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28 卒業式
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俺は合格発表の3日後に卒業式を迎えた。
中学の卒業式…本当なら2回目のはずなんだが、俺は前回?の卒業式の事はあまり思い出したく無い。
あの時は試験に受かった連中と受からなかった連中の明暗がはっきりとしていた。
俺は試験自体を受けられなかったので暗の方で固まっていた。
まぁでも私立の試験には受かっていたのでそこまで悲観していた訳では無かったが…あの時そう言えば華莉那もあまり喜べて無かった気がする。
自分の不注意って訳じゃなかったけど自分が原因でそんな顔をさせていた事が判っていたからなんだかいたたまれない感じがずっとしてたんだよな…
その後にうちでした卒業おめでとうパーティーもなんだか中途半端で…あれは祝ってくれようとしていた璃子にも悪い事をしちゃったよなぁ…
だがしかし、今回は俺も華莉那も一緒に高校に受かったし、なんだかんだ言いつつもお付き合いが続いてるし♡
もう楽しむしかないよな♪
俺達の学年はクラスが4組あって1組から順に会場に入る。
そして1組の担任の先生が順に名前を呼び、席の所に立って代表者が卒業証書をもらいに壇上に上がる。
次は俺達のクラス…
「2組卒業生、相田 陽二郎、宇喜多 春恒、大奈 新次郎、狩野 京太郎、木縞 哲也…」
俺達は呼ばれた順に3人並んで立ちお互いの顔を見て笑みが漏れる。
そう言えば京太郎が俺と哲也の間に居た事で気付いたら一緒に居る様になったんだったな…
元々俺と哲也と華莉那が通っていた小学校は2クラスしか無かったから4クラスに振り分けられた事で、6年の同じクラスの男連中って哲也以外は離れた席の2人しか居なかったから最初の頃哲也と良く話をしてたんだ。
そして最初は出席番号順に並んだおかげで哲也に話かけようとした時京太郎と目があって…こいつあっという間に馴染んだな、元々人見知りしない奴だったけど…
2年の時は哲也だけ別のクラスになったけど、3年になってまた3人一緒になった。
中学に入学してからの色々な事を思い出していたら女子の名前が呼ばれていた。
「…水戸 百花、峰村 華莉那、箕輪 結葵、矢嶋 香、代表、相田 陽二郎。」
特に絡む事の無かった代表の男が俺達のクラスの卒業証書を受け取りにまん中の通路をガッチガチに緊張した感じで歩いて行き練習した通りに受け取って戻って来た。
その後3組、4組の卒業生の名前が呼ばれて同じ様に代表者が受け取り、そこから校長の話から始まる偉い人達の長い挨拶があり、参列者の中でも有名な人(市長とか商工会の代表とか)の紹介があり、なぜかこの学校をずいぶん前に卒業した有名人などからの祝電が読み上げられて同じ学校の卒業生になるのを初めて知ったりした。
その後式は順調に進み最後に在校生の歌に合わせて退場となったのだが…
もうさぁ、泣かせにきてるよな?こいつら?
定番の歌だけどさぁ…俺も京太郎も哲也もやられちゃったよぉ…
そして体育館を出た所で3人揃って泣いてる事に気付いて思わず笑っちゃったよ。
教室に戻って最後に担任の話があり、俺達の卒業式が終わった。
「これで私達ってもう中学生じゃなくなったんだね。」
一緒に歩いて帰っていた華莉那が小さな声で話しかけてきた。
もしかしたら独り言だったのかもしれないけど…
「そだな。中学に上がる時は卒業から入学式までがすぐだったからそこまで思わなかったけど俺達って今学生じゃ無いんだよな?」
「…そう言われたらそうかも。すごいね♪なんか社会人と一緒って感じだねっ♪」
さすがにそこと一緒って事は無いけど…
「まぁ高校に行かない選択をした奴ならもう社会人だからなぁ。」
「じゃぁ高校に入るまでは私もシンちゃんも大人なんだね~♡」
「おっ?大人な華莉那って何する気?」
隣を歩いてる華莉那の腰を抱いてみた。
「そうだねぇ…」
華莉那チラチラ周囲を見渡して溜息を吐いた。
「残念、誰も居なかったらどこかでシンちゃんと色々してみようかな~とか思ったけど。」
俺の方を向いて俺の肩に片手を乗せてら後ろを指差した。
「さっそくいちゃつく気かぁ~!!!」
声と共に京太郎がダッシュして飛び込んできた。
「だから京太郎!お前合格発表の時にも言ったけどさぁ!危ないだろ?!」
華莉那は気付いていたので体を少し俺から離して巻き込まれずに済んだみたいだったが、俺はそのまま押し倒された。
おかげでまた埃まみれ。
「まぁ風物詩みたいなものだと思って諦めろ、ジロー君。」
歩いて近づいて来た哲也もどこかで同じ様な事をされていたらしく膝の辺りに砂が付いていた。
「あれっ?哲也は帰る方向が反対だろ?何で?」
「実はお姉ちゃんがね、もう準備しちゃってるみたいなのよね~。」
哲也に聞いたら百花が答えてくれた。
百花がスマホを見せてくれたら写真が映っていて、正面真ん中に『祝卒業♡』って文字の横断幕の様な物とテーブルに置かれてる料理が映っていた。
「でも今日ってうちと華莉那の所で一緒に卒業祝いする事になってるけど?」
「華莉那に聞いてるから大丈夫。それ夜からなんでしょ?」
どうもその辺りの確認は先にしていたらしい。
