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第二章 RLS-九つの世界-
50 ウィナリアの街2/3
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メリスに案内されて大通りを歩き途中脇道に逸れた場所にあった店に入った。
その店はドワーフが経営している店らしく少し低いカウンターの奥にメガネを掛けたパイプとかを咥えて睨むとすごく絵になりそうな主人が居た。
「なんじゃ…お前はメリスか?確か前うちに来た時に選ばれたかどうか確認に行くとか言うてでかい事を言うとったはずじゃがもう戻って来たんか?」
「ちょっと道中面倒に巻き込まれてな。買い取りイイか?」
「まぁそれは構わんが。おーい!マルクス!チョット来い!!とりあえずここに売る物を出してくれ。」
そう言って目の前のカウンターを指差した。
「先に私のを頼む。」
「なんか色々入っとる様じゃのぉ…あぁ、そっちの嬢ちゃんと兄ちゃん…なんじゃ?龍人か?また珍しい奴と一緒におるのぉ。2人の持っとる物も売る気ならそいつに渡せ。それとそいつらはそこの取っ手の所に繋げておけ。」
店の中の入り口から走って出てきた若いドワーフが近くに来たので俺の持っていた天秤棒と素材一式を渡し、リーフの持っていた背負い袋も渡した。
俺達がそこそこ大変な思いをしつつ運んでいた荷物をそのドワーフは簡単に両手に持ち店の奥の入り口に持って入って行った。
そして身軽になったので総一郎とバルサ姉さんを入り口ドアのすぐ横にあった取っ手の部分に綱を結びイイ子にしておく様に言い含めると、総一郎がその場に寝そべりその上に乗った状態でバルサ姉さんも大人しく待ってくれた。
「それにしても…ドワーフって力があるんだな。」
「なんじゃ?お前さんはワシらドワーフに会った事が無かったのか?」
メリスの渡した袋から素材を引っ張り出し鑑定をしながら聞いてきた。
「あぁ、俺はこの世界に来てまだ4日位なんでな。そもそも昨日までに会ってまともに話をした事の有る人がこの2人だけだ。」
「…ほう?」
眉間の皺がいい味出してるなぁ…どこかの壷とか鑑定してる人に近い迫力があるな。
「こいつは俺達の新しい連れになるミューだ。パーティーは解散する予定だから次来る時は違うパーティーになってると思うぞ。」
メリスが説明すると溜息を吐きながら鑑定を続けていた。
「そう言えばお前らが街を出た頃にうちの弟子の1人が近くの店でメシ食っとる時に聞いたと報告してきたんじゃが…もしかしてお前ら襲われたのか?」
「あぁ。おかげでこんなザマさ。だから新しい装備が必要でね。服もだが装備に関しては今日の換金次第で色々考えないといけなくてね。頼むなギムリ。」
「…まぁうちで買うって言うなら少しぐらいは色を…付けても良いが…のぉ?お前らどこまで行ってきたんじゃ?」
俺は、鑑定を続けているドワーフのギムリが手元の紙に書いてる素材の名前と数字が段々と桁の多いものが増えて行ってるのをさっきから見ていた。
なんとなくチラ見した中で1番高い素材の横の数値が300,000とかだった。
「それは企業秘密だ。まぁでも俺達…元『救世主達』が倒せる様な奴の素材じゃ無い事はあんたにも判ってるだろ?」
なんとなくメリスが得意気なのは俺の事を誇ってくれてるのか?
