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81 ひまちゃんの思い出
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『さて、ここら辺でどうだい?』
『は、はい。私どもはそちらさえ宜しければどこでも⋯⋯』ちらちら
『『『はい!のんちゃんの近くでお守りできるのであればどこでも!』』』
パパに変わってママがエルフの族長さんたちを引越し候補地にご案内~♪お庭ひろ~いね♪お家いっぱい建てられそうだよ!
案内されてとっても元気な白騎士さんたちに比べて、族長さんはちょっとびくびく。その視線の先にはパパが。そのパパはというと⋯⋯
『⋯⋯』ぶっすー
いまだに超不機嫌。
『のんちゃんは誰にもやらん』ぶつぶつぶつぶつ
しかも呪文のように同じ言葉を繰り返し呟いてます。
「うに?」
パパ、お顔変だよ。なおれなおれ~ぺちぺちむにゅむにゅ
『の、のんちゃん?うぐっ』
「うにゅ~」
まだ変~なおれなおれ~。むにむにむにゅにゅ~
『ぶふっ』
〖あははっ、聖十郎の顔!のんちゃんもっとやっていいよ~〗
「あいっ」むぎゅむぎゅ~
『うぷっ』
のんちゃんを離さないパパ。抱っこしたのんちゃんに顔をむにむにされるがまま。
『まったく、いつまでぶすくれてんだい。これからお隣さんなるんだよ?のんのためにも仲良くしとくれよ』
『『『ですです』』』
『『『諦めも肝心なのです』』』
『『『ご主人、心が狭いなのです』』』
『『『ですです』』』
見かねたママと家妖精さんたちが色々言ってくれるけど
『うるさい。のんちゃんはだれにもやらん』ぶっすー
「うにゅー」
またぁ。なおれなおれ~むにむにむっにゅう~
『の、のんちゃん⋯⋯』
パパのお顔戻りません。
『あ、あはは⋯⋯』
族長さんが笑って誤魔化すしかないその後ろでは白騎士さんたちが何やらぼそぼそと⋯⋯
『聖十郎様、お変わりになったよな』
『いや、元からこういうお方だったのではないか?』
『今までおひとりだったから気づかなかっただけだったのかも』
『『『お労しい⋯⋯』』』
『おい⋯⋯聞こえてるぞ。おひとり様ってなんだ』ぶっすー
「うにゅう~」むぎゅぎゅ~
もう!なおんない~
『うぐっ』
のんちゃんの手がだんだん容赦なく⋯⋯
『でも、のんちゃんだからな』
『そうだな。可愛いのんちゃんのことだからな』
『心配されるのは無理もない。それなら』
『『『致し方ないな』』』うんうん
『ならば我らも』
『『『のんちゃんに悪い虫が付かぬように協力せねば』』』めらめら
あらら?こちらもなんだか様子が?
『おい。うちの息子たちを虫扱いするな』ムスッ
族長さん、さすがに聞き捨てならないと文句を言おうとするが
『いや!よく言ったお前たち!同士たちよ!』
『『『聖十郎様!』』』
ガシッ!
男同士の熱(苦し)い握手!に邪魔された。
「う?」こて
何してるのかな?でもパパのお顔はキリッと生き生き?
『まったく⋯⋯あんたも大変だねぇ』
『は、ははは、お手柔らかにお願いしたいところです』
『『『みんな見てるぴょん!』』』
『『『『うん。見てる』』』』
『花うさぎに妖精たちまでかい⋯⋯』
『心して越してきますね⋯⋯』
見張りはたくさん!
〖ほっほ。のんちゃんの周りは賑やかになるの〗
〖そうですね~〗
『いいことじゃない?さっきから男の子のことしか頭にないようだけど、女の子だっているんだから。きっと一番年下ののんちゃんは可愛がってもらえるわよ』
〖そうだね~面倒見よさそうな子達だし、きっと良いお姉ちゃんになってくれるだろうね~〗
『そうね。のんちゃんの傍から離れなくなるかも』
〖それは頼もしいの~〗
ぱぁぱとグランパ、それにローズまぁまはのほほんとしている。ぱぁぱとまぁまは実際に会ってるしね。いい子たちなのを知っているから安心してます。
『うぐぐ。味方が少なすぎる!』
『『『がんばりましょう!』』』
ぐっ
「う?」こてん
天に拳を突き上げる四人。のんちゃんは一番近くで不思議そうに見上げてます。
〖のんちゃん、グランパの所においで〗
「あ~い」
なんかちょっと蒸し暑いからグランパの所にそっとお引越し。盛り上がってるパパの片腕抱っこからグランパの魔法で脱出。
「ふわああああ♪」
ふよふよ宙を飛んでます!
