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新しい主治医②

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トントン……





藤堂「ひなちゃーん」





んん……ん?





藤堂先生に起こされて目を開けると、なぜか五条先生もいる。





ひな「五条先生、なんでいるんですか?」 


五条「なんでって、倒れたって言うから様子見に来たんだ」





って、なんか様子見に来たと言いいながら顔が怖いんですが……





ひな「怒って……る?」


五条「ということは、何もわかっとらんな……」





な、なんの話……?

なんかめっちゃ怖い。

本当になんで突然そんな怒ってるの?

まぁ鬼レベルはまだ1だけど……





五条「なんで採血の時に最初からベッドでしてもらわなかった?」


ひな「え?なんでって、椅子に案内されたので……」


五条「バカか!いつもお前は横になって採血してるだろ!寝たまましても気分悪くなりやすいのにだな。高校生になったんだから自分でベッドでしてくださいって言いなさい!」





えっ!?何それ!!





ひな「そ、そんな理由でいつも寝たままって知らなかったです。内科に来たら座ってするものなのかと……」


五条「前に言ったことあるだろ?また聞いてなかったのか」


ひな「たぶん、聞いてませんでした……」
 

五条「はぁ……」


ひな「ごめんなさい」


藤堂「まぁまぁ(笑)ひなちゃんも知らなかったなら仕方ない。でも、今わかったからこれからは大丈夫だね。忘れないようにね!」





藤堂先生、ありがとうございます。

主治医が藤堂先生になってよかったかも……





それから、検査の結果を五条先生も一緒に聞いて、今月も問題はないとのこと。

藤堂先生も五条先生もこれからお昼のようで、一緒に病院の食堂で食べることになった。










***



「「いただきまーす」」





という先生たちの前には、ごはんもおかずも大盛りの定食がドーン。

わたしはさっき倒れたから大人しくうどんを食べるというのに、見てるだけでお腹いっぱい。

というか、先生たちなんでこんなに食べるの?





ひな「先生たちの胃袋はどのくらいでかいんでしょうか」


五条「ひなが小さいんだ。もっと食えるようになれ」


藤堂「でも、最初の頃に比べると随分食べられるようになったし、大きくなったよね。今日も140.5cmになってたし、体重だって28kgだったよ。30kgになるといいんだけどね」


ひな「はい、頑張ります……」





なんて言いながら食べてると、





神崎「あ!ひなちゃ~ん!!」





と、元気よく神崎先生が、これまた量の多い定食を抱えてわたしたちのテーブルに来た。





藤堂「神崎先生、お疲れ様」


神崎「お疲れ様ですっ!ひなちゃん制服かわいいね!」


ひな「あ、ありがとうございます」


「「ひなちゃーん!」」





あ、宇髄先生と工藤先生まで来た。

しかも、2人とも定食と丼鉢まで持ってる……

ムキムキ恐るべし。



って、黒柱がこんな食堂に集結するからみんなめっちゃ見てる。

わたしこの中にいるのすごく気まずい……





工藤「ひなちゃん、何組になったの?」


ひな「B組でした。夏樹くんはE組でまた別のクラスに」


宇髄「夏樹はEだったか。Fじゃなくてよかったな(笑)」


工藤「あいつはマジで馬鹿なんですよ……家でも勉強してるとこ見たことなくて。ひなちゃんは2年生からノワール入ったのに、B組になって賢いな」


ひな「え?わたし全然賢くないですよ……」


藤堂「あれ、ひなちゃんもしかして知らない?クラスはAから成績が良い順に分けられるんだよ。遅れもあるのに6クラスあってB組なら大したもんだよ」


ひな「えぇ!そうだったんですか?知らなかったです」


五条「どうせ先生の話聞いてなかったんだろ」


ひな「なっ……そ、そんなことないです……」


五条「まぁ、お前はバカじゃない。教えたら何でもすぐに出来るようになるし、勘やセンスもいい。ちゃんと努力もする。来年はA組目指せ」


神崎「おっ。珍しい~!五条先生に褒めてもらったね、ひなちゃん!」


ひな「さっき、検査の時に怒られましたけど……」


「「はははっ!まぁ、それは仕方ない!」」





って、さっき倒れたことはもうみんな知ってたみたいで笑われつつ、先生たちと楽しく話しながら食事を終えた。


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