「そいつがこの素材のモンスターを全部倒したって訳か?しかし…むぅ…困ったのぉ。」
「何が困ったんだ?」
「金が足りん。今ここで見とる素材だけでもこの店にある金で払いきれん状態になりそうだ。」
「なんなら交換でも良いぞ?」
とりあえずメリスが俺の方を見て目で聞いてきたので口を出してみた。
「こいつらの装備をこの世界で動き易い程度の装備に出来るならそこらと交換でも俺は問題無い。」
「ふむ…メリスとこの嬢ちゃんに最高の装備を用意しろって話か。他にも色々加工して手間賃を稼がせてもらわなければまだ足らんかもしれぬが…まずは金額を出してからにするか。おいメリス、お前とんでもない男を捕まえたようじゃのぉ。」
「まぁなっ♪もう俺とリーフはミューと生涯を共にする気でいる。だからこの男の側に居るのに相応しい装備を頼むな。」
「あぁ、判かっとる。おい!マルクス!そっちの鑑定は他の奴に任せてフランと一緒にこいつ等の要望を聞いて動け。」
裏からまた走って出てきた若いドワーフとそう大差無い年齢に見える女のドワーフが後から出てきてメリスとリーフの要望を聞いて一緒に店を出て行った。
店の中にいるのは俺と店主のギムリだけ。ちょっとだけ居づらいと言うか…間が持たないと言うか…そんな事を考えつつ総一郎とバルサ姉さんの近くに行って撫でながら心を落ちつけていたら声を掛けられた。
「そう言えば兄ちゃん、ミューとか言うたか?」
「んっ?あぁ、そうだけど?」
「そのお前さんの装備しとる盾と剣はどこで手に入れた?かなりの業物じゃろうと思うが。」
ドワーフと言えば鍛冶ってイメージが有るが…ここでも同じ感じか?
でも…これどう言ったらおかしくないのかな?
『インベントリに入ってたからどこで手に入れたかしらな~い♡』とか言っても信じてもらえない気がするんだが…
そう言えばインベントリの中に入れてる分の素材はまだ出して無いけど…まぁメリス達が帰って来てから確認すれば良いか。
「あー…これは…俺の村に代々伝わる戦士の装備で…えーっと…そう!俺が先代の持ち主から受け継いだ物なんだ。だから…来歴なんかは詳しく知らなくてな。」
これで大丈夫か?
「ふむ…そうか。1度見せてもらっても良いか?そこまでの物を見る事はほとんど無いものでな。血が騒ぐんじゃ。」
ギムリの視線は完全に剣の方に固定されてる。
とりあえずメリスの渡した素材の鑑定は済んだらしい。
まぁだいぶお世話になる感じなので少しぐらいはサービスしても良いか。
とりあえず腰に付けていた剣帯から剣だけ抜いてカウンターに置く。
そう言えばこの剣…腰にある状態以外で手から離すのって初めてか。
前、井戸の中で種族をフェアリーに変更した時にインベントリに戻っていたのは確認したが…
ギムリが剣を手に取り持ち上げて確認してる。
なんだか新しいフィギュアを手に入れて角度を色々変えつつ確認をしてるオタクの人の振舞いに近い何かを感じる。
好きにさせてたらそのうち剣身辺りを舐めてそうな…あまり近くに居たくないな。
そっと離れて遠くから見守る事にしよう。
「うおっ?!なんじゃ?!」
急にギムリが大声を上げて持ってる剣を台の上に落とした。…?
「何があった?」
なんとなく手の指を守ってる様な動きをしてる?
「…今この剣じゃが…急に重くなった。」
そう言いながらギムリはカウンターの横の棚に置いてあった箱に入っていた瓶を取り出し口に含んだら指の辺りに淡い白い光が灯ってすぐに消えた。
今のって…回復?RLSに来てはじめて見たかも…
「なぁその今飲んだのって回復の薬みたいなものなのか?」
「あぁ、お前がここから離れたと思ったら急に重たくなって支えられなくなってな。たぶん指が2本折れた。」
そう言いながらもう1度剣の握り(グリップ)の辺りをゆっくり持って持ち上げた。
「今は普通に持てるのぉ…なぁ、その剣帯も一緒に借りれるか?」
まぁ…いっか。
「あぁ、ちょっと待ってくれ。」
そう言って1度剣と一緒にインベントリ内に収納して取り出してみた。
剣帯と一緒に天叢雲剣をカウンターの上に置いた。
「少し下がってくれるか?」
言われるままさっきいた2匹の近くまで移動する。
ギムリは慎重に剣帯ごと剣を持ち上げゆっくりと剣を抜いた。
「ふむ…どうもこの剣には所持者の元を離れると動かせぬ様になる保護の魔法が掛かっておる様じゃな。ミューよ、この剣帯を離さぬ様に気を付けねばならんぞ?」
そう言って剣帯に戻してカウンターの上に戻した。
その後もう少し実験してみたのだが、どうもこの剣帯を最後に装備した人が剣から一定距離離れると保護魔法が発動するらしい。
ギムリが剣帯を装備した状態で剣を抜きカウンターに置いて離れたら俺でも持ち上げられなかった。
「それにしてもすごいのぉ…いいのぉ…」
おっさんドワーフのチラ見攻撃とか誰特なんだ?