『『『『のんちゃんとんでる!』』』』
『『『ですです!』』』
『『『一緒なのです!』』』
くるんくるん♪
「いっちょだね~♪」
『『『『いっしょ~♪』』』』
『『『『ですです♪』』』』
ふよふよ進むのんちゃんの周りを妖精さんと家妖精さんたちがクルクル飛んで喜んでます。
「とーちゃくぅ♪」ぽす
〖ほっほ。到着じゃな〗よしよし
グランパの抱っこ
です!
『のんちゃん、はやく飛べるようになるです!』
『そしたら一緒に飛べるです!』
『『『ですです!』』』
『『『『それいい~♪』』』』
「ふわぁ~のんちゃん、とびちゃい!」
できるかな~?
『ぴよ~ぴよ~(出来ると思うよ~。セイイチロウ飛べたもん。のんちゃんにはセイイチロウの魔法全部渡したからね~)』
「ふお?しょだっちゃ!おでここっつんこ、ぶわ~っちぇ」
魔法もらったよ!
『ぴよ~(でしょう~)』
「ちょんでみよ~♪」
どうやるのかな?
〖ううん。空を飛ぶのは危ないからの。違う魔法で練習してからの方が良いと思うぞい〗
『そうね。高いところで急に何か起こって落ちちゃったら大変でしょ』
「ふぎゅ~っいちゃちゃっ」
それは大変っ痛いのはイヤ~
『ぴよ~。ぴよぴよ~(そうか~。ぼくの時はぴーちゃんお兄ちゃんが飛び方教えてくれたから~)』
「ぴーちゃん⋯⋯」
そういえば、掛け軸の時に言ってたね。あと~
「ぽち、たま⋯⋯」
なんか、適当につけた?鳥さんとわんちゃんとねこちゃんかな?
『ぴよ~(よく覚えてたね~)』
「しょれは~⋯⋯」
だって、ぽちとたま⋯⋯忘れようがない
『ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃんはね~ぼくの首を掴んで飛んでくれたんだ~)』
「ほえ?」
〖〖『『首!?』』〗〗
「ほあっ!?」びくうっ
『ぴゅぴゅいっ!? (ビビびっくりした~)』
いつの間にかみんなが周りにいました。
〖陽葵や、首を掴まれてとはどういうことじゃ?〗
グランパがひまちゃんを覗き込むようにして聞いてます。
『ぴよ~ぴよぴよ~(セイイチロウがね~? 『 ヒヨコだから飛べないなんて誰が決めた! 死ぬ気でやれば出来ないことは無い!そうだ!ぴーちゃんに掴んで飛んでもらって羽を動かせ!そうすりゃきっと飛べるようになる!自転車と一緒だ!わははははっ』って言うから~)』
「まちゃ⋯⋯」
〖〖 聖一朗⋯⋯〗〗
『始祖様、またですか⋯⋯』
他のみんなも、無言ですごい顔
『⋯⋯それで、陽葵は一度で飛べるようになったのかい?』
ママが沈黙を破って聞くと
『ぴよ~ぴよぴよ~(まさか~何度も空から落とされたよ~)』
「ふぇっ!?」
落とされた?
〖〖落とされたって⋯⋯〗〗
『どんな風にだい?』
『ぴよ~ぴよぴよ~(えっとね~、『飛べない鳥はただの鳥だぁ!飛べ!飛ぶんだ!ぴーちゃん落と、はなせーっ!』って言われて落とされながら練習したんだけど~)』
「⋯⋯」
〖〖⋯⋯〗〗
『『『⋯⋯』』』
酷い話にみんな無言
『ぴよ~ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃんがね~、途中でセイイチロウに怒ってせめて紐付けてあげてって言ってくれてね~)』
『当然だろうね。ぴーちゃんっていうのは出来たヤツみたいだね』
うんうん。そうだね。
『ぴよぴよ~(うん。でもね~)』
ひまちゃんは思い出してみた。昔、セイイチロウたちとの楽しい日々のことを⋯⋯
ひゅううううっ
『ぴゅ~っい~っ(うわあああっ助けて~っ)』
『ピヨ助~っ』
どっこ~んっ!
