しょうもない綾

3

ここは攻撃してかっこいいとこ見せないとな。
カエルの技を発動させるには、まず人差し指を腕輪に空いている穴に突っ込む。
なんだかゴムでてきているようだ。
弾力感がある。
これは中古なんだろう、シワさえたくさん入っている。
『このまま素早く指を回せ！』音声アナウンスの通り、私は目一杯人差し指を回す。
『MAXチャージ！いいこねくり回し方だ！カエルのボルテージ最大！』
カエルはもう有頂天に火山を噴火させた。
細かい石たちが線を描きながら鳥に飛んでいく。
しかし鳥はこちらを向いて、なんとすべて飲み込んでしまった。
くそ、経験が足りないから量が出ないのか。
ここで悔やんでもどうしようもない。
カエルを呼び戻す。
腕輪に帰る。
帰る。
女の子がその時「ソーセージ食べたいなあ」とつぶやいた。
もう一人の方も「いいっすよね、ソーセージ！！」と叫んだ。
私が「こらこら、趣味を疑われますよ」とアドバイスしてあげると
「ん？食事は趣味ですか？」と不思議そうに言った。
んー、私はどっちかというとアップルパイ派だ。