77 / 132
77
しおりを挟む
さっきの話の最中、俺はウツラウツラしているくらいのものだったが、運転手はかなり真剣に聞いていたようで、自分の考えとキッチリ照らし合わせていく。
「崖を通った理由ってのは一致してるな。俺も、上から火柱を飛ばすためだと思った」
「だよねー」
「???」
崖の上から火柱?どうしてそんなことする必要があるんだ。
「ほら、メモリーカードを…」
「いや、そこは聞いてた。そうじゃなくて、どうして崖の上から焼かなきゃならねぇんだ?」
「門番に見つからないように、さ。自分の目線より高い所で何かやってても、気づきにくいものなんだ。いっつも上を向いてるわけないし、ましてや、あの人達は会話してたり本を読んでたりしてたらしいから、全体を見渡せるように、高い位置で取り付けられてるカメラが壊れても、分かんないんだよ」
「なるほど…」
そうかもしれない。
フミの火柱のレベルは低かったように記憶しているが、それでも地面を抉って黒焦げの線を作るくらいの威力はあった。なら、崖の、一段低くなってる場所くらいから『火柱』を使えば、音もなくカメラを燃やせるのではないか。
(レベルが高すぎたら、カメラを通り越しちゃって、バレるかもしれないしな。ワザと鍛えてなかったのかもしれない)
謎が解けると、スッと頭の紐がほどけていくようだった。
「崖を通った理由ってのは一致してるな。俺も、上から火柱を飛ばすためだと思った」
「だよねー」
「???」
崖の上から火柱?どうしてそんなことする必要があるんだ。
「ほら、メモリーカードを…」
「いや、そこは聞いてた。そうじゃなくて、どうして崖の上から焼かなきゃならねぇんだ?」
「門番に見つからないように、さ。自分の目線より高い所で何かやってても、気づきにくいものなんだ。いっつも上を向いてるわけないし、ましてや、あの人達は会話してたり本を読んでたりしてたらしいから、全体を見渡せるように、高い位置で取り付けられてるカメラが壊れても、分かんないんだよ」
「なるほど…」
そうかもしれない。
フミの火柱のレベルは低かったように記憶しているが、それでも地面を抉って黒焦げの線を作るくらいの威力はあった。なら、崖の、一段低くなってる場所くらいから『火柱』を使えば、音もなくカメラを燃やせるのではないか。
(レベルが高すぎたら、カメラを通り越しちゃって、バレるかもしれないしな。ワザと鍛えてなかったのかもしれない)
謎が解けると、スッと頭の紐がほどけていくようだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
夫の書斎から渡されなかった恋文を見つけた話
束原ミヤコ
恋愛
フリージアはある日、夫であるエルバ公爵クライヴの書斎の机から、渡されなかった恋文を見つけた。
クライヴには想い人がいるという噂があった。
それは、隣国に嫁いだ姫サフィアである。
晩餐会で親し気に話す二人の様子を見たフリージアは、妻でいることが耐えられなくなり離縁してもらうことを決めるが――。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
皇帝陛下は身ごもった寵姫を再愛する
真木
恋愛
燐砂宮が雪景色に覆われる頃、佳南は紫貴帝の御子を身ごもった。子の未来に不安を抱く佳南だったが、皇帝の溺愛は日に日に増して……。※「燐砂宮の秘めごと」のエピローグですが、単体でも読めます。
人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる