♡ちょっとエッチなアンソロジー〜etc…編〜♡

♡味噌汁に片足を突っ込んで♡

「あのさ、牧野さん、夢って叶うのかな？」

　牧野ゆめが高校のトイレ掃除をしていたら、同じく掃除をしていた友達の田中美和子が聞いた。

　牧野ゆめは、トイレ掃除をしながら考え込んだ。彼女は平凡な女子高生だ。夢を追いかけている人たちを見るたび、自分も何かやらなくちゃと思うけれど、何をやればいいのかわからなかった。

「私はドレス作りが好きで、それが夢なんだけど、どうすればいいか分からないの。努力しても、結局叶わなかったらどうしようかなって思ってさ」

　と、美和子が話し始めた。

「でも…叶わないかもしれないからって、夢をあきらめるのはもったいないよ。やっぱり自分がやりたいことをやらないと、後悔するよ」

　と、ゆめは美和子にアドバイスした。

「そうかなあ。でも、苦労しても結局夢が叶わないことって、あるじゃん。そんな時…努力しても意味なんてないんじゃないかって思うの」

　と、美和子は不安そうに言った。
「じゃあ、そんな時こそ味噌汁に片足を突っ込んでみるといいよ」

　と、男子トイレから同じクラスの三好辰平が味噌汁片手に女子トイレに入って来た。

「えっ、味噌汁に片足を突っ込むって何？」

　と、美和子が不思議そうに聞いた。

「新しいことにチャレンジする時、完璧にできる保証はない。でも、やってみなければわからない。失敗してもまた挑戦すればいいんだよ。それが成長のチャンスになるんだよ」

　と、辰平は味噌汁を床に置きながら説明した。

　美和子は、辰平の言葉に納得した。自分がやりたいことをあきらめずに、まずはやってみること。失敗しても、次に繋げること。それが夢を追い続けるために必要なことなのかもしれない。

「わかった、やってみる！」

　と、美和子は靴を脱ぎ、ゆめの肩を借りながら靴下を脱いだ。そして味噌汁に片足を突っ込んだ。

「あつっ！」

「我慢我慢、何事も、我慢が大事」

　辰平はそう言って、美和子を鼓舞した。

「う～！」

「はい！オッケー！！」

　辰平がそう言うと同時に、美和子は味噌汁から片足を抜いた。足は赤く火照っていた。

「私、ドレス作りをやってみるよ！失敗しても、また挑戦すればいいんだよね！」

　と、美和子は辰平とゆめの顔を交互に見ながら笑顔で言った。

「うん、がんばってね。私も応援してるから」

　と、ゆめは言った。そして、私も何か見つけたいな、と思った。

「ふふ、その調子だ」

　と、辰平は味噌汁を啜りながら言った。