【R18】乙女ゲームの主人公に転生してしまったけど、空気になれるように全力を注ごうと思います！！

本編

完結＊ちょっぴり艶あり＊

デートで散々甘い時間を過ごしたアリスとマックスは、いつか二人で過ごしたラジアーネ伯爵領にある宿屋へ行き、暫しの休息を過ごした。
と言っても、結果として誰にも邪魔されない二人だけの空間をゲットしてしまった訳で。既に甘い蜜の味を身をもって知ってしまったマックスがアリスに何もしないでいる筈もなく。アリスにとってはあまり休息とならない休息を過ごしたのだった。

それから更に月日が経ち、いよいよアリスとマックスは学園を卒業した。
マックスに課せられていた、卒業までにニールたんに追い付くという目標はやはり達成出来なかったようだが、ギリギリ及第点をもらえたらしい。

『アリスお嬢様を泣かせるような事があれば、すぐにでも攫いに伺いますので、そのおつもりで』

マックスにそう言った時のニールたんの笑顔は、今までで一番恐ろしかったらしい。
程なくして、アリスはマックスと結婚した。一線は越えていなかったけれど、結婚する前にマックスがアリスに手を出したと気付いたアルフォンスは、最後まで二人の仲をなかなか許そうとしなかったが、結婚式当日には、涙を滲ませつつアリスの幸せを願い、祝福してくれた。

『悔しいよ。けど、アリスが幸せなら、それが一番だから。幸せになってね……姉上』

マックスは騎士団への就職が決まっており、直属の上司は幼い頃からの友人であるレジナルドだ。

『残念だったな、アリス。今後、マックスと共に居る時間は俺が一番長くなるだろう。マックスが仕事で遠征に行くような時が来ても、浮気しないようにな』

マックス好きを隠さなくなったレジナルドは、アリスにとって一種の好敵手ライバルとなっていた。
『浮気するなとか、女たらしのお前が言うな』と、アリスが額に青筋を浮かべた事は言うまでもないだろう。

『出来る事なら、私が……と、ずっと思っていたよ。だが、今はとても嬉しく思っている。幸せになってくれ、アリス』

フィリップ殿下は、アリスとマックスが結婚した翌年、マリアーノ様と結婚した。学園祭で人が変わってしまったマリアーノ様に、事情聴取も兼ねて会いに通っていたところ、お互いに惹かれあっていったのだとか。
収まるところに収まった感じで、良かったと思う。

『私の身体が健康になったのは、全てアリスのお陰だ！君の幸せを全力で祈らせてもらうよ！』

第二王子であるエルオット殿下は身体が健康になった事で、以前よりも精力的に公務をこなすようになり、今では次期国王となるフィリップ殿下の補佐をするべく、様々な事を学んで励んでいるらしい。

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…………


『クロ……？』

アリスが契約していた闇の最上位精霊クロは、いつの間にか姿を消していた。しかし、契約自体は継続していたので、闇魔法は使えるままだった。
時折脳裏に蘇っていた、アリスとしては身に覚えの無い断片的な記憶も、今ではよく思い出せない。
だけど、そのうちきっとまた逢える。アリスには、何故だかそんな確信があった。

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…………


初夜。
ラジアーネ伯爵領に新しく建てた、二人の愛の巣にて。

「……アリス、覚悟は出来ていますか？」
「で、出来て、ます」
「嬉しいです。沢山練習を重ねてきましたから、きっと大丈夫。俺の子種を、たっぷり受け止めて下さいね」
「い、言い方！言い方が良くな……っ！ひゃあん！」
「やっと、全てを俺のものに出来る。愛してる、アリス」
「だ、だめ！何、塗って……や、あ……！」
「痛くないように、うんと気持ち良くなる塗り薬らしいです。中にも外にも、沢山塗っておきますから」
「皮、めくっちゃ……！そこ、やぁああん♡♡」

皆に祝福されて送り出されたアリスとマックスは、その後子供を二人授かり、幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。


＊ ＊ ＊

最後の方は更新が徐々に遅くなってしまい、随分とお待たせしてしまいました。申し訳ありませんでした。
ですが、こうして何とか完結する事が出来て良かったです。
読んで下さった沢山の方々にお礼申し上げます。本当にありがとうございました！！

落ち着いた頃に一部修正したりすると思います。
他キャラのifについては書くかどうか未定です。
今まで本当にありがとうございました！！

はる乃