剛柔なお前の為。

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ep 52 弟への修行開始

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------帰宅した二人翔吾の修行開始------



大河と翔吾は帰宅する二人はさっそく制服を着替えた。



大河は今日は道着は着ずにジャージとズボンを履いている。



翔吾 「兄ちゃんの、その姿なんか久しぶりだなw」


大河 「ん?そーかぁー?これ動きやすいからなこれ。それにせっかく翔吾から貰ったからなw」


翔吾 「覚えてたのかよ///結構前だぞ!」


大河 「もちろんしっかり覚えてるぞーw」

大河 (だからあまり使いたくなかったけど、今日が一番の使い時だな。


大河は翔吾をからかいながら、翔磨の待っている地下ジムへいく。


大河 「こんにちはー」
翔吾 「こんちはっ。」


翔磨 「うぃーす!お!きたなw、リング開けて置いたぜ。」


大河 「ありがとっ。兄貴、あっあと!あれまだ残ってる?」


翔磨 「あると思うぜ、翔吾に教えてやるのか?w」


大河 「うん、1番効率がいいからなw」


二人は翔吾を見てニヤニヤしている。



翔吾 「な、なんだよ!何二人で笑ってやがだよ!!ってかあれってなんだよ!!」


他のジムメンバーや、田中さんも何事かと集まってくる。


翔磨 「これだよ、これ!」


ぽいっと翔吾になげ、受け取る翔吾。


翔吾 「塗り薬?火傷用の??」


翔磨 「そだ。これを指先でも手ならどこでもいい。ルールは簡単だ、3分間に相手の顔、首のどこかに塗ればいいだけだ。あとは塗った数を数える。それだけだ」



翔吾 「つまり俺が大河兄ちゃんに触れて塗ればいいわけだな?」



翔磨 「そーだ、ただしお前は脚では攻撃できない。大河もお前の攻撃をかわす。そして大河は打撃攻撃はしない。この意味分かるだろ?w」


翔吾 「…投げられる。」


大河 「それだけじゃないかもよー。」


大河はリングにあがってタイマーをセットした。



大河 「とにかく翔吾はおれを捕まえればいいだけだ。…あっ、あとこれちゃんと付けて」

とベッドギアを翔吾に差し出す大河。

翔吾は物凄く嫌な顔をした。



翔吾 「いらねーよ!打撃なしなんだろ?てか、それなんか邪魔だし、カッコわりーだろ!!」


大河  「はーー……翔吾、遊びじゃないんだろ?だったら言うこときいてくれよ、もしもがあったら危ないし。…な?」


翔吾 「……兄ちゃんはつけるのか?」


大河 「付けない、見えづらいから。」



翔吾 「ほらぁ!!じゃーなんでおれだけなんだよ!!俺もいらねーぞ!!」


翔磨と田中さんが「どーするー?」と悩んでいると大河が翔吾に言い放つ。


大河 「…翔吾。…付けろ。今すぐじゃ無いと俺はやらん…」


少し翔吾が黙り込む。


翔吾は、舌打ちをして大人しくベッドギアをつける。



大河 「反則がないかは皆が審判してくれる。……用意はいいか?」



翔吾 「ああ!いつでもいいぜ!!」


ぐっと前屈みになる将吾。




翔磨 「はじめ!!!」

ビーーー!とブザーがなる。


翔吾は大河の周りを素早く移動する。


翔吾 (とにかく3分しかねーんだ!!近づかねーと触らねー!!)


キュッ!キュッ!!と靴底が鳴る音が聞こえる。


翔吾は大河の横側から急接近して右手をのばす。



しかし大河は半歩さがり翔吾の右手さける。

逆に翔吾の右手首をねじり、足を払う。



翔吾 「ンぎぃ!?や、やべ!!」

翔吾は強引に掴まれた腕を引き離し、横に転がるように自ら倒れる。


すぐに立ち上がる翔吾に大河が攻撃を仕掛ける。


翔吾の右腕を背中の後ろに回して、片腕で翔吾の首を締める。



大河 「王手!!……堕とすぞー」


翔吾 「んぐぁ゛ンなぁろ!!!」

大河 「うぉ?!?!っ」



翔吾は大河を背中に乗せて、下半身の筋肉のバナをつかい、背負い投げして絞め技を振り解いた。



「おぉーー…」

周りからの歓声が聞こえる



翔磨はピュー、と口を尖らせながら感心していた。



田中 「大河君はもとより、翔吾くんかなり身体の使い方が上手くなってるな!」



翔磨 「そーだな。俺もびっくりっすよ。…翔吾は体格に恵まれてる分、身体の稼働条件が広い。…あいつも、天性の才能だなw」


大河は受け身をとり、片膝を付いている。


翔吾はすぐに大河の背後から手を伸ばす。



翔吾 (いける!!!)

翔吾 「あたれぇ゛ー!!!ダァ?!」



大河は突き出された手を脇にはさみ、膝を付いている足を広げながら、床を払った。



キュルルル!!と!!擦れる音がする。


ダン!!!


翔吾 「ぁ゛がぐ!!!ハッ。…」

翔吾は仰向けになり、大河に片腕を封じられて喉に手を掛けられていた。



ビーーーーーー終了のベルがなる。



大河はゆっくりと立ち上がり、一度リングの外にでる。


大河より歳下か、同い年の子達がスポーツ飲料のコップを手渡す。


大河 「ありがとっ!」

大河は微笑み飲み干す。


翔吾は歯を食いしばって、起き上がる。



翔吾 「クソッ…一回も触れられなかった!な!なんでだ?!」

と悔しがった。


しかし大河は翔吾肩をたたいて、話しかける。


大河 「よく見ろって。こことここ!!」
と大河は右首と右頬を指差した。


薄くだが、白い跡がついてる。


翔吾 「っ二つだけかよー……やっぱ兄ちゃんすげーわw」


と手についた薬をタオルで拭く。

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