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08 先輩として矜持を示す♪
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ここに来てそろそろ2ヶ月か…
最近はご主人様の住環境を整える仕事をさせてもらえる様になってなかなかに忙しい時間を過ごしている俺だったが…
実は1週間ほど前からご主人様が戻って来ない。
朝方ふらっと家を出て行きそのまま1週間戻って来ない。
一応ご主人様の信頼を勝ち取っていた俺は家の鍵とかも普通に持たせられているが、まだ家の外には出た事が無かったんだ。
だって家の外には殺人ウイルスが蔓延していて俺が外に出たらヒャッハーな連中に蹂躙されてボロボロにされて死んでしまう…ご主人様が何を言っているのか良く判らなかったのだがとにかく怖い事になるので出たく無かったんだ。
ただ…ご主人様…あの時…俺のご飯を用意しておいてくれて無かったんだよな。
一応、『私が1ヶ月戻らなかったらコレを使って生活しろ』と言われてこの時間帯のお金が入っていた大きなバッグみたいなのを管理させられているのだが…
紙のお金とか使った事が無いし…
って言うかそもそもご主人様が言っていたお金の価値が暴落したって話があったが…いくらなんでも俺が背負うのに気合を入れなければならないほどの背負い袋に紙のお金を入れられてもなぁ…そう言えばこれってどれ位の価値になるんだろうか?
ご主人様がこれを使って生きていけって言う位だから…さすがにこの量の紙のお金でパン1個しか買えないって事は無いよな?
確か…少し前に…
「あぁん?お前の食べてるドッグフー…粒状食の値段?」
「そこ言い直すの今更でしょ?ドッグフードで良いですよ。それでいくら位なんですか?確か俺が持ってきたダイヤモンド全部売ったら10いくらか億円になったってとっても嬉しそうにお酒を飲みながら俺を襲ってきたのを覚えてますけど?」
「あぁ~…そうだなぁ…アレは確か1250…」
「1250万円ですか?」
「はぁっ?…あぁそうか…あ~それはあれだ、え~っと…超高級ドッグフードの方の値段だな。あ~…お前がいつも食べてる分は200万位かなぁ~?」
ちょっとだけご主人様焦っていた感じだったが…そうかぁ…前言っていた金額からそこまで価値が上がってしまっているって事かぁ…
「ご主人様にはいつも俺の為に最高のものを用意して下さっている事は理解しています。感謝します。」
とりあえずその時はいつも言われて身に着いていた地面に伏せて脚をお舐めする行為で感謝の気持ちを表しておいたが…
その後少しの間最高級ドッグフードが続いたんだよなぁ…
しかも毎夜のお絞りタイムもそこまで厳しく無かったし…
俺何か失敗したかなぁ…
確かそんな事があった。
だから、この紙のお金…これ…束が幾つ入ってるか数えるのもめんどくさい位入ってるけど…
まぁでもざっと100枚ぐらいの束の様だから、これを12個とか持って行かないと最近食べさせてくれていた超高級ドッグフードは食べられ無いって訳だ。
さすがに自分で買いに行く事になるとしても最初から最高級品を選ぶって言うのは奴隷として問題あるよな?
