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第一章 RLS-始まりの街-

18 ビギナーからの脱却1/3

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「「お帰りなさいませご主人様。」」
土下座でこういう事を最初の挨拶で言われるのって…なんとなく圧迫面接レベルの威圧感を感じる。

「あぁ…えっと…ここが俺の部屋って事で間違いないの…かな?」
オネガイシマスチガイマスヨッテエガオデイッテクダサイサラニオネガイシマスチガイマスヨッテエガオデイッテクダサイマダマダイイマスオネガイシマスチガイマスヨッテエガオデイッテクダサイシツコイヨウデスガオネガイシマスチガイマスヨッテエガオデイッテクダサイ~~!!

「ご主人様の為にとメスブタ様が2日ほど前から準備をしておられました。」
俺の祈りは3.5秒で否定された。
あいつ俺に会った当日にこの状態を望んでいたみたいだ…

何が『…そうですかぁ。…私を…どうしましょう…』だ、悩んでるみたいな顔をしつつ大木刀渡しながら腹の中では
キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !
レベルで喜んでいたって事じゃないか。
あのヤロウ…

んっ?待てよ?…このままフラストレーションを溜めてメスブタに会ったら…


『てめぇ…俺に嘘ついてやがったな?』
『そんな…私はご主人様の為になるかと思って…♡』
『嘘をつくな!ここに聞いたらすぐに判るんだぞ!!!』
『あぁ~ん♡こんなに大胆に!!こんなに執拗に攻めて頂けるなんてぇ~~♡』
メスブタ♡大♡満♡足♡


こうなるか…

なるほどな、こうなる事を狙っていたって訳だ…
ふっ…あいつの思い通りに動いてたまるか。


こうなったら…
「なぁ、あんた達ってもしかしなくても…あいつ…ピリカートさんと同じ趣味を持ってるって事?」
「「はいっ♡」」
「私達しか居ない場所であればピリカート様の事はメスブタとお呼び頂いても問題無いので気軽に呼んでさし上げてください。」
この2人はメスブタとかなり親密な関係な訳だ…

「それと…もし良ければ…」「私はこれで…」
ツインテールのアッシュプラチナヘアー女がB型クランプに鎖が付いたような器具を3個差し出してきて、ポニーテールのシルバーグレーヘアー女は俺の腕サイズのロウソクと荒縄を差し出してきた。
なんとなくツインテさんの方がちょっとだけ立場が上の様だな。
2人のどっちが答えても良さそうな事の場合ツインテさんが対応してる。

…まぁ、メスブタよりは安全か。

「判った。今お前らに関係無い部分でちょっとだけ気に入らない事があったから、少し遊んでやるな。お前らも楽しんでくれ。」
「「はいっ♡」」
土下座のままとても弾んだ声で答えてくれた。

フッフッフッ♡2人を相手に発散するからお前をいたぶる様な事はしてあげないんだぞ~~♡
メスブタ…ざまぁ~~♡

30分ほど八つ当り的に2人のして欲しい事を確認しつつ俺も一緒に楽しんでいたらドアをノックする音が聞こえてきた。
ポニテさんの方は歩けない状態に荒縄で拘束されていたので、ツインテさんの方がそのままの姿でドアの側まで行き外の人と話をして戻って来た。
「そろそろ建物の中の案内などをさせて頂きたいと執事のキンガーが言っておりますがどういたしますか?」
部屋の中に置いてあった鳥の羽根を使って作られた蝶々イメージの黒いアイマスクを顔に付け、左手に火の点いたロウソク、右手にナインテイルを振り上げた状態だった俺は我に返った。

おっと♪ なんか…すごく楽しんでしまった気がする…

「そうか…ちょっと教えて欲しいのだが、キンガーさんってここまで俺を連れて来てくれた執事さんの事?」
「ジャイアントの方のとても逞しいアレをお持ちの方です。」
そんなの見てねえからしらねえよ。

…変な情報放り込んでくるなよな。
会う度に『こいつすごいのかぁ…』って萎縮する事になっちゃうだろ?

「あー…どうするかなぁ…」
チラっと荒縄亀甲状態になってるポニテさんに視線を向けつつ悩んでると、それを見たツインテさんが、
「彼女はそのままで3日までなら放置しても生きてましたのでそのまま行っていらして下さい。」
そう教えてくれた。

ツインテさん達…そこそこ限界に挑戦する様なプレイを楽しんでいらっしゃったみたいだ。
マジカ…

「アッハイ、ワカリマシタ。では行ってきますね。後をお願いします。」
ツインテさんが深く腰を折る様にお辞儀をして両方の胸の先に付けられたクランプの先端から垂れている重りがユラユラと初期アメリカンクラッカーの様に揺れていた。
もう1つの吊り下がった玉は両足に当たって揺れてなかったが付けたらとても喜んでくれたなぁ…

もしかしてツインテちゃんにもそのうちピアスを付けさせられるのかなぁ…


マスクを置いて部屋を出ると逞しいジャイアント族のキンガーさんが待っていてくれた。
「お部屋の方にアリエル様とフィー様がお待ちになっております。そちらに1度迎えに行きます。」
なんとも腰の低い対応だが…