とりあえず俺達は5人揃って百花の家に行き、百合花さんと一緒に卒業祝いをする事になったようだ。
中学の卒業式…本当なら2回目のはずなんだが、俺は前回?の卒業式の事はあまり思い出したく無い。
あの時は試験に受かった連中と受からなかった連中の明暗がはっきりとしていた。
俺は試験自体を受けられなかったので暗の方で固まっていた。
まぁでも私立の試験には受かっていたのでそこまで悲観していた訳では無かったが…あの時そう言えば華莉那もあまり喜べて無かった気がする。
自分の不注意って訳じゃなかったけど自分が原因でそんな顔をさせていた事が判っていたからなんだかいたたまれない感じがずっとしてたんだよな…
その後にうちでした卒業おめでとうパーティーもなんだか中途半端で…あれは祝ってくれようとしていた璃子にも悪い事をしちゃったよなぁ…
だがしかし、今回は俺も華莉那も一緒に高校に受かったし、なんだかんだ言いつつもお付き合いが続いてるし♡
もう楽しむしかないよな♪
俺達の学年はクラスが4組あって1組から順に会場に入る。
そして1組の担任の先生が順に名前を呼び、席の所に立って代表者が卒業証書をもらいに壇上に上がる。
次は俺達のクラス…
「2組卒業生、相田 陽二郎、宇喜多 春恒、大奈 新次郎、狩野 京太郎、木縞 哲也…」
俺達は呼ばれた順に3人並んで立ちお互いの顔を見て笑みが漏れる。
そう言えば京太郎が俺と哲也の間に居た事で気付いたら一緒に居る様になったんだったな…
元々俺と哲也と華莉那が通っていた小学校は2クラスしか無かったから4クラスに振り分けられた事で、6年の同じクラスの男連中って哲也以外は離れた席の2人しか居なかったから最初の頃哲也と良く話をしてたんだ。
そして最初は出席番号順に並んだおかげで哲也に話かけようとした時京太郎と目があって…こいつあっという間に馴染んだな、元々人見知りしない奴だったけど…
2年の時は哲也だけ別のクラスになったけど、3年になってまた3人一緒になった。
中学に入学してからの色々な事を思い出していたら女子の名前が呼ばれていた。
「…水戸 百花、峰村 華莉那、箕輪 結葵、矢嶋 香、代表、相田 陽二郎。」
特に絡む事の無かった代表の男が俺達のクラスの卒業証書を受け取りにまん中の通路をガッチガチに緊張した感じで歩いて行き練習した通りに受け取って戻って来た。
その後3組、4組の卒業生の名前が呼ばれて同じ様に代表者が受け取り、そこから校長の話から始まる偉い人達の長い挨拶があり、参列者の中でも有名な人(市長とか商工会の代表とか)の紹介があり、なぜかこの学校をずいぶん前に卒業した有名人などからの祝電が読み上げられて同じ学校の卒業生になるのを初めて知ったりした。
その後式は順調に進み最後に在校生の歌に合わせて退場となったのだが…
もうさぁ、泣かせにきてるよな?こいつら?
定番の歌だけどさぁ…俺も京太郎も哲也もやられちゃったよぉ…
そして体育館を出た所で3人揃って泣いてる事に気付いて思わず笑っちゃったよ。
教室に戻って最後に担任の話があり、俺達の卒業式が終わった。
「これで私達ってもう中学生じゃなくなったんだね。」
一緒に歩いて帰っていた華莉那が小さな声で話しかけてきた。
もしかしたら独り言だったのかもしれないけど…
「そだな。中学に上がる時は卒業から入学式までがすぐだったからそこまで思わなかったけど俺達って今学生じゃ無いんだよな?」
「…そう言われたらそうかも。すごいね♪なんか社会人と一緒って感じだねっ♪」
さすがにそこと一緒って事は無いけど…
「まぁ高校に行かない選択をした奴ならもう社会人だからなぁ。」
「じゃぁ高校に入るまでは私もシンちゃんも大人なんだね~♡」
「おっ?大人な華莉那って何する気?」
隣を歩いてる華莉那の腰を抱いてみた。
「そうだねぇ…」
華莉那チラチラ周囲を見渡して溜息を吐いた。
「残念、誰も居なかったらどこかでシンちゃんと色々してみようかな~とか思ったけど。」
俺の方を向いて俺の肩に片手を乗せてら後ろを指差した。
「さっそくいちゃつく気かぁ~!!!」
声と共に京太郎がダッシュして飛び込んできた。
「だから京太郎!お前合格発表の時にも言ったけどさぁ!危ないだろ?!」
華莉那は気付いていたので体を少し俺から離して巻き込まれずに済んだみたいだったが、俺はそのまま押し倒された。
おかげでまた埃まみれ。
「まぁ風物詩みたいなものだと思って諦めろ、ジロー君。」
歩いて近づいて来た哲也もどこかで同じ様な事をされていたらしく膝の辺りに砂が付いていた。
「あれっ?哲也は帰る方向が反対だろ?何で?」
「実はお姉ちゃんがね、もう準備しちゃってるみたいなのよね~。」
哲也に聞いたら百花が答えてくれた。
百花がスマホを見せてくれたら写真が映っていて、正面真ん中に『祝卒業♡』って文字の横断幕の様な物とテーブルに置かれてる料理が映っていた。
「でも今日ってうちと華莉那の所で一緒に卒業祝いする事になってるけど?」
「華莉那に聞いてるから大丈夫。それ夜からなんでしょ?」
どうもその辺りの確認は先にしていたらしい。
とりあえず俺達は5人揃って百花の家に行き、百合花さんと一緒に卒業祝いをする事になったようだ。
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