だから俺とりあえず半額位の600万円位の奴を買おうと思って少し小さな袋に金を入れて出かけたんだ。
ちょっと寒い時期だったのでご主人様が用意してくれていた何かの葉っぱ?のマークが書いてあるモコモコな服と顔をあまり外気に当てない様にする為にマフラーという首周りの防護具を顔の半分位まで巻いて頭にはご主人様がお気に入りになっているサッカーのチーム?のロゴの入ったキャップを被り準備を終えて外に出たんだが…
まさかあんなに大勢の人が生活していたとは思わなかった。
服装は…イマイチ高級なのかみすぼらしいのか判断が出来無かったんだが、道路を人がひっきりなしに移動していた。
俺が住んでいた時間帯では考えられない事だ。
たぶんだが、あの人数が移動し続けて居るぐらいに狭い空間に押し込められているんだろう。
彼らは安全を求めて避難して来た人達なんだろう。
ご主人様が言ってた『ヒャッハーな危険』の居る場所からご主人様が居を構えたこの安全な場所に。
ふっ…こいつらも見る目が有ったって事なんだろうな。
だってご主人様の住んでいるこの…あき…葉っぱ原?ここにたどり着いているのだから。
さて、とりあえず俺は自分のご飯を買う必要があるのでこの人の波の中を移動しなければならないのだが…
正直怖い。
とりあえず家の管理を任されはじめた頃にワクチンだと言って何か錠剤みたいな…ちょっとパステルカラーな入れ物に入った物を飲まされたので一応ウイルスで死んじゃうってのは回避出来ると思うけど…
まぁでもあまり息を多く吸わずに済む様にゆっくりと移動する。
そして俺は見つけた。
ご主人様の贔屓にしていたお店を。
確かご主人様はこのお店のロゴの入った袋を良く持ち帰って来た。
ファミリー…何とか?緑のインクで資源保護を謳い文句にしている奴。
他にも茶色っぽい7の文字が大きく書いてある所とか青い文字の袋もたまに見たが…まぁその袋に入っていたのは酒とかおつまみ系の何かが多かったからそこは俺の領分では無いはずだ。
たぶんだが俺が考えるに…7とか青の店はご主人様位に素晴らしい人が訪れる事を許されている場所なんだろう。
今は俺の食事だから…ここだよな。
店に入ると変な音楽が鳴って店員が声をかけてきた。
ふむ…同じ服を着て同じ様な姿勢で台の後ろで立つ事を強制させられている訳か…
あいつらは俺と同じこの店の奴隷だな♡
ちょっとだけ親近感を覚えた♡
さて…本とかも紙媒体がけっこう有るみたいだな…とりあえず俺は自分の食べているドッグフードを探す。
それにしても…この飲み物120円とか書いてあるけど…120万円って事だよな?
失敗したかなぁ…飲み物はご主人様が用意してくれているミネラルウォーターっていうのを最近飲んでも良いって言われているけど…あれは保存用だから俺はいつも水道水を飲んでいるが…飲み物をこんなに売ってるとかちょっと俺この世界を舐めていたかもしれないな…水が飲める状態で無尽蔵に出るとか普通じゃ無いって事だよな?
俺…ご主人様にどんだけすごい住環境を用意してもらっていたんだろうか♡
ご主人様♡もう離れません♡だから早く帰ってきてください♡
おっと祈ってる場合じゃないな。とりあえずドッグフード…あった♡
ん~~…困った…ここには超高級ドッグフードしか置いてないみたいだ…
入れ物の大きさがここに並んで居るのは小さいものばかりだ。
そもそも10kg入ったサイズの物が置かれて無い。
…もしかしてご主人様俺の為に他の店にわざわざ足を運んで下さっていたのか?
それにしても困ったぞ…いつものドッグフードを買うお金しか俺は持って無いからこの3580万円の奴とか1250万円の奴とかは買えない…
しょうがない、あの奴隷に聞いてみるか。
ご主人様は俺に言葉を発する権利をくれていたが…さっきからこっそり聞いていたけど、こいつらは決まった言葉しか発して無かったみたいだけど…答えてくれるかな?
