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2巡目
第7話 まさかの展開?!
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どうなっているの…死んだって言うのは確実だけどなんでまたここに?もしかして、私がアリアお嬢様と王子の恋路を成功させなかったから?その可能性が1番高いわね。あの神様がまたここに戻したのね。いや、でもあの人…じゃなかった、あのお方に会ったかしら…
「コピアさん!」
「はい!」
「先ほどから顔色が優れないですわよ、どうかなさったの?」
「えっと…」
「はぁ、長旅で体調を崩すのも分からなくないですがしっかりなさって」
「すみません」
「コピア…?」
「アリアお嬢様?!」
「な、なんで私の名前を?」
「……お父様が新しい人が来るって言ってたから!そうだ、私が案内してあげるわね!」
「あぁ、お待ちください!」
制止するメイド長の声も聞かずにアリア様がお屋敷を駆けていく。しかし、この年の少女が新しい人に挨拶しに来るとは……シャルグノール家の教育は行き届いているなぁ。
「ここがお客さん用のお部屋!こっちとあっちと……多分この辺りは全部お客さん用だよ!」
「凄いですね、お屋敷の案内が出来るなんて」
「へ、変じゃないでしょ?自分のおうちなのよ!」
「そうでしょうか?」
「ほ、ほら!コピア、こっちこっち!」
「あ、危ないですよ!」
「え?」
私はとっさに彼女を抱えるように飛びついた。後ろを見ながら階段を降りようとしたからか段差を踏み外してしまったのだ。鈍い打撃音を背中に感じながら踊り場まで転げ落ちていく。
「お……お嬢様、大丈夫でしょうか」
「コピア!しっかりして!コピア!」
透き通るような蒼い目に涙が溜まって零れ落ちていく。あぁ…本当にこんなかわいい生物がいるのだろうか?いや、ここにいるじゃない!目の前にいるじゃない!とかいう馬鹿馬鹿しい自問自答をするくらいには大丈夫ですよ。しかし、その一言も口に出来ない。鈍い痛みが共鳴する中、私の意識はどんどんと……遠く…なっていった。
目が覚めるといつも掃除していた客間のベッドにいた。こんなにふかふかなのか。掃除していたから分かるけど寝るとこんなにも心地よいのね。
「コピア?目が覚めたの?!」
「は、はい…あの後どうなったのでしょうか?」
「私を探していたメイド長さんに見つかって貴方をみてもらってたの」
「なるほど、すみません…ご迷惑を」
「いいの!それでコピア…あのね、お父様が私を助けてくれたあなたを使用人じゃなくて客人として迎え入れたいって言ってるの」
「はい?」
「おや、目が覚めたようだね」
「パパ!」
「ご主人様、コピアお嬢様のおっしゃっていることは」
「本当だとも、案ずることはない…これを君の家族に渡しておいた」
「…!こんな金額受け取れません!」
「よい、給料の前借として送っただけだ」
「ありがとうございます、これはいずれ必ず返します」
「それは君の好きにしていい、それとこの部屋は好きに使ってくれたまえ…娘を助けてくれて本当にありがとう」
旦那様が田舎者でみすぼらしい私に頭を下げて、部屋から出て行った。どのような者に対しても礼儀を欠かないあの姿勢があるからこそ開拓地でも慕われたのか。私はそう納得した。
「コピアさん!」
「はい!」
「先ほどから顔色が優れないですわよ、どうかなさったの?」
「えっと…」
「はぁ、長旅で体調を崩すのも分からなくないですがしっかりなさって」
「すみません」
「コピア…?」
「アリアお嬢様?!」
「な、なんで私の名前を?」
「……お父様が新しい人が来るって言ってたから!そうだ、私が案内してあげるわね!」
「あぁ、お待ちください!」
制止するメイド長の声も聞かずにアリア様がお屋敷を駆けていく。しかし、この年の少女が新しい人に挨拶しに来るとは……シャルグノール家の教育は行き届いているなぁ。
「ここがお客さん用のお部屋!こっちとあっちと……多分この辺りは全部お客さん用だよ!」
「凄いですね、お屋敷の案内が出来るなんて」
「へ、変じゃないでしょ?自分のおうちなのよ!」
「そうでしょうか?」
「ほ、ほら!コピア、こっちこっち!」
「あ、危ないですよ!」
「え?」
私はとっさに彼女を抱えるように飛びついた。後ろを見ながら階段を降りようとしたからか段差を踏み外してしまったのだ。鈍い打撃音を背中に感じながら踊り場まで転げ落ちていく。
「お……お嬢様、大丈夫でしょうか」
「コピア!しっかりして!コピア!」
透き通るような蒼い目に涙が溜まって零れ落ちていく。あぁ…本当にこんなかわいい生物がいるのだろうか?いや、ここにいるじゃない!目の前にいるじゃない!とかいう馬鹿馬鹿しい自問自答をするくらいには大丈夫ですよ。しかし、その一言も口に出来ない。鈍い痛みが共鳴する中、私の意識はどんどんと……遠く…なっていった。
目が覚めるといつも掃除していた客間のベッドにいた。こんなにふかふかなのか。掃除していたから分かるけど寝るとこんなにも心地よいのね。
「コピア?目が覚めたの?!」
「は、はい…あの後どうなったのでしょうか?」
「私を探していたメイド長さんに見つかって貴方をみてもらってたの」
「なるほど、すみません…ご迷惑を」
「いいの!それでコピア…あのね、お父様が私を助けてくれたあなたを使用人じゃなくて客人として迎え入れたいって言ってるの」
「はい?」
「おや、目が覚めたようだね」
「パパ!」
「ご主人様、コピアお嬢様のおっしゃっていることは」
「本当だとも、案ずることはない…これを君の家族に渡しておいた」
「…!こんな金額受け取れません!」
「よい、給料の前借として送っただけだ」
「ありがとうございます、これはいずれ必ず返します」
「それは君の好きにしていい、それとこの部屋は好きに使ってくれたまえ…娘を助けてくれて本当にありがとう」
旦那様が田舎者でみすぼらしい私に頭を下げて、部屋から出て行った。どのような者に対しても礼儀を欠かないあの姿勢があるからこそ開拓地でも慕われたのか。私はそう納得した。
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