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雪乃都鳥

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彼氏の家

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「うぉっ、急に投げんなって」
 枕を受け止めたなぎさが、投げ返してくる。
「ったく、なんでそんなに粗暴なんだよ 」
「だって、だってさー」
 ぶつくさいいながら、俺の話に付き合い洗濯物を畳んでいる。俺もそこら辺のTシャツを取っておいて畳む。
「・・・なるほどねぇ」
 少し手を止めて、渚はこっちを見た。目が合う。すぐさまほてた顔を逸らした。
「何が嫌だったの」
「・・・、俺のことに触れて嫌なこと言われたから」
「なんで嫌だったん?」
 言葉は直ぐにはでてこなかった。
「・・・・俺を、否定されたこと」
 そこまで言うと、頭を撫でられた。
「だろ、気にすんなって。ただのお節介だろ」
「うん・・・」
 撫でられている内に、なぜか全てがどうでもいい気がした。
「ほら、お前はのんきに笑ってる方が可愛い」
 そうだ、こんな風に。今日もこいつに胸を締め付けられる。
 山になったTシャツをいちいちに畳んでいると、小さな頃の俺が浮かんだ。
「保育園の時さ、俺なにに憧れていたと思う?」
「・・・、なんとか戦士?」
「違うし、冒険者」
「そんな大差ないだろ」


 昔を振り返ると、思い当たる節があるのは、そんなに珍しいことではなかった。 
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