「あのぉ…すいません。ここには10kg位入ったドッグフードって売って無いけどどこに行ったら扱ってるか教えてくれませんか?」
「ドッグフードですか?ゆみちゃん知ってる?」
「ん~ここらで売ってる所ですよね?普通ので良いのかな?」
なんとか答えてくれた♪
「え~っと普通じゃ無いのがどんななのかが判らないけど…俺ぐらいのサイズの奴が2週間位で食べられる位ので一番安いのが欲しいんだけど。」
「かなりの大型犬を飼ってるんだ。すげぇな♪」
「安いのって言うなら店を出て左に行ったらドンキ○ーテってお店があるからそこが安いんじゃ無いかな?」
「そうですか。ありがとうございます。行ってみますね。あぁ、これは少ないけど御礼です。お前達も大変だろうからこれで何か買ってくれ。じゃぁな。」
とりあえず入れ物から一束づつ奴隷の2人に渡して教えてもらったお店に行ってみた。
束を渡したらあの奴隷の2人は少し驚いていたけど…やっぱり自分で使えるお金ってあまり持たされない感じなんだろうなぁ…
俺も2ヶ月経ってやっと管理しろって渡されたぐらいだからな♡
まぁでもご主人様って俺にチョット甘い所があるからなぁ~まったく♡
そして俺は教えてもらったお店に行って…どうしたら良いか判らなかった。
どこに何があるのか判らなかったんだ…
物が多すぎてどれが食い物なのかも良く判らなかった…
おかげで昨日の夜から俺は何も食べて無かったので少し開けたベンチが置いてあった空間で黄昏てしまった…
「ご主人様はあんな戦場みたいな場所で俺のドッグフードを買ってきてくれていたんだなぁ…俺…どれだけ守ってもらってたんだよ…ご主人様ぁ~~…早く戻ってきてくれよぉ~…」
思わず弱音を吐いてしまった…
少しの間ベンチに座ってボーっとしていた俺の目に1人の少女が見えた。
この寒い場所でその少女はずいぶんと寒そうな服…
って言うかなんとなく破れた布を纏ってる感じ?
毛布とかを体に巻き付けて何かのヒモで縛ってるように見える。
なるほど…あいつはどこかから逃げてきた奴隷だな。
確かご主人様が前に言っていたけど…
『俺は自分に甘えてくる奴には手を差し伸べる様にしてるんだ。だからお前もしっかり躾けてやるからな♡』
とかなんとか…
確かあの時の俺はまだご主人様の奴隷になりたての頃で…フッ…あの頃はたまに反抗していた頃だったなぁ…懐かしいなぁ…
まぁでもご主人様が甘えてきた奴を助けるような事を良くしていたって事だろうから、俺もご主人様に倣ってあの奴隷少女に手を差し伸べる位はしなければならないだろうな。
っていうかあの奴隷少女はこの時間帯で生まれて生きてきたんだろうから、買い物とかもした事があるかもしれない。
だからできるならば彼女に俺のドッグフードを買ってきて欲しい。
そして俺はご主人様がいつ戻ってきても良い様に家の環境を整えて待つと。
いいじゃん♡
「なぁお前…どこも行く所が無いのか?」
とりあえずご主人様の為にも一番奴隷の俺が舐められたら良く無いと思いチョットだけ上から目線で話しかけてみた。
「…うん。ワタシ逃げた…家に戻りたいけど…わかんないの…」
ふむ…やっぱり思った通りだったみたいだな。
よっし♪
「お前に俺が安全な場所を用意してやるからお前には少し仕事をしてもらいたいが…どうだ?」
少女は少しだけ迷った感じで俺の事を2m位離れた所から見ていたけど体が小刻みに震えていた。
「さすがにその姿では寒いだろ?どうだ?俺は奴隷には少なからず理解が有る方なんだが来ないか?」
「でも…奴隷ってその…」
なんとなくまだ怖がってる感じがあるな…しかしこいつ汚いなぁ…
「あぁ、さすがにその姿だと困るな…コレを使って少し位暖かい姿になってこい。」
手元には400万円しか無かったけど…まぁでもこの少女の毛布みたいな服よりマシなものが買えるよな?
確か食事に関しては高いとか聞いていたけどこんな暖かい服を俺に用意してくれてるんだ。服とかに関してはまだそこまで高い訳じゃ無いんだと思う。
それにそこらを歩いてる連中もかなり身奇麗にしてるから…だよな?
若干心に引っかかったモノが有ったが、そう思いバッグ毎投げて渡してやった。
その少女は恐る恐るそのバッグを拾って開けて驚いていた。
「えっ?これ使っても良いの?」
「あぁ、好きに使え。元々それはドッグフードを買う為に持って来たはした金だ。そっちは今度にしても良い。」
ん?なんだか少女の目が恐れてる感じからちょっと迷ってる感じになったか?
