207 / 232
性活指導①
しおりを挟む——1ヶ月後
4月に入り、わたしは大学4年生になった。
4年生になったわたしは、とにかく必死で勉強した。
元々留学で取る予定だった1年分の単位をこの前期の期間で補うために、4年生の講義に加えて3年生の講義も特別に受けさせてもらい、選択科目も人よりたくさん取った。
本当に目が回りそうな毎日で、病院通いも週1回に増えてしまったけど……
それでも、こうして大学に通って勉強できることが、今は幸せでしかない。
そんな、ある日。
んん……。
身体は寝てるけど、脳が先に起きかける。
感覚的にはまだ朝も早い感じ。
アラームが鳴るまで寝よう……
と、少し布団を掛け直すようにモゾモゾすると、昨日寝る時にいなかったはずの五条先生が隣にいることに気づく。
五条先生、夜中に帰って来たんだな。
全然気づかなかったや。
……ふふ、五条先生がいるのうれしっ。
まだ目も開かないぼーっとする意識の中、五条先生にすり寄って、そっと体に腕を回してみる。
すると、
ん?なにこれ?
手に何か硬いものが当たった。
ん?
あれ、本当になんだろう……骨?
何かのゲームで箱の中身を当てるように、手のひらで謎の物体を探ってみる。
初めは骨かと思ったけど、どこの骨かもわからないし、どうも骨ではない模様。
うーん……。
しばらくそれを探っていると、何やら硬いものの先にフニフニした部分が。
ん?
なんか、ここはプニってしてる。
うーん?なんだろこれ。
んん~?
……なんか、ぬいぐるみ?
と、半分寝ながら一生懸命考えていると、
ドキッ……
も、もし……かし……て…………
自分が触っているものが何モノかということに、徐々に脳が覚醒してくる中で気づいてしまった。
すると、
五条「ひな……?」
ビクッ……!!?
五条先生が起きてしまい、謎の棒を掴んで固まるわたし。
五条「ひな、お前、今何してた……?」
言われて、背筋どころか全身が凍りつく。
五条「ひな。今、お前何してる……?」
もう一度、今度は低い声で言われ、
五条「おい、起きてるだろ。返事しろ」
ひな「ハ、ハイッ……」
裏返った声で返事をすると、五条先生に棒を握る手を掴まれ、五条先生がわたしの上に覆い被さり、
五条「ひなちゃん、どこ触ってたの?ん?」
と……。
五条先生……これは、絶対バレてる……。
でも、触っていたのがアレで間違いないのなら、とても正直になんて……
ひな「んん~……何のことぉ……?」
五条「芝居下手か。もう完全に起きてるだろ、寝ぼけたフリするな。目開けろ」
ギクッ……
あわよくば誤魔化せないかと、むにゃむにゃ寝起きのふりをしてみたけれど、無事撃沈。
五条「おはよう、ひな」
目を開けると、顔の真上に五条先生の顔。
ひな「オハヨウゴザイマス」
ひとまずご挨拶を返すと、
五条「さっき、どーこ触ってたの?」
ひな「え、えっと……」
五条「なぁ、ひなちゃん。俺、夜中に帰って来てまだ5時だ。ぐっすり寝てたのに2、3時間で起こされた。惚けても無駄だぞ。で、どこ触ってた?」
ひな「ほ、骨?……かな?」
五条「ふーん。じゃあ、質問を変えよう。どんな感触だった?」
ひな「えっと……か、カタカッタです」
五条「それだけか?」
ひな「プニプニした部分もあった気がします……」
五条「じゃあ、次の質問。男性器は興奮するとどうなりますか?」
……っ!?
ひな「か、かたくなります……」
五条「正解。じゃあ、興奮する以外にも硬くなる時があります。それはいつでしょう」
……っ!!
ひな「あ、あさ……」
五条「はい。では、その現象のことをなんと言いますか?」
ひな「ぁ、アサダチ……」
五条「ん?なんて?はっきりと。」
……っ///
ひな「ぁ、あさだち……っ///」
五条「……正式名称は?」
ひな「へっ?」
正式名称??
五条「テスト出るぞ」
ひな「え?テ、テスト?えっと、えと……っ」
五条「夜間陰茎勃起現象」
ひな「……初めて聞きました……」
五条「だろうな。別に習うもんじゃないだろ」
なっ……!?
テスト出るって言ったのに……!
五条「そしたら最初の質問に戻ろう。ひな、お前どこ触ってた?」
ひな「それは……ご、五条先生の…………ご、ごめんなさい……っ!」
恥ずかしくて布団の中に潜りたい。
でも、五条先生に覆い被さられてるから隠れられず。
五条「はぁ……。ひな?」
ひな「さ、触るつもりはなかったんです……っ。ただ、隣に五条先生がいたからうれしくて、くっつきたかったというか、こっそりギュッてしたつもりが硬いものがあって、でも寝ぼけててよくわからなくて、本当にごめんなさい……!」
言い訳なのか何なのか、とにかくものすごい早口でしゃべった。
すると、
五条「ひーな、落ち着け。別に謝ることじゃないから。むしろ俺は……とにかく全然気にしてない。それより、驚かせて悪かった。びっくりしたよな」
って。
ひな「えっ……?」
五条「俺も気を付けるから、朝勃ちのこと知ってるなら、ひなも朝方は気を付けてくれ。これは男の生理現象だから、悪いがコントロールするのは無理だ。だから、今日みたいに不意に触らないように、な?ひなを怖がらせたくはないし、ココはまだ……ひなが大丈夫と思ってからでいいから」
ぽんぽん……
五条先生……
五条「まだ起きるには早いだろ。時間まで寝よう。俺も寝るから。ほら、おいで」
そう言って、再び横になり腕枕をしようとする五条先生。
だけど、わたしは……
ひな「待って」
五条先生のお腹の辺り、弛んだ寝巻きをキュッと掴み、
ひな「五条先生……わたし、怖いと思ってない」
五条「ひな?」
ひな「だから、その……わたし、五条先生の……
見てみたい……です」
17
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
好きだった幼馴染に出会ったらイケメンドクターだった!?
すず。
恋愛
体調を崩してしまった私
社会人 26歳 佐藤鈴音(すずね)
診察室にいた医師は2つ年上の
幼馴染だった!?
診察室に居た医師(鈴音と幼馴染)
内科医 28歳 桐生慶太(けいた)
※お話に出てくるものは全て空想です
現実世界とは何も関係ないです
※治療法、病気知識ほぼなく書かせて頂きます
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる