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第5章 貴方の目で見る世界
5-4 采配ミス
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軍の施設も訪れてみたが、ロベルト=アストレイから得た以上の情報は手に入らなかった。
詳細を把握しているであろう指揮官クラスが、運悪く出払っているという。
首を突っ込むなということかと、リアナーレは諦め始める。ライアスにだけは頼りたくないのだ。
「隊長が介入したところで、どうこうなるわけでもないっすしね」
「それでも気になる。職業病かも」
戦うことだけが軍人の仕事ではない。特に指揮官に求められるのは、戦略と統率だ。
戦場では個人の強さと影響力など、たかが知れている。逆に、例え自国の十倍の軍隊と戦うことになろとも、戦術と団結力次第では勝利を収めることだってできる。
自慢ではないが、リアナーレは戦術立案も得意だ。数々の功績を上げられたのも、奇襲や地形を利用して上手く戦ったからである。
令嬢としての教養やマナーの勉強はからきしできなかった一方で、昔から武術と戦に関する知識だけは異様に飲み込みが早かった。
リアナーレの非凡の才に、アストレイ家の当主としては喜ばしいが、親としては素直に喜べないと亡き父はよく嘆いていたものだ。
部屋に戻ると、残って昼食の片付けをしていたはずのルーラが紙切れを持って立ち竦んでいた。
リアナーレ達が戻るまでたっぷり時間はあったはずなのに、食器はほとんどそのままテーブルの上に残っている。
「リアナ様、先ほどライアス様の側近の方がいらっしゃって、これをお渡しするようにと」
ライアス、という言葉を聞いてエルドの顔が引きつる。
「ルーラちゃん、大丈夫だった? 脅されたりしてないよね?」
「は、はい。命令には従うよう、伝えてくれと言われただけです」
リアナーレは差し出された紙を受け取った。昔ながらの高級な羊皮紙を開くと、そこには美しい字が流れるように並んでいる。
呼び出しを意味する内容と、文末にはライアス=シャレイアンの署名。会いたくない人物から、会いに来いとの命令だった。
◇◆◇
「やぁ」
「夫のいない隙を狙って呼び出すなんて、呆れた人」
「嫌だな、偶然だよ」
ライアスはいつも通り、柔和な笑みを浮かべていた。
彼の執務室はリアナーレの暮らす棟とは反対側に位置しており、普段はそちらの棟に足を踏み入れる機会すらない。
「それで、今日は何のお話ですか?」
「そんなにピリピリしなくても。護衛くんも楽にしてよ」
王子の傍には長髪長身の側近が一人、控えている。見たことがない顔なので、ライアス個人が抱えている護衛兼、職務補佐といったところだろう。
呼び出した理由だけど――
ライアスは机の上で組んでいた手を解く。リアナーレは身構え、エルドも剣の柄に手をかけた。
「セヴィーが戦に出た理由を知りたいんじゃないかと思ってね」
「大方、貴方が命じたのでしょ?」
「そう。その通り。敵数は大したことなさそうだったし、裏があって多少複雑なことになったとしても、弟の力量を見るには丁度良いかと思ってね」
もっともらしいが、大して中身のない理由だ。これは建前で、セヴィリオを前線に立たせたかった理由は他にあるに違いない。
「回りくどい説明は嫌いです」
「ごめんごめん。本題なんだけど、これを見てくれるかい?」
王子が合図をすると、無愛想な側近が机の上に地図を広げる。ライアスはシャレイアン王都からの進軍経路を指でなぞった。
「今、軍全体のおよそ六割の力を、この地点に向けて進めている」
「概要については、既にアストレイ公爵から話を聞いています」
「それなら話は早い。じゃあ、地図を見て気になる点は? 今回、オルセラは本当に関与していないと思う?」
およその場所は把握できていたが、正確な地点を地図で確認するのは初めてだった。
リアナーレは王子が指差す場所の周辺を、注意深く確認する。迎え撃つ地点としては悪くないが、ここを選ぶと相手も想定できる地形だ。
そして、オルセラの動きを気にするのであれば、選ぶべきではない場所である。
「何故、この地点での迎撃を選んだのですか」
「暖冬といっても寒さが厳しいから。近くに補給地点となる村があり、且つ、西方に対して見晴らしの良い高地。これはボクでなく、弟の決めたことだ」
セヴィリオが決めた? リアナーレはライアスの言葉を信じなかった。
戦場に出た経験は多くない彼でも、そこまで馬鹿ではない。座学全般なら、リアナーレは到底敵わないし、これまでの采配を見ていても、彼は論理的で慎重な判断をする男である。
「近くに川があります…。シャレイアンの北西から、途中で分岐してオルセラに流れる川」
この地域の川の水量は、夏に比べて冬にぐっと減る。悪路ではあるものの、川を伝ってオルセラから兵を進軍させる可能性はある。
リアナーレの指摘に、ライアスは満足そうに頷いた。
「やっぱり、そうだよね。戦争に関しては本当に優秀だね、リアナ。ボクとしたことが、このことに先程まで気づかなかった」
わざとらしい。気づいていて、セヴィリオが気づかぬよう地図を差し替えるなどして、判断を曇らせたのだろう。今の状況を作るために。
「リアナ。いや、戦女神と呼べばいいかな? このことを伝えるため、内密に、弟のもとへ馬を走らせて欲しい」
