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検査と再発①
しおりを挟むそれから、さらに2週間後。
宇髄「ひなちゃん、ちょっと検査しに行こうか」
ひな「……」
宇髄「ひなちゃん?聞いてるよな?」
ひな「……嫌」
宇髄「嫌でも行こう」
ひな「行きたくないです……」
宇髄「でもな、ちょっとお腹張ってきてるだろ。自分でもわかるよな?」
ひな「でも……グスン、張ってるけど、それはガスが溜まってるだけで……グスン」
宇髄「ん~……。けどここ押したら痛いだろ?」
ひな「……っく……い、痛くない……」
宇髄「ひなちゃん?ひなちゃんが身体しんどいって自分から言ってくれたおかげで、せっかく早く気づけたんだ。きっと、この前よりも溜まってないと思うし、とりあえず検査だけやりに行こう。な?」
今朝、起きたらすごく身体がだるかった。
一昨日くらいから少し感じ始めてたけど、今日はこれじゃあ勉強もできそうにないと思って、朝の回診で自分から藤堂先生に伝えた。
そしたらお腹を触られて、お腹が張ってるってなって、宇髄先生に連絡されて、宇髄先生が来て、今診られてる。
たぶん、またお腹におりものが溜まってるんだと思う。
ひな「もうあの治療はしたくないです……」
宇髄「治療は検査してから考えたらいいんだ。まずはお腹の状態をちゃんと確認しよう。ひなちゃん、治療の後もおりもの出たことないだろ?生理も来てないだろ?」
ひな「……ということは、絶対治療しないといけないんですよね?検査だけして治療しなくていいなんてありえないですよね?」
宇髄「ひなちゃん……」
また宇髄先生困ってる。
でも、検査したらどうせまた治療するんだ。
こんなことなら、正直にしんどいなんて言わなきゃよかった……
宇髄「ひなちゃん?また五条先生に怒られるぞ?」
ひな「そ、それは、宇髄先生が黙っててくれれば……」
宇髄「俺が黙ってても、今ごろ藤堂先生がカルテ入力してるしなー……って、いつまでも駄々こねられるとそのうち俺も怒る」
……っ。
宇髄先生が怒ったらやばいよ。
こんな屈強な男の人に怒鳴られたら怖すぎるじゃん。
夏樹くん怒ってるのもめっちゃ怖かったもん。
ひな「け、検査だけ……治療はまだしないって……」
宇髄「あぁ。約束する。少なくとも今日は検査しかしない。治療は検査結果見て考えよう。それなら頑張れるか?」
ひな「は、はぃ……」
宇髄「ん、お利口さん。そしたら今から処置室行こう。ゆっくり起き上がって」
と、宇髄先生に身体を起こしてもらって、トボトボと下の階の処置室へ……。
で、例のあの椅子の上でお腹を出して寝そべってる。
宇髄「ひなちゃん、そしたらジェル乗せるな」
温かいジェルがお腹に落とされて、ゆっくりプローブが当てられる。
場所によってちょっとくすぐったい時もあるけど、我慢我慢。
それよりも、宇髄先生が真剣に見つめるモニターが気になる。
宇髄「ん?ひなちゃん見てみたい?自分のお腹の中」
ひな「え、あ、いえ……結構です。どうせ見てもわからないし、そこに映ってるのだってどうせ悪いことだから」
宇髄「ひなちゃんはそうやってすぐネガティブになるの直さなきゃな(笑)」
ひな「す、すみません……」
そして、超音波が終わってジェルを拭き取ってもらって、
宇髄「よし、ひなちゃん椅子動くぞー」
と、例のあの、宇髄先生へ大股を開いた格好に。
あぁ、恥ずかしい……
宇髄「今日はそんなに痛くないと思うんだ。前に治療したのでかなりほぐれたはずだから。だから、怖がらずに深呼吸して力抜いててな」
って、パチパチ手袋はめながら言われても、その音が怖いんだってば……。
宇髄「そしたら指入れるぞ。すぐ終わるからな。はい、息吐いてー……」
ひな「スー、ハー……んっ……」
宇髄「痛い?」
ひな「痛くはないです……」
宇髄「ん。続けるなー……」
と、宇髄先生は指を中でごにょごにょ。
宇髄「よし、指抜くな」
あれ?この前よりも早い。
さっと指入れてちょっとごにょごにょして、お腹押してすぐ終わった。
はぁ、ラッキー。
って思ってたら……
宇髄「ひなちゃん、次はちょっとこれを入れて中診させてな。膣鏡って言うやつだからな」
と、宇髄先生が銀色のくちばしみたいな謎の器具を見せてきて、一気に血の気が引いた。
ひな「ぁ、あの……そ、それ入れるんですか……?」
宇髄「あぁ。大丈夫、痛くないようにするから」
いや、痛くないとかじゃなくて無理だと思う!!
