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22 さあさあ!

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「う、うう~ん」
ど、どうしよう?名前ははっきりいって要らない。家族や友だち⋯もいなかったし、そっちの記憶も要らないな~。
でもな~畑のおじいちゃんと、美味しそうなお菓子やご飯のレシピ⋯食べてみたかったなぁ。食べたこと無かったからな~。これは捨てがたいな~。うう~ん⋯

『何を迷うことがあるんだい?せっかく体がちびっ子になったんだ。心だって若返った方が健全だと思うがねぇ?子供は子供らしいのが、一番さね』
ママ⋯そうかもしれないんだけどね?
『そうよ!だからつまらないことは忘れて、私の娘になりましょう!』
『何言ってんだい。私の娘だよ』
『私のよ!』

「あ、あわわわわっ」
また始まっちゃった!
〖うんうん。大人気だね~〗なでなで
だから、神様、違うでしょ!

『二人とも静かにしないか。だから、私の娘だと言っているだろう。私と同じハイエルフ、神もだから私のところに導いたのだろう?』

〖うん。まあ、君たちが一番信頼できるし、この子にとっていい環境だと思ったしね〗
「え?」
〖うふふ。これだけ賑やかなら、絶対寂しい思いはしないでしょう?それにほら、畑だって〗
「あっ!はちゃけ!えっちょ、はちゃけ、おてちゅだい、ちていいでしゅか?」
土いじりしたい!
『もちろん。君も土いじりが好きなんだね?』
「あい!だいしゅきでしゅ!」
〖ふふ。何でも好きなだけやるといいよ。お菓子作りや、料理もね。あっでも火や包丁は小さいから危ないかな?〗
『そこは私がしっかり見るよ。やれることからやればいいさ』
『私もっ私も手伝うわ!』
「ありがちょごじゃいましゅ!」
わ~い!やった~♪

〖くすくす。良かったね〗
「あい!」にこにこ
神様のおかげだよ!

〖う~ん、そしたら、おじいちゃんと畑仕事したり、お茶したりしたことと、お料理は楽しくて大好きだったってことは残して、他を消すのはどうかな?〗にこにこ
「え?」
そ、それは、それが出来たら嬉しいけど

『神よ、そんなことが可能なのか?一部分だけ残すなど、難しいだろ?』
やっぱり大変なことなんだよね?

〖本来ならね。でも、今回は日本の神様の了解も得てるし、この子の中で残したい記憶が本当にこの二つだけというのがあるからね。大丈夫だよ〗

『そうか。なんとも理由が悲しすぎるが⋯なあ、名前は私が、いや、私たちが良い名を必ず考えよう。だから、嫌なことは全部忘れて、私たちと本当の家族になってくれないか?』すっ

ハイエルフさん、家族になってくれるの?
ハイエルフさんが、優しく手を握ってくれると、その上に二つの手が重なってきた。

『そうね。みんなの娘になればいいのよね。お名前はみんなでかわいいの考えましょう。あなたも一緒に』にこ
『そうだねぇ。自分の名前を自分で考えられるなんて中々出来ないことだしね。いいんじゃないかい?料理に関してはこの家の書庫に眠ってるご先祖から伝わる本。もしかしたらお前さん、読めるんじゃないかい?』

『『あっ!』』
〖あ~そう言えば、そうだったね~〗

「ほええ?」
どういうこと?この家のご先祖さまの本がなんで私が読めると思うの?

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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