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第2章 自分の居場所
20 薬師は異様に盛り上がっています
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顔を見合わせた調査隊の面々。なかでもシャンプ力に自信がありそうな数人が前に出たそうにしている。
その中で一番背が高い1人が、ステージに上った。
「うぉー、ソウル、お前ならいける」
「頑張れ、ソウル、負けるんじゃねえぞ」
盛り上がる冒険者たち。するといつの間にかふよふよと、笑い袋が集まってきた。
「ブー ブー」
「ブー ブー」
全員で冒険者に向かってブーイングしている。
「では始めましょう。まずは飛びウサギから。ダンジョンチーム飛びウサギB、スタート!」
飛びウサギBが身長計に乗る。
「身長 62センチメルデス」
先ほどのウサギよりもやはり大柄だった。
すぐにその場でジャンプする。
「計測 238センチメルデス」
「ピュー、ピュー」
「ピュー、ピュー」
笑い袋達が盛り上がっている。
「いけー、ソウル」
「ソウル、負けたら飯抜き!」
「やれー」
ソウルの仲間の冒険者たちも盛り上がっている。すでにダンジョンの中ということは忘れられているようだ。
「それでは、冒険者チーム、ソウル、スタート!」
ソウルが身長計に乗る。
「身長 188センチメルデス」
「うりゃあー」
ぐっと膝をまげてから、一気にソウルが跳び上がった。頭が計測器をぐっと押し上げる。
計測器はさほどの抵抗もなく、ソウルの頭に押されスルスルと上がっていった。
「計測 245センチメルデス」
「うぉー」
「やったー」
「見たかー!」
盛り上がる冒険者たちに、笑い袋のブーイングの嵐。
空から矢羽が、薬草をひらひらと、ソウルの足元に落とした。
「ありがとよ」
矢羽に礼を言って薬草を拾うソウル。見たことがない薬草だった。
すると観客の中から薬師が数人、騒ぎ出した。
「あれ、なあ、あれってミヤマフタゴタケじゃないか?」
「おい、ミヤマフタゴタケって、あの……」
盛り上がっている冒険者の間をざわざわが広がる。
「おーい、ソウルさんとやら、その薬草、ちょっと見せてくれねえか?」
あっという間に薬師に取り囲まれるソウル。
「おお、やはり、間違いない」
「ああ、傷む。処理を、早く処理を!」
「ソウルさん、これ、誰に売るんですか、今、今すぐ売ってください」
「あ、抜け駆けするんじゃねえ、俺に、俺に売ってくれ3万出すぜ」
「バカじゃないの、僕なら5万出すから……」
大騒ぎする薬師たち、呆然と立ちすくむソウル。冷たい目でそれを見つめるシュウメイ。
「みなさん、第二戦はしなくてよいのですか?飛びウサギCはもうステージに上がっていますよ」
見れば、先ほどの飛びウサギAやBよりももっと小柄な飛びウサギがステージ上にいる。
あれなら勝てるかも、と思った、腕に少しは自信がある薬師の一人が、飛び出すように前に出た。
「次は俺だ、俺が出る!」
ソウルと一人の薬師の間で契約がまとまり、薬師は慌てて処理をするためにその場を離れた。ステージ上は次の戦いで盛り上がっている。笑い袋達も、ピュ―ピュー、ブーブーと忙しい。
「計測 248センチメルデス」
「何でだよ、あんなちっせーウサギなのに」
「嘘だろ、まじか」
「計測 225センチメルデス」
「何だよ、お前。引っ込め」
「次は俺だ!」
負けた薬師はステージを降りてガクリと膝をついた。体力と魔力が程よく吸い取られたのだ。
冒険者たちは気にもせず、次の勝負を応援している。
羽鹿のシュウメイはうっすらと笑いながら、司会進行をマイクに任せて、上空に消えていった。
その中で一番背が高い1人が、ステージに上った。
「うぉー、ソウル、お前ならいける」
「頑張れ、ソウル、負けるんじゃねえぞ」
盛り上がる冒険者たち。するといつの間にかふよふよと、笑い袋が集まってきた。
「ブー ブー」
「ブー ブー」
全員で冒険者に向かってブーイングしている。
「では始めましょう。まずは飛びウサギから。ダンジョンチーム飛びウサギB、スタート!」
飛びウサギBが身長計に乗る。
「身長 62センチメルデス」
先ほどのウサギよりもやはり大柄だった。
すぐにその場でジャンプする。
「計測 238センチメルデス」
「ピュー、ピュー」
「ピュー、ピュー」
笑い袋達が盛り上がっている。
「いけー、ソウル」
「ソウル、負けたら飯抜き!」
「やれー」
ソウルの仲間の冒険者たちも盛り上がっている。すでにダンジョンの中ということは忘れられているようだ。
「それでは、冒険者チーム、ソウル、スタート!」
ソウルが身長計に乗る。
「身長 188センチメルデス」
「うりゃあー」
ぐっと膝をまげてから、一気にソウルが跳び上がった。頭が計測器をぐっと押し上げる。
計測器はさほどの抵抗もなく、ソウルの頭に押されスルスルと上がっていった。
「計測 245センチメルデス」
「うぉー」
「やったー」
「見たかー!」
盛り上がる冒険者たちに、笑い袋のブーイングの嵐。
空から矢羽が、薬草をひらひらと、ソウルの足元に落とした。
「ありがとよ」
矢羽に礼を言って薬草を拾うソウル。見たことがない薬草だった。
すると観客の中から薬師が数人、騒ぎ出した。
「あれ、なあ、あれってミヤマフタゴタケじゃないか?」
「おい、ミヤマフタゴタケって、あの……」
盛り上がっている冒険者の間をざわざわが広がる。
「おーい、ソウルさんとやら、その薬草、ちょっと見せてくれねえか?」
あっという間に薬師に取り囲まれるソウル。
「おお、やはり、間違いない」
「ああ、傷む。処理を、早く処理を!」
「ソウルさん、これ、誰に売るんですか、今、今すぐ売ってください」
「あ、抜け駆けするんじゃねえ、俺に、俺に売ってくれ3万出すぜ」
「バカじゃないの、僕なら5万出すから……」
大騒ぎする薬師たち、呆然と立ちすくむソウル。冷たい目でそれを見つめるシュウメイ。
「みなさん、第二戦はしなくてよいのですか?飛びウサギCはもうステージに上がっていますよ」
見れば、先ほどの飛びウサギAやBよりももっと小柄な飛びウサギがステージ上にいる。
あれなら勝てるかも、と思った、腕に少しは自信がある薬師の一人が、飛び出すように前に出た。
「次は俺だ、俺が出る!」
ソウルと一人の薬師の間で契約がまとまり、薬師は慌てて処理をするためにその場を離れた。ステージ上は次の戦いで盛り上がっている。笑い袋達も、ピュ―ピュー、ブーブーと忙しい。
「計測 248センチメルデス」
「何でだよ、あんなちっせーウサギなのに」
「嘘だろ、まじか」
「計測 225センチメルデス」
「何だよ、お前。引っ込め」
「次は俺だ!」
負けた薬師はステージを降りてガクリと膝をついた。体力と魔力が程よく吸い取られたのだ。
冒険者たちは気にもせず、次の勝負を応援している。
羽鹿のシュウメイはうっすらと笑いながら、司会進行をマイクに任せて、上空に消えていった。
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