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3 最強魔術師なかよしきょうだい!

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本日二話目です。よろしくお願いします。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜

がらがらと崩れ去った邸⋯幼いきょうだいたちは儚く⋯

『なぁんてね!この私がいるのにそんなことになるわけないでしょう!おほほほほ』
森の中、少女が高らかに笑っている。

「『ねぇたま、しゅご~い!』」
ぱちぱちぱち!
小さな弟と妹は素直に拍手!ピュア!その横で

『わふ~ぅ』
仕方ないわね~何してるのかしら、この子⋯⋯と思っている愛犬。

『なによ~。その『呆れた~』って声は?かわいいフィリーとミュリーを見習いなさいよ。それに、いい加減そのわざとらしい普通の犬のまねはやめたら?フェルルン?』
『⋯ちょっと、その呼び方やめてよ。私の名前はフェルリーなのよ。その名前だってルゥリーがフェンリルって言えなくて『フェルフェル』言うから、あなたたちのママが面白がってフェルリーになったんじゃない』
『そんな小さい頃のことなんか知らないわよ~っだ!べ~』
『あなた、神聖なるフェンリルをなんと心得てるのよ?』
『え~?と~っても頼りになる、私たちの家族⋯の、わんちゃん♪』
『ルゥリー~⋯⋯』ぺとぺと『ん?あら、フィリー、ミュリー、どうしたの?』
姉ルゥリーと、フェンリルのフェルリーが言い合っていると、黙ってその様子を見ていた年子の弟フィリーと妹ミュリーが抱きついてきた。

「『ふぇるるん、や~?』」うるうる
『え?そ、そんなことないのよ?あなたたちはいいのよ!』あせあせ
フェルルンとは、まだ小さくてフェルリーと上手に言えないちびっ子たちの呼び方なのだ。

『あ~フェルリーったら泣かせたわね~?』にやにや
『なっ!ルゥリー、あんたって子はこんな時だけ』
「『や~?』」うるうる
『ああっ、あなたたちはまだ小さいんだからいいのよ?ね?』
「『ほんちょ?』」うるうる
『ほんと!ほんとよ!フェルルンかわいいわよね』
「『よかっちゃ~』」にぱ
『うんうん。あなたたちはかわいいわね~』もふっ
『あははははっ』
『ルゥリー、あんたはかわいくないわよ』ぐるる
『え~ひどぉい』
「『ねぇたま、かわいいよ~?』」
『いやぁ~ん、いい子たちね~。フィリーとミュリーもかわいいわよぉ♪』ぎゅむぅ~ぐりぐり
「『えへへ~♪』」ぎゅう~
ねぇたま、だいすき~♪

さっきまでの緊迫感はどこへやら、どこかの深い森の中、ここだけほわほわした空気が⋯⋯。

『こほん。まあ、とにかく、いつまでもここに居る訳にはいかないわよ。そろそろ移動しましょう』
この中で一番のお姉さんであるフェルリーが辺りを見回しながら子どもたちをうながす。

『そうね。ねぇ、フェルリー。この森ってママのお友達の森なんでしょ?』
『そうよ。でも彼らの住処はこの森を抜けたところにあるのよ。なんとか暗くなる前にそこまでいかないとね』
『そうよね。それじゃ、フェルリー、久々に私たちを乗せてくれる?』
『任せなさい』ぐぐぐんっ
そういうとフェルリーは体を大きくした。

「『ふわあああっ』」
「ふぇるるん、しゅごいのら~♪」きらきら
『おっきくにゃっちゃ~♪』きらきら
ちびっこ兄妹はおっきく開いたおめめをキラキラさせて、バンザイするようにぴょんぴょん飛び跳ねている。

『そっか、邸にいた時はここまで大きくなったことなかったものね。どうかしら?この姿も中々でしょ?』バチンッ
「『うん!しゅご~い♪』」キラキラ
『ふふん♪そうでしょうそうでしょう』
フェルルンすごいのだ!

ちびっこたちはフェルルンの足に抱きついて大興奮!

『さあ、乗って。ルゥリー、ちゃんと二人を支えるのよ。まあ、私が落とすわけないけど』
『分かってるわよ。さあ、出発!』
「『しゅっぱ~ちゅ!』」

そんな訳で、叔父である騎士団長の読み通り、怪我ひとつなくピンピンしている三人と一匹『四人でいいじゃない!』⋯⋯家族四人は颯爽と森を駆けていくのでした。

「『ふあああ~』」
「ふぇるるん、もふもふ~♪」すりすり
『もふもふ~♪』
『確かに、もふもふよね~』
「『『きもち~♪』』」

『ちょっと、そこの仲良しきょうだい。まだ寝ないでちょうだい』
「『『もふもふ~ん♪』』」
『ちょっとぉ!?』
がんばれ♪ふぇるるん♪
『フェルリーよ!!』

☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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