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第3章 気持ち、あふれて
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「クライアントは再来年、創業100年を迎える会社なんですが、昨年、社長が交代したんです。まだお若い新社長は旧態以前とした社風を変えていきたいと意欲満々で」
本当にこんな話、していていいのかなと思って、彼に視線を向けると「それで?」と先を促す。
「けれど、その意欲がちょっと空回りしてしまって、ベテラン従業員との間がギクシャクしてるんですよね……改善の内容作成よりもどうやって従業員の方々にこちらの提案を受け入れていただくか、そのことに頭を悩ませてます。今のところ」
そうやって話しているあいだじゅう、宗介さんはずっとわたしを見つめていた。
その眼差しがとことん優しくて、わたしはつい、普段なら誰にも言わないような愚痴までもらしていた。
「ベテラン社員さんのなかには、『業界のことを何も知らない、それも女のコンサルティングなんて』と胡散臭い目で見る人もいて、そういう方たちを納得させるのはなかなか骨が折れるんですよ」
「ふーん。苦労が多いんだな、橋本さんの仕事も」
「うーん、でも、それはどの仕事でも同じじゃないですか。宗介さんだって、やりたくない仕事とか、たくさんありそう」
「まあ、そりゃあね」
本当にこんな話、していていいのかなと思って、彼に視線を向けると「それで?」と先を促す。
「けれど、その意欲がちょっと空回りしてしまって、ベテラン従業員との間がギクシャクしてるんですよね……改善の内容作成よりもどうやって従業員の方々にこちらの提案を受け入れていただくか、そのことに頭を悩ませてます。今のところ」
そうやって話しているあいだじゅう、宗介さんはずっとわたしを見つめていた。
その眼差しがとことん優しくて、わたしはつい、普段なら誰にも言わないような愚痴までもらしていた。
「ベテラン社員さんのなかには、『業界のことを何も知らない、それも女のコンサルティングなんて』と胡散臭い目で見る人もいて、そういう方たちを納得させるのはなかなか骨が折れるんですよ」
「ふーん。苦労が多いんだな、橋本さんの仕事も」
「うーん、でも、それはどの仕事でも同じじゃないですか。宗介さんだって、やりたくない仕事とか、たくさんありそう」
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✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
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(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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