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第二章 RLS-九つの世界-

70 どうやったら会いに行けるの?2/3

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お風呂に再度浸かりながら精霊の理に関する説明と、私とミューの間に魔力的な繋がりがある事と、他にもミューの居る場所やこのRLSの世界感が北欧神話の九つの世界を基準にした形状になってる事を説明した。
「そう言えば外で何度か掲示板とかで話が出てたんだけどね、別の世界…えーっと今の話で言うとここがアースガルズでミュー君が居る場所がミズガルズだったわね、そんな別の空間が存在するかもしれないみたいな話はけっこう前からあったよ。」
ミライさんがそう言いながらテーブルの所でお茶を飲んでる。
ちなみにヒナタさんとライナも一緒にお茶してる。

そんな楽しげな彼女達を見つつ私はまだお風呂で茹でられてる…

「その理由は?」
ライナが氷を浮かべたトロピカルな感じの飲み物を飲みながら聞いてるけど…
ふふっ…今の私なら心の声に耳を傾けるだけで何か呪いとかかけられそうな気がするわ。
それにしても茹でられてる私にほんの少しでも気遣う様な配慮みたいな事って出来ないものかしら…

「いくつかの事が原因みたいに言われてるんだけど、一つは始まりの街の事ね。あれって毎回国が違うって事を考慮したとしても前のゲームの時にだれも見かけた事が無いみたいなのよ。だから別の環境で同じ様な場所が作られていてその場所の情報をコピペして移してるんじゃないかって感じに言われてたわ。」
「あ、そういう話私も見たよ。確か人とかも数も街規模に比べて少し変だって書いてあったと思う。」
「けっこうみんなアラ探しをしてるのね。もっとゲームを楽しんだら良いのに。」
ライナはあまりそういう裏事情に関しては興味無さそうね。

それにしても…
「ねぇフィルギャさん…いい加減熱くておかしくなりそうなんだけど…まだこれ続けないといけないの?」
専門家が必要だって言って準備を初めて入れって言ってきたからとりあえず言う通りにしてるんだけど、さすがに我慢の限界が来てるのでちょっとだけでも説明が欲しい。
そんな私の心の声を感じ取ったのかフィルギャさんが説明してくれた。
「そもそも精霊界に持って行けるのはその精霊に関係するものだけなのです。視覚情報としてであれば服や装備は持って行けますがそれは単に幻影として存在するだけですので精霊の持つ熱量などに対してまったく意味がありません。これから行く事になるサラちゃんの居る場所はムスペルヘイムとほぼ同じ環境になります。一応私が一瞬で消し炭にならない程度の保護結界を用意しますがそれだけでは危険なのです。だからアリエルさんには熱耐性のスキルを持ってもらおうと思いこうしてお風呂に入ってもらってます。一応確認してみてください。」
長い説明をしながらもフィルギャさんはずっとお風呂の火を焚く所に向けて竹っぽい棒とうちわを使い風を送り続けていた。

「ステータスの確認をしたらいいのよね…」
ステータスビューを開く。


ID:J00,193,839,117
名前:アリエル
種族:エルフ
年齢:13歳
職業:アーチャー
レベル:16
経験値■■■■□□□□□□

所持スキル
弓Lv.19■□□□□□□□□□
簡易マップソナーLv.23■■■■■■■■□□
生活魔法Lv.11■■■■■■■■■□
革装備Lv.15■■■□□□□□□□
隠密Lv.17■■■■□□□□□□
裸族Lv.1■■□□□□□□□□

ランキングポイント415
総合ランク558/2268


最後の所に裸族ってスキルが見えるけど…これは違う?
なんとなくだけど…このスキルって、知られたらハズカシそうな…本当になんとなくなんだけど、そんなスキルの様な感じがする…
そう言えば前回RLSで遊んだ時にも泊まる所が廃墟とかだった頃に夜中に廃墟の隅っこ辺りでお花摘みしてると『野ション』ってスキルが生えたのよね…レベルが上がると自分と同じサイズの木とかの後ろでも誰にも気付かれずにお花積みできたからすごく有意義ではあったけど…さすがに同じ様に廃墟で生活していた同業者(出所者)にもこのスキルの事は聞けなかったのよね…
なんとなくそれに近い地雷臭がする様な…

「ねぇフィルギャさん、その熱耐性って言うのは…その…そのまま熱耐性って感じに表示されるのかしら?」
「表示されるかですか?それはどう言う意味なのかが判りませんが…温度の変化に鈍感になる様な意味合いの言葉が使われるのではないかと思いますが?」

…裸族。

イメージは熱帯だとかサバンナみたいな場所で原住民の人達が服を着なくても生活できる環境に居るって感じだけど…
でもずっと昔に確か南米の最南端のマゼラン海峡の近くで裸族が生活していたって話もあったわよね…

鈍感=裸族…こんな名前の項目として出る事とかあるのかしら?
…これ、聞いてみても大丈夫かな?
もしこれが耐性スキルの名前だったらこの限界に近い状況から抜け出せるんだけど…