『ぴゅい~い~(もうやめようよ~)』
『泣きごと言うな!お前はやればできる子だ!ピヨ助!』
『ぴゅい~(うわぁ~ん)』
『セイイチロウ、貴様、俺様の可愛い妹分にこれ以上怪我させる気か』ぐるる
『いやいや、落としてるお前が何言ってんの~』ぷぷぷ
『んなっ!?貴様がやらせてるんだろうがっ』
『え~?なんのこと~?』ぷぷぷ
『くっそ~、家妖精!俺様とピヨ助を紐で結びつけてくれ!それで落ちることはないだろ!せめてこれくらいいいよな!?セイイチロウ!』
『勝手にすれば~?』キヒヒ
『『『紐持ってきたですーっ』』』
『細いのあぶないですーっ』
『ハーネスにしたですーっ』
家妖精たちが紐をつけてくれました。
『ピヨ助、セイイチロウには何を言っても無駄だ!かわいそうだががんばれ!』
『ぴゅい~(うわ~んっ)』
『ほれ、がんばれよ~』きひひ
『ピヨ助、羽ばたけ!』
『ぴよ~(うわ~んっ)』バタバタバタ
『すまんっピヨ助っ』ぱっ
『ぴゅっ!?』ばたばたばたっ
ひゅううううっ
『ぴゅい~っ(うわぁんっやっぱり無理~)』
『ピヨ助~!』
ひゅううううっ ピンッ
『ぴゅ!?(えっ!?)』
びよんびよんっ
『ぴゃあああっ(助けてええっ)』
『ピヨ助~っ』
胃の中ひっくりかえっちゃうよ~っ
『ギャハハハハっやっぱりな!バンジー楽しそうだな!ぴよ助!ギャハハハハっ』
聖一朗、やっぱりひどい⋯⋯
思い出してみたけど、今思うと⋯⋯
『ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃんも、ちょっぴり残念だったかも~?)』
〖いや、ぴーちゃんとやらは頑張ってくれたと思うがの。それより聖一朗じゃろ⋯⋯〗
〖そうですね。なんだか生き生きと悪い表情を浮かべてるのが見える気がしますね~〗
『陽葵、よく生きてたわね』よしよし
『ほんとだね。悔しいねぇ、私がその場にいたらシバいてやるのに』
『『『ですです』』』
「ひまちゃん⋯⋯」ぐすっ
名前のことだってあるのに、ひどすぎる~
みんなで涙ぐみながらひまちゃんをなでなで。
そんなことをしてると、遠くの方から
『⋯⋯っ』
「うにゅ?」
〖ん?何か〗
〖聞こえましたね?〗
やっぱり?なんか聞こえるよね?
『あっ!見てあそこ!』
『なんか来るねぇ』
まぁまとママが見てるのは空?
「うにゅう~?」じーっ
きらんっ
「ふあ?」
なんか白いのが?
『ぴゅい~っ(ああ~っ)』
ん?ひまちゃん?
『⋯すけーっ』
あ、声もおっきくなってきた?
『ぴーよー助~っ』
ぎゅいい~んっ
『ぴゅいぴゅい~っ(やっぱり!ぴーちゃんお兄ちゃ~ん!)』
『ぴよ助ーっ』
「ふええ?」
ぴーちゃん?あれが?
『『『始祖様、やっぱりおかしいなのです』』』
『『『ですです』』』
〖聖一朗よ⋯〗
〖あはは、ぴーちゃんって感じじゃないね~〗
『降りてくるわよ』
『大きいねぇ』
『始祖様⋯⋯こんな大きい方をぴーちゃんと』
『『『『あ、あははは⋯⋯』』』』
みんなの意見は一致した。
聖一朗、やっぱり、ただもんじゃなかった
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読み頂きありがとうございます。大変お待たせして申し訳ありません。まだまだ本調子にはなりませんが、徐々に頑張りたいと思います。来週は法務局に行ったり、税務署や弁護士事務所に連絡しないといけなかったり、今から胃がキリキリです⋯癒しが欲しい。
他の作品でもお知らせしてますが、『転生初日に~』が書籍化されました。ご購入いただきました方ありがとうございます。巻末のQRコードより番外編もお読みいただけますので、よろしくお願いします。
『は、はい。私どもはそちらさえ宜しければどこでも⋯⋯』ちらちら
『『『はい!のんちゃんの近くでお守りできるのであればどこでも!』』』
パパに変わってママがエルフの族長さんたちを引越し候補地にご案内~♪お庭ひろ~いね♪お家いっぱい建てられそうだよ!
