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第二章 RLS-九つの世界-
48 彼女達 3
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ここは、ミューがアニマルランド及び虫々ランドを経験して3日ほど過ぎた頃のアースガルズのルーマンのカラカルの街…
そのランバー公爵家のお屋敷内にあるアリエルとフィーの部屋。
部屋の中のフィーのベッドの上に真っ白な繭が1つある。
ヘッドボードの近くの隅を使いベッドの半分くらいまで細い糸が張られた状態でその中心辺りに80cm程度の長径の楕円体が有るのが見える。
それをドアに手を掛けたアリエルが少しだけ見て出て行った。
あの日…フィーは何度か強く発光した後で自分のベッドまでゆっくりと寝た姿のまま…胎児の様な姿で飛んで行き、全身から糸の様な物を出して今の様に繭に包まれた。
何がおきてるのかまったく判らずとりあえず部屋付のケイトとプラムを呼んでミューから聞いていたフィーに関係する種族のフェアリーとサキュバスの事を知ってそうな人を探してもらったんだけど、お屋敷にはどっちも生態まで知ってる人はいなかった。
そして次の日、話がピリカートさんに伝わり…
「もしかしたらだけど何度か精霊の館に行った時にフェアリーみたいな…フィー様よりはもっと小さな姿でしたが何名か見かけた事が有ります。そちらの方に話をして確認してみましょう。」
そう言ってその日の午前中早くに精霊の館の支配人さんらしき人をお屋敷まで呼んでくれた。
「初めまして、フィルギャと申します。お見知りおきを。」
「初めまして、アリエルです。」
「お話はピリカート様に伺っておりますが…こちらの繭ですか?」
「はい。昨日の夜中に急にこんな姿になって…」
それからフィルギャさんは少しの間フィーを包んだ繭を近くで観察して教えてくれた。
「フェアリーとは元々精霊の下位種族の様な存在でこちらの世界で存在するには人の力が必要になります。この繭の中の子はフェアリーとサキュバスのハーフと言ってましたね…だとすれば…この繭の状態は進化の兆しかもしれません。」
「フィーが進化するの?」
「…この子の名前はフィーと言うのですか?」
…フィーの事を何か知ってるのかな?
「えぇ…名前も種族の事もミューって言うテイマーの人が教えてくれたわ。彼女はその人に従属してるの。」
私も同じ様に従属してるけど…それは言わなくても良いよね?
「…精霊とは契約者の側に居なければこちらの世界では存在出来ません。そしてある程度以上離れた場所に行くと勝手に契約者の体に引き戻されます。フェアリーの物質の体を持つ個体であればその様な事はないのですが…テイムされた状態のフェアリーと言うのは私も会った事がありません。ただ…テイム状態と言うのはピリカート様から伺った話によれば精霊と契約者の関係に非常に近しい状態と言えそうです。もしかしたら彼女はその契約者の元へ行ってるのではないでしょうか?」
そんな話をしてフィルギャさんは帰って行った。
…それから2日。
フィーはずっと繭のままで…一応私とライナと新しくパーティーに参加する事になったミライさんとヒナタさんの4人でミューの居なくなったあのダンジョンの場所まで行って確認したけど、あのミューが入って行った穴の場所は爆発も何もおきてない様な…私達があの場所に穴がある事に気付かずに歩いて通った最初の時のままの状態で在った。
そしてライナさんが再度確認しても穴も何も見つけられなかった。
その後ダンジョンの一番奥まで何度も行ったり来たりしながら虫と格闘しつつ探索をしたけど…そもそも人が迷えるほどの深さの穴じゃないので1日費やして何も見つけられずに諦めた。
昨日と今日ピリカートさんにも手伝ってもらって冒険者ギルド経由で情報収集もしてもらってる。
それと共に私達はあのダンジョンの周辺の地形で地下に通じそうな場所の確認をしらみつぶしにしてるけど…
どうなっちゃうのかしら…っていうかぁ…このモンモンとした体の疼きをどうにかしてくれないかしら…
ライナさんは毎日泊まり歩く生活を今でも続けてるしミライさんとヒナタさんはなんだか毎日ツヤツヤな顔して客間から出てくるし…私だけすっごく不満。
そう言えばキンガーさんってミューともしてるかもしれないのよね…ちょっとだけ…
