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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)

僕で頭の中をいっぱいにして①★

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「……っ」

昼食を終えたヴィクトリアは、エリックと共に2年の教室に戻って席に着いた後も、落ち着かない様子で顔を僅かに赤くしてしまっていた。
クラスメイト達は上機嫌なエリックを見て、また隠れて二人がイチャイチャしていたのだろうと予想する。勿論、彼等はそのイチャイチャがめちゃくちゃ濃厚で甘い声を漏らし、高みへと昇らされてしまうような行為だとは露ほども思っていない。あくまで、ハグしたり、キスしたりと、その位の可愛らしい行為しか想像していないのだ。だからこそ、そんな可愛らしい行為で顔を赤くして戻るヴィクトリアが微笑ましく、彼等は生暖かい視線で二人を見守る。

クラスメイト達が、純粋な者達ばかりで本当に良かった。(エリックの側近は除く)

しかし、今のヴィクトリアには周囲の事を気に掛ける余裕はない。
先程の昼食での悪戯により、エリックのせいでぐしょぐしょに濡れてしまったショーツは、脱がされたまま。要するに、今のヴィクトリアはノーパンなのだ。

(こんな状態で授業を受けなきゃならないだなんて……っ)

弄っていなくても、ヴィクトリアの秘められし秘処からは蜜がトロリと溢れ、つつーと垂れてしまう。
隣の席に座るエリックが、ヴィクトリアの耳にその整った端正な顔を寄せて、甘く、密やかに囁く。

「リア、少しも濡らしちゃ駄目だよ?授業の途中で、濡らしていないか、こっそり確かめさせてもらう・・・・・・・・・からね?」
「?!」

エリックの言葉に、ヴィクトリアは身体をビクリと揺らして狼狽えた。
そして、授業中に秘処に触れると言われてしまった事に、瞳を潤ませる。

どうしよう。
どうしたらいいの?

ヴィクトリアはすっかりエリックに翻弄されてしまっていた。頭の中はどう切り抜けたらいいのか、どうしたらエリックに濡れてしまっている事を誤魔化せるか、エリックの事でいっぱいになってしまっている。

エリックはそんなヴィクトリアに満足し、困り顔で瞳を潤ませて俯く姿に、蕩けるような笑みを浮かべた。近くの席に座る他の女子生徒達は、そんなエリックの微笑みにノックアウトされている。その笑みを向けられている当人のヴィクトリアだけは、俯いているせいで全く気付いていない。

(……せめて学園にいる間くらいは、僕で頭の中をいっぱいにしてよ。可愛いリア)

愛しい人はサキュバスになってしまった。
それ故に、生命を維持する為には精気が必要となる。
自分一人の精気で賄えるならば、国王ちちおやに掛け合って秘密裏に騎士団を動かし、他の邪魔者達を討伐してしまうのに。
人間から魔物であるサキュバスに転化したばかりのヴィクトリアは、通常よりも多くの精気が必要となる。その精気が枯渇してしまえば、極度の飢餓状態に陥り、発狂してしまい、最終的には命を落としてしまう事になる。

(そんなの、無理だ。僕自身が耐えられない)

もしもヴィクトリアから人間の心が無くなり、完全なるただの魔物と化してしまったのなら、潔くスッパリと諦められるのに。

(完全な魔物となってしまったのなら、僕が殺してあげるのに)

けれど、幸か不幸かヴィクトリアには人間の心が残っている。誰彼構わずに幻惑の魔法で襲い掛かり精気を欲しがるような事もなく、サキュバスになってしまった今でもちょっとした事で頬を染め、恥じらい、大した事は出来ていないが抵抗さえ見せる。

(……授業に集中し始めたな)

一度授業に集中し始めてしまえば、その間に秘処は渇いてしまうだろう。
そういった行為よりも学業を優先させてしまうあたり、やはりヴィクトリアはヴィクトリアのままなのだ。そうして、授業時間が半分程進んだところで、エリックはそっとヴィクトリアの両足の間に自らの手を滑り込ませた。

途端、ヴィクトリアがビクリと身体を揺らし、眉尻を下げてチラリとエリックに視線を向ける。

(可愛い)

触れてみると、やはり秘処は渇いていた。だが、ヴィクトリアは酷く敏感で驚くほどに濡れやすい。しかも、サキュバスになったせいか、身体は更に快楽に弱く貪欲になってしまっている。
人間としてのヴィクトリアが恥じらい、もう止めたいと願っても、サキュバスとなってしまった身体は更なる快楽を求め、結局は抵抗しきれずに欲しがってしまう。そうして、欲しがる自分自身に羞恥心が湧き出てしまい、益々濡らして感じてしまうという悪循環。

「や………っ……」

せっかく渇いていたのに。
少し秘処を撫でて、小さな花芽を指の腹で優しく擦れば、すぐにヴィクトリアの秘められし花園はしっとりと水気を帯びて潤んできてしまう。

エリックは空いている方の手で頬杖をつき、顔は授業を行っている教師の方へ向けたまま、ヒソヒソとヴィクトリアにだけ聞こえるような小さな声で話し始める。

「濡らさずに授業に集中してて偉かったね、リア。……でも、どうしてかな?確認してるだけなのに、何だかもう濡れてきてるよ?」
「……っ、は……♡」
「ほら、ちゃんと我慢しなくちゃ」

微かに呼吸を乱しながら、小刻みに身体を震わせるヴィクトリア。
もじもじと動く足が、少しずつ隙間を無くそうと閉じていく。やがてピタリと両足を閉じ、間にあったエリックの手を、手首ごと挟んだ状態で固定してしまった。これで好き勝手動く事は出来ない筈。ヴィクトリアはそう考えたようだ。けれど。

「ふふ、僕の手を挟んで離さないようにするなんて。……もっと沢山弄って欲しくなっちゃった?」
「なっ……ち、違いまっ………ひぅ♡♡」

手首ごと固定されたまま、エリックは中指を蜜口の中へ挿入し、中指をクイクイと動かして花芽の裏側を優しく擦っていく。するとヴィクトリアは、右手に持っていたペンを置き、両手で自身の口を押えた。恐らく、大きな声が出そうになってしまったのだろう。

「……っ♡♡……ぁ……♡♡」
「気持ち良いの?授業中なのに、気持ち良くなっちゃったのかい?」

エリックの言葉に、ヴィクトリアはふるふると首を小さく左右に振る。
すると、エリックは意地悪そうに瞳を細め、口端を上げた。



「そう、良かった。……それなら、もう少しじっくり・・・・確認しても大丈夫だね?」



* * *
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