『観察眼』は便利

Nick Robertson

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……

……
フミとナギは、門を、二回通った。時間を隔てて。
それから、防犯カメラは、火炎によって、無残な姿に。

(ここだ!ここが最大のポイントだったんだ!!)
俺は歯をくいしばる。もっと早くに考えついてもちっとも変じゃないくらい、簡単な説だ。

「お兄ちゃん!気象台まで戻るんでしょ?おんぶしようか?」
少年が俺の真横を走りながら聞いてくるが、俺はそれどころではない。
こいつはどうだか知らないが、俺には、今、急ブレーキという選択肢が存在していないのだ。絶対にコケる。

……てか、よくこっちを向いてられるな。俺は、必死に前を向いて走っているというのに。チラ、チラ、と視界の端に入ってくる男の子の顔は、完全にこちら側へ表を見せていた。

「おっ、おっ、おわっ、は、はいっ!…………えっ???!ナギとフミが捕獲?!たまたまそばを通って?でも、それは厳重な警備網のおかげだから、必然………って、ええええ???!!!何も知らないんだって?!!」

運転手が大きな声で、俺達にも聞こえるように言葉を反芻してくれる。だが、俺にはそんなことくらいは分かっていた。それより、知らないおじさんに話をさせろ!

片手を伸ばしてその携帯を寄越せ、とジェスチャーする。
これでもかなり頑張っている。

道は湿っていて、重心がズレたら勢いよく頭を打つか、皮膚を擦りむくだろう。
左右上下は植物の濃い緑色が束になって、太く長くサラサラと流れ、混濁した河口のようにも思えた。
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