リアナーレはライアスを睨みつける。
彼は虫をいたぶって遊ぶのが好きなのだろう。愉しそうに笑っていた。
詳細を把握しているであろう指揮官クラスが、運悪く出払っているという。
首を突っ込むなということかと、リアナーレは諦め始める。ライアスにだけは頼りたくないのだ。
「隊長が介入したところで、どうこうなるわけでもないっすしね」
「それでも気になる。職業病かも」
戦うことだけが軍人の仕事ではない。特に指揮官に求められるのは、戦略と統率だ。
戦場では個人の強さと影響力など、たかが知れている。逆に、例え自国の十倍の軍隊と戦うことになろとも、戦術と団結力次第では勝利を収めることだってできる。
自慢ではないが、リアナーレは戦術立案も得意だ。数々の功績を上げられたのも、奇襲や地形を利用して上手く戦ったからである。
令嬢としての教養やマナーの勉強はからきしできなかった一方で、昔から武術と戦に関する知識だけは異様に飲み込みが早かった。
リアナーレの非凡の才に、アストレイ家の当主としては喜ばしいが、親としては素直に喜べないと亡き父はよく嘆いていたものだ。
部屋に戻ると、残って昼食の片付けをしていたはずのルーラが紙切れを持って立ち竦んでいた。
リアナーレ達が戻るまでたっぷり時間はあったはずなのに、食器はほとんどそのままテーブルの上に残っている。
「リアナ様、先ほどライアス様の側近の方がいらっしゃって、これをお渡しするようにと」
ライアス、という言葉を聞いてエルドの顔が引きつる。
「ルーラちゃん、大丈夫だった? 脅されたりしてないよね?」
「は、はい。命令には従うよう、伝えてくれと言われただけです」
リアナーレは差し出された紙を受け取った。昔ながらの高級な羊皮紙を開くと、そこには美しい字が流れるように並んでいる。
呼び出しを意味する内容と、文末にはライアス=シャレイアンの署名。会いたくない人物から、会いに来いとの命令だった。
◇◆◇
「やぁ」
「夫のいない隙を狙って呼び出すなんて、呆れた人」
「嫌だな、偶然だよ」
ライアスはいつも通り、柔和な笑みを浮かべていた。
彼の執務室はリアナーレの暮らす棟とは反対側に位置しており、普段はそちらの棟に足を踏み入れる機会すらない。
「それで、今日は何のお話ですか?」
「そんなにピリピリしなくても。護衛くんも楽にしてよ」
王子の傍には長髪長身の側近が一人、控えている。見たことがない顔なので、ライアス個人が抱えている護衛兼、職務補佐といったところだろう。
呼び出した理由だけど――
ライアスは机の上で組んでいた手を解く。リアナーレは身構え、エルドも剣の柄に手をかけた。
「セヴィーが戦に出た理由を知りたいんじゃないかと思ってね」
「大方、貴方が命じたのでしょ?」
「そう。その通り。敵数は大したことなさそうだったし、裏があって多少複雑なことになったとしても、弟の力量を見るには丁度良いかと思ってね」
もっともらしいが、大して中身のない理由だ。これは建前で、セヴィリオを前線に立たせたかった理由は他にあるに違いない。
「回りくどい説明は嫌いです」
「ごめんごめん。本題なんだけど、これを見てくれるかい?」
王子が合図をすると、無愛想な側近が机の上に地図を広げる。ライアスはシャレイアン王都からの進軍経路を指でなぞった。
「今、軍全体のおよそ六割の力を、この地点に向けて進めている」
「概要については、既にアストレイ公爵から話を聞いています」
「それなら話は早い。じゃあ、地図を見て気になる点は? 今回、オルセラは本当に関与していないと思う?」
およその場所は把握できていたが、正確な地点を地図で確認するのは初めてだった。
リアナーレは王子が指差す場所の周辺を、注意深く確認する。迎え撃つ地点としては悪くないが、ここを選ぶと相手も想定できる地形だ。
そして、オルセラの動きを気にするのであれば、選ぶべきではない場所である。
「何故、この地点での迎撃を選んだのですか」
「暖冬といっても寒さが厳しいから。近くに補給地点となる村があり、且つ、西方に対して見晴らしの良い高地。これはボクでなく、弟の決めたことだ」
セヴィリオが決めた? リアナーレはライアスの言葉を信じなかった。
戦場に出た経験は多くない彼でも、そこまで馬鹿ではない。座学全般なら、リアナーレは到底敵わないし、これまでの采配を見ていても、彼は論理的で慎重な判断をする男である。
「近くに川があります…。シャレイアンの北西から、途中で分岐してオルセラに流れる川」
この地域の川の水量は、夏に比べて冬にぐっと減る。悪路ではあるものの、川を伝ってオルセラから兵を進軍させる可能性はある。
リアナーレの指摘に、ライアスは満足そうに頷いた。
「やっぱり、そうだよね。戦争に関しては本当に優秀だね、リアナ。ボクとしたことが、このことに先程まで気づかなかった」
わざとらしい。気づいていて、セヴィリオが気づかぬよう地図を差し替えるなどして、判断を曇らせたのだろう。今の状況を作るために。
「リアナ。いや、戦女神と呼べばいいかな? このことを伝えるため、内密に、弟のもとへ馬を走らせて欲しい」
リアナーレはライアスを睨みつける。
彼は虫をいたぶって遊ぶのが好きなのだろう。愉しそうに笑っていた。
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