案内されてとっても元気な白騎士さんたちに比べて、族長さんはちょっとびくびく。その視線の先にはパパが。そのパパはというと⋯⋯
『⋯⋯』ぶっすー
いまだに超不機嫌。
『のんちゃんは誰にもやらん』ぶつぶつぶつぶつ
しかも呪文のように同じ言葉を繰り返し呟いてます。
「うに?」
パパ、お顔変だよ。なおれなおれ~ぺちぺちむにゅむにゅ
『の、のんちゃん?うぐっ』
「うにゅ~」
まだ変~なおれなおれ~。むにむにむにゅにゅ~
『ぶふっ』
〖あははっ、聖十郎の顔!のんちゃんもっとやっていいよ~〗
「あいっ」むぎゅむぎゅ~
『うぷっ』
のんちゃんを離さないパパ。抱っこしたのんちゃんに顔をむにむにされるがまま。
『まったく、いつまでぶすくれてんだい。これからお隣さんなるんだよ?のんのためにも仲良くしとくれよ』
『『『ですです』』』
『『『諦めも肝心なのです』』』
『『『ご主人、心が狭いなのです』』』
『『『ですです』』』
見かねたママと家妖精さんたちが色々言ってくれるけど
『うるさい。のんちゃんはだれにもやらん』ぶっすー
「うにゅー」
またぁ。なおれなおれ~むにむにむっにゅう~
『の、のんちゃん⋯⋯』
パパのお顔戻りません。
『あ、あはは⋯⋯』
族長さんが笑って誤魔化すしかないその後ろでは白騎士さんたちが何やらぼそぼそと⋯⋯
『聖十郎様、お変わりになったよな』
『いや、元からこういうお方だったのではないか?』
『今までおひとりだったから気づかなかっただけだったのかも』
『『『お労しい⋯⋯』』』
『おい⋯⋯聞こえてるぞ。おひとり様ってなんだ』ぶっすー
「うにゅう~」むぎゅぎゅ~
もう!なおんない~
『うぐっ』
のんちゃんの手がだんだん容赦なく⋯⋯
『でも、のんちゃんだからな』
『そうだな。可愛いのんちゃんのことだからな』
『心配されるのは無理もない。それなら』
『『『致し方ないな』』』うんうん
『ならば我らも』
『『『のんちゃんに悪い虫が付かぬように協力せねば』』』めらめら
あらら?こちらもなんだか様子が?
『おい。うちの息子たちを虫扱いするな』ムスッ
族長さん、さすがに聞き捨てならないと文句を言おうとするが
『いや!よく言ったお前たち!同士たちよ!』
『『『聖十郎様!』』』
ガシッ!
男同士の熱(苦し)い握手!に邪魔された。
「う?」こて
何してるのかな?でもパパのお顔はキリッと生き生き?
『まったく⋯⋯あんたも大変だねぇ』
『は、ははは、お手柔らかにお願いしたいところです』
『『『みんな見てるぴょん!』』』
『『『『うん。見てる』』』』
『花うさぎに妖精たちまでかい⋯⋯』
『心して越してきますね⋯⋯』
見張りはたくさん!
〖ほっほ。のんちゃんの周りは賑やかになるの〗
〖そうですね~〗
『いいことじゃない?さっきから男の子のことしか頭にないようだけど、女の子だっているんだから。きっと一番年下ののんちゃんは可愛がってもらえるわよ』
〖そうだね~面倒見よさそうな子達だし、きっと良いお姉ちゃんになってくれるだろうね~〗
『そうね。のんちゃんの傍から離れなくなるかも』
〖それは頼もしいの~〗
ぱぁぱとグランパ、それにローズまぁまはのほほんとしている。ぱぁぱとまぁまは実際に会ってるしね。いい子たちなのを知っているから安心してます。
『うぐぐ。味方が少なすぎる!』
『『『がんばりましょう!』』』
ぐっ
「う?」こてん
天に拳を突き上げる四人。のんちゃんは一番近くで不思議そうに見上げてます。
〖のんちゃん、グランパの所においで〗
「あ~い」
なんかちょっと蒸し暑いからグランパの所にそっとお引越し。盛り上がってるパパの片腕抱っこからグランパの魔法で脱出。
「ふわああああ♪」
ふよふよ宙を飛んでます!
