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鉄剤注射④
しおりを挟むそして、9回目の注射。
病院に着いたらエレベーターで内科病棟に上がり、ナースステーションの看護師さんに声をかけて処置室に入る。
学校が終わったら五条先生にLIMEしてるから、藤堂先生も祥子さんもいつも処置室で待ってくれてるんだけど……
コンコンコン、ガラガラ——
ひな「……あれ?」
処置室にいたのは、祥子さん。
と、宇髄先生と工藤先生。
宇髄「ひなちゃん、学校お疲れ様さま」
工藤「久しぶり!」
ひな「こ、こんにちは……あの……藤堂先生は……?」
宇髄「藤堂先生、さっき急患があってどうしてもそっち行かないといけなくなったんだ。だから、今日は代わりに来たぞ。工藤先生も時間あったから一緒に来た」
あ、そういうことか……。
宇髄「ごめんな、驚かせて。それじゃ、さっそくだけどベッド座ってくれるかな?少しだけ診察するな」
と、ベッドに腰掛けて宇髄先生に聴診してもらう。
久しぶりに宇髄先生と工藤先生に見られて、すごい恥ずかしい……。
緊張して思わず固まっちゃう。
宇髄「ひなちゃん目も見せてな~……ん、いいよ。そしたら、横になって祥子に注射してもらおう」
恥ずかしさが伝わったのか、診察を手短に終わらせてくれて、さっそく注射。
祥子「今日は右腕にするね」
と、テキパキ準備する祥子さん。
そして、その様子をじーっと見る宇髄先生と工藤先生。
……ゴクッ
祥子「もう、2人してそんなにじーっと見て。緊張するでしょ?ひなちゃんも緊張しちゃってるわよ」
う、うん……。
宇髄先生と工藤先生が並んでじーっと見てるって緊張するよね。
さすがの祥子さんも緊張するよね。
宇髄「すまん。祥子と工藤、どっちが上手いかと思ってな」
祥子「そんなの工藤先生に決まってるでしょ?」
工藤「いやいや、そんなご謙遜を。祥子ちゃんの方が上手いよ?」
な、なんか、また始まった。
祥子さんって、先生たちとすごく仲良いな。
まこちゃんはみんなかわいがってる感じだったけど、祥子さんは同僚みたいな感じ?
宇髄先生は呼び捨てにしてるし、歳が近いのかな?
祥子「ひなちゃん、そしたらいくよ~。最初だけチクって我慢してね」
チクッ……
いつもと同じ、少しだけチクっとする祥子さんの注射。
でも、針が入ってしまえばそんなに痛くない。
祥子「ひなちゃん痛くない?」
ひな「大丈夫です」
祥子「うん、ありがとう。リラックスしててね」
ひな「はい」
工藤「ひなちゃんすごいな。前は注射ってなるとこの世の終わりみたいな顔してたのに」
ひな「えっ!? そ、そんなこの世の終わりって、さすがにそこまでは……」
「「いいや、してた」」
うっ……。
宇髄先生と工藤先生、そんなハモらなくても。
なんでも息ぴったり過ぎだよ。
祥子「ふふっ。2人とも本当に息ぴったり。やっぱり工藤先生と達弥は最強コンビね」
ん……?達弥?
今、祥子さん宇髄先生のこと下の名前で呼んだ?
ひな「祥子さんと宇髄先生って仲良いんですね。同い年とかですか?」
工藤「いや、仲良いもなにも……って、もしかしてひなちゃんまだ聞いてない?」
ひな「え?聞いてないって?」
工藤「宇髄先生と祥子ちゃんの関係。五条先生か藤堂先生か、祥子ちゃんから聞いてなかった?」
ピンと来ないからたぶん聞いてないんだろう。
ひな「聞いてないと思います」
工藤「そうか、知らなかったか。宇髄先生と祥子ちゃんは夫婦だよ」
ひな「へぇ~、そうなんで……え?…………えぇっ!?」
ふ、ふ、夫婦!!?
ちょ、ちょっと待って。
夫婦って言った!?
ひな「宇髄先生と祥子さん、結婚してるんですか!?」
宇髄「あぁ。祥子は俺の嫁」
よ、よ、嫁!!?
嫁ってそんな……というか、
ひな「宇髄先生結婚してたんですか!?」
宇髄「ん?言ってなかったか?」
ひな「は、初めて聞きました……」
宇髄「あれ、そうだったか」
そうだったよ……
宇髄先生、忙しくていつも病院にいるイメージだし、結婚指輪してないし、そんなの全然知らなかった。
突如明かされた衝撃の事実に目が飛び出しちゃいそう。
あれ?
でもそれだとなんで……
ひな「祥子さんの苗字って、まこちゃんと同じ冨岡ですよね……?」
祥子「ここで働き始めてから結婚したから、仕事ではそのまま旧姓使ってるの。だから真菰と同じ冨岡なんだけど、本当は宇髄祥子よ。それでひなちゃん気づかなかったのね」
いや、もし宇髄祥子で出会ってたら、今度はまこちゃんのお姉さんってことに気づいてなかった気がするから、どうとも言えないけども……
ひな「ま、まさか宇髄先生の奥さんだったとは。まこちゃんのお姉さんで宇髄先生の奥さんで……ってことは、まこちゃんは宇髄先生の家族ってこと??」
宇髄「まこちゃんは俺から見たら義理の妹だな」
義理の妹……
わたし、今まで宇髄先生の妹にお世話してもらってたんだ。
それにしても、今の今までほんと気づかなかった……。
祥子「ちなみに、達弥よりわたしの方が歳は下よ。わたしは今年31で、達弥は35になるから。わたしは神崎先生と同い年なの」
ひな「あ、じゃあ五条先生のひとつお姉さんですね。だからみんな祥子ちゃんなのに、五条先生は祥子さんって呼んでたのか」
宇髄「ま、そういうことだ」
そして、祥子さんと宇髄先生はノワールで出会ったことや、宇髄先生から好きになって告白したことなどなど……
2人の馴れ初めを教えてもらい、そうこう話してる間にもちろん注射も無事に終わった。
宇髄「ひなちゃんお疲れ様。立てる?ゆっくりな」
ひな「はい。ありがとうございました」
これで9回目が終わり、残るはあと1回に。
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