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第三章 RLS-違う世界-

85 ゲーム開始3/3

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リノリウム製の様な感触を足の下に感じつつ廊下を歩いて移動すると2人と分かれて100mほど進んだら入り口らしき場所に来た。
その場所は廊下の突き当たりで、入り口にはドアはなく使用しない時はシャッターが降ろされる様な作りになっている。
部屋に入ると一人のフェアリーが何か書類を抱きかかえてあっちへうろうろこっちへうろうろ特に何かをしてる訳では無さそうだけど忙しそうに行ったり来たりしてる。
そして俺の方をチラチラ見つつ『あ~忙しいなぁ~…(チラッ)』だとか『え~っとこれをこっちに持っていってぇ~…(チラチラッ)』みたいな1人芝居を続けている。

なんとなく可愛い感じがしたのとちょっとだけ萌えてしまったのでそのまま声をかけずに3分ほど見てたらそのフェアリーが泣き出した。
「なんで声を掛けてくれないんですかぁ~~!!」(ウルウル)
ちょっと切れた感じになって飛んできて『私怒ってます!』みたいな感じで聞いてきた。
「あぁ、ごめんね♡なんかとっても可愛い子供のお手伝いの姿を見た感じが有ってとってもホンワカとした気持ちになってしまって思わず観察しちゃった♡」
「…可愛かった?」
「すっごく♡」
「…まぁ…それならしょうがないんだけど…♡」
これはあれか?チョロインって奴なのか?

なんとなくまんざらでも無いって感じでフワフワ俺の回りを飛び回るフェアリー。
この状態、俺ならいつまででも見ていられそうだけど、さすがにフィーとフィリアを待たせ過ぎても良くないと思い、聞いてみた。
「なぁ、ここで体を入れ替えられるって聞いたんだけど?」
「いや~私もねっ♡やっぱり可愛い路線の方がもしかしたらあってるかもって前からおもっ…えっ?…あぁ、装備ですか?」
「あぁ、なんか開拓団の居る場所に行く為の体を入れ換える?だったかな?なんかそんな事を言われたんだけど。」
「あぁ、はいはい。ここで出来ますよ。では少しステータスを見せてもらいますねー。」
フェアリーさんそう言って俺のステータスを持っていた書類に表示して確認した。

「そうですかぁ…3種類の種族に対応したあれを使う必要があるのですかぁ…」
「…へーあの2人とイチャイチャするからそんな物騒なアレを装備するんですかぁ…」
なんかとっても居心地の悪い感じでじろじろと見られながら確認されて持っていた書類を空中で机に落して整える様にトントンって動きをするフェアリーさん。

「分かりました。ではそれを脱いでこちらへどうぞ~♪」
いきなり脱げって言われたけど…
今俺が着てるのは無地の若干生成りのTシャツとハーフパンツ(茶色い無地)にサンダルだけなんだが…
脱ぐ…

とりあえずTシャツを普通に脱いでみた。

おっ♡なかなかな細マッチョさんな体が出てきた♡
乳首はまだほとんど弄られてないのか薄いピンク色で感度が良さそう♡
続いてサンダルを脚から外しハーフパンツに手をかけた辺りでフェアリーさんから声がかかった。
「何を脱いでるのですか。ガワを脱いでくれないと体の入れ替えが出来ないでしょ?」

…ガワって何?

言ってる意味が分からずに首を傾げてるとフェアリーさんが近づいてきてくれて耳の中に手を突っ込んできた。
「ここん所を~…」
フェアリーさんがなにかボソボソしゃべりながら腕を耳の穴に突っ込んでぐりんぐりんゴリゴリコンコン?刺激してきた。
やっべぇよ!すごく気持ち良い♡

俺男だからちょっと違うかもしれないけどエルフの耳の穴にフェアリ-サイズの腕を突っ込むとSEXしてる時の快感に近い気持ちよさが津波の様に襲ってくる♡
「ちょっ!?…あは~ん♡だめぇ~♡ミューいっちゃうのぉ~♡♡♡」
思わず声が漏れたけどこれはあれか?女の人っていつもこんな気持ちよさを腹の内側に感じてるのか?
今俺は脳みそ全体で快感を感じたけど♡

体が痙攣しそうな位の気持ちよさを感じていると視界が真っ黒になって…なんだっけ?何かのゲームで死んだ時みたいな感じ?
今まで見ていた映像が急にもっとクリアに近くで見れる様になった感じがした。

そして俺はさっきまでエルフだったミュー君の胴体部分がパカッと左右に観音開きになった場所の中に丸くなって居る事に気付いた。

おぉっ?