「ちなみにその剣を買い取るならいくら位になるんだ?」
おっさん『イラン事を確認しおってからに…』などと考えてそうな顔を一瞬して溜息を吐いた。
「…まぁ…うちの店では無理じゃのぉ…はぁ…」
すごく名残惜しそうに剣帯を外して戻してくれた。
一応店の主人としての矜持が物欲を凌駕していたらしい。
借りパクでもしようものなら俺の親衛隊が黙っていなかったが…とりあえず今回はその出動は回避された。
できればこの親衛隊の出動は…俺の精神的なダメージもかなり有るのでなるべくは使いたくない。
ふっ…ギムリよ…よかったな?親衛隊による全身包囲虫々ランド攻撃を受けずに済んで。
ちなみに親衛隊の正式名称は『ジャイアントG親衛隊選抜A組』だったりする。
当然BCDE…まぁそこそこの数の組が存在していて大体100匹程度がその集団の1つづつに組み込まれていた。
初日の申請ラッシュの時に全身にサブイボを出しつつ受け入れたんだけど、こいつらすごく嬉しい感情を伝えて来てたから…少しだけ慣れていたと思ったんだが…
2日目の野営の時にジャイアントGのちょっと大きめの奴が出てきて、そいつの指揮の元集団飛行とか行軍を見せられた。
体長10cm位のジャイアントGが集団で移動したり飛んだりする姿はこの世界観で言うならラグナロクの到来を思わせる様な強い恐怖を感じさせる姿だった。
だから…出来れば使いたくない諸刃の剣という訳だ…
慣れてるとは言いつつもまだまだビギナーな俺にはきつ過ぎる。
なんとなく嫌な終末の戦闘の阿鼻叫喚を想像して武者震いに襲われていたらメリス達が戻って来た。
その店はドワーフが経営している店らしく少し低いカウンターの奥にメガネを掛けたパイプとかを咥えて睨むとすごく絵になりそうな主人が居た。
「なんじゃ…お前はメリスか?確か前うちに来た時に選ばれたかどうか確認に行くとか言うてでかい事を言うとったはずじゃがもう戻って来たんか?」
「ちょっと道中面倒に巻き込まれてな。買い取りイイか?」
「まぁそれは構わんが。おーい!マルクス!チョット来い!!とりあえずここに売る物を出してくれ。」
そう言って目の前のカウンターを指差した。
「先に私のを頼む。」
「なんか色々入っとる様じゃのぉ…あぁ、そっちの嬢ちゃんと兄ちゃん…なんじゃ?龍人か?また珍しい奴と一緒におるのぉ。2人の持っとる物も売る気ならそいつに渡せ。それとそいつらはそこの取っ手の所に繋げておけ。」
店の中の入り口から走って出てきた若いドワーフが近くに来たので俺の持っていた天秤棒と素材一式を渡し、リーフの持っていた背負い袋も渡した。
俺達がそこそこ大変な思いをしつつ運んでいた荷物をそのドワーフは簡単に両手に持ち店の奥の入り口に持って入って行った。
そして身軽になったので総一郎とバルサ姉さんを入り口ドアのすぐ横にあった取っ手の部分に綱を結びイイ子にしておく様に言い含めると、総一郎がその場に寝そべりその上に乗った状態でバルサ姉さんも大人しく待ってくれた。
「それにしても…ドワーフって力があるんだな。」
「なんじゃ?お前さんはワシらドワーフに会った事が無かったのか?」
メリスの渡した袋から素材を引っ張り出し鑑定をしながら聞いてきた。
「あぁ、俺はこの世界に来てまだ4日位なんでな。そもそも昨日までに会ってまともに話をした事の有る人がこの2人だけだ。」
「…ほう?」