『『『『のんちゃんとんでる!』』』』
『『『ですです!』』』
『『『一緒なのです!』』』
くるんくるん♪
「いっちょだね~♪」
『『『『いっしょ~♪』』』』
『『『『ですです♪』』』』
ふよふよ進むのんちゃんの周りを妖精さんと家妖精さんたちがクルクル飛んで喜んでます。
「とーちゃくぅ♪」ぽす
〖ほっほ。到着じゃな〗よしよし
グランパの抱っこ
です!
『のんちゃん、はやく飛べるようになるです!』
『そしたら一緒に飛べるです!』
『『『ですです!』』』
『『『『それいい~♪』』』』
「ふわぁ~のんちゃん、とびちゃい!」
できるかな~?
『ぴよ~ぴよ~(出来ると思うよ~。セイイチロウ飛べたもん。のんちゃんにはセイイチロウの魔法全部渡したからね~)』
「ふお?しょだっちゃ!おでここっつんこ、ぶわ~っちぇ」
魔法もらったよ!
『ぴよ~(でしょう~)』
「ちょんでみよ~♪」
どうやるのかな?
〖ううん。空を飛ぶのは危ないからの。違う魔法で練習してからの方が良いと思うぞい〗
『そうね。高いところで急に何か起こって落ちちゃったら大変でしょ』
「ふぎゅ~っいちゃちゃっ」
それは大変っ痛いのはイヤ~
『ぴよ~。ぴよぴよ~(そうか~。ぼくの時はぴーちゃんお兄ちゃんが飛び方教えてくれたから~)』
「ぴーちゃん⋯⋯」
そういえば、掛け軸の時に言ってたね。あと~
「ぽち、たま⋯⋯」
なんか、適当につけた?鳥さんとわんちゃんとねこちゃんかな?
『ぴよ~(よく覚えてたね~)』
「しょれは~⋯⋯」
だって、ぽちとたま⋯⋯忘れようがない
『ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃんはね~ぼくの首を掴んで飛んでくれたんだ~)』
「ほえ?」
〖〖『『首!?』』〗〗
「ほあっ!?」びくうっ
『ぴゅぴゅいっ!? (ビビびっくりした~)』
いつの間にかみんなが周りにいました。
〖陽葵や、首を掴まれてとはどういうことじゃ?〗
グランパがひまちゃんを覗き込むようにして聞いてます。
『ぴよ~ぴよぴよ~(セイイチロウがね~? 『 ヒヨコだから飛べないなんて誰が決めた! 死ぬ気でやれば出来ないことは無い!そうだ!ぴーちゃんに掴んで飛んでもらって羽を動かせ!そうすりゃきっと飛べるようになる!自転車と一緒だ!わははははっ』って言うから~)』
「まちゃ⋯⋯」
〖〖 聖一朗⋯⋯〗〗
『始祖様、またですか⋯⋯』
他のみんなも、無言ですごい顔
『⋯⋯それで、陽葵は一度で飛べるようになったのかい?』
ママが沈黙を破って聞くと
『ぴよ~ぴよぴよ~(まさか~何度も空から落とされたよ~)』
「ふぇっ!?」
落とされた?
〖〖落とされたって⋯⋯〗〗
『どんな風にだい?』
『ぴよ~ぴよぴよ~(えっとね~、『飛べない鳥はただの鳥だぁ!飛べ!飛ぶんだ!ぴーちゃん落と、はなせーっ!』って言われて落とされながら練習したんだけど~)』
「⋯⋯」
〖〖⋯⋯〗〗
『『『⋯⋯』』』
酷い話にみんな無言
『ぴよ~ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃんがね~、途中でセイイチロウに怒ってせめて紐付けてあげてって言ってくれてね~)』
『当然だろうね。ぴーちゃんっていうのは出来たヤツみたいだね』
うんうん。そうだね。
『ぴよぴよ~(うん。でもね~)』
ひまちゃんは思い出してみた。昔、セイイチロウたちとの楽しい日々のことを⋯⋯
ひゅううううっ
『ぴゅ~っい~っ(うわあああっ助けて~っ)』
『ピヨ助~っ』
どっこ~んっ!