「それでは不服か?」
「その…不服とかじゃなくて…」
あぁ…判った。この子は何も仕事をしてないのにお金をもらう事が悪い事だって教え込まれているんだな。
だとしたら…
「それならお前に仕事をやろう。それを使って身奇麗にしてついでに俺が…え~っとドッグフードを10kg入った奴を買ってここまで運んで来い。それが出来るならお前を家に連れて行ってやる。部屋は確かもう1ヶ所余っていたはずだからそこを自由に使わせてやるがどうだ?」
「それだけでこんなにもらってもイイのですか?」
まだ仕事が足らないって思ってるのか…こいつの元居た所って奴隷環境あまり良く無かったみたいだな。
「ん~…俺の体はご主人様に全てを捧げているから好きには触らせられないが…少しぐらいなら相手してやっても良いが?それと俺のご主人様の部屋には絶対に近づくな。ソレさえ守れば後は…好きにしていいぞ?」
やっと条件が納得行く感じになったらしく少女は俺の投げて渡したバッグを持って消えて行った…
そして20分位経った頃に暖かそうな服を着て両手で重そうにドッグフードを持って歩いて戻って来た♡
「よし、良くやった。お前は今日から一緒の家に住んで仕事をしてもらうからな。」
「…はい。その…あまったお金ってどうしたら良いですか?」
あぁそうか…ドッグフードって確か200万位って言ってたから少し余ったって事か…
「そうだな…その金は好きにしろ。そのうちお前が自由になる為の資金にでもしたらいい。」
そう言って少女から俺の食べるドッグフードを受け取り歩いて戻ったんだが…
この少女…その後ずっと俺の服のポケットの辺りを摘んだままちょっと潤んだ感じの目で見て来るんだけど…
寒すぎて熱でも出してるとかじゃないよな?
「良いな?この部屋には絶対に入るな。」
ご主人様の部屋とそこから繋がる地下室の俺の部屋にはさすがに下っ端奴隷の少女を入れるわけにはいかなかったのでそう言ってリビング部分と客間を使わせる事にして俺も部屋に戻った。
さぁ半日ぶりの俺のご飯だぞ~いっただきま~す♡
最近はご主人様の住環境を整える仕事をさせてもらえる様になってなかなかに忙しい時間を過ごしている俺だったが…
実は1週間ほど前からご主人様が戻って来ない。
朝方ふらっと家を出て行きそのまま1週間戻って来ない。
一応ご主人様の信頼を勝ち取っていた俺は家の鍵とかも普通に持たせられているが、まだ家の外には出た事が無かったんだ。
だって家の外には殺人ウイルスが蔓延していて俺が外に出たらヒャッハーな連中に蹂躙されてボロボロにされて死んでしまう…ご主人様が何を言っているのか良く判らなかったのだがとにかく怖い事になるので出たく無かったんだ。
ただ…ご主人様…あの時…俺のご飯を用意しておいてくれて無かったんだよな。
一応、『私が1ヶ月戻らなかったらコレを使って生活しろ』と言われてこの時間帯のお金が入っていた大きなバッグみたいなのを管理させられているのだが…
紙のお金とか使った事が無いし…
って言うかそもそもご主人様が言っていたお金の価値が暴落したって話があったが…いくらなんでも俺が背負うのに気合を入れなければならないほどの背負い袋に紙のお金を入れられてもなぁ…そう言えばこれってどれ位の価値になるんだろうか?
ご主人様がこれを使って生きていけって言う位だから…さすがにこの量の紙のお金でパン1個しか買えないって事は無いよな?
