剛柔なお前の為。

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ep 66 兄との手合わせ

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大河は恥ずかしいさと情けなさで下を向いてしまっていた。


側から見れば、体格の大きな生徒が虐めをしているように見える。


すかさず友達メンバーズが大河を守るように翔吾に総攻撃する。

a 「何言ってんだ!この野蛮人!」

b「鬼だ!最低だ!!」

c 「非道だ!脳筋だ!!」


翔吾 「ぐ?!…そこまで言うかよ?!」

a 「大河さん大丈夫ですって、きっと出来ます!」

b 「そーですよ!深く考えすぎです!!」

c 「出来ます!必ず!!皆と泳げたら面白いっすよ!!」

大河 「ありがとなっ。……」

少し笑う大河。


この時三人は大河が可愛い弟のように思えてしまった。


翔吾 「…ほらっ、帰るぞ兄貴!」


大河のカバンを引っ張り引きずっていく翔吾である。


大河 「うん、分かった。…じゃな!」


3人 「お疲れ様です!!」

大河は手を振りながら教室を出て行った。


歩きながら翔吾は大河に話しかける。


翔吾 「兄貴、…さっきのは、その…ごめん」


大河 「分かってるってw……俺も頑張らなきゃな!」

2人は家路を急ぐ。


そして家に着くなり、早速お互い制服を脱ぎ着替えた。


地下ジムに行こうとする翔吾を大河が止める。


大河 「今日は地下ジムじゃなくて、畳の間でやる。先に行ってまってろ。兄貴呼んでくるから…」


翔吾 「わ、わかった。…」
翔吾 (もう、スイッチ入ったのかよ…)



と思いながら1人畳の間へ向かう翔吾であった。


大河 「こんにちはー。。」


あたりを見渡す大河だが、翔磨以外誰もいない。


翔磨 「よ、おかえり大河!」


大河 「あれ?他の人は?」


翔磨 「いるよ。畳みの間にwお前が今日ここは使わねーと思ってたからなw…あいつらも見たいそうだ。」


大河 「…なんだ。ま、別に見る分は構わないから、はやくいこー」


と大河は出ようとするが、翔磨が大河の腕を掴む。


翔磨 「まて………大河。…3分だ。手合わせをお願いする。……頼む」


翔磨が大河を見つめる目は武術者としての目つきだった。


大河 「わかった……ただし相手を追い詰めたら終了で頼む…」


翔磨 「OK!んじゃ上がれよ!」



リングに2人は上がり大河がタイマーをセットしボタンを押す。



翔磨 「…来い!」


手招きしている翔磨に大河は躊躇なく突っ込む。

大河が翔磨の腕を掴もうとした瞬間だ。



大河 「?!っ!」


咄嗟に大河は翔磨から離れた。


翔磨は大河が近づいた瞬間に顔面を狙い裏拳を振った。


翔磨 「まじか…絶妙なタイミングでカウンター打ったんだぜ……」


大河 「めちゃくちゃ速くて……危なかった。」


もし翔磨のカウンターが当れば大河のスピードそのままの威力が命中していたのだ。


翔磨 「次、いくぜ」



間髪入れずに攻撃を連打する翔磨。

蹴りが来ると思えば突きがくる。



大河 (フェイント?!はやい!!)


パシっ!!!


大河は全て避けきれないので、いなして弾く。



翔磨は突きが弾かれた終わりを狙い避けきれないタイミングで鋭く再度、突きを出す。

大河は受けるしかないのだ。



翔磨 (入った!!)
翔磨 「うぉーーっつ?!!!!!」



大河は翔磨から突き出された拳を掴んで一緒に後ろに飛び下がる。

打撃を吸収したのだ。


キュキュッ!!!
お互いが足を踏ん張る音が響く。



すると翔磨は大河の懐に入り込み、上半身を
掴み大河の足を払って、大河を投げ捨てる。



翔吾 「お前の技だ!!おら!!」



大河 「っあ!!?!」
翔吾 「ぐぉっ?!」



大河は投げ捨てられる直前に翔磨の首に足を絡めて自ら下に体重をかける。



ダン!!!!!

翔磨は無理やり下に沈められた。


翔磨 「ぁぐっ!!!!!……」


大河は翔磨の胸板の上に乗り、翔磨のお腹をポンポンと叩いた。


試合終了である。

大河はすぐに立ち上がり翔磨を起き上がらせる。


ビーーーと終了の音もなり、大河は止めるながら話す。



大河 「ハアハア…フェイント、俺の柔術。攻撃スタイルが全く読めなかった……」



翔磨 「ハアハア、だろー?結構練習したんだぜ俺。。ハッ、はぁー。。それしにしても、お前最後のプロレス技じゃねーか!?びっくりしたぜ……総合格闘技じゃねーか」



大河 「でも、おかげで新しい2つうち、1つが完成したよ…」



翔磨 「打撃吸収だろ?!!絶対そうだ!!なんだよあれ?!無茶苦茶気持ち悪かったぞ!!」



大河 「ははw!! “柳“とでもいっておこうかなw」


翔磨 「もう一個はなんだよw?…」


大河 「秘密w」


と大河は汗を拭いている。



翔磨 「もったえぶるなよ!キスしちまうぞー!…言えよ。」


大河 「んーー。強いて言うなら…先読み?」


翔磨 「んだよそれw…二次元じゃねーかw…可愛いっ」



大河 「違うって、何かこーー。。……今度やってみる!………あ、早くいこ!!翔吾ずっと待ってるって!!」


翔磨 「俺も普通に忘れてたw コーチだろ?任せろ。」


2人は小走りで畳みの間へ向かう。


翔磨は移動しながら大河にこんな提案をする


翔磨 「大河さっきの気持ちわりー技、翔吾に絶対使えよwいいな!!」


大河 「気持ちわりー技じゃなくて、柳!!いいけど、俺今日は足技解禁するから…」



翔磨 「ぇ。……」
翔磨 (翔吾、死ぬなよ……)



翔磨は立ち止まって、目をつぶって手を合わせている。
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