『ぴゅい~い~(もうやめようよ~)』
『泣きごと言うな!お前はやればできる子だ!ピヨ助!』
『ぴゅい~(うわぁ~ん)』
『セイイチロウ、貴様、俺様の可愛い妹分にこれ以上怪我させる気か』ぐるる
『いやいや、落としてるお前が何言ってんの~』ぷぷぷ
『んなっ!?貴様がやらせてるんだろうがっ』
『え~?なんのこと~?』ぷぷぷ
『くっそ~、家妖精!俺様とピヨ助を紐で結びつけてくれ!それで落ちることはないだろ!せめてこれくらいいいよな!?セイイチロウ!』
『勝手にすれば~?』キヒヒ
『『『紐持ってきたですーっ』』』
『細いのあぶないですーっ』
『ハーネスにしたですーっ』
家妖精たちが紐をつけてくれました。
『ピヨ助、セイイチロウには何を言っても無駄だ!かわいそうだががんばれ!』
『ぴゅい~(うわ~んっ)』
『ほれ、がんばれよ~』きひひ
『ピヨ助、羽ばたけ!』
『ぴよ~(うわ~んっ)』バタバタバタ
『すまんっピヨ助っ』ぱっ
『ぴゅっ!?』ばたばたばたっ
ひゅううううっ
『ぴゅい~っ(うわぁんっやっぱり無理~)』
『ピヨ助~!』
ひゅううううっ ピンッ
『ぴゅ!?(えっ!?)』
びよんびよんっ
『ぴゃあああっ(助けてええっ)』
『ピヨ助~っ』
胃の中ひっくりかえっちゃうよ~っ
『ギャハハハハっやっぱりな!バンジー楽しそうだな!ぴよ助!ギャハハハハっ』
聖一朗、やっぱりひどい⋯⋯
思い出してみたけど、今思うと⋯⋯
『ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃんも、ちょっぴり残念だったかも~?)』
〖いや、ぴーちゃんとやらは頑張ってくれたと思うがの。それより聖一朗じゃろ⋯⋯〗
〖そうですね。なんだか生き生きと悪い表情を浮かべてるのが見える気がしますね~〗
『陽葵、よく生きてたわね』よしよし
『ほんとだね。悔しいねぇ、私がその場にいたらシバいてやるのに』
『『『ですです』』』
「ひまちゃん⋯⋯」ぐすっ
名前のことだってあるのに、ひどすぎる~
みんなで涙ぐみながらひまちゃんをなでなで。
そんなことをしてると、遠くの方から
『⋯⋯っ』
「うにゅ?」
〖ん?何か〗
〖聞こえましたね?〗
やっぱり?なんか聞こえるよね?
『あっ!見てあそこ!』
『なんか来るねぇ』
まぁまとママが見てるのは空?
「うにゅう~?」じーっ
きらんっ
「ふあ?」
なんか白いのが?
『ぴゅい~っ(ああ~っ)』
ん?ひまちゃん?
『⋯すけーっ』
あ、声もおっきくなってきた?
『ぴーよー助~っ』
ぎゅいい~んっ
『ぴゅいぴゅい~っ(やっぱり!ぴーちゃんお兄ちゃ~ん!)』
『ぴよ助ーっ』
「ふええ?」
ぴーちゃん?あれが?
『『『始祖様、やっぱりおかしいなのです』』』
『『『ですです』』』
〖聖一朗よ⋯〗
〖あはは、ぴーちゃんって感じじゃないね~〗
『降りてくるわよ』
『大きいねぇ』
『始祖様⋯⋯こんな大きい方をぴーちゃんと』
『『『『あ、あははは⋯⋯』』』』
みんなの意見は一致した。
聖一朗、やっぱり、ただもんじゃなかった
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読み頂きありがとうございます。大変お待たせして申し訳ありません。まだまだ本調子にはなりませんが、徐々に頑張りたいと思います。来週は法務局に行ったり、税務署や弁護士事務所に連絡しないといけなかったり、今から胃がキリキリです⋯癒しが欲しい。
他の作品でもお知らせしてますが、『転生初日に~』が書籍化されました。ご購入いただきました方ありがとうございます。巻末のQRコードより番外編もお読みいただけますので、よろしくお願いします。
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占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。
誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。
3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。
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最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
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こちらも、よろしくお願いします。
*8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。
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