俺の体(エルフ)はいつの間にか地面がせり上がったみたいな台の上で横になっていてその腹の部分から外に出る事が出来た。
「ほら、早く来てください。」
俺と同じ位の大きさのフェアリーさんが俺の手を持って飛び、部屋にあるフェアリーさん専用っぽいドアを通って連れて行ってくれた場所にはさっきまで乗っていたエルフの体の倍ぐらいのサイズの体が同じ様な台の上に寝ていて今度は顔の部分が車のボンネットみたいに開いていた。

なんとなくフェアリーさんに掴まれている自分の腕を伝い体を見てみた。
体の形はそれまで使っていたエルフの体を小さくした感じで2本の腕と2本の脚があり、目の前を飛んでるフェアリー同様羽が2対4枚有る。

…あれっ?俺ってフェアリー…だったか。

…そう言えば俺はフェアリーだったな。なんでこんな事を忘れてたんだろう?
このゲームって擬似体に乗り込んでバトルするんだから本体はふもとの世界のフェアリーでおかしくないのに…

…俺フェアリーだったっけ?

「ほーら、待ち合わせしてるんでしょ?早く乗ってください。起動と調整は自動的に行われますからそこにさっきみたいに丸くなって寝てくれたら良いですから。」
フェアリーさんがそう言って俺の背中を押してさっきまでの倍以上のサイズの体に押し込んだ。

体をちょっとジェルっぽいくぼんだ場所に落ち着けると急に意識が落ちて行って…
体の下側に感じるジェルっぽい物が自分の体全体を覆う感じがしたと思ったら俺は台の上に寝転んでいた。

「顔の左上の辺りにエラー表示とか出てませんか?」
さっきまで使っていた体では腕サイズだったフェアリーさんが今度は手の平サイズになっていた。

「一応そんなのは表示されて無いけど…この体って…だからさっきガワって言ったのか。」
「そうですよぉ。ここではそのガワを攻撃されて壊されたら回収ドローンが持ち帰ってくれますので再度体を入れ替えて出てもらう事になります。一応敵の撃破ポイントによっては体のストックが用意できなくなるのでできるだけ敵をいっぱい倒してから死んでくださいね。もしポイントが無い状態で体を壊されたら私みたいにこんな場所でアルバイトしてポイントを稼がないといけなくなるんでガンバって下さい。」
フェアリーさんがそう教えてくれた。

ふむ…とりあえず体のサイズを変えたのは相手のサイズに合わせる為で基本はさっきまで使っていた体なのか…
なんかでも…わざわざこんな感じに体のサイズを変えなくても敵のサイズを合わせてデザインすれば良かったんじゃないかと思うけど…このゲームちょっと変わってるなぁ。

体を動かす感覚を確かめる為に手とか脚とかを動かしてるとさっき隣の部屋に戻って行ったフェアリーさんがもう一度ドアを通ってこっちに来た。
「1個説明を忘れていたのですけど、これからいく開拓地で体を破壊されても体から出ないようにしてくださいね。どうも1人何かの拍子に外に出ちゃって戻れなくなってるみたいなんです。体の頭の部分だけでも残っていたら回収ドローンが回収しますのでそのままで待ってください。あぁ、それとこれは突発クエストなんですけど、さっきも言った戻れない子(フェアリー)ですがもし見つけたら回収してください。無事持ち帰ることが出来たら特別ボーナスとして機体ストック10台分のポイントが付与される事になるみたいです。詳細はステータスビューを開いてクエストタブを確認したら書いてあるので見てみてくださいね。」

言いたい事を言ってフェアリーさんはまた『あ~いそがしい♪いそがしいっ♡』とかブツブツいいながらドアを通って帰って行った。

とりあえず行方不明になった仲間を探すってクエストを最初から受けてるって事みたいだな。
なんとなく記憶にあったステータスビューを開く動作をして目の前にビューを開いて確認するとちょっと歪なフォントの文字が見える。
上の方には『ステータス』と『クエスト』と書いてあるタブがあり、それを意識すると見ている方が開く。
クエストタブには『仲間を探して救出しろ』という題名のクエストがあり、それを開いて見ると詳細が書いてあった。


『仲間を探して救出しろ』
仲間が開拓地で行方不明になった。専用擬似体を使い潜入して仲間を助け出せ。
達成条件:行方不明者を無事境界を越えて連れ戻す。
報酬:撃破ポイント100,000pt及び特殊擬似体の使用権利の付与

これが開拓先のメインクエストって事の様だな。
クエストを確認しながら部屋に一ヶ所だけ有ったドアを開けて外に出るとさっき高い所から見たロボが歩いていると思っていた場所に出た。

今時分の目に映っている姿は少し前にロボを見た時に感じていた自分と大して変わってない様に見えるのだが…
サイズが変わると見える感じが変わるのかなぁ…?

そしてドーム屋根の建物を出ると目の前100mほどの所に人が結構な数立ってこっちを見てる。
走って近づくとフィーとフィリアの顔を見つけた。
「おまたせ。」
「遅いよミュー。」「またナンパされちゃったよ?まったく。」
さっそく怒られた。
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