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一章

03 このすばらしい世界を楽しみ尽くそう♡3/4

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すごく気まずい…


俺は、関口せきぐちさんから届いた「食事の予約を入れたから6:30に現地集合でよろしくねっ♡」というメールの内容に従って、指定されたお店を探しだし近くまで来た。
とりあえず予約時間になるまでの10分程度の余剰時間を潰す為に近くにあったコンビニに入ろうとして…中に居る人に気付いてしまったんだ。


その人はインテリ女さん。
読んでる雑誌は、『裏Moro♡ジャポーン♪』


確か男バージョンのそんな雑誌を前に何回か買って見た事が有った…
内容は女を落とす方法とか、風俗情報が満載でオナニーグッズ情報なんかも盛りだくさんな雑誌だった。

とりあえず今俺はコンビニの外からそれを食い入るようにして見てたインテリ女さんと目が合ってしまった。
これって俺がそのレベルの雑誌を読んでた場合相手の女は確実に眉間に皺を寄せて俺の10m以内に近寄ってこなくなるレベルのバイオハザード状態なんだが…

あ、イヤ、違うぞ?そんな事があったって訳ではなくて、そんな話がまことしやかに囁かれていたって話で…

ハァ・・・

と言う訳で、今インテリ女さんと一緒に『雑誌には一切気付いて無いですよ?』的な表情と行動を取り、予約をした店まで一緒に来たんだが…

インテリ女さんがすごかった。

今日午後休取ったのってもしかしたら自分磨きですか?ってレベルで全身がキラキラに光ってる。
顔とか仕事場で見た人とは思えないぐらい綺麗になってるし、服も夏場なのを加味してもいささか露出過多って状態のモノを着ておられる。

横乳が半分ぐらい出てますよ?
しかも真ん中の谷間もくっきりとへその辺りまで網目にまぎれて見えてますけど…?

下半身はブラウンのスパッツに超ミニを合わせていて足の長さがハンパ無かった。
ヒールがあるのを差し引いて考えても…俺より確実に足が長い。
靴のヒール分を加えたら身長が俺と近い感じになってるのだが、ミニスカートの下の部分が俺の股より高い位置にあるのって変じゃないか?

女の体って股間を引っ張ったら裂け目が上がるのか?
男の場合は引っ張ったら袋が危険な状態になるんだが?

それと、仕事場周辺では気付かなかったのだが、繁華街まで来てみると、そこらじゅうの女性が普通に見せブラ見せパンティー(つわものはTバック&Yフロント)などでそこらじゅうを歩いてた。
10代の少女がシースルーのチューブトップに見せブラなんかでいい笑顔をこっちに向けて来た時には思わず釣られそうになった。


そして今俺とインテリ女さんは小部屋におしゃれなテーブルがレイアウトされてる場所でお見合いよろしく何も話せずに固まってる。

今俺の頭の中には、「ご趣味は?」とか、「出身学校は?」みたいな質問が躍ってるが、そんな雰囲気。
彼女の、あまりにも仕事中の姿と今の姿が違いすぎて、勢いが付き過ぎて突っ走って引かれてる男レベルの痛さをちょっとだけ感じて話せなくなってたんだけど…

10分位そんな感じで固まってたのだが、関口さんが来てくれてから何とか会話が成立するようになった。


「ごめんなさいね。少しだけ翻訳の確認が来ちゃって対応してたら遅れちゃった」
「大丈夫ですよ。まだ時間前ですから気にしないでください。それに外で飯田いいださんに偶然出会ったから少し早かったんですけど先に入ってただけなんで」
「あらそうだったんですか?…まさか飯田さん抜け駆けとかしてません?そうだとしたら私も少しだけ頑張っちゃいますよ?フフッ♡」

おぉう♪なんだなんだ?パラダイスが一瞬見えた感じがしたぞ♡

とりあえず何が起きてるかまったく判ってないのだが、二人の系統がまったく違うイイ女が自分を取り合ってるかの様な顔で火花を散らす勢いでにらみ合ってたりする。


もしこの世界に自分を送り込んでくれた奴に会ったら一言言いたい。
ありがとう♡このままずっとこの世界にいさせてネッ♡


その後予約時間になり、お酒と一緒にコースの料理が出てきた。
仕事柄テーブルマナーなどは研修で一通り受けて知ってるが、女性をエスコートする状況下でのお店での振る舞いと言う話になれば、さすがに今までの知識では対応出来ない事が多かった。

ただ、お酒のチョイスとか、仕上げを目の前でやってくれるタイプの料理の選択肢に関してはインテリ女さん(飯田さん)がとってもスマートに対応してくれて、とても楽しい食事になった。

やっぱりこのインテリ女さんの元の男だった奴ってかなりこういう状況に慣れてるな。
食事が運ばれてきて自分のテリトリーに戻ったと感じたのか急に饒舌になり、身振り手振りのジェスチャーもかなりのオーバーアクションになった。
それでも食事の説明とかワインの銘柄の説明なども面白おかしく出来てたりする。
こういうトリビア系の知識がある人ってやっぱり魅力的に感じるんだな。

俺の中の『元は男だから好きになっては駄目』って感覚があっという間に消えていった。

そして3人でおいしい酒と食事を摂ってる間に一度トイレに行ったのだが、戻ってきたらさっきまでの和気藹々とした雰囲気が変わっていた。

飯田さんが大失敗でもした様な顔で下を向いて右手の握りこぶしを凝視してた。
「えっと…二人ともどうしたの?」
関口さんは俺が入った瞬間バンザイした状態だったのでその手をサッと下ろし、そのまますごくいい笑顔になったんだが?

「いいえっ♡この後の話を少ししてたんですけど飯田さん家庭の事情でそろそろ戻らないといけないらしいんですって♡だからそろそろ戻りませんか?」
「あっ!まだ…くっ…そろそろ戻らないとまずいんだったな…横手よこてさん…今日はとても楽しかった。またこんな食事会でもしたいと思ってる」
そう言って歯が折れそうなぐらい力が入った悔しそうな顔で関口さんを一回睨んで颯爽と部屋から出て行った。

「何か不幸でもあったんですか?」

席に着きながらとりあえずとってもいい笑顔で俺を見てる関口さんに聞いてみると、「ん~なんかすぐに戻って来いってさっき電話が入ってましたよ?それよりこれからどうします?どうせ戻るのは同じアパートですし…ゆっくりとどこかで遊んで帰りませんか?」なんて提案された。
関口さんは今日仕事で着てた服のまま来てるし、俺も同じ様に仕事の延長で来てる感じだったので、このまま遊びに行ってもなんとなく接待の雰囲気があるかもって気がしてたんだけど、関口さんのチョイスした場所はゲームセンターだった。

「カラオケとか連れて行かれるかと思ってましたけど、関口さんってこんな場所に良く来るんですか?」
今俺達はコインを買って大型のコインを落とすゲームの席に座ってる。
ここはゲーム機の音が結構大きくて、関口さん俺の言葉が聞き取れなかったのか、顔をぐっと近づけてきた。

「えっ?何て??」

すごくビビッた。顔が5cm位の所まで近づいた。


すげー…まつげ長げ~…
すげー…目でけぇ…


えっ!?今キスされた…?


ほっぺたに関口さんの口が当たった??

呆然とした顔で見てたと思う…

「ふふっ♡ちょっとだけ勝者へのご褒美をもらっちゃった♡」
そのまま肩が当たる距離に座って俺と関口さんは一緒にコインを入れて落とすゲームを楽しんだ。
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