眉間の皺がいい味出してるなぁ…どこかの壷とか鑑定してる人に近い迫力があるな。
「こいつは俺達の新しい連れになるミューだ。パーティーは解散する予定だから次来る時は違うパーティーになってると思うぞ。」
メリスが説明すると溜息を吐きながら鑑定を続けていた。
「そう言えばお前らが街を出た頃にうちの弟子の1人が近くの店でメシ食っとる時に聞いたと報告してきたんじゃが…もしかしてお前ら襲われたのか?」
「あぁ。おかげでこんなザマさ。だから新しい装備が必要でね。服もだが装備に関しては今日の換金次第で色々考えないといけなくてね。頼むなギムリ。」
「…まぁうちで買うって言うなら少しぐらいは色を…付けても良いが…のぉ?お前らどこまで行ってきたんじゃ?」
俺は、鑑定を続けているドワーフのギムリが手元の紙に書いてる素材の名前と数字が段々と桁の多いものが増えて行ってるのをさっきから見ていた。
なんとなくチラ見した中で1番高い素材の横の数値が300,000とかだった。
「それは企業秘密だ。まぁでも俺達…元『救世主達』が倒せる様な奴の素材じゃ無い事はあんたにも判ってるだろ?」
なんとなくメリスが得意気なのは俺の事を誇ってくれてるのか?
「そいつがこの素材のモンスターを全部倒したって訳か?しかし…むぅ…困ったのぉ。」
「何が困ったんだ?」
「金が足りん。今ここで見とる素材だけでもこの店にある金で払いきれん状態になりそうだ。」
「なんなら交換でも良いぞ?」
とりあえずメリスが俺の方を見て目で聞いてきたので口を出してみた。
「こいつらの装備をこの世界で動き易い程度の装備に出来るならそこらと交換でも俺は問題無い。」
「ふむ…メリスとこの嬢ちゃんに最高の装備を用意しろって話か。他にも色々加工して手間賃を稼がせてもらわなければまだ足らんかもしれぬが…まずは金額を出してからにするか。おいメリス、お前とんでもない男を捕まえたようじゃのぉ。」
「まぁなっ♪もう俺とリーフはミューと生涯を共にする気でいる。だからこの男の側に居るのに相応しい装備を頼むな。」
「あぁ、判かっとる。おい!マルクス!そっちの鑑定は他の奴に任せてフランと一緒にこいつ等の要望を聞いて動け。」
裏からまた走って出てきた若いドワーフとそう大差無い年齢に見える女のドワーフが後から出てきてメリスとリーフの要望を聞いて一緒に店を出て行った。
店の中にいるのは俺と店主のギムリだけ。ちょっとだけ居づらいと言うか…間が持たないと言うか…そんな事を考えつつ総一郎とバルサ姉さんの近くに行って撫でながら心を落ちつけていたら声を掛けられた。
「そう言えば兄ちゃん、ミューとか言うたか?」
「んっ?あぁ、そうだけど?」
「そのお前さんの装備しとる盾と剣はどこで手に入れた?かなりの業物じゃろうと思うが。」
ドワーフと言えば鍛冶ってイメージが有るが…ここでも同じ感じか?
でも…これどう言ったらおかしくないのかな?
『インベントリに入ってたからどこで手に入れたかしらな~い♡』とか言っても信じてもらえない気がするんだが…
そう言えばインベントリの中に入れてる分の素材はまだ出して無いけど…まぁメリス達が帰って来てから確認すれば良いか。
「あー…これは…俺の村に代々伝わる戦士の装備で…えーっと…そう!俺が先代の持ち主から受け継いだ物なんだ。だから…来歴なんかは詳しく知らなくてな。」
これで大丈夫か?
