12 / 64
そうですか
しおりを挟むはああああああああああ???
「くぼぁ!?セン!何をする!?」
「いや、だって、はあああ?、いやいや、はああああああ?」
はああああああああああああぁぁぁああ??
えっ、だってそれ、はああああああああああああああああああぁぁぁあ???
王子もといクソ男がなんか言ってるけど、そっと丁寧にクロを横に降ろしてから、襟首を掴んで殴る。
ガッスガス殴る。
「ぐへっ、ちょ、痛い!セン!やめ!へぶっ!」
周りの人達の目も冷め切り、もはや絶対零度のブリザードである。仕方ないね。
自分が望んでて忘れてるとか最低すぎひん?、そんなん出来ひんやん普通、ゆっといてや出来るんやったら。
いや別に言わなくて良いけど。
あ、でもやっぱり言っといて欲しいか。
だってこんな無能だと分かってたら第二王子か第三王女に乗り換えられたもん。
完全に今まで王子に費やした時間無駄にしたよ。
「王子殿下、いくらなんでもそれは、無いと思います」
「さすがにちょっと、うん、最低かな」
「ちょっとびっくりしたけど、うん、やっぱり最低だね」
眼鏡と双子もさすがに反論出来なかったらしい。仕方ないね。ドン引きだよね。
「......で、でも、それだけ私の事を好きになってくれたって事なんですよね」
エトワール嬢が頑張ってフォローに回ったけど、顔が引きつってるのは仕方ないかもしれない。
「ぐふっ、貴様ら!ぶほっ、いい加減に、がふっ、やめさせ、おぶっ」
あ、やべ、余りの腹立たしさに殴り続けてたわ。やっべー、まじやっべー、俺死んだかな?
しっかし美麗な顔面が腫れて台無しだね、プスー。
「リクドウインの倅、そろそろ」
「はっ、申し訳ございません」
王様に止められたので、しぶしぶ手を離す。
すると、どべしゃ、と音が聞こえたので王子が床に落ちたんだと思う。
俺は礼儀正しく王様の足元に跪いてるので見えなくて当たり前である。
「...よい、殴られる程に酷い仕打ちをしたのだ、少しは頭が冷えただろう」
「......手を出した私が全面的に悪いのです、この罪は如何様にして頂いて構いません」
「不問とする、余も殴りたいと思った所だ」
王族を殴るという暴挙を仕出かしたにも関わらずに、王様はめっちゃ心の広い事を言ってくれた。
本当なら投獄されて処刑されても仕方ない位にはヤバい事なのに、と考えた所で、ふと気付く。
なるほど、俺の行動を咎めると王家に対する不信感が沸くからか、と。
結局の所、公爵令嬢が前世返りした事で今回の件は冤罪の可能性しか見えなくなった。
貴族の代表とも呼べる令嬢がここまでコケにされて、キレない貴族は居ないだろう。
王家は貴族を大事にしません、って言ってるのと同義だもんな。
まあ、今回俺が動く事で俺の実家はちょっと面倒な事になったかもしれないけど、仕方ないじゃん殴りたかったんだもん。
それに俺が殴らなかったらこのままだときっと反乱起きてただろうしな。
王家としてはもうここで王子を切り捨てて、俺と公爵令嬢の味方になった方が安全だと判断したのかもしれない。
仕方ないね。
0
お気に入りに追加
272
あなたにおすすめの小説
マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜
かむら
ファンタジー
身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。
そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。
これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。
あなたへの手紙(アルファポリス版)
三矢由巳
歴史・時代
ある男性に送られた老女からの手紙に記されていたのは幕末から令和にかけての二つの家族の物語。
西南の役後、故郷を離れた村川新右衛門、その息子盛之、そして盛之の命の恩人貞吉、その子孫達の運命は…。
なお、本作品に登場する人物はすべて架空の人物です。
歴史上の戦災や震災関連の描写がありますのでご容赦ください。
「小説家になろう」に掲載しているものの増補改訂版です。
召喚勇者は怪人でした
丸八
ファンタジー
廣野雄介は高校一年のある日、誘拐され怪しげな心霊手術を受け、古代遺跡から発掘された金属塊を体内に埋め込まれ秘密結社の尖兵へと改造された。
しかし、その場から謎の光と共に消失するのであった。
再び廣野雄介が現れたのは日本と違う世界だった。
監察官と名乗る存在に、勇者として魔王を倒すようにと異世界へと転送されたのだった。
君、終の夜に会いたること
いくま
BL
■あらすじ
平安の頃。
出家僧 源環は飢えで死にかけている。おそらくは今晩が最後の夜だろう。
環の友、藤原時沙が草庵を訪れて思い出を語り始める。手元にはニリンソウの花。
環が時沙を裏切った理由は何なのか?
