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迷宮13-1)盗っていっちゃだめですよ?

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 変な気配を感じてから、わたしはしばらくの間迷宮を閉じていた。
 出口と入り口を、レンガを移動させて入れないようにして。

 だってほら、ルーくんはもちろんだけど、他の冒険者にも何かあったら嫌でしょう?
 わたしだけだったら気のせいで済ましちゃったけど、迷宮のみんなも感じた事だからね。


 もし、何か良くない存在が近づいてきても、出口と入り口を塞いじゃえば、上からしか来れないと思うの。
 わたしの迷宮は屋外だから、屋根はついていないし。
 つけようと思えば、迷宮パワーかレンガの移動でつけれるんだけれどね。

 敵の姿が見えない間は、まだそこまでしなくても大丈夫かなって。
 空からだったら小鳥さん達と同じように迷宮に自由に入ってこれるけれど、それって限られた進入経路だよね?
 人間や、飛べない魔獣系なら、まず迷宮にはいって来られない。
 魔族は、会った事がないから分からないけれど。


 迷宮を閉じている間にルーくんが一回来てくれた。
 でも、『ひと休み中なのですよ』って言ってごまかしました。

 どのくらいお休みなのか聞かれたけれど、その辺も曖昧に『ちょっとの間ですよ。改装中なのです』って事にした。

 ちなみに、嘘じゃないですよ?
 一番の目的は、ルーくん達を迷宮に近づけさせない事だけど、この機会に迷宮パワーでちょこちょこっと迷宮を弄ってたりもするの。

 いま迷宮の入り口には、一見カエルの置物に見えるケロケロさんが鎮座ましましている。
 新しい迷宮の仲間なの。
 迷宮の防衛をイメージして迷宮パワーを注いだら、ケロケロさんがぽんっと生まれたのです。


 ゴーレムさんは本当に頼りになる守り主なんだけれど、手加減が大変でしょう?
 ソードさんももちろん戦ってくれると思うんだけど、むしろ率先して戦いたがると思うんだけどね。
 みんなの安全第一で行きたいですし。

 
 なので、危険な相手は、最初から迷宮に入れなくて済むように考えたのですよ。
 ケロケロさんがほんのり不気味な容貌になってしまったのは、この世界に生まれ変わる前に思っていた雑貨屋さんの影響かな?
 雑貨屋さんで見かけた、ちょっと不気味な蛙の置物っぽく。
 不気味なのにどこか憎めない雰囲気なのも、そっくり。

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