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第一章　召喚前？

04　交渉みたいな何か

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全身砂だらけになった俺は1ｍほど離れた所で犬の頭に手を乗せてナデナデしながらこっちを見ている少女を観察しながら立ち上がり全身を手で叩いて砂を落とす。

さっきの言葉…音の感じではアマゾンかどこかに住んでいる原住民の話していた言葉を思い出させる様な感じだったが、少女の服装はそんな原住民のイメージを完全に否定していた。

身長は150cmぐらいか…体重は少し痩せすぎに見えるが…栄養状態が良くないアフリカの内戦が続いていた頃のリビアだとかスーダン辺りの難民の子供をなんとなく思い出させる様な…
肌の色は俺よりも白いみたいだが…なんとなく浅黒くなっていて汚れている感じがする。
髪は背中の真ん中ぐらいの長さか？なんとなく潤いが足りてない様に見えるのは栄養状態の問題だろうか。

そして服装だが、膝丈の長さのワンピース状の服を着ている。
ただ…なんとなくだがその服、色々切り取られている様に見える。

裾の辺りなどがそれを一番強く感じるのだが、少女の着ているワンピースは元々ひざ下辺りまでの長さがあったんじゃないだろうか？
スカートの模様が大きな赤い花の柄なのだが、一つしか無いその柄を半分ぐらいの所で切る様なデザインというのはさすがにダメだと思う。
もしそんな服を売ってあっても誰も買わないと思うのだが…
ついでに言うなら袖の辺りがひじ丈になっていて今居る砂浜であればそこそこ南国風味でありメイドさんとかが居るならそんな丈の服もアリかも？と思う感じなので、そこまで違和感が無いのだが…

バフ・スリーブとかバルーン・スリーブっぽい形なのにまったく先端部分を絞ってないって言うのはさすがに変じゃないか？
まぁ？ティアードスリーブとかの服だと言われたらなんとも言えないんだが。

そしてそんな服を着ているにもかかわらず足元は裸足。

…この際だはっきり言おう。彼女は服を切り取られていてそこそこ小奇麗な状態からそんな姿にされた…苛められた人の姿の様な感じがする。

何にしても一応助けられたのは間違いないからお礼を言おうと思うのだが…まぁ最悪ジェスチャーかボディーランゲージで何とかするとして、それでもダメなら絵でも書いて乗り切るしかないだろうな。
「あー…その…一応助けてくれたみたいなのでお礼を言いたいのだが…俺、今現在ここがどこだか分からなくてな。その…」
まぁ分かっていたのだが少女は俺の方を見ながら首を傾げている。
たぶんまったく言葉は理解できていない。

とりあえず日本のボディーランゲージ感謝モードの第一弾として頭を下げてみた。
少女は首をかしげたままだったのでたぶん通じてない。
次に行ってみよう。

とりあえずアメリカモードで笑顔を浮かべてしっかりと視線を合わせ（片ヒザ着いて視線の高さを合わせた）少女に向かって両手を差し出し握手を求めてみた。

おっ？少女が何か…はにかんだ様な照れた様な顔をした気がする。
そして少女は俺の手を何度も見ながら両手を自分の背中側に隠してチラチラと俺の顔を見てる。
…どうも感謝とはちょっと違うイメージに取られている感じか？

とりあえず残る感謝のボディーランゲージはイタリアンなちょい過激な奴しかないんだが…
ハグと頬にキス…どっちかが感謝の意味を持つ行動だと認識されたら良いのだが…
もしかしたら東南アジアモードの五体投地でもすれば伝わるかなぁ…

そんな事を考えていたら少女が顔を少し赤くしながら俺の出しっぱなしだった両手をそっと両手で握ってくれた。
…これ…もしかしたらだけど…失敗したんじゃないか？
少女の目の瞳孔がまん丸になって俺を見てる。
そしてなんとなく距離感が変わりつつある様な…？

とりあえずこんな状況だが自己紹介ぐらいしておこうか。
名前はもう出ていたかな？佐藤さとう清きよし、31歳、身長は176.5cm±1cm程度（朝夕）で体重は65kg程度をうろうろ。
足は26.5cmで、まぁ年齢的に平均値辺りを維持してるんじゃないだろうか？
ちなみに彼女は大学に行っていた頃には1人だけ居たけど…仕事に付いた頃から一気に疎遠になってそのままフェードアウトしたので結婚はした事が無い。
それと趣味は車の修理（自己流）とバイクのパーツ交換と寝る前にその時やっている深夜アニメを寝落ちするまで見る事ぐらいか？
2年前に課長になって残業手当が付かない状態になり給料が少し下がったおかげで一時期仕事をに対する情熱が減っていたのだが、『そう言えば俺の給料って使う時間が無いから今の状態でも問題無いのか？』という普通の人の認識であればあまり人の人生として見るに良くない状況だが、そんな環境だと言う事に気付いてからは特に気にならなくなった程度には仕事人間だったりする。

