剛柔なお前の為。

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ep 33 不満大爆発

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しかし、大河の発した言葉は違った。


大河 「今日、放課後友達の家よるから少し遅くなるかもー。飯作れなかったらごめん。」


案の定、三人からは大ブーイングがとんだ。



翔吾 「え?!聞いてねーよ!!飯はどーすんだよ!!俺の楽しみはどーなるんだよ…」


翔磨 「父上!!!!大河が夜遊びしようと企んでまーす!!」


翔座 「だめだ!!パパはデートなんて許さんぞ!!」



大河 (こ、こいつら…!イラッ)



大河 「ま、飯なんて出前でも取ればいいじゃねーか、カツ丼とかピザとか、なんかあるだろ!」


翔吾 「ピザとか腹の足しになんねーよ!」
翔磨 翔座 「「賛成。」」


翔座 「他の出前も、あんまり美味くねーもんな。大河の飯と比べると…」
翔磨 翔吾 「「賛成。」」


大河 「そ、そんなー。…俺だってたまには、いいじゃねーかよ!!もし駄目なら俺、明日からストライキを起こすぞ!!」


三人 「「「え!?」」」


三人はどーする?と顔を見合わせた。


大河 「んじゃ、そゆことで!今日は遅くなるからなぁ!」
大河 (勝った!!)


大河は先手必勝と喜んでいると翔座が厳しく大河に叱る。



翔座 「大河!勝手は許さんぞ。これは父さんと母さんとの約束だったろ?」


大河 「っ、だ、だけど。」


約束と言うものは、学校がある平日、高校を卒業するまでは8時までに帰ってくるというものだ。


翔座 「約束は約束だ。ちゃんと守ってもらう。……俺は二度は言わんぞ。」

大河 「ッ…………」

静まる大河が少し可哀想と思う翔吾と翔磨。


大河 「……わかった。。」
翔座 「うん、それでこそ俺の」
大河 「…出ていく。」


翔座の話を断ち切った大河。


大河 「出ていく、この家からな。」

 

翔座 「ん??」
翔磨 「は??」
翔吾 「え??」



大河はあまりにもきっぱりと言ったので三人は口をあけて呆然としていた。


大河が反抗する姿を初めて見てしまったため、3人は動揺を隠せず、あたふたしてる。



大河 「るっせーな…ぴーちくぱーちくと!?ずっと我慢してたが。…俺は家政婦じゃねーんだよ?…飯ぐらいてめーらで何とかしやがれってんだ!?…それともなにか?俺への嫌がらせってか?……どいつも!こいつも!」



翔座 「ま、まてって!大河ぁ、な?!、一回落ち着け。な?!」
翔座 (なんか、いつもと違うぞ!!本気で怒ったのか?!)


翔磨 「ま、まさか!な、大河ぁ冗談だよな?兄ちゃんには、正直に言えるもんな?!」
翔磨 (やっぱおかしいぞ!マジギレしてねーか?!)



翔吾 「だ、大丈夫だって!大河兄ちゃんは、そんな事しねーよ!な?!兄ちゃん?」
翔吾 (兄ちゃんガチ切れしてねーか?!怖ぇーよ!?)



大河は、無言で食器を流しにおいて2階に行く。

3人はあたふためき、動揺している。


翔吾 「おぃ!オヤジ!やべーって!!あんな兄ちゃん初めてみたぞ!!?!っ」


翔磨 「やっぱり、お前も感じたか?!あんなにキレる事あるんだな。あいつ。…めっちゃ怖かったぜ…」



翔座 「少し、言いすぎたのかもしれん……」


学ランに着替えた大河が降りてきた。


翔座 「た、大河ぁ?父さん言いすぎた。な?ちょっとだけ話そう!な?」


ひとり勝手に学校へ向かおうとする大河に翔座は、すかさず学ランの袖を掴む。


大河 「……離せ。…」


翔吾は大河の荷物を掴んでいる。


翔磨 「大河!兄ちゃんからのお願いだ!頼む!まってくれ。…」

大河の肩を掴む翔磨。


大河 「……離せ。…」

誰も離さない事に対して大河はこう言い放つ。


大河 「……やっぱり、俺に自由はねーんだな。……離してもくれねーのか?」


ぱっと、3人が手を離す。

沈黙が続く。


大河が大きなため息をついて、沈黙を破る。



大河 「……出てはいかねーよ。ただ、今日は少し遅くなる事は許してほしい。…頼む。それに、少しは炊事もやってみたらどうだ?案外、大丈夫だから。」


翔座 「わ、わかった!だから、もう出て行くなんて言うなよ?約束だぞ?っ…」

翔座は悲しそうに言う。


翔磨 「俺も、翔吾も炊事頑張るから。な?今日は大丈夫だ!言ってこい!」


大河 「わかった!ありがとっ!」

ニッコリと笑う大河に胸が苦しくなる3人。


翔吾 「ん?、あ、俺も?!」
翔磨 「あったりめーだ!!」


大河 「やれ。命令!!…じゃっ、そういうことで!」



今日は大河は洗い物をせずに家を早めにでた。

3人は安堵して肩を下ろす。


翔磨 「はーーーー。。。。、翔吾、俺も頑張るから、…大河を見返してやろーぜ?」


翔吾 「わかったょ!んじゃ、今日の飯はカレーだな!!」

翔座 「俺もなるべく早く戻る。」

3人は頑張ってみるかと気合いが入る。

しかしこの後、大河の存在がどれだけ有難いか思い知るのは、ちょっとだけ先の話である。
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