私は、今居る環境(熱湯風呂ソロ我慢大会)から抜け出せる可能性が0では無い気がしたのでとりあえず聞いてみる事にした。
「ねぇ、フィルギャさん。裸族ってスキルはどういうものか判る?」
未だ火を吹き続けながら汗を流し続けているフィルギャさんに聞いてみたら、ヒナタさんが食いついてきた。
「えっ?アリエルってもしかしたら裸族のスキルが生えたの?!マジデ?!」
「ねぇその裸族ってどんなスキルなの?」
ライナがヒナタさんの言葉に更に食い付いた。
「ライナさん、今大切な事は裸族のスキルを生えさせてるのかどうかよ?アリエルさん、どうなの?」
ミライさんも混ざって確認してきたけど…

なんとなくヒナタさんとミライさんの顔が…エサを待ってる犬の様な…すごく『期待してますワタシ達♡』って顔に見えるんだけど…

ただ、茹でられ続けてる私はそろそろ限界が来そうな状態な訳で…


「今確認したらあったんだけど…」
ポロッと朦朧とした意識で考えていたら肯定してしまった。
「あ~ら~♡アリエルは裸族のスキルに目覚めてしまったのね♡」
「さすがアリエルね~すごいわ~♡」
2人は燃料投下された汚嬢様達レベルにギラギラテッカテカな顔になってニヤニヤ笑いをしつつライナにナイショ話をし始めた。

…すごく気になる。…って言うかすごく気に入らない。
今私の内面をすごい勢いでネタにされて楽しまれている感じがする。

「『裸族』は…私の知る限り耐性に関係する名称では無いと思いますが…?」
フィルギャさんが今更なんだけど否定してきた。

ミライさんとヒナタさんとライナの顔を見れば『裸族』スキルがそっち系じゃ無い事はもう判ってるんだけど…
「コホン。とりあえずアリエル、『裸族』獲得おめでとう。プッそれにしてもまさかそんな趣味に目覚めるとはブピッあ、失礼。」
ずーっと笑いを堪え続けているライナは後でくすぐり地獄の刑で決まりとして。
「ミライさん、ヒナタさん、説明を。私今熱さで限界にかぎりなく近い所に居るからできるだけ簡潔に説明してくれないかな?」
ニヤニヤ笑いをまったく隠そうとしない3人に苛立ちながら聞いてみたら、
「そうねぇ…『裸族』って名前でだいたい説明は十分な感じなんだけどぉ~♡」
「確かにねぇ♡『裸族』だもんねぇ♡ちなみにアリエルって水着はワンピースあまり着ない人なんじゃない?」
いきなり水着の話に変わった。
「水着?…まぁどっちかといえば収納の中にはセパレートの奴が多いけど…もう!なんなのよ?!」
苛立ちが最高潮に達した時につい大声を出してしまったのだが、その時開きっぱなしになっていたステータスビューの一番下に『温度耐性』というスキルが発生した。

「あっ!これじゃない?!『温度耐性』ってスキルが今出た!」
そのスキルが発生した瞬間今まで我慢できないぐらいの熱さだったお風呂のお湯の温度が一気に快適に感じ始めた。
「あっ!なんか熱くなくなってきたかも!!やった!これで間違い無いよ!!」
思わず嬉しくなって立ち上がったら『裸族』スキルの経験値がどんどん上がりはじめた。



ID:J00,193,839,117
名前:アリエル
種族:エルフ
年齢:13歳
職業:アーチャー
レベル:16
経験値■■■■□□□□□□

所持スキル
弓Lv.19■□□□□□□□□□
簡易マップソナーLv.23■■■■■■■■□□
生活魔法Lv.11■■■■■■■■■□
革装備Lv.15■■■□□□□□□□
隠密Lv.17■■■■□□□□□□
裸族Lv.1■■■■■■■□□□
温度耐性Lv.1■□□□□□□□□□

ランキングポイント415
総合ランク558/2268



それに伴いなんとなくだけど…全能感?
今の自分なら何でも出来てしまうと言う…まったく裏付けの無い自信が私の心に広がって行った。

「あっ、あれまずいわよ。アリエルたぶん初心者ダッシュ始める。」
「えっ?何なのその裸族って言葉と合わせたら限りなく危険なワードって。」
「『裸族』のスキルって全裸状態を見られる事で高揚するスキルなのよ。このスキルを獲得した奴ってもれなくフルチンダッシュしちゃうんだってスキルを手に入れた人が書いてたの。」
「えー…同じパーティーの人がそんな奴だって言うのはちょっと嫌ね。ねぇそれって止めても大丈夫なの?」
「確かレベルが上がって行ったら全裸を少し見られた程度では我を忘れて走り回るって感じでは無くなるって書いてあったけど…たぶん閾値の全体量の差が関係してるんだと思うのよ。」
「あぁ、全体の振り分けが2と10だったとしたら同じ1の興奮度でも半分と1/10の差があるって感じね。」
「そう言う感じ。」
ライナ達が飲み物を飲みながら私の獲得した『裸族』スキルに付いて話をしてる間、私は部屋の中…森の中?を全裸で走り回る快感に身を任せていた♡
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