でも私の腕サイズだって話だけど…んー…悩むなぁ…ミューが戻ってきてガバガバになってるって思われたく無いしなぁ…ハァー…
そのランバー公爵家のお屋敷内にあるアリエルとフィーの部屋。
部屋の中のフィーのベッドの上に真っ白な繭が1つある。
ヘッドボードの近くの隅を使いベッドの半分くらいまで細い糸が張られた状態でその中心辺りに80cm程度の長径の楕円体が有るのが見える。
それをドアに手を掛けたアリエルが少しだけ見て出て行った。
あの日…フィーは何度か強く発光した後で自分のベッドまでゆっくりと寝た姿のまま…胎児の様な姿で飛んで行き、全身から糸の様な物を出して今の様に繭に包まれた。
何がおきてるのかまったく判らずとりあえず部屋付のケイトとプラムを呼んでミューから聞いていたフィーに関係する種族のフェアリーとサキュバスの事を知ってそうな人を探してもらったんだけど、お屋敷にはどっちも生態まで知ってる人はいなかった。
そして次の日、話がピリカートさんに伝わり…
「もしかしたらだけど何度か精霊の館に行った時にフェアリーみたいな…フィー様よりはもっと小さな姿でしたが何名か見かけた事が有ります。そちらの方に話をして確認してみましょう。」
そう言ってその日の午前中早くに精霊の館の支配人さんらしき人をお屋敷まで呼んでくれた。
「初めまして、フィルギャと申します。お見知りおきを。」
「初めまして、アリエルです。」
「お話はピリカート様に伺っておりますが…こちらの繭ですか?」
「はい。昨日の夜中に急にこんな姿になって…」
それからフィルギャさんは少しの間フィーを包んだ繭を近くで観察して教えてくれた。
「フェアリーとは元々精霊の下位種族の様な存在でこちらの世界で存在するには人の力が必要になります。この繭の中の子はフェアリーとサキュバスのハーフと言ってましたね…だとすれば…この繭の状態は進化の兆しかもしれません。」
「フィーが進化するの?」
「…この子の名前はフィーと言うのですか?」
…フィーの事を何か知ってるのかな?
「えぇ…名前も種族の事もミューって言うテイマーの人が教えてくれたわ。彼女はその人に従属してるの。」
私も同じ様に従属してるけど…それは言わなくても良いよね?
「…精霊とは契約者の側に居なければこちらの世界では存在出来ません。そしてある程度以上離れた場所に行くと勝手に契約者の体に引き戻されます。フェアリーの物質の体を持つ個体であればその様な事はないのですが…テイムされた状態のフェアリーと言うのは私も会った事がありません。ただ…テイム状態と言うのはピリカート様から伺った話によれば精霊と契約者の関係に非常に近しい状態と言えそうです。もしかしたら彼女はその契約者の元へ行ってるのではないでしょうか?」
そんな話をしてフィルギャさんは帰って行った。
…それから2日。
フィーはずっと繭のままで…一応私とライナと新しくパーティーに参加する事になったミライさんとヒナタさんの4人でミューの居なくなったあのダンジョンの場所まで行って確認したけど、あのミューが入って行った穴の場所は爆発も何もおきてない様な…私達があの場所に穴がある事に気付かずに歩いて通った最初の時のままの状態で在った。
そしてライナさんが再度確認しても穴も何も見つけられなかった。
その後ダンジョンの一番奥まで何度も行ったり来たりしながら虫と格闘しつつ探索をしたけど…そもそも人が迷えるほどの深さの穴じゃないので1日費やして何も見つけられずに諦めた。
昨日と今日ピリカートさんにも手伝ってもらって冒険者ギルド経由で情報収集もしてもらってる。
それと共に私達はあのダンジョンの周辺の地形で地下に通じそうな場所の確認をしらみつぶしにしてるけど…
どうなっちゃうのかしら…っていうかぁ…このモンモンとした体の疼きをどうにかしてくれないかしら…
ライナさんは毎日泊まり歩く生活を今でも続けてるしミライさんとヒナタさんはなんだか毎日ツヤツヤな顔して客間から出てくるし…私だけすっごく不満。
そう言えばキンガーさんってミューともしてるかもしれないのよね…ちょっとだけ…
でも私の腕サイズだって話だけど…んー…悩むなぁ…ミューが戻ってきてガバガバになってるって思われたく無いしなぁ…ハァー…
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