出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

第１章 アンラッキーな日？

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　わたしが勤めているのは、日本人なら誰でも名前を知っているであろう商社の子会社。
　入社して2年目。

　アシスタント・コンサルタント、と言えば聞こえはいいが、要するに、ていのいい雑用係だ。

　会社の主な業務はコンサルティングだけれど、本社から通達があれば、その他の業務をするときもある。

　今が、まさにそのときだった。
　

　この春、本社主導で大型事業がスタートした。

　都心の一等地にまったく新しい形のショッピングモールを開業することになったのだ。

　コンセプトは『多様で持続可能な社会にふさわしい循環型ショッピングモール』。

　施設の電源にはもちろん自然エネルギーを用い、包装材としてのプラスティック製品の使用は一切禁止、ごみのリサイクルも施設内で完了するというのが基本方針。

　社運をかけた一大事業で、それぞれの部署や子会社にも仕事が割り当てられた。

　わたしたちは主に飲食店のリストアップに携わっていた。

宮沢さんは企画段階からこのプロジェクトに関わってきたそうなので、その彼がうちの部に来てくれたのは心強い。

　しかも超がつくほどの美形というおまけまでついて。

　ただでさえ、その美しさは無類なのに、それを引き立てる、人を蕩かすような笑顔が罪すぎる。
　しかも独身。

　彼を見る、ほぼすべての女子社員の目がハートになっていた。

　そんな人とエレベーターで一緒になり、フロアの案内までできたのだ。

　会社に入社して以来、一番ラッキーな日だったかも。