最後の夜に二人は分かり合えるのか?
■登場人物
源環(俗名みなもとのたまき、僧名げんかん)
主人公。世捨て人の僧侶
『宇部の乱』に加担した罪で出家
都の外れ、本寺に近い山に籠もり
飢えで死にかけている
藤原時沙(ふじわらのときすな)
源環の友
『宇部の乱』鎮圧の功労者
藤原祥家一族の筆頭
源環を出家へ追い込んだ張本人
高津名女房(たかつなのにょうぼ)
時沙にツレない性悪にして才女
後に時沙の正妻となる
宇部兼依(そらべのかねより)
古代の氏族、宇部一族の筆頭
藤原家に不満を持つ氏族と組み、
『宇部の乱』を起こすも
藤原時沙に討たれ滅びる
■花言葉
二輪草(ニリンソウ)
「友情」「協力」「ずっと離れない」
妹を盲信溺愛する婚約者には愛想が尽きた
章槻雅希
恋愛
今日も今日とてリンセは婚約者にデートをすっぽかされた。別に珍しいことではない。彼は妹を溺愛して、何事にも病弱で可憐な妹を最優先にするのだ。
格上の侯爵家との婚約をこちらから破棄するのは難しい。だが、このまま婚約を続けるのも将来結婚するのも無理だ。婚約者にとってだけは『病弱で可憐な、天使のような妹』と暮らすのは絶対に無理だ。
だから、リンセは最終兵器侯爵家長女に助けを求めたのだった。
流行りっぽい悲劇のヒロインぶりたい妹とそれを溺愛する兄婚約者ネタを書いてみました。そしたら、そこに最強の姉降臨。
『アルファポリス』『小説家になろう』『Pixiv』に重複投稿。
異世界転生モノの主人公に転生したけどせっかくだからBルートを選んでみる。第2部
kaonohito
ファンタジー
俺、マイケル・アルヴィン・バックエショフは、転生者である。
日本でデジタル土方をしていたが、気がついたら、異世界の、田舎貴族の末っ子に転生する──と言う内容の異世界転生創作『転生したら辺境貴族の末っ子でした』の主人公になっていた! 何を言ってるのかわからねーと思うが……
前世での社畜人生に嫌気が差し、現世ではのんびりマイペースに過ごそうかと考えていた俺だったが、信頼できる仲間や、気になる異性ができたことで、原作とはまた違った成り上がりストーリーを描くことになってしまったのだった。
──※─※─※──
本作は「異世界転生モノの主人公に転生したけどせっかくだからBルートを選んでみる。」の第2部にあたります。まずはそちらからお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/177250435/358378391
──※─※─※──
本作は、『ノベルアップ+』『小説家になろう』でも掲載しています。
【フリー台本】一人向け(ヤンデレもあるよ)
しゃどやま
恋愛
一人で読み上げることを想定した台本集です。五分以下のものが大半になっております。シチュエーションボイス/シチュボとして、声劇や朗読にお使いください。
別名義しゃってんで投稿していた声劇アプリ(ボイコネ!)が終了したので、お気に入りの台本や未発表台本を投稿させていただきます。どこかに「作・しゃどやま」と記載の上、個人・商用、収益化、ご自由にお使いください。朗読、声劇、動画などにご利用して頂いた場合は感想などからURLを教えていただければ嬉しいのでこっそり見に行きます。※転載(本文をコピーして貼ること)はご遠慮ください。
魔力ゼロの天才、魔法学園に通う下級貴族に転生し無双する
黄舞
ファンタジー
魔法に誰よりも強い憧れを持ち、人生の全てを魔法のために費やした男がいた。
しかし彼は魔法の源である魔力を持たず、ついに魔法を使うことができずに死んだ。
強い未練を残した彼は魂のまま世界を彷徨い、やがていじめにより自死を選んだ貴族の少年フィリオの身体を得る。
魔法を使えるようになったことを喜ぶ男はフィリオとして振舞いながら、自ら構築した魔法理論の探究に精を出していた。
生前のフィリオをいじめていた貴族たちや、自ら首を突っ込んでいく厄介ごとをものともせず。
☆
お気に入り登録していただけると、更新の通知があり便利です。
作者のモチベーションにもつながりますので、アカウントお持ちの方はお気軽にお気に入り登録していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
タイトル変えました。
元のタイトル
「魔法理論を極めし無能者〜魔力ゼロだが死んでも魔法の研究を続けた俺が、貴族が通う魔導学園の劣等生に転生したので、今度こそ魔法を極めます」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる