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初潮②

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*ひなのside



~ひなのの病室~





カチャカチャ……





ん……?





カチャカチャいう音がして目が覚めた。





真菰「ごめんね、ひなちゃん。点滴外させてね」





ちょうどまこちゃんが点滴を外すところだったみたい。





真菰「どう?お腹は今痛くないかな?」


ひな「大丈夫だけど……わたしどうなったんだっけ?なんか別の部屋に連れて行かれた気がするの」


真菰「うん。ひなちゃん生理が来てたみたい。初めてだね。おめでとうっ」





……おめでとう?

何がおめでとうなんだろう。





ひな「なんでおめでとうなの?」


真菰「女の子は生理が来たらおめでとうなんだよ?今日はお赤飯食べなきゃね」


ひな「せいり?……って何?」


真菰「えっ??ひなちゃん、生理知らなかった??」





またまこちゃんが驚いてる。

たぶん、みんな知ってることを知らないパターンだ……





ひな「わたしって物知らずだよね……いつも無知でわからないことばっかりでごめんなさい……」


真菰「そんなことないよ、謝ることじゃないよ。教えてもらわなかったもんわからないよね。あとで五条先生がお話ししてくれると思うから、その時に詳しく聞こうね!」










そして、点滴を外してもらってしばらくすると五条先生が来た。





五条「どうだ?今痛いとかしんどいとかないか?」


ひな「大丈夫です」


五条「ん。そしたら、少し話していいか?」





と、五条先生が丸椅子に座って真剣な顔をしてる。

わたしもピンと背筋が伸びる。





五条「まこちゃんに少し聞いてきたけど、ひなは生理って聞いたことなかったか?」





ゆっくり首を横に振った。





五条「女の子はな、月に1回、1週間くらい血が出るんだ。精子と卵子がくっつく話はわかる?学校で習ったか?」


ひな「コクッ……」


五条「子宮って赤ちゃんを育てるところあるだろ?そこで、卵子は毎月精子がやってくるのを待ってるんだが、その時に子宮の中では赤ちゃんを育てるためのふかふかのお布団を作って血液を蓄える。だけど、精子が来なかったら赤ちゃんはできないから、お布団はいらなくなるよな?そのいらなくなったお布団が血や卵子と外に出ていくのが生理。正しくは月経って言うぞ」


ひな「そういえば、そんなこと『はたらく細胞ズ‼︎』に書いてあった」


五条「そうか。それならもう一度読んでみるといい。さっき月に1回って言ったけど、しばらくは周期が安定しないから、もしかすると数ヶ月おきにしか来ないかもしれない。これから、生理が来た時は毎回一緒に管理していこうな」


ひな「はい……」


五条「なんとなくわかったか?難しかったか?」


ひな「大丈夫です。トイレ行った時、パンツに血がついてるの見てすごく怖かった……。お腹も痛かったし、病気だったらどうしようって思ってたから、病気じゃなくてよかったです」


五条「……ん?ひな、トイレ行った時に血出てたのわかってたのか……?」





……あ、やばい。

しまった、これは……





ひな「あ、いや、血じゃなかったかも……?あれ~?That’s weird(おかしいな)……」


五条「血じゃなかったらなんなんだ?Did you pee your pants(おしっこでも漏らしたのか)?」


ひな「なっ、なんてことを言うんですか……」


五条「はぁ~……ったくお前は本当に…………なぜそういうことをちゃんとすぐに言わないんだ!!今朝は具合も悪かったし何かあったらすぐ呼べってわざわざ言っただろ!!」





ですよね……

もう自分で話した瞬間怒られると思ってました……





ひな「ごめんなさい……」


五条「そうやって、自分でおかしいと思った時にすぐに言わないからいつも大変な思いするんだぞ!今日の生理も、ちゃんとひなが気づいた時にすぐ言ってればあんな痛い思いすることもなかったんだ!!」


ひな「え?そうなの?」


五条「そうなの?じゃない!いつもすぐにナースコールをしなさいと言っとるだろが!!何回言わせる!!」





あー、怖い……

何が柱だよ……

鬼だよ、鬼……

ツノ見えるもん。





ひな「ごめんなさい……」


五条「生理の話の続きだがな、生理は血が出るだけじゃなくていろんな不調が出るんだ。情緒不安定になったり、お腹や頭が痛くなったりする。生理痛って言うが、人によって症状も重さもバラバラ。ひながさっき気失うほど痛かったのも生理痛だ」


ひな「それでお腹も頭も、腰も痛かったんだ。トイレ行く時もすごくフラフラしたし」


五条「んぁ!?」





はっ……!

フラフラしたは言っちゃいけないやつだったかも!!





五条「はぁ……もうどこからツッコんだらいいかわからん……」





五条先生が頭を抱えてる。

珍しい……って、わたしに呆れてるんだよね。

うん。





ひな「ごめんなさい……」


五条「何がごめんなさいなんだ?」


ひな「え?」


五条「え?じゃなくて、謝らないといけないってわかってるからごめんなさいって言ったんだろ?今日のことでごめんなさいと思うこと全部言ってみろ」


ひな「えっと……血が出たりお腹が痛いことをすぐに言わなかったこと……フラフラすることをすぐに言わなかったこと……そもそもフラフラするのに1人でトイレに行ったこともいけなかったです……。あとは……眠くて眠くてお昼ごはんの後に1時間ほどお昼寝もしてしまいました。それでお腹痛くて目が覚めてトイレに行ったんです……」


五条「全部わかってるなら初めからちゃんと言わんか……。あと、眠くなるのも生理だからだ。別に寝るのは構わん」





えぇー!

いつもお昼寝したら怒るのに……

それはちょっと損したかも……





五条「大事なことだからもう少し話すぞ。生理は血が出るだろ。それも1週間出続ける。だから貧血にもなりやすい。ひなは普段から貧血だから、生理の時は特に気をつけないといけないんだ。今日みたいに貧血の状態で生理が来てフラフラするのは当たり前だ」





そうなんだ……

なんか、いろいろ大変なことが多いな。

って、話してる間にまたお腹痛くなってきた気がする……

気のせいかな?





五条「ひな、お腹痛くってきたのか?」


ひな「What!?」





なんでわかった……

そんなに顔に出てたのかな?





五条「そうなんだな」


ひな「なんで……」


五条「見てれば何となくわかる。薬も切れる頃だし。それと、お前は焦るとよく英語が出てくるからわかりやすい。って、さっきまでの話を忘れたのか!お腹痛いなら早く自分から言え!」


ひな「はい……少し痛いです……」





はぁ。もう怒られてしかない。

なんでこうなるの……





五条「生理は病気じゃないけど絶対に無理しちゃいけない。なるべくリラックスして心身ともにゆっくりしないといけないんだ。だから本当は今だって怒りたくないのにだな……」


ひな「す、すみません……」


五条「生理が来て3日目くらいまでは生理痛があって辛いと思う。そんなのがこれから毎月あるんだ。ちゃんと痛み止めの薬も出すから、無理せず必ず言うんだぞ?」


ひな「はい……」





この後、五条先生がさっそく鎮痛剤をくれて、それを飲んでから眠りについた。


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