「ふむ…そうか。1度見せてもらっても良いか?そこまでの物を見る事はほとんど無いものでな。血が騒ぐんじゃ。」
ギムリの視線は完全に剣の方に固定されてる。
とりあえずメリスの渡した素材の鑑定は済んだらしい。
まぁだいぶお世話になる感じなので少しぐらいはサービスしても良いか。
とりあえず腰に付けていた剣帯から剣だけ抜いてカウンターに置く。
そう言えばこの剣…腰にある状態以外で手から離すのって初めてか。
前、井戸の中で種族をフェアリーに変更した時にインベントリに戻っていたのは確認したが…
ギムリが剣を手に取り持ち上げて確認してる。
なんだか新しいフィギュアを手に入れて角度を色々変えつつ確認をしてるオタクの人の振舞いに近い何かを感じる。
好きにさせてたらそのうち剣身辺りを舐めてそうな…あまり近くに居たくないな。
そっと離れて遠くから見守る事にしよう。
「うおっ?!なんじゃ?!」
急にギムリが大声を上げて持ってる剣を台の上に落とした。…?
「何があった?」
なんとなく手の指を守ってる様な動きをしてる?
「…今この剣じゃが…急に重くなった。」
そう言いながらギムリはカウンターの横の棚に置いてあった箱に入っていた瓶を取り出し口に含んだら指の辺りに淡い白い光が灯ってすぐに消えた。
今のって…回復?RLSに来てはじめて見たかも…
「なぁその今飲んだのって回復の薬みたいなものなのか?」
「あぁ、お前がここから離れたと思ったら急に重たくなって支えられなくなってな。たぶん指が2本折れた。」
そう言いながらもう1度剣の握り(グリップ)の辺りをゆっくり持って持ち上げた。
「今は普通に持てるのぉ…なぁ、その剣帯も一緒に借りれるか?」
まぁ…いっか。
「あぁ、ちょっと待ってくれ。」
そう言って1度剣と一緒にインベントリ内に収納して取り出してみた。
剣帯と一緒に天叢雲剣をカウンターの上に置いた。
「少し下がってくれるか?」
言われるままさっきいた2匹の近くまで移動する。
ギムリは慎重に剣帯ごと剣を持ち上げゆっくりと剣を抜いた。
「ふむ…どうもこの剣には所持者の元を離れると動かせぬ様になる保護の魔法が掛かっておる様じゃな。ミューよ、この剣帯を離さぬ様に気を付けねばならんぞ?」
そう言って剣帯に戻してカウンターの上に戻した。
その後もう少し実験してみたのだが、どうもこの剣帯を最後に装備した人が剣から一定距離離れると保護魔法が発動するらしい。
ギムリが剣帯を装備した状態で剣を抜きカウンターに置いて離れたら俺でも持ち上げられなかった。
「それにしてもすごいのぉ…いいのぉ…」
おっさんドワーフのチラ見攻撃とか誰特なんだ?
「ちなみにその剣を買い取るならいくら位になるんだ?」
おっさん『イラン事を確認しおってからに…』などと考えてそうな顔を一瞬して溜息を吐いた。
「…まぁ…うちの店では無理じゃのぉ…はぁ…」
すごく名残惜しそうに剣帯を外して戻してくれた。
一応店の主人としての矜持が物欲を凌駕していたらしい。
借りパクでもしようものなら俺の親衛隊が黙っていなかったが…とりあえず今回はその出動は回避された。
できればこの親衛隊の出動は…俺の精神的なダメージもかなり有るのでなるべくは使いたくない。
ふっ…ギムリよ…よかったな?親衛隊による全身包囲虫々ランド攻撃を受けずに済んで。
ちなみに親衛隊の正式名称は『ジャイアントG親衛隊選抜A組』だったりする。
当然BCDE…まぁそこそこの数の組が存在していて大体100匹程度がその集団の1つづつに組み込まれていた。
初日の申請ラッシュの時に全身にサブイボを出しつつ受け入れたんだけど、こいつらすごく嬉しい感情を伝えて来てたから…少しだけ慣れていたと思ったんだが…
2日目の野営の時にジャイアントGのちょっと大きめの奴が出てきて、そいつの指揮の元集団飛行とか行軍を見せられた。
体長10cm位のジャイアントGが集団で移動したり飛んだりする姿はこの世界観で言うならラグナロクの到来を思わせる様な強い恐怖を感じさせる姿だった。
だから…出来れば使いたくない諸刃の剣という訳だ…
慣れてるとは言いつつもまだまだビギナーな俺にはきつ過ぎる。
なんとなく嫌な終末の戦闘の阿鼻叫喚を想像して武者震いに襲われていたらメリス達が戻って来た。
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