかったじゃねーかw 今度俺ともやってくれよw」
大河 「…………。」
浩介 「怖いのか?…」
大河 「いや……不安なんだ…もっとこう、冷たくて何も無い感じで……」
浩介 「今感じてる事を全部俺に言ってみろ…」
大河 「冷たい、不安、……出来そうだけど、やったら何が終わりそうな感覚。」
浩介 「大河、お前気付いてんだろ?……今の自分なら真髄を完成できるって…」
大河 「…浩介、俺どうしたらいい?」
浩介 「いいか、大河。今夜、必ず抱かれろ。治療が必要だ。…そして、まだ真髄は完成させるな。俺が良いって言うまではな。……できるか?」
大河 「うん………分かった//// 。あ、浩介。明日夕方、少し会えないか……忙しくなかったらで!」
浩介 「いいぞw …俺ん家こいよ!」
大河 「行っていいのか?!」
浩介 「何も、もてなす物はねーけどなw ぁ、犬はいるぜ、ブン太郎って名前のハスキーが。 」
大河 「まじか!行く。w」
大河 (凄い名前だなw)
浩介 「んじゃ、学校終わったら連絡してこい。じゃーな」
大河 「あ!!浩介!!鷹虎次郎さん?って知ってるか?見たことある?」
浩介 「いや、名前は知ってるけど会ったことはねーな。…どうした?」
浩介 (なんであの人を大河が知ってる?!)
大河 「なんか、今日突然話しかけられて荷物持ってたから家まで送ってくれたんだ。少し離したいって言われて、軽く世間話しかしてねーけど。優しそうなお爺さんだったよー。」
浩介 「そっかw 」
浩介 (ここで詮索すると、逆に怪しまれるな。)
大河 「ごめんな、いきなり電話してw」
浩介 「ジャンジャンかけてこい……俺の花婿さんw」
大河 「……好きだ、ありがと。」
浩介 「…もっかい言って////」
大河 「ありがと」
浩介 「違う違う!!!ぁー!もう///// 。大好きだぁ。愛してる。またな!!」
嵐の様に電話を切った浩介に大河は、しっかりと心の拠り所として確信したのであった。
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