「なぁキンガーさん。俺達ってピリカートさんの護衛兼慰安の為にここに住み込む事になってるんだよね?」
「その様にお嬢様からは伺っておりますが?」
「ずっとそんな対応になるの?あの部屋の中の2人に関してはもうどうしようもない所まで行ってる感じだから今更言わないけどさぁ。」
「そうですね…今の所は御三方に関して『流浪の旅人』だと説明されております。もしお気に召さないと仰るのであれば変えさせて頂きますが。」
「その『流浪の旅人』って言うのは俺達みたいに外から来た連中の事を言ってるんだよな?」
「そうですね。10年の期間を超えて存在する事を許されていない旅人だと幼少の頃に教えられました。」
なるほど、そう言う扱いだってNPC側が認識してるよって設定ね。

「話し方に関しては1度お嬢様と話をして頂いてから再度提案頂いた方が良いかもしれません。さぁお入りください。」
そう言ってアリエル達の部屋のドアをノックして中から開けてもらって俺を部屋の中に入れてくれた。

部屋の中にはパーティードレスみたいなレースを沢山使った淡いブルーのドレスを着たアリエルと、コミケなんかで妖精コスプレしている人のクオリティーを完全に超えてる妖精イメージのパステルグリーンシースルーで露出がちょっと多めの服を着たフィーが妖精みたいに飛んでいて、それを見て笑顔になってるメイド(普通)が2人居た。

「お前達その服どうしたの?」
俺がちょっと驚きながら声をかけたら、
「あっ、どう?似合ってる?」
アリエルはすごく嬉しそうにちょっとぎこちないながらもカーテシーを決めていた。
「まぁ…エルフの容姿でそんなドレスとか反則だと思うが…」
「フフッ♡まぁそれ位の賞賛で許してあげるわ♪この服はここで生活するなら好きに着てくれって用意してくれていたものなの♪これ以外にもまだまだいっぱい有ったわ。」
「ねぇ!フィーは?!カワイイ?」
マジモン妖精が槍を持って飛び掛かって来た。
さすがに2回目だったのでそっと槍の途中を握ってゆっくり抱き止める様にして抱きしめたらすごく期待した目で見てる。

「フィーもかなり可愛いな、俺が昔見た事のある妖精より妖精だ。そう言えば帽子はそれで良かったのか?」
俺が最初に買ってやった白いキャスケットをそのまま被っていた。
「これはミューが最初に買ってくれた物だからずっとかぶってるの♡」
そう言って頬にチュッ♡ってしてくれた。

俺は…革装備のままなんだが…完全にチーム名が体現されてる気がする。
「とりあえず時間を少し調節する為にお着替えの提案をしただけですのでミュー様の御召物も用意してますので後ほど袖をお通し下さい。」
キンガー君そっと俺の側に寄ってそう言ってきた。
…さすが執事。

俺があの部屋に入ったらこれ位の時間楽しむって事が判ってたって事だ…んっ?…あれっ?
ああなるって事が判ってたって事??
そんな判断が出来る程度には俺の事を知ってたって事はメスブタちゃんから情報が渡ってたって事だよな…
まさか…あの2人を俺が攻めるのが本当の目的???…あれっ????
俺…メスブタざまぁ(笑)みたいに思いながらあの二人を攻めた…えっ?????

その後屋敷の中を使用人が入れる場所と、ピリカートさんが居たり客が動き回る場所を別けて詳しく案内してくれた。
ただ…俺の頭の中ではピリカートのニヤニヤ哂いがずっとチラついてなんだかとても心がざわついた。

そしてアリエル達の部屋に再度戻り、お茶をしながら話をしていたら、良い時間になっていたらしくピリカートさんが戻ったとの言付けがメイドから届いた。

少ししてメスブタ登場。
「ごきげんよう皆様。少しだけ遅くなりましたが屋敷の中の案内などはもう済みましたか?」
「あぁ、一応ある程度全体を案内してもらったよ。」
「なるほど♪あっ、そう言えば。お部屋の方は気に入って頂けましたでしょうか?」
期待してる感じの顔でこんな事を聞かれたんだが…
「すっごく良い部屋♡私ここならもうずっと住んでも良いよ♡」
「私もスキー♡」
アリエルとフィーは完全に落とされてしまったな…

俺が最後の砦か…
「あの部屋はお前が用意してくれたらしいな?それも2日も前に。」
「あらっ♡誰かからお聞きになったのですか?」
「中に居た専用メイドの2人が『トテモ』嬉しそうになりながら教えてくれたよ、ありがとな。」
「そうでしたかぁ~♡それは良かったです♡彼女達は私の趣味に付きあわせてしまって同じ気持ちを理解できる子達なんですけど、如何せんご主人様の様な素質をお持ちの方がおられないもので…代わりに私が相手をしておりました。これで、心置きなく彼女達も楽しめそうでやっと重い荷を降ろせた気分です。」

彼女達『も』ね。そう言う事か…

こいつ、自分の性癖を楽しむ同志を近場で求めたのに気付いたら自分が反対の役割をやらなければならなかったからそれが面白くなくて俺をここに引き込んだって訳だ…
そして今回のこいつの最終目的地は自分とあの2人を望む形で相手してくれる人(俺)の確保だった…みたいだな。

「とりあえず1個決めてなかったな。そこを詰めるか。」
「そうですね。お給金の話がまだでしたねっ♡」

俺…こいつを心の底から悔しがらせたり驚かせたりしてる自分の姿ががまったく想像できないんだが…
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