確か…少し前に…
「あぁん?お前の食べてるドッグフー…粒状食の値段?」
「そこ言い直すの今更でしょ?ドッグフードで良いですよ。それでいくら位なんですか?確か俺が持ってきたダイヤモンド全部売ったら10いくらか億円になったってとっても嬉しそうにお酒を飲みながら俺を襲ってきたのを覚えてますけど?」
「あぁ~…そうだなぁ…アレは確か1250…」
「1250万円ですか?」
「はぁっ?…あぁそうか…あ~それはあれだ、え~っと…超高級ドッグフードの方の値段だな。あ~…お前がいつも食べてる分は200万位かなぁ~?」
ちょっとだけご主人様焦っていた感じだったが…そうかぁ…前言っていた金額からそこまで価値が上がってしまっているって事かぁ…
「ご主人様にはいつも俺の為に最高のものを用意して下さっている事は理解しています。感謝します。」
とりあえずその時はいつも言われて身に着いていた地面に伏せて脚をお舐めする行為で感謝の気持ちを表しておいたが…
その後少しの間最高級ドッグフードが続いたんだよなぁ…
しかも毎夜のお絞りタイムもそこまで厳しく無かったし…
俺何か失敗したかなぁ…
確かそんな事があった。
だから、この紙のお金…これ…束が幾つ入ってるか数えるのもめんどくさい位入ってるけど…
まぁでもざっと100枚ぐらいの束の様だから、これを12個とか持って行かないと最近食べさせてくれていた超高級ドッグフードは食べられ無いって訳だ。
さすがに自分で買いに行く事になるとしても最初から最高級品を選ぶって言うのは奴隷として問題あるよな?
だから俺とりあえず半額位の600万円位の奴を買おうと思って少し小さな袋に金を入れて出かけたんだ。
ちょっと寒い時期だったのでご主人様が用意してくれていた何かの葉っぱ?のマークが書いてあるモコモコな服と顔をあまり外気に当てない様にする為にマフラーという首周りの防護具を顔の半分位まで巻いて頭にはご主人様がお気に入りになっているサッカーのチーム?のロゴの入ったキャップを被り準備を終えて外に出たんだが…
まさかあんなに大勢の人が生活していたとは思わなかった。
服装は…イマイチ高級なのかみすぼらしいのか判断が出来無かったんだが、道路を人がひっきりなしに移動していた。
俺が住んでいた時間帯では考えられない事だ。
たぶんだが、あの人数が移動し続けて居るぐらいに狭い空間に押し込められているんだろう。
彼らは安全を求めて避難して来た人達なんだろう。
ご主人様が言ってた『ヒャッハーな危険』の居る場所からご主人様が居を構えたこの安全な場所に。
ふっ…こいつらも見る目が有ったって事なんだろうな。
だってご主人様の住んでいるこの…あき…葉っぱ原?ここにたどり着いているのだから。
さて、とりあえず俺は自分のご飯を買う必要があるのでこの人の波の中を移動しなければならないのだが…
正直怖い。
とりあえず家の管理を任されはじめた頃にワクチンだと言って何か錠剤みたいな…ちょっとパステルカラーな入れ物に入った物を飲まされたので一応ウイルスで死んじゃうってのは回避出来ると思うけど…
まぁでもあまり息を多く吸わずに済む様にゆっくりと移動する。
そして俺は見つけた。
ご主人様の贔屓にしていたお店を。
確かご主人様はこのお店のロゴの入った袋を良く持ち帰って来た。
ファミリー…何とか?緑のインクで資源保護を謳い文句にしている奴。
他にも茶色っぽい7の文字が大きく書いてある所とか青い文字の袋もたまに見たが…まぁその袋に入っていたのは酒とかおつまみ系の何かが多かったからそこは俺の領分では無いはずだ。
たぶんだが俺が考えるに…7とか青の店はご主人様位に素晴らしい人が訪れる事を許されている場所なんだろう。
今は俺の食事だから…ここだよな。
店に入ると変な音楽が鳴って店員が声をかけてきた。
ふむ…同じ服を着て同じ様な姿勢で台の後ろで立つ事を強制させられている訳か…
あいつらは俺と同じこの店の奴隷だな♡
ちょっとだけ親近感を覚えた♡
さて…本とかも紙媒体がけっこう有るみたいだな…とりあえず俺は自分の食べているドッグフードを探す。
それにしても…この飲み物120円とか書いてあるけど…120万円って事だよな?
失敗したかなぁ…飲み物はご主人様が用意してくれているミネラルウォーターっていうのを最近飲んでも良いって言われているけど…あれは保存用だから俺はいつも水道水を飲んでいるが…飲み物をこんなに売ってるとかちょっと俺この世界を舐めていたかもしれないな…水が飲める状態で無尽蔵に出るとか普通じゃ無いって事だよな?