ひな「う、宇髄先生、そもそも入らないと……そんな、お、オシッコ……するところに指もきついのに……」
宇髄「……ん?ひなちゃん、なんて言った?」
ひな「だ、だから、入らないと思います……」
宇髄「いや、その後だ。おしっこするとこに入れるって言った?」
ひな「え?は、はい……ごめんなさい、恥ずかしいこと言って……」
あぁ、もうやだ。
穴があったら入りたい……
宇髄「別に恥ずかしいことじゃないから気にしなくていいんだが、ひとつ間違えてることがある」
ひな「え?」
宇髄「おしっこ出るとこと膣は別だぞ?おしっこは尿道口から出るんだよ。尿道口は膣口とクリトリスの間のここ。膣はこっち」
って、宇髄先生が説明しながら触ってくる。
ひな「んっ……!んん……っ、わ、わかりました……!!」
なんで体のレクチャー始まってるの……?
もうやだ、恥ずかしい。
わたしが知らなかったからかな。
教えてくれるのはいいけど教え方が……
とにかく恥ずかしいっ!
宇髄「わかったか?ま、医大行けば嫌でもまた覚えさせられるからな(笑)」
やっぱり。
宇髄先生はわたしが医者になることを意識して話してるんだ。
気が早すぎると思うけど。
それに今わたし患者なんだけど……
宇髄「ということで、今からこの膣鏡入れるぞ。痛くないようにするから力抜いててな。いくぞー?」
と、宇髄先生があの銀色の器具をわたしのあそこに沈めていく。
ひな「んっ……んぅ……ぁ、いっ……」
宇髄「ひなちゃん痛い?」
ひな「ちょ、ちょっと……」
宇髄「力抜いてごらん」
ひな「スー……ふぅ~……」
宇髄「そうそう。そのまま呼吸して力抜いててな。ちょっと広げるぞー」
宇髄先生が何してるのかわかんないけど、あそこの異物感がすごくて苦しくて気持ち悪い。
早く終わって……
宇髄「ひなちゃん、今からちょっとだけチクってするかもしれないけど、動かないで少し我慢してな」
と言われて、
ひな「んっ……痛っ……」
なんとなくあそこの奥に何か当てられてるような感じがして、確かにチクってする。
宇髄「ごめんなー、もう終わるぞー……はい、終わり」
と、痛みから解放されて、変な器具も抜いてくれた。
宇髄「これで検査はおしまいだからな。ベッド止まったら着替えて出てきてな」
ひな「はい……」
そして、ウィ~ンと椅子が止まって、着替えて、カーテンを開ける。
宇髄「ひなちゃんお疲れ様。ちょっと疲れたか?」
ひな「はい……少し……」
なんて言いながら病室に戻ってきた。
ベッドに横になると、宇髄先生が頭をぽんぽんとしてくれる。
宇髄「検査、頑張ってえらかったぞ。今身体しんどくないかな?大丈夫?」
ひな「はい。大丈夫です……」
宇髄「また夕方か夜になったら来るからな。お昼ご飯しっかり食べてゆっくりしといてな」
ひな「はい。ありがとうございました」
はぁ……
検査結果どうなんだろう。
また後で来た時に言われるのかな。
でも、100%治療しなきゃだよね……
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