そして彼女と別れて…24歳になる年に仕事に就いてからは女っ気がまったく無い状態であったので、俺にゆっくりと頬を薔薇色に染めながら近づいて来る少女の本意に気付くのが少しだけ遅れてしまったのはしょうがないのでは無いだろうか？

猫の目を持つ少女は俺の手を両手で片方づつ持ち俺の正面に立った。
少女は自分の薄い胸に俺の手の平を当てるように押し付けた後手を離し俺の顔を両手で持って…

「ちょっと待て！！」

今この少女は俺とキスしようとしたのか？
自分のほとんど起伏の無い胸を揉ませながら？

今触った胸の感触から少女の年齢は日本人準拠であれば13～15歳ほどであり、欧米準拠であれば10～12歳程度だと思われる。
んっ？情報だけはwebの海の中にはいくらでもあったぞ？
と言う訳で、少女は現代日本で言う所の中学生レベルと言える程度の育成状況な訳でそれとマウストゥ～マウスでキスするとか企業人間の自分的にはコンプライアンス的にもNGだから、離したく無いとわがままを言い続けている両手を血の涙を流しつつ淡い膨らみから離し少女の肩を持って止めた。

「少し待ってくれ。俺の国では俺ぐらいの年の男が中学生相当と思われる少女と粘膜接触などという嬉ハズカシ行為をすれば妬み僻みテンコ盛り状態で社会的に抹殺され…えぇぇぇえぇ？！」
少女は俺の制止を無視して今度は俺の彼女を止めている両手を外し抱きついてきて首にキスしてきた。
そして…ショートした俺の頭の中では、『そうか、胸を揉んだまま押し返せば良かったのか…』といった思考が流れていた。

そしてそのまま喉を鳴らしている大満足猫みたいな表情で俺を押し倒して上に乗り胸元に頬をスリスリしている。

…なんとなくすごく嬉しそうな感情が見えてる気がしてちょっとだけ彼女を無理矢理引き離せなくなっていた俺だが、実はほんの1ｍほどの距離の所に少女の制止で『待て』状態であった犬が居た事にその犬と目が合ってやっと思い出せた。

その犬、何を思ったのか…たぶん何も考えてないのかだろうが、俺と目が合った瞬間にもう一度最初の時に見せたジャンプ力を発揮して俺と少女の上を飛び越え頭の側から俺の顔を再度べっちょべちょになるまで舐めまわしてくれた。
少女が俺の両腕を体と一緒に抱きしめて押し倒していたので双方共に抵抗できない状態であった。

…本当なら少女のハグを腕力にモノを言わせて引き離せば頭までベチョベチョな状態にならずに済んだのだが、少女が涙を流していたのを見たらどうにもそれができなくなってしまい2人？２匹？まぁどっちでも良いが、両方が満足するまで好き放題蹂躙されるに任せる事になった。

30分ほど少女に抱きつかれて乗られながら、犬に顔を嘗め回されつつ待機していたらなんとか落ち着いてきた1人と１匹に声をかけてみた。
「なぁそろそろ砂が湿気てきてるしどこか話ができそうな所に移動しないか？」
もちろん言葉はまったく伝わらないであろう事は理解していたのだが一応相手の目を見ながら何か声を出せば、その相手には『何か伝えたい事がある』と言う意思が伝わる。

涙の跡がある小さく可愛いい笑顔を見せる少女が俺の体の上から少し恥ずかしそうにしながら退いて、味がしなくなったから舐めるのをやめたのかどうかまではさすがに分からないが一応俺の顔を自分の前足の間に収めて気が向けばその瞬間にまた舐められる状態を維持していた犬も最後に眉間からアゴまで一舐めして立ち上がり少女の方に回り込んでその傍に座ってこっちを見た。

ふむ…犬に関しては中型犬サイズだと顔だけの大きさを元に認識していたが、どうもまんまグレイハウンドサイズだったらしい。っていうかボルゾイなどの顔が小さな犬種に近いDNAを持っている感じだな。
そしてさっきも見たとおりに４本の足がうろこ状の光るツブツブで覆われていて爪は俺の人差し指サイズが３本ともう少し小さめの爪が１本見える。
そして体は短毛が生えていてやっぱり見た目は犬。
…なんとなく爬虫類とのハイブリットな感じがするけど。

とりあえずもう一度砂を払いつつ立ち上がり少女を促しつつ腰を下ろすに良さそうな石がある場所まで移動して今度は砂浜に絵を描きつつ意志の疎通を図ってみた。

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