俺…ご主人様にどんだけすごい住環境を用意してもらっていたんだろうか♡
ご主人様♡もう離れません♡だから早く帰ってきてください♡
おっと祈ってる場合じゃないな。とりあえずドッグフード…あった♡
ん~~…困った…ここには超高級ドッグフードしか置いてないみたいだ…
入れ物の大きさがここに並んで居るのは小さいものばかりだ。
そもそも10kg入ったサイズの物が置かれて無い。
…もしかしてご主人様俺の為に他の店にわざわざ足を運んで下さっていたのか?
それにしても困ったぞ…いつものドッグフードを買うお金しか俺は持って無いからこの3580万円の奴とか1250万円の奴とかは買えない…
しょうがない、あの奴隷に聞いてみるか。
ご主人様は俺に言葉を発する権利をくれていたが…さっきからこっそり聞いていたけど、こいつらは決まった言葉しか発して無かったみたいだけど…答えてくれるかな?
「あのぉ…すいません。ここには10kg位入ったドッグフードって売って無いけどどこに行ったら扱ってるか教えてくれませんか?」
「ドッグフードですか?ゆみちゃん知ってる?」
「ん~ここらで売ってる所ですよね?普通ので良いのかな?」
なんとか答えてくれた♪
「え~っと普通じゃ無いのがどんななのかが判らないけど…俺ぐらいのサイズの奴が2週間位で食べられる位ので一番安いのが欲しいんだけど。」
「かなりの大型犬を飼ってるんだ。すげぇな♪」
「安いのって言うなら店を出て左に行ったらドンキ○ーテってお店があるからそこが安いんじゃ無いかな?」
「そうですか。ありがとうございます。行ってみますね。あぁ、これは少ないけど御礼です。お前達も大変だろうからこれで何か買ってくれ。じゃぁな。」
とりあえず入れ物から一束づつ奴隷の2人に渡して教えてもらったお店に行ってみた。
束を渡したらあの奴隷の2人は少し驚いていたけど…やっぱり自分で使えるお金ってあまり持たされない感じなんだろうなぁ…
俺も2ヶ月経ってやっと管理しろって渡されたぐらいだからな♡
まぁでもご主人様って俺にチョット甘い所があるからなぁ~まったく♡
そして俺は教えてもらったお店に行って…どうしたら良いか判らなかった。
どこに何があるのか判らなかったんだ…
物が多すぎてどれが食い物なのかも良く判らなかった…
おかげで昨日の夜から俺は何も食べて無かったので少し開けたベンチが置いてあった空間で黄昏てしまった…
「ご主人様はあんな戦場みたいな場所で俺のドッグフードを買ってきてくれていたんだなぁ…俺…どれだけ守ってもらってたんだよ…ご主人様ぁ~~…早く戻ってきてくれよぉ~…」
思わず弱音を吐いてしまった…
少しの間ベンチに座ってボーっとしていた俺の目に1人の少女が見えた。
この寒い場所でその少女はずいぶんと寒そうな服…
って言うかなんとなく破れた布を纏ってる感じ?
毛布とかを体に巻き付けて何かのヒモで縛ってるように見える。
なるほど…あいつはどこかから逃げてきた奴隷だな。
確かご主人様が前に言っていたけど…
『俺は自分に甘えてくる奴には手を差し伸べる様にしてるんだ。だからお前もしっかり躾けてやるからな♡』
とかなんとか…
確かあの時の俺はまだご主人様の奴隷になりたての頃で…フッ…あの頃はたまに反抗していた頃だったなぁ…懐かしいなぁ…
まぁでもご主人様が甘えてきた奴を助けるような事を良くしていたって事だろうから、俺もご主人様に倣ってあの奴隷少女に手を差し伸べる位はしなければならないだろうな。
っていうかあの奴隷少女はこの時間帯で生まれて生きてきたんだろうから、買い物とかもした事があるかもしれない。
だからできるならば彼女に俺のドッグフードを買ってきて欲しい。
そして俺はご主人様がいつ戻ってきても良い様に家の環境を整えて待つと。
いいじゃん♡
「なぁお前…どこも行く所が無いのか?」
とりあえずご主人様の為にも一番奴隷の俺が舐められたら良く無いと思いチョットだけ上から目線で話しかけてみた。
「…うん。ワタシ逃げた…家に戻りたいけど…わかんないの…」
ふむ…やっぱり思った通りだったみたいだな。
よっし♪
「お前に俺が安全な場所を用意してやるからお前には少し仕事をしてもらいたいが…どうだ?」
少女は少しだけ迷った感じで俺の事を2m位離れた所から見ていたけど体が小刻みに震えていた。
「さすがにその姿では寒いだろ?どうだ?俺は奴隷には少なからず理解が有る方なんだが来ないか?」
「でも…奴隷ってその…」
なんとなくまだ怖がってる感じがあるな…しかしこいつ汚いなぁ…
「あぁ、さすがにその姿だと困るな…コレを使って少し位暖かい姿になってこい。」
手元には400万円しか無かったけど…まぁでもこの少女の毛布みたいな服よりマシなものが買えるよな?
確か食事に関しては高いとか聞いていたけどこんな暖かい服を俺に用意してくれてるんだ。服とかに関してはまだそこまで高い訳じゃ無いんだと思う。
それにそこらを歩いてる連中もかなり身奇麗にしてるから…だよな?
若干心に引っかかったモノが有ったが、そう思いバッグ毎投げて渡してやった。
その少女は恐る恐るそのバッグを拾って開けて驚いていた。
「えっ?これ使っても良いの?」
「あぁ、好きに使え。元々それはドッグフードを買う為に持って来たはした金だ。そっちは今度にしても良い。」
ん?なんだか少女の目が恐れてる感じからちょっと迷ってる感じになったか?
「それでは不服か?」
「その…不服とかじゃなくて…」
あぁ…判った。この子は何も仕事をしてないのにお金をもらう事が悪い事だって教え込まれているんだな。
だとしたら…
「それならお前に仕事をやろう。それを使って身奇麗にしてついでに俺が…え~っとドッグフードを10kg入った奴を買ってここまで運んで来い。それが出来るならお前を家に連れて行ってやる。部屋は確かもう1ヶ所余っていたはずだからそこを自由に使わせてやるがどうだ?」
「それだけでこんなにもらってもイイのですか?」
まだ仕事が足らないって思ってるのか…こいつの元居た所って奴隷環境あまり良く無かったみたいだな。
「ん~…俺の体はご主人様に全てを捧げているから好きには触らせられないが…少しぐらいなら相手してやっても良いが?それと俺のご主人様の部屋には絶対に近づくな。ソレさえ守れば後は…好きにしていいぞ?」
やっと条件が納得行く感じになったらしく少女は俺の投げて渡したバッグを持って消えて行った…
そして20分位経った頃に暖かそうな服を着て両手で重そうにドッグフードを持って歩いて戻って来た♡
「よし、良くやった。お前は今日から一緒の家に住んで仕事をしてもらうからな。」
「…はい。その…あまったお金ってどうしたら良いですか?」
あぁそうか…ドッグフードって確か200万位って言ってたから少し余ったって事か…
「そうだな…その金は好きにしろ。そのうちお前が自由になる為の資金にでもしたらいい。」
そう言って少女から俺の食べるドッグフードを受け取り歩いて戻ったんだが…
この少女…その後ずっと俺の服のポケットの辺りを摘んだままちょっと潤んだ感じの目で見て来るんだけど…
寒すぎて熱でも出してるとかじゃないよな?
「良いな?この部屋には絶対に入るな。」
ご主人様の部屋とそこから繋がる地下室の俺の部屋にはさすがに下っ端奴隷の少女を入れるわけにはいかなかったのでそう言ってリビング部分と客間を使わせる事にして俺も部屋に戻った。
さぁ半日ぶりの俺のご飯